今回も友人の誘いがあり、去年の豪州戦以来の予選へ。都内の事務所からでも1時間以上掛かるため、前回の様に赤羽の3rdオフィスを使うか、と思って調べると何と浦和美園の隣駅、東川口駅前に3rdオフィスが1つあったので予約。ただし仕事が詰まって昼に移動する暇が無いため朝向かうことになった。仕事で7時前に家を出たのはかなり久々。埼京線→武蔵野線と乗り継いだが、乗換の武蔵浦和駅に着く頃は丁度通勤ラッシュ帯で、これもまた久しぶりだった。
隣駅なのでこれまでの平日埼スタ行とは違う余裕をかましていたのだが、夕飯用に駅前のモスバーガーに行ったら思ったより並んでいてここで20分程掛かり、この東川口駅は武蔵野線からの乗換で埼スタに向かう客が多い上に、やってくる電車は既に超満員状態でなんとか体を押し込んで乗車という有様。駅で友人と落ち合ってバスでスタジアムに向かったのだが、現地周辺は大渋滞でここでも想定以上の時間が掛かってしまった。丁度バスを降りた時にスタメン発表で、開始10分程前に着席。
スタメンは事前に監督が公言していた通り大幅な入れ替え(9枚)だったが、GKが川島だったのは意外だった。てっきりシュミットか谷(出場なら代表デビュー)かなと。GKとCB1枚に代表歴豊富な選手を置くという監督なりのリスク管理だったか。試合後、谷は(出場可能な選手を全員ベンチ入りさせるため)FP登録だったと知ったが、同時に現時点のGKの序列は権田→川島→シュミット→谷なのも分かった。川島はW杯メンバーなら39歳と日本のW杯メンバー史上最高齢で、これはベテラン枠として第3GKで入った南アの川口(当時34歳)よりも年上になるが、ベテランとしてチームを盛り上げるだけでなく、権田のサブを務める存在ということか。
試合は前半からあまり噛み合ってない感じで、単発で三笘や久保がサイドを突破するシーンが目立った程度。中盤3枚は総入れ替えだったが、ここだよなぁ。今日の3人は、特に旗手、原口は運動量豊富だが攻撃に特長のある選手で、レギュラーの遠藤、守田、田中碧の様な連携やプレースタイルとは別のサッカーになってしまう。柴崎もアンカーだったが本来は少し前よりの選手だし。序盤は一緒に観た友人の言を借りれば「ベトナムは活躍すればJへの移籍の可能性が生まれるので必死、日本は怪我しない様にプレー」という内容。
そんな中でCKから普通に合わされてベトナムに先制を許す。場内のリプレイで見ると、競り負けたのは中山だったのは残念だった。最近のこの選手への期待は長友への評価が下がっている裏返しの面もあるが、そもそも全く違うタイプなのでスタメンとして出た時に自分の特長をもっと出さないといけない。守備の強さ、高さは武器だが、あくまでCBが左SBをこなしているという感じで、これで右が酒井なら相当堅いのでW杯本戦では効きそうだが、もう少し縦突破の数を増やして欲しいところ。先制された後からやっと日本も動ける様になって、こぼれを確実に拾って押し込む様になるが0-1で終了。
後半は頭から旗手→伊東となってよりサイドを使うようになり、サイド→中央とボールを運んで、原口のシュートのこぼれを吉田麻也が押し込んで同点。あの場面でそこにいるのもそうだが、反応の速さに、ビビってプレーしてんじゃねぇぞ、という主将としてチームメイトへのメッセージを感じた。
その後もほぼ一方的に押し込んで、VARで取り消しゴール含むチャンスが幾つもあったが、最後までゴールならず。見ていて、中央に楔を入れ、落としを後ろから走り込んでシュートというパターンが多かったがこれはチームとして狙っている形の1つなんだろうな。1-1で試合終了。
全体的には今のチームは川崎のメンバー、プレーリズムが基本だよなと。特に後半15分頃に守田、田中碧を入れた後はピッチ上の新旧所属が谷口、山根、三笘を加えた5名となり、ボール回しのリズムがフロンターレ勢とそれ以外で微妙に異なって見えたほど。それだけに上で述べた、中盤の替えの効かなさにも繋がってくるのだと思うが。三笘は今日はフル出場した点に於いて、かなり期待されているのを感じた。サイドの本大会エントリー枠をレギュラー+サブで4とすると、伊東、南野に続く残り2枠を久保、堂安と3人で争うことになるはず。今回は堂安が招集外だったが、久保の落選も決して無くはないと思う。U24ではともかくA代表では過去の出場で惜しいシーン、瞬間的に魅せるシーンはあったが、未だノーゴールで、試合を通してチームに貢献した、というのはそれ程無い。特に今W杯は欧州のシーズンが始まった後に開催される異例の大会で、新シーズンに、例えばレアルに復帰して出番が限られたりすれば、と。まぁこれは他の欧州組全員に言えることだが。
とあくまで試合に焦点を当てて書いたが、やはりベトナムサポについて触れない訳にはいかない。今日はアウェイエリア以外にもバクスタやホームゴール裏にまで数人1組のベトナムサポが点在していて、ゴール時は皆大きな国旗を掲げるのでよく目立っていたが、殆どは留学生もしくは移民2世、3世と思われる若い人達が多かった。男女ともに服装はパッと見だと日本人と変わらず、言葉で分かるというレベル(ユニや国旗身に付けたり、赤鉢巻きしているのは目立ったが)。試合を観ながら、ふとドイツがホームでトルコと対戦した時に、現地のトルコ移民がスタジアムジャックしたシーンを思い出した。今日は人数自体はジャックされた訳では無いが、身近にいる異文化との真の「交流」、もっと言えば衝突を体感したのも事実だった。「多様性を尊重しましょう」という美しい言葉のリアルとでも言うか。スタジアムを出れば並んで駅まで歩き、同じ電車に乗って帰る訳だが、要は我々のホームをルール無視の傍若無人で荒らすなよ、と。声出し(の解禁)に賛成/反対って次元の話ではなく。ただこうした綺麗事では無い交流が逆に相互理解を生むきっかけにもなると思うし、それこそがサッカーの持つ面白さ、ダイナミズムの1つであると思う。綺麗な世界だけ観たい人には耐え難いものかもしれないが。そんな事を考えながら日付が変わる少し前に帰宅。