永井秀樹引退試合 Verdy legends×J legends(西が丘)


 昨日急遽友人から誘いがあって行くことになった。自分はまだ夏休み中なのだが、待ち合わせ場所の本蓮沼駅にスーツ姿で着た友人を見て今日が月曜だったと気付いた(笑)
 事前にチェックした限りでは今日の出場メンバーはなかなか豪華という事だったが、やはり実際に選手達を見るとそれを実感する。背番号順に並んで一人ずつ紹介されたのだが、ヴェルディの8番北沢、9番武田、10番ラモス、11番カズと並ぶ姿は子供の頃はアンチ・ヴェルディだった自分でも圧倒的なオーラが感じられ、胸に込み上げてくるものがあった。またカズの立ち姿が格好良いんだな。背筋を伸ばして姿勢良く立つ姿を見ながら、この人なりのダンディズムというか、サッカー選手として男として何が公の場に相応しい振る舞いなのか意識してるんだろうなと思わせた。というかもはや無意識にそうした振る舞いが出来るレベルなのかもしれないが。
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 ちなみにだが、ウェルディが着ていたATHLETAのユニはJ開幕前の読売クラブ時代を思わせる深緑でなかなか格好良かった。
 ヴェルディと対戦するJ legendsも豪華な顔触れで、昨日試合したばかりの齋藤学までいた。齋藤以外にも波戸、小村、石川ナオ、三浦(淳)などマリノスに縁のある選手達も多かった。また松田も参加者リストに名前があり、息子さん(見たところまだ小学校高学年位だろうか)が代理でプレーする場面もあった。忘れがちだが、永井は合併した時にフリューゲルスから移ってきた5人の選手の一人(他に波戸、佐藤一樹、三浦(淳)、吉田孝行)。もしシーズン中でなければ井原正巳も来ていたはず。J legendsのユニは代表を意識した?青基調だったが、胸元が赤で丁度08年頃のナイキ時代のマリノスに似ていただけに、あのユニを着た井原さんとカズがマッチアップするシーンを想像しただけで震えてくる。
 前座では国見と帝京のOB戦があったようで、そこには大久保もいたようで、引退試合の開始前にスタンドにいるのが見えた。小さいスタジアムなので大久保以外にもそこかしこにサッカー界の人々の姿が。

 殆どの選手がさすがに現役時代とは体型が変わっていたが(笑)、永井は去年まで現役、かつ今もユース監督として活動しているのもあってか体型がシャープで動きのキレもあった。前にも書いたが、カズが異次元過ぎて目立たないが、この人も45歳まで現役だったのは凄いこと。他のメンバーではやはり現場にいる人は身体が絞れていて、中村忠(FC東京U23監督)が左SBで何度も上下動していたのが印象深い。この人に限らず現在指導者として活躍しているヴェルディOBは多いが、FC東京と川崎に結構いて、川崎のトップチームコーチには米山篤志、GKコーチには菊池新吉がいる。現時点で、現役時代にプロ経験があって指導者としてもそれなりに経験を積んでいる、というとやはり40代半ば~50歳位の年齢となって、必然的に90年代にプロで活躍、つまりJのオリ10に所属していた人になるんだろうな。FC東京や川崎も徐々にOBが指導者になっているが、まだ指導者としては若い。そういった意味でこの2チームはヴェルディの遺産を上手く活用しているとも言えるが。

 試合は3-2でヴェルディレジェンズ勝利。その内3点は永井で、見事なFKも決めた。懐かしい選手達を見ることが出来たのもそうだし、友人ともなかなかディープな話が出来て楽しい時間だった。
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J1第22節 横浜M×鳥栖(三ツ沢)


 マリノスのホーム試合を観に行くのは7/12の天皇杯沼津戦以来なので(天皇杯は地元のサッカー協会主催なので“事実上の”ホームという位置付けだが)、かなり久々な感覚があった。さすが夏休み中だけあって三ツ沢はフルハウスだったが、観衆は12,764人。普段からマリノスの試合に行っている固定客、コア層の数もおそらくこの数字に近いと思われるので、そういう常連組だけで三ツ沢は埋まり、それ以外の「今日は夏休みだしマリノスの試合行ってみようか」というような層の枠は限られる。つまり今の三ツ沢開催は普段日産でピッチから遠い場所からの観戦を強いられている常連客への特典のような位置付けなんだな。ここに行く度にどうにかして増築出来ないか(例えばホームゴール裏スタンド、メインスタンドとホームゴール裏スタンドの間など)妄想してしまう。

