高校選手権 決勝 大津×青森山田(国立)


 9年振りに選手権の決勝を観に行った。前回は鵬翔と京都橘というカードで雪で順延された試合で、京都橘には仙頭(名古屋)、小屋松(柏)がいた。国立はスタジアムそのものに対しては色々突っ込み所は多いが、アクセス面では(都心かつ複数の駅から徒歩圏内という点で)日本最高クラスなのは間違いない。埼スタ開催時は足が遠のいていたが、今年は行ってみようかなと。過去の新国立観戦経験を踏まえ、これまでと違ったアングルと言うことで2階席、そして座席の前後間隔の狭さを考慮して通路側の席を確保した。実際現地に着いたのは開始直後だったので、通路側で正解だった。

 試合は序盤から青森山田が押しつつも大津が踏ん張る展開。大津はプレミアウエスト4位と、これは高体連では青森山田(プレミアイースト優勝)に次ぐ成績、つまりこの決勝は文字通り今年度の高体連トップ2チームによる戦いだった訳だが、大津は相手ゴールエリア手前辺りまではボールを運べるが、そこからなかなかシュートに結び付かず。山田の寄せの速さや激しさにボールを繋げなくなるシーンも多かった。そんな中で前半残り10分を切ってから青森山田が立て続けに点を取って2-0。先制はCKからだったが、押し込みながらなかなか点が取れない時にセットプレーで点が取れるのは大きい。ただ過去の選手権決勝では2点差からの大逆転試合もあったし(まさに一昨年静学が青森山田を逆転したように)、青森山田優勢とは言え流れはどこで変わるか分からないと思いつつハーフタイムへ。
 
 ハーフタイムはトイレがてら2階を少し歩いてみた。今日の席には階段で上がりスタンド中段の出入口から入ったが、上段にはコンコースもあり、使用されていなかったがラウンジ席も備えられていた。

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ラウンジ席(2階)

 ボックス席やペアシートならともかく、こういったラウンジ席で試合を観るイメージはあまり湧かないが。飲食店が併設されて試合前後やハーフタイムの溜まり場的スペースというのならまだしも。

 後半も前半と同じ展開で、開始10分頃に青森山田が追加点を挙げて、これで勝負あったかなと。さすがに3点差はキツい。大津も中盤にはボール扱いの上手い選手がいるのだが相手の寄せになかなかゴール前までボールを運べない。CFの9番はかなり長身(調べたら191cmあるらしい)で序盤は空中戦に勝つシーンも見られたが、徐々にボールに絡めなくなってしまった。空中戦と言えば青森山田のヘディングは、どの選手もジャンプした最高到達点で合わせており、これは普段から意識してるんだろうなと。ジャンプしても体が伸びきっていればヘッドもただボールに当てるだけになってコントロール出来ないが、そこもしっかり体勢を整えていた。その後は青森山田が中盤でボールを奪ってカウンターでチャンスというシーンが続き、半ば過ぎには4点目も入ってそのまま試合終了。青森山田が3年振りの優勝。

 1/2の阪南大高校戦は手堅く勝ったとは言え阪南大のチャンスもそれなりにあった中での今日の圧倒的な内容。恐らく最初から準決勝、決勝にピークを合わせてたんだろうな。それは過去2年連続決勝で敗れたのを踏まえてのものだったかもしれない。大津も今日では無くもっと早い段階で当たっていれば内容も変わったかもしれないが、コンディション100%ではなくともしっかり勝ち、ここぞと言うときにはフルパワーで相手を圧する青森山田が強者だった。
 今後も青森山田がU18年代の強豪の一角ではあるのは間違いないだろうけど、今年度のような3冠となると、ベースとなる戦い方にタレントの質も必要になるので、来年度はどうなるか分からない。特に今日のスタメン、控えに下級生は2年生が2人いただけ。それだけ3年生の力があったということだろうけど、3年で選手が入れ替わる環境で毎年力を維持するのは大変なこと。加えてこのサッカーに勝つにはどうしたらいいか日本中のチームが考えている訳で、それが結果的に(激しいプレスにも動じず技術を出せるタレントなど)選手の育成にも寄与するのだろう。
 タレントと言えば青森山田にはプロに行く選手が2人いるが、前新潟アルベルが就任したFC東京ポポヴィッチの町田とどちらもボールを大事にするサッカーなので、繋ぐよりも長いボール中心に堅く戦う青森山田のサッカーで育った2人がどうなるのかは興味深い。

 帰りは久々に外苑前駅経由で。次の観戦は来月だな。オミクロン株の感染拡大でまた緊急事態宣言となることのないように。過去の例を見ても1月中にピークアウトするのではないかと思うのだが・・。