ルヴァン杯PO第1戦 FC東京×湘南(駒沢)


 駒沢でサッカーを観るのは実に2009年の大晦日以来。毎年冬の選手権を観に行く時に候補にしつつも結局三ツ沢や等々力中心になってしまう中で、いつの間にか10年以上経ってしまっていた。そしてここでプロの試合を観るのは初めて。それがこの試合に行った最大の理由だったのだが、コロナ禍とは言え休日を思い思いに過ごす人々が行き交う広い公園内のスタジアムというのはやはり良いな。10年前と目に見えて違うのは映像装置のカラー化(静止画のみで動画は流れず)とトラックが青になったことか。

 A代表、U24で東京は小川、田川、湘南は谷が不在だったが、前半は東京がやや押し気味も、良い形でボールを奪ってもラストパスが通らずシュートに至らないシーンが目立った。今日はバクスタにいたのだが、前半は目の前で東京の左SBバングーナガンデと湘南の右SH畑の同世代マッチアップが面白かった。前半は畑のアグレッシブさが少し勝っていたかな。湘南の試合を観る度に書いているが、このチーム、特にサイドのポジションは運動量、攻守の切り替えなど、どのチームでも必要とされ、プロで食ってく為に必要な要素を学ぶことが出来る。畑は2年前のU17W杯メンバーだが、1列後ろの田中も同様。上背は無い中で3バックの左として粘り強い守備と、何より落ち着いた正確なフィードが印象的。
 後半、湘南は左SHの毛利が岡本に替わり、畑とポジションを入れ替えたのだが、後半半ば頃にその右サイドの岡本のクロスから同じく途中出場のウェリントンが中央で合わせて先制。この選手もかつてのマルキーニョスみたいに複数のJクラブを渡り歩いているストライカーだけど改めて経歴を見たら20歳ぐらいの頃にホッフェンハイムやトゥエンテにいたことを知った。
 東京としては三田、東、レアンドロといった攻撃陣を投入した後の失点だったが、その後は湘南を押し込む展開が続いた。エリア外中央からのミドルもあったが(GK富居がセーブ)、エリア内にいいパスが入ってシュートという場面(2~3回)はいずれもDFがよく対応してブロック。こういう場面でしっかり相手に付いて身体を投げ出せるのはさすがという他無い。終盤は引いて守る湘南に東京はパスの出し所が無くなり後ろに下げる場面もあるなど、決め手を欠き、1-0で湘南の勝利。アウェイで無失点勝利というのは大きいが、最少得点だけにまだ分からない。
 ただ、観ていて1つのサイクルの終焉のようなものは感じた試合でもあった。東京のサッカーは(特に前は)個の力に依存する部分が大きいが、ディエゴ、アダイウトンレアンドロ、永井といったタレントを揃えてもそれが結果に比例しないもどかしさ。どうも長谷川監督のガンバ時代と重なる部分も多い(就任2年目をピークに徐々に成績を落とす)ように感じるが・・。そんな中で右SBでスタメンだった岡庭(アカデミー出身で明大在学中の特別指定選手、来季加入内定)はオーバーラップやサイドチェンジなどダイナミックなプレーでチームを活性化していたかな。しかし長友以来、明大→FC東京のSBは他に室屋、中村帆高などブランド化している感もある笑。

 試合後は桜新町で神社巡りをしつつ二子玉川まで出て帰宅。