 今日は鳥栖戦だが、鳥栖相手は常に1点勝負というイメージがあるのだが調べてみるとリーグ戦で過去11試合戦って勝敗の付いた10戦全て1点差だった。スコアも

○1-0:3試合
○2-1:3試合
●0-1:3試合
●1-2:1試合

この4パターンに集約される(笑)
 最近のマリノスは前半0-0で後半勝負というパターンだが、今日は前半早々に先制。カウンターから山中が左サイドを駆け上がって斜め45度からシュート、権田が弾いた先にウーゴが飛び込んだ。試合前の練習を観ながら友人と話していたのだが、山中は初速がかなり速い。左サイドで齋藤とのコンビネーションも悪くないし、強烈な左足という武器もあるので守備を磨けば代表候補リストには入るのでは無いかと思う。
 最近の傾向からして前半で先制したのは儲けものという感じではあったが、鳥栖も何度かチャンスを作る。前線の左から田川、イバルボ、趙東建のFW陣は皆体格があるだけではなくスピードやテクニック、コンビネーションもあって迫力があった。田川はこの前のU20W杯にも出た選手で、小川が負傷離脱した為に前線のターゲット役として起用されていたが、本来はサイドからゴリゴリドリブル突破するタイプのようで、前半半ばにイバルボとのワン・ツーでエリア内に侵入してフリーでシュートという場面も作り出した。(これは飯倉がセーブ)99年生まれなので次のU20W杯にも出場資格がある。
 後半も一進一退の展開だったが、マリノスのチャンスは権田が防いで2点目を奪えず。このGKは日本に復帰してから初めて観たが、以前より安定感が増したようにも。もう28歳なのにも驚いたが、今年27歳の齋藤学然り、ロンドン五輪世代ももう20代後半と言うことなんだよな。代表でも大迫、原口、山口、酒井(宏)などようやく主力と呼べる選手達が出てきたがもっと出てきて欲しい。
 
 試合はそのまま1-0で終了。やはり鳥栖戦はこういう試合、スコアになる。

J2第27節 岐阜×岡山(長良川)


中部地方の旅(3日目)
 最終日は高山から特急で犬山城に向かった。鵜沼駅名鉄に乗り換えて1駅目で降りたのだが、コインロッカーが駅構内にしかないのに気付かず改札を出てしまい、城まで1km以上キャリーバッグを引いて歩く羽目になってしまった。

 城は木曽川の畔にある。名前は知っていたし、天守閣が現存する12城の一つで国宝でもあるのだが何故か忘れがちだった。今旅でも当初は予定してなかったが高山から岐阜へ向かうルートを地図で眺めていた時に近くを通るのに気付いて日程に組み込んだほどで。つい先月の落雷でシャチホコの片方が破損したのだが、まだ修復はされておらずそのままの状態だった。天守内には破損したシャチホコが展示されていた。

 天守閣内には現存天守の写真も飾られていたが、12城の内10は行ったことがあった(笑)行ってないのは丸岡城(福井)と備中松山城(岡山)のみ。城を見学した後は名鉄とJRを乗り継いで岐阜駅へ。試合にはまだ時間があったので取り敢えず岐阜城へ向かった。

 この時期は霞んでしまうが相変わらず眺望は素晴らしい。これから向かうスタジアムもよく見えた。

 天守閣を見た後はロープウェイで下って屋内でしばし涼んだ後、徒歩でスタジアムに向かったのだが、長良川を渡る頃には怪しい黒雲が出始め、

 川を渡ってコンビニで買い物しているとついに雨が。

 雨は局地的だったので30分程すると雨脚は弱まったが、思えばこうした旅先での観戦で雨に降られた事はこれまで無かった(はず)。

■観戦記
 このスタジアムはメインの一部にしか屋根が掛かってないので、着くとまず屋根下を確保し、それから夕食用にスタグルを食べに行った。メインスタンドのアウェイ側に座ったのだが、岡山サポも結構いて、アウェイゴール裏だけでは無くメインにもそれなりの数の人々がいるのは、このチームが伸びている証ではないかと思う。応援=ゴール裏だけではなくメイン、バックではその場所なりの応援の仕方があって、それを知っている人が多いという事はそれだけ普段ホームスタジアムで観ている人が多いという事だろうから。こういったサポ層の厚みはチーム力にも反映されるものだ。今季は現時点で中位だが、数年以内に必ずJ1に来るだろうと思う。
 ホームチームだが、今まで観戦してきて大概のチームは(ホーム、アウェイに限らず)観たことがある中で実は岐阜を観たことは無かった。今季は大木監督の下でパスサッカーになっているとのことだったが、試合開始2分で1トップのクリスチャンが負傷退場し、マリノスからレンタルの中島が出場。そのすぐ後には岡山が先制した。

