アジア大会

 アジア大会の感想は来週を想定していたら、予想外に早く終わってしまったので今日振り返る事にする。


 そりゃGL敗退よりかは勝ち進むに越した事はないが、この1敗でチーム危機的な状況になる訳では全く無いし、試合後のインタビューで増田がうつむきながら悔しさを露わにしていたのを見て、このチームはまだ伸びるなと思ったし、むしろこの時期にこんなサッカーが出来るのかと逆に驚きですらあった。それに相手はほとんどフル代表に近い編成だったし。(余談だが、スポーツにおける敗者のコメントが常に“「〜〜。」と唇をかんだ”と表現されるようなワンパターンなスポ新的文法は、記事の速成を優先するあまり感情を一定のパターンに押し込めているようで非常に不快だ。試合後の増田と反町のインタビューを見ただけでも“悔しさ”の表し方の違いがわかるだろうに。)
 同じアジア大会シドニー世代は2次L敗退、アテネ世代は準優勝、だが内容はどちらも完成には程遠く、シドニー世代はまだトルシエの戦術を理解しきれず、アテネ世代は強い相手にはしっかり守ってナニワのゴンの1発がお約束で、特に相手を凌駕してた訳でも無かった。そういうのを見ていると、別に悲観的にはならない。

 ただ、やっぱりFWがいない事を痛感したのも事実で、監督もその辺りは分かり過ぎる位分かっているからこそ、1トップが多いんだろう。無理にFWを捜し求めるより、谷口、増田、本田(圭)、家長、梶山、枝村etcを後ろからどんどん前線に飛び込ませて点を取る、という。もっとチームが完成に近付けば動きもスムースになるが、今はまだその辺りが未完成であるが故にボール支配率の割に点が取れない、と信じたい。そうは言っても平山にはもう少し頑張ってもらわんと。来年はクラブでハラヒロミにしごかれるんだろうけど、どうしても、かつて原氏が同タイプのFWを浦和で指導したものの結果が出ず、その彼は降格の戦犯扱いされた挙句に巡り巡って今は広島でDFとして大成した事例を思い出さずにはいられないんですけど。相手のCK時に平山が自陣に戻ってかなりの確率で相手のボールを弾き返しているのを見る度に、胸騒ぎがする。


 とにかくも、面白さだけなら現時点で歴代五輪代表に匹敵しているし、これに勝負強さと結果が付いてくれば、名実共に歴代最強だという思いは、この1敗では揺らがない。勝負強さと結果―――簡単でないのは分かっているが。