ACL GL第2節 甲府×ブリーラム(国立)

 甲府ACLのホーム戦を国立で開催するのを知ってから1試合は観に行こうと思っていた。失礼ながらACLでどこまでやれるのか興味があったし、国立でホーム開催なので行きやすいってのもあり。マリノスとはホーム、アウェイが逆なので予定を立てやすかった。
 甲府のホーム国立というと9年前にも一度行っている。
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2014年の開幕戦でこの時は大雪で小瀬が使えず、急遽国立で代替開催という経緯だった。それ以外にも、観に行ってはいないが最初にJ1昇格した頃に年1の記念試合として国立でホーム開催したり、ホーム戦ではないが今年のスーパー杯にも出たり、地方でJ2歴が長いクラブの中ではこのスタジアムの利用回数は多いのではないかと思う。
 国立に行く時は毎回観る場所を出来るだけ変えているのだが、今回は1階席のみ販売ということもあり、バクスタ1階のアウェイ寄りにて。18:45頃に現地着。

バクスタ1階アウェイ側

 1階席自体は去年の高円宮杯プレミアファイナルで観た事はあるが、傾斜が緩い分ピッチは遠く見えるが、2、3階席の様な前後間隔の狭さは緩和されている。国立の球技場化が白紙になったのは色々言いたい事あるが、少なくとも屋根が付いて1階席でも雨に濡れずに済む点においては旧国立と比較して断然マシ。今日の様な雨が降り続く天候では、たとえチケを買っていても旧国立なら観戦を取り止めていただろう。
 試合前には場内暗転し選手紹介、そして試合開始。

試合前
  • 試合

 緒戦のメルボルン戦を視て十分戦えるなとは思っていたが、今日も開始からほぼ互角の展開。相手があまり組織立って攻めてこなかったのも大きかったと思うが、個々が体を張りつつ複数で連携も取って上手く守り、相手陣内に攻め込む機会も幾つか。相手のブリーラムは近年ACLでよく聞く程度の知識だったがメンバーを見ると元マリノスティーラトンに監督は19~20年にマリノスのコーチだったアーサー・パパス、そして最終ラインには元鳥栖の金敏爀とJ経験者が数名。タイ代表もティーラトン含め4~5名いるようで、国内では2季連続3冠(リーグ、カップリーグカップ)という絶対王者らしい。その割には前述した様に個々の力に依存したサッカーで、その個人も中東勢の外国人選手ほど突き抜けている訳ではないので甲府としては想定の範囲内だったのではないかと思う。まぁさすがにティーラトンは甲府の選手が寄せても落ち着いたボール捌きでプレーの判断も他の選手とワンランク違ったけど。今日はマリノス時代の左SBではなくボランチでプレーしていた。

アウェイゴール

 ただ甲府も攻撃は相手ゴール近くでの精度がいまいちで、フォローが少なくパスの出しどころに迷ったり、単独突破を試みて相手に対応されてボールを失う場面が多かった。ウタカが前線でシュートチャンス得たら何とかなりそうだったが、前線までボールを入れるにはそれこそウタカが下がってボールを受け、展開しないといけないというジレンマ。前半は一度だけウタカがクロスを受けてゴール前中央からシュートというシーンがあったが、これは浮いてしまった。他に目に付いたのはMF武富の落ち着きと右SB関口のオーバーラップくらい。前半の終わり頃は相手に攻められてCKを与えるシーンが続いたがこれも凌いで0-0。

 後半の甲府は少し落ち着いて攻撃でも味方のフォローが増えた。途中からウタカに代わってクリスティアーノが入り、セットプレーからシュートシーンも増えて行ったが最後の一線を割れず、逆に終盤からは相手の攻勢に押される時間も増えていった。これは緒戦に続いてスコアレスか、まぁ2試合2分でも甲府にとっては悪くない結果だなとか思っていたのだが、そんな中で右からのクリスティアーノのクロスを長谷川が頭で合わせて甲府が先制した。GKが飛ばず見送ったような形になったので、自分の席からはポストの横に逸れたのかなと思ったらボールはネットの中に入っていた。AT4分もしっかり守って甲府ACL初勝利。

試合終了直後

 先ほど書いたように甲府は攻撃面でのクオリティは物足りなさを感じたりもしたのだが、守備も含め全体的には相手に十分対抗出来ていたし、Jの基礎水準の高さというか、たとえJ2所属でもここまでのサッカーを披露出来るというのを示してくれたと思う。丁度同時間帯ではU22代表がアジア大会で準決勝を戦いU24香港に4-0快勝していたが、この世代の主力組の大半がおらず、大学生も数名入りながらここまで戦えるのを示したのにも通じる。ACLは今後も今日の様なギリギリの試合が続くだろうが、GL突破の可能性は十分あると思う。まぁ甲府の場合昇格争い中でもあるのでメンバーのやり繰りが大変かもしれないが。

  • 他クラブサポ国立集合

 今日の試合は甲府側が呼び掛けたのもあって他クラブのサポがかなり来ていた。

国立外周路にて

まぁ自分もそうなのだが、国立競技場駅で降りたら改札口にいきなり京都ユニ着た人がいたのは不意を突かれたな笑。入場後も自席近くにマリノス、熊本、清水、北九州、後は代表ユニを見掛けた。SNSで見ると更に多くのクラブサポが来ていた様だが、自分の席(バクスタアウェイ寄り)にはそこまで目立つほどには、という感じで当然ながら甲府ユニが大多数。
 他クラブのサポが参戦というと2016年の熊本地震で本拠地を使用できなくなったロアッソが柏でホーム戦を開催した事があったが、
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あの時も様々なユニを見た記憶。
 個人的には「関係ないチームのユニで絶対来るな」とは思わないし(試合の種類、観戦場所といったTPOはあると思う)、今日も7年前の日立台の様に厳しい状況にあるJ2クラブだから皆で応援しようという機運が高まったというのはあると思う。自分はユニを着ていくつもりは無かったが、色々なユニを見れて同じサッカー好きとして親近感を抱いたりもしたし、今日こうだったからと言って日産、等々力、埼スタACLで同じ事が起こるとも思わない。ただこれも個人的感覚だが試合後のハイタッチは若干引いたな。甲府を応援する為、各クラブのサポが同じサッカー好きとして応援するクラブのユニを着る者もいたりで国立に集まり、見事勝利、それだけで十分だし慣れ合い過ぎだろうと。ハイタッチ会して仲良く集合写真撮って、それをリーグ公式がSNSに掲載、めでたしめでたし、というのは自分の感覚では一線越えたのでそれに賛意を示す事は出来ないが、まぁスタンスは人それぞれてことで。スタンスというのは決して白黒二つの選択肢だけでは無く灰色もあり、灰色にも濃い薄いあるものだとは思う。

  • 試合後

 今日は午後には雨が止むと思っていたら結局夜までずっと降り続き、急に秋らしく冷えてきたのもあって試合後は久々ホープ軒に寄り、千駄ヶ谷駅から帰路へ。駅まで歩く途中コインパーキングにユニ姿の人が何人かいたので何気なく車を見ると殆どが山梨ナンバー。はるばるホームタウンから遠地に参戦する人には同じサッカー好きとして親近感あるし、車遠征も最近は遠ざかってるが、皆で行けば運転の負荷も感じなかったりするよなと過去の遠征を思い出すなど。