 岡山の先制後も展開としては岐阜がやや押し込む形だったのだがなかなかフィニッシュまで持ち込めず。中島はクリスチャンのポジションにそのまま入ったのだが、中盤に下がってボールを捌くプレーが多く、シュートシーンでも精度を欠いていた。マリノス時代からそうなのだが、正直この選手はどのポジションが最適なのか、更に言うと何が出来る選手なのか未だ掴めない。相手のマークを外しながらのパスの受け方など局面での動きはセンスを感じるのだが、そのセンスがチームの勝利に、ゴールにどう結び付くのかがいまいち見えてこないんだな。ゴールの数なのか、アシストの数なのか、それともポジションを下げて中盤の司令塔としてなのか、今はその全てが出来そうな雰囲気を漂わせながらそのどれも出来ずにいる状態。高校時代は2列目だったしタイプというかプレースタイルとしては鳥栖からブンデスに移籍した鎌田の様な中盤で走りつつトップ下でゴール、アシストを決めるのが理想なのかなと思うし、今日のような1トップの適性は無いかもしれない。だが、そんな中でもシュートシーンは2~3度あり、それを決めることが出来なかった。結果は1-1の引き分けだったが、中島が1点でも決めていれば勝点3を取れた試合だった。岐阜ではかつて齋藤が愛媛で覚醒した時の様に、ゴールに絡める選手、チームの浮沈の鍵を握れる選手、要は監督がこの選手は外せないと思うような選手になって欲しい。そうで無ければこのレンタルは片道切符になってしまうだろう。
 この試合で他に印象に残っているのは岐阜のシシーニョと岡山のGK一森だな。シシーニョはあまり背は大きくないテクニシャンなのだが、日本なら中盤のアンカーか守備専ボランチかと思うほどの激しい当たりを見せていて、こうしたタイプがプロの世界で生き残る上でのお手本を示していたように思う。また一森は飛び出しのタイミングが良く、岐阜の攻勢をよく防いでいた。岡山にはリオ五輪代表の櫛引もいるが、一森の控え。GKは枠1つの厳しいポジション争いとは言えJ2でも出番が無いのは厳しい。
 試合は前述の通り、1-1の引き分け。岐阜のサッカーは洗練されていて同点ゴールの展開も見事だったのだが、やはりサッカーは最後点を取ってナンボの世界で、その点で足りなかった。終了の笛と同時にスタジアムを出てシャトルバスに乗り、20:20頃に岐阜駅に着いたのだが大雨で30分遅延の表示。だが、ホームに上がると丁度その30分遅れの新快速がやってきて20分で名古屋駅着。新幹線も遅れていたのだが、これまたいいタイミングでのぞみが来て21:00頃に名古屋を出て無事帰宅した。

中部地方の旅(2日目)

 2日目は金沢駅から高速バスで白川郷に向かった。漠然と遠いイメージがあったのだが、金沢から1時間半も掛からず着いてしまう。現地に着くとまず丘を上って荻町城跡展望台へ。

 観光ガイドに出てくる風景写真はここからの眺め。その後はこの写真に写っているエリアを散策した。白川郷は今回の旅程に丁度ハマりそうだったし行ってみるかという程度だったが、現在も人が住んでいる場所だけに生活感がある場所で中を散策するだけで楽しい場所だった。

何軒かは有料で中も見学出来る。歩きながら気付いたが、世界遺産の看板故か外国人観光客も多かった。聞こえてくる言葉だけでも英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、韓国語等々。その中に中国語話者の家族連れがいて、何故か父親、母親共にセレッソユニを着ていたのでよく覚えているのだが(笑)、実は大阪在住だったりするのだろうか。サッカーユニを着ている観光客は結構いて、他に南アW杯の日本代表や韓国代表7番朴智星ユニを着ている人々が。街中で着やすいのもあるだろうし、「侍」とか日本語プリントTシャツみたいにその国や都市のイメージと結び付いているからってのもあるかもしれない。バスも半数以上は外国人観光客だったな。ちなみに帰りのバスで隣に座っていたのはスペイン語話者で、ずっと音楽を聴いていたのだが、ipodのディスプレイを見ると曲名にひらがな、漢字が入ったJ-POPらしき曲だった。

