J1第31節 湘南×横浜M(レモンS)


 緊急事態宣言期間の終了で急遽アウェイサポの入場も認められるようになって行くことにした。まぁこの「感染拡大状況如何によってアウェイサポの入場禁止」という規定は、本来は遠距離移動による感染拡大防止を意図したものだが、現実的には同県チーム同士の試合、あるいは地方出身で故郷のチームを応援している横浜在住者が、日産や三ツ沢でマリノスとそのチームの試合に行くのは?と様々な状況が存在する。従って実際にはユニなどアウェイチームのグッズを身に付けないという一線を守った上で、メイン、バックのアウェイ寄りには普段はアウェイチームを応援しているんだろうなという人を多く見かける。コロナはサッカーに限らず色々新しいルールや常識を生んだけど、これも規定と実態の折衷による暗黙のルールというべきか。
 それはともかく行くとは決めたものの平日夜に平塚までの移動、そして台風という障壁があった訳だが、この日は藤沢の3rdオフィスを利用することでまず移動の問題を解決。コロナ禍以降、会社が様々なシェアオフィスと契約して各地で使える場所が増えてはいたものの、今日ほどその恩恵に預かったことは無かった。台風も直撃せず夕方には遠ざかるとの予報で、さすがに仕事中は風雨が強かったものの、平塚駅に着く頃には予報通り雲も消えて無事観戦。湘南と言えばスタグルが有名だが、今日は台風の影響もあってか出店数は限られており、着いた時には完売している店も多く、買えたのはタコスのみ。入場し席に着いた瞬間に試合が始まった。

 前半はほぼ湘南ペースでマリノスに決定機と呼べるものは無かったのではないかと思う。最終ラインから中盤までの繋ぎはスムースだが、そこから先にボールが渡らない場面が多く、たまにサイドにボールが通ってクロスというシーンはあったもののシュートには至らず。逆にボールを奪われた後自陣深くまで攻め込まれるシーンが目立った。
 湘南の攻撃は主に左サイドのの突破からだったのだが、この選手は6月のルヴァン杯(奇しくも相手は湘南)でも目立っていたが(その時は右サイド)、攻守にアグレッシブでまさに「湘南のサイドハーフ」というプレー。
 湘南でもう一人目に付いたのは田中聡。4月に日産で観た時は3バックの左だったが、今日は中盤での出場。DAZNで視た川崎戦でも先制点を挙げるなど良い選手だなと思ったが、今日は中盤で寄せられてもまるでそれを予測していたかのようにダイレクトではたいたり、パスコースを見つけ出して展開したりとその技術と判断力に驚いた。そして畑と共通するのはただ上手い、走るだけではなく機を見て前に出たり、味方をサポートする献身性。これがあれば大概のチームではやっていけるだろうし、遠藤航や鈴木冬一の様に欧州に行くことも夢では無くなる。湘南の試合を観る度に言ってるが、ここは若い選手にとって最高の学校だなと改めて。と同時にこの2人は19年U17W杯メンバーのパリ世代であり、やはりこの世代は総合的に東京世代からまた1ステップ高みに達している印象も。
 この様に前半は湘南ペースで一度町野が高丘と1対1になるシーンもあったのだがこれは高丘がセーブして0-0で後半へ。町野は元マリノスということで注目していたのだが、そもそも昨年北九州で7ゴールを挙げたものの、ゴールはほぼ前半戦に集中して後半は点が取れてなかった中でJ1にステップアップ出来たのが意外ではあった。ウェリントンやかつての山﨑凌吾の様な前線で身体を張るタイプでも無く、スペースに飛び込む、動きのキレでシュートスペースを作り出すといった特長も無いのでまだJ1ではちょっと厳しいのかなという印象。

 後半もほぼ同じ展開だったが60分過ぎにマリノスは仲川、マルコス、杉本inの3枚替え、その数分後に仲川が右サイドでボールを奪いクロス→前田大然が中央で合わせてマリノスが先制。やはり前田はこのパターンだよなぁ。今日は左サイドだったが所謂サイドアタッカーでは無く、こうしてエリア内に走り込んでワンタッチで合わせるのが得意な選手。その後は一度ウェリントン?のヘッドを高丘がセーブというシーンはあったものの、それ以外は湘南を上手く抑えてマリノスの勝利。そうそう初めてマリノスでの杉本健勇を生で観たが、ソックスを下げたスタイルと、随所のヒールパスなどオサレプレーが悪い意味で印象深い。J1で2桁ゴールしたのが1シーズンだけなのに、セレッソ以外に川崎、浦和、マリノス所属ってこんな恵まれた選手いないが、インパクトのあるゴラッソ1点ではなく泥臭く押し込んだゴールを2点、3点と積み重ねていくのが必要だと思うのだが・・。

 前半は湘南がペースを握り、後半はマリノスが地力の差を見せるというのは前節の湘南vs川崎戦と似たような展開。湘南は残り横浜FC、仙台、徳島との直接対決を残しているのでそこで勝点5以上は取りたいところ。マリノスとしてはもう残りは勝ち続けるしかないが、2年前ほどの勢いはあまり感じないのも事実。観戦は実に5/15以来だった。帰りは初めてシャトルバスを使ったが、道路も空いていて数分で平塚駅着。平塚は東海道に乗れば横浜まで1本なので実距離ほど遠さは感じない。