独伊戦

 土曜は観戦仲間の結婚式でかなり飲んだのでさすがに朝4時には起きられず見逃したが、昼間にロングハイライトを視聴。以下雑感集。

■ドイツはイタリアを苦手にしていて、特にW杯、EUROで一度も勝った事は無い。リアルタイムで視たのはドイツW杯とEURO2012だが、お互いに良さを出しつつも最後はイタリアの守備と効果的なカウンターがドイツを上回る展開になる。今回も結局勝てはしなかったが(PK戦は引き分け扱い)、それでも過去2回と違って上のラウンドに進めたのは吉兆と信じたい。丁度EURO2008準々決勝でPK戦でイタリアを破り、そのまま優勝したスペインのように。

■今大会は5試合戦った段階で控えGK以外にもジャン、サネ、ター、ヴァイグルがまだ出場機会を得ていない。仮に決勝まで行ったとしても攻撃の切り札としての可能性が僅かにあるサネ以外は出番はほぼ無さそう。こういうメジャー大会ではフィールドプレーヤーを(時には控えGKも)満遍なく試合に出すタイプの監督もいるが、ドイツの場合前回のEURO2012から控えGK含め5〜6人は出場機会の無いまま大会を終えており、実質16〜7人でチームを回している。出番の無い選手は若手が多いので、実力だけでなく試合に出られなくとも不満を出さずチームの和を乱さないような選手を選んでるんだろうな。貴重な経験を積める利点はあるが、ブラジルW杯で出番の無かったフィールドプレーヤーであるギンター、ドゥルム、グロスクロイツ(3人ともドルトムント在籍経験者だな)はその後の2年間で代表で確固たる地位を築けず、今回は落選したので上記のサネやジャンらも大会後どうなるかは分からない。

■実はキンミッヒも出番の無いまま大会を終える若手の1人だと思っていたのだが、GL3戦目から3試合フル出場。中盤、SB、CBをこなせる万能型、かつバイエルン所属なので、ラームの後継者として今後もレギュラーに定着したりして。代表初招集が大会直前ながら一気にここまで台頭したのも凄いが、そういう選手が現われるドイツの層の厚さもまた感じる。95年生まれなので日本で言うなら南野、関根辺りがA代表に抜擢されて即活躍というようなもの。

■16〜7人でチームを回すというのは疲労の蓄積というリスクもある訳だが、特に中盤はイタリア戦でケディラが負傷交代、シュバインシュタイガーも100%ではないので不安はある。唯一万全なクロースもCL決勝まで戦った上で今大会は5試合フル出場(1試合は120分)と準決勝以降のコンディションに不安が。次の試合でいきなりヴァイグルを使うとは思えないし、全ては主力のコンディション調整次第だな。

■イタリアについて。3月末に監督力で結果を出すかもしれないとは書いたが、GK+DFのユベントスユニットの安定感は想像以上だった。ただイタリアの課題として守備戦術は発達しているが攻撃はカウンターとセットプレー、個人能力頼みであまり組織的な形が無い。(こう書くとマリノスみたいだが(苦笑))
こういう国際大会で守備にタレントがいていい準備をすれば結果は付いて来るものだと痛感したが、“大会後”を考えると今年でブッフォン38歳、バルザーリ35歳、キエリーニ32歳、ボヌッチ29歳、そしてW杯予選はリーグの合間に集まって準備期間の無いまま行われるのを考慮すると、今後も1点勝負の厳しい試合が続きそうではある。