 昼食も入れて4時間ほど散策した後、バスで高山へ。ここも1時間10分程で到着。ホテルにチェックイン後、高山陣屋~古い街並み~飛騨国分寺を散策。周遊バスもあるようだったが、徒歩で十分回れる。

 五平餅や飛騨牛の串焼きを売る店が多かったが、ラーメンでも有名なようでラーメン屋が多かった。午前中から歩き倒していたのもあってホテルに戻った後はすぐ就寝。

中部地方の旅(初日)

 今年の夏休みもまた未踏スタジアムへの旅をするつもりだったが、Jの日程との兼ね合いでなかなか目的地、旅程が決まらなかった。8/5(土)にはJ2で行ったことの無い金沢、京都、山口のホーム試合があったが、ここは新潟戦@ビッグスワンを優先、8/9(水)はJ1開催のみで全て行ったことの有るスタジアムばかり、そして8/11(金祝)はJ2開催で京都、岐阜のホーム試合という条件からどう日程を組もうかと。まぁ西京極に行くか長良川に行くかの二択だったのだが、京都自体は今まで何度も行っており、この時期の京都は宿や新幹線は取るのが厳しそうで、岐阜の試合は18時開始でその日のうちに名古屋から新幹線で帰れそうだったので後者に決定した。またこの前の新潟・会津行でもそうだが泊まり旅行で来た道をそのまま帰るのは好きでは無く、北陸新幹線の長野以降は乗ったことが無かったのもあって、東京~北陸~東海と本州中央部を周遊するコースに。

 初日はまず富山・氷見に行った。富山市内は以前天皇杯で行ったことがあるのでどこか違うところをと思い。新幹線なら新高岡が最寄りだが、停車駅の少ないかがやきに乗ったので富山で在来線に乗り換えて高岡に行き、そこからは電車もあるのだが本数が少ないのでバスで向かった。ここは港町なので漁港の食堂で刺身定食をば。刺身も勿論だが、かぶす汁という蟹や魚の入った味噌汁も風味があって美味かった。
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 漁港から富山方面を望む。晴れていれば立山連峰が見えるらしいがこの日は朝から曇り一時雨という天気でご覧の通り。氷見からの帰りは電車を使うつもりで駅まで1kmほど歩いていたのだが、街中やたらハットリ君が目立っていたので何故かと思ったが実は作者藤子不二雄A氏の出身地らしい。
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 氷見駅に着く頃には雲が晴れてきた。北陸は天気の移り変わりが早い印象がある。以前出張で金沢に行った時は数時間で晴れ、雨、みぞれが繰り返された時もあったな。車窓から富山湾
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 高岡からは在来線で金沢まで。金沢はもう何度も行ったことがあるのだが、今まで行ったことの無いひがし茶屋街へ。
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 その後は兼六園を経てホテルにチェックインした。夕飯は金沢駅前にある回転寿司屋に行きたかったのだが、18時前から長い列で諦め、同じフロアの定食屋で済ませた。同じビルにはKAMOがあったので寄ってみたのだが、ツエーゲン金沢ユニやグッズも売られており、サプライヤーadidasで結構格好良かった。夜は部屋でBSのガンバ×サンフレッチェとハイライトを見つつ初日が過ぎた。

新潟・福島行(2日目)

 2日目は会津へ向かうのだが、バスが10:45発なのでその前に新潟を少し観光。まず信濃川沿いにあるBefcoばかうけ展望室なる展望台に行った。ばかうけの製造元がBefcoというのを今回初めて知ったのだが(笑)、入場無料で新潟の眺望を楽しめる。こうして見てもビッグスワンはよく目立つ。

 新潟駅に戻った後はぽんしゅ館に行き、500円でお猪口5杯分の試飲をば。また土産物屋も併設されているのでここで新潟土産を購入。新潟だけあって酒、米菓、海産物、漬け物など土産の種類が豊富だった。朝から暑かったので駅ビルで涼んでいたのだが、外国人観光客が何人かいて、日本全国インバウンド客増えているなと思っていると聞こえてくる言葉が(おそらく)ロシア語だった。日本海を挟んですぐ近くだし、新潟空港からウラジオストクハバロフスクへの便もあるようなので、ロシアから結構来ているのだろうか。他に例えば福岡は地理的に近い韓国、中国、香港、台湾からの観光客が多いが、そういう地域性が分かって面白かった。
 その後はバスに乗り、約2時間で到着。降りると新潟以上の暑さだったが、まずは鶴ヶ城へ。天守の中は資料館になっており、展示の中心はやはり幕末なのだが、蒲生氏、伊達氏など歴代領主がしっかり紹介されていたのは良かった。あまりに暑くて場内を歩き回る気になれなかったのだが、外堀は緑に溢れていて涼し気だった。

 城を出た後は傍にある施設内で昼を食べて周遊バスで飯盛山に行った。今回の旅あたって福島に縁のある同僚や友人に店を聞いたのだが、やはり車がないと時間的に厳しかった。残念。飯盛山では白虎隊士へ線香を手向けた後、さざえ堂へ。ここは螺旋状の通路が上り下りで一方通行になっている珍しい構造になっている。

 山を下ってバス乗り場に行くとすぐ周遊バスが来て10分程度で会津若松駅に到着。帰りは郡山から新幹線というルートだったが、郡山までは高速バス、電車の2通りある中で時間的に早く着く電車を選択した。駅で土産を買い、1時間10分程で郡山着。

 途中の車窓からは磐梯山が見えた。東北の山は九州の荒々しい山々に比べてなだらかな稜線が印象的。

 郡山は雨だった。今旅はずっと晴天だった中での雨だったがまぁ乗り換えだけだったし影響なし。帰りの新幹線も無事座れて東京へ。

J1第20節 新潟×横浜M(ビッグスワン)


■新潟行
 今節は等々力で川崎とFC東京、埼スタで浦和と大宮という好カード揃いで、マリノスが遠地アウェイの場合、普通はこのどちらかに行っていたと思うが、今回のビッグスワン行は早い段階から決めていた。ここには過去4回行っているのだが最後に行ったのはもう11年前で記憶も薄れつつあり、そんなに行ってたのかと意外だったほど。また4試合とも代表戦で、Jリーグ、つまり新潟のホーム戦は行ったことは無かった。今季の新潟の成績を見るに、今年逃したらチャンスは再来年以降になりそうなので新潟行が決まった。そして試合を観て翌日来た道をそのまま帰るのは面白くないので、行ったことの無い福島・会津行も組み込んだ。

<過去のビッグスワン観戦試合>
2002/06/03日韓W杯     クロアチア×メキシコ
2003/09/10親善試合     日本×セネガル
2005/05/22キリンカップ   日本×ペルー
2006/08/16アジアカップ予選 日本×イエメン

 試合は19時開始だが、当日は朝の新幹線で新潟に向かった。ビッグスワンは11年ぶりと書いたが、新潟自体は2011年12月に富山まで天皇杯(横浜M×松本)を観に行った時に足を踏み入れていた。当時は北陸新幹線の延伸前だったので越後湯沢から特急で富山に向かったのだが、長いトンネルを抜けると一面雪に覆われた別世界だったのは覚えている。
 今回はまず新潟の一つ手前、燕三条で降り、在来線に乗り換えて最初の目的地、彌彦神社に行った。ここは越後国の一宮で、裏手の弥彦山から日本海越後平野の眺望が楽しめるという。さすがにこういう旅程のマリノスサポはいないだろうと思っていたが、在来線ホームにマリノスユニを着た人が一人いた。終点の弥彦駅から徒歩15分程で到着。

 この日の新潟はかなり蒸していて東京とは汗の量、流れ方も違ったのだが、この参道は涼しかった。参拝後は本殿脇から無料のシャトルバスでロープウェイ駅に向かい、弥彦山頂へ。ここにはパノラマタワーという下から回転しながら上がっていく珍しい展望台があり、そこから眺望。今の時期は全体的に霞んでいるが、日本海上の佐渡島越後平野はよく見渡せた。

 山を下りた後は駅に戻ったのだが、ローカル線なので列車の間隔が1時間以上あり、ここで昼食。釜飯屋だったが夏季限定の鮎釜飯を。

 食事後は燕三条に戻って新幹線で新潟に向かったのだが、現美新幹線という特別仕様の列車だった。
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 越後湯沢と新潟の間のみ走っており、車両毎にそれぞれ違う芸術家がプロデュースしているらしい。中はサロンの様な作りで座席数もかなり少ないので結局扉付近で立つ羽目になったが。新潟到着後は駅前をブラブラしつつホテルにチェックインして少し休憩。夜の試合に備えた。

■試合
 新潟駅の南口からシャトルバスでスタジアムへ。着くと11年前には無かった(はず)の野球場があったりもしたが、バスロータリーや駐車場から道路の下をくぐってスタジアムに向かう構造を見て徐々に記憶が蘇ってきた。まだ試合には時間があったのでスタジアム周辺を歩いてみたのだが、5分ほど歩くともう一面の稲穂が。

 地方に行けば大概の場所で水田はあるが、新潟はさすが米どころと言うべきか広さや都心部からの近さなどその存在感が圧倒的。その後もスタジアムから近くの鳥屋野潟の夕景を楽しみつつようやく試合開始。

 前節の清水戦は観に行けなかったのだが引き分けたとは言え前半の内容はかなり良かったらしい。前半抑えて後半勝負というこれまでのパターンが変わりつつあるのかと思っていたが、この試合は今までと変わらなかった。前節はホームで、今節はアウェイ、そしてもう後が無い新潟が最初から攻めてきたのもあるかな。新潟は当たりの激しさや積極性はあり、何度かマリノスゴール前まで進出してくるものの、最後どう点を取るかという部分で攻撃が単調だった。ただ新潟FW陣はマリノス守備陣に対して積極的に寄せに行くので飯倉のトラップがあともう少しだけずれたり大きくなれば即カット→決定機になりそうな場面は1~2度あった。飯倉もこれまで比較対象が榎本だったから相対的にキックは上手いという評価だったが、リーグ全体の中では(セービングは不調とは言え)西川や柏の中村、神戸のキム・スンギュ辺りの安定感、精度には及ばない。
 後半は開始10分頃に左サイドからクロスを中央の富樫が反らしてファーサイドから走り込んだマルティノスが合わせてマリノスが先制。ファーにはマルティノスと前田のポジションが被っていたのだが、新潟DF陣はついて行けて無かった。このゴールの直後にはロングボールに走り込んだ新潟の新外国人FWタンキがデゲネクに競り勝ってボールを奪い、そのまま中央の中澤もかわしてフリーでシュートという場面もあったのだが、枠を外した。後半半ばには天野のミドルが決まって2-0。直前に新潟の選手がハイボールをクリアし損ねたのを見逃さずボールを奪い、すぐに左足を振り抜いた天野のセンス勝ちというゴールだったな。この選手も去年の終盤(特に天皇杯)から徐々に覚醒しつつあった印象なのだが、大卒4年目にしてようやくJ1で戦える選手になったというところかな。これで中位下位クラスばかりではなく、鹿島など上位にこのプレーが出来れば更にワンランク上に達せるはず。
 後半も半ばを過ぎるとマリノスが守備固めしたのもあって新潟が攻める場面が増えてくるが、運動量が落ちてパスコースが無くなり、出しどころ探して数秒ボールをキープせざるを得ない場面が幾つか。決定機は前述のタンキのシュートが最後だった。帰りのバスがどれだけ混むか読めなかったので終了の笛と同時にスタジアムを出た。
 今日の結果で新潟は一層厳しくなった。思えば降格するチームの典型例の一つとしてその前の数シーズンから残留争いを強いられ、時には劇的な形で残留を果たすものの、落ちる時は最終節を前に降格決定というパターンがある。千葉や清水然り。新潟も何年か前に最終節の勝利+他会場の結果により残留した事があったが、その後もチームが上向くことは無かった。だが、昇格してから14シーズンJ1に残り続けているという点は素晴らしい事だ。過去札幌や仙台、大分、甲府、山形など後発の地方クラブがJ1に上がって旋風を巻き起こした事はあるが、大抵は2~3シーズン後に降格の憂き目に遇い、ナビスコ杯まで獲った大分も03~09年の7シーズン。その中で10年以上J1に留まり続けて来れたのはもっと評価されて良いように思う。今日はバクスタで観戦したので周りは新潟サポばかりだったが、皆ある程度降格は覚悟しているような感じだった。一方で悲壮感が漂っている感じでも無く、現実を受け入れた上で目の前の試合を楽しみに来ているという風でもあった。

 帰りは早くスタジアムを脱出したお陰でバスにはすぐ乗れて、道も空いていて10分程度で駅に到着。晩飯は友人にお薦めされた店に行こうとしたらこの日は新潟の大きな祭りだったようで中心部は夜9時過ぎでもかなりの人出で店も満席で入れず。中華屋で肉野菜炒め定食を食ってホテルに戻った。