2026年W杯メンバー予想

 カタール大会から3ヶ月。今月末はW杯後最初の代表戦があり15日にメンバー発表らしいが、その前にまた例によって4年後のメンバー予想をしておきたい。
過去4大会(2010南ア~2022カタール)の予想はこちら
barcaw.hatenablog.com
過去いずれも的中は11~12名となっており、要は半分しか当たっていない。4年という月日は今高校、ユース、大学、あるいは下部リーグにいる選手が台頭して代表入りするには十分な時間なのでそこが難しいところなのだが、今回も諦め悪く笑、半分以上の的中を目指す。なお前回からエントリー枠が26人に拡大されたが、次回も同じと見なして選考。

以下ポジション毎に。

 権田シュミットカタールでの川島的な役割で残るかなとも思ったが、まずここで3人総入れ替えと予想。は年齢的にレギュラー張って貰う位になっていて欲しいし、GK豊作なパリ世代からは既に代表デビューもしている鈴木を。そしてW杯初出場の若い2人をサポートしつつレギュラーも十分狙える実力者として中村航輔がロシア以来2大会振りの復帰でGK陣が全員W杯初出場という事態は避けられる。パリ世代は他にベンフィカ小久保もいるが、五輪はともかくA代表に選ばれるにはやはり試合に出てナンボだし、現状のBチームやトップチーム帯同ではなく、少なくともポルトガル1部クラスでレギュラーになっていないとやはり厳しい。ベンフィカほどのクラブならレンタル先も選べる立場だと思うので、是非試合に出て欲しい。試合経験という点ではパリ世代では他に佐々木が現在柏でレギュラーなので同世代をリードしているが、正直軽い失点が多すぎるというか・・・DFとの連携不足、正面に来たシュートを捕りきれずという場面が多い。まぁ川口、権田、西川といった歴代GKも同じ年齢の頃はこういう不安定さはあったけど。むしろ今季鹿島からJ2岡山にレンタル移籍し、開幕から試合に出ている山田の方が(パリ五輪本大会含め)可能性あるようにも。

  • CB:冨安健洋、板倉滉、瀬古歩夢、小林友希

 冨安板倉については今更言うことは無い。とにかく4年後は万全のコンディションで臨んで欲しい。この2人に続くCBとしてはベルギーにいる町田も考えたが、2000年世代の瀬古小林と予想。小林はまだセルティックでそれほど試合に出ていないが、瀬古や後述する菅原、中村敬斗ら2000年世代は(本人は1歳年下だがU15~17代表を共に戦った)「久保世代」として、お互い切磋琢磨してキャリアを切り拓いている印象があり、少々の逆境も乗り越えるだろうなと。
 このポジションはやはりまず国際試合で競い勝てる高さ、それが無い場合でもカタールでの谷口のように周囲と連携してのビルドアップ能力が突出している必要があると思うが、高さだけならパリ世代では186cmの木村FC東京)、U-20代表では高井(川崎/190cm)、田中(柏/188cm)、諏訪間(筑波大/184cm)などもいるがまずJ1で主力にならないことには始まらないよなぁと。ただU20組はこのままアジア予選突破してU20W杯に出場出来ればかなりの経験を得ることになる訳で、大化けする可能性もある。

  • SB:中山雄太、伊藤洋輝、橋岡大樹、半田陸、菅原由勢

 「長友、酒井後の代表SB」ということでまず左は無難にカタール組の伊藤と、負傷が無ければ出るはずだった中山の2人。一方で今のU代表や20代前半の世代見てもすぐ思い浮かぶ選手がいないんだよな。守備の強さ、高さ、そして攻撃にも絡める事、ビルドアップも苦にしない技術と判断力etcとこのポジションに求められる資質が年々高まる中で候補選手は限られる。特に左SBは左利き(右利きでも少なくとも両足遜色なく蹴れるレベル)という条件も加わるし。 
 という中で右は橋岡に期待している。元々CBもこなす守備者であり、クラブでは右サイドを駆け上がってのクロスからアシストを何度か決めているし、資質的には酒井に最も近いタイプ。ただSTVVに移籍して2年経ち、冨安や遠藤が1年半程でステップアップしていったのを考えればそろそろ次のレベルに到達して欲しいところ。右SBの2人目は迷ったがパリ世代で今季山形からガンバに移籍した半田を。山形でクラモフスキ、ガンバでポヤトスに指導され、幅広い動きを身に付ける(た)のは大きいのではないかと。元々中盤なので判断力、視野の広さもあると思うが、首の太いがっしりした体格はイングランドミルナーを思わせる。
 26人枠予想なのでSBはカタールのメンバー発表時と同じ5枠として、同大会での山根の様な役割で菅原も選考。上記のSBに求められる資質という点ではU20代表中野鳥栖)、高橋FCバルセロナ・フベニールA)がいるかと思うが、カタールにおける菅原(代表デビューは果たし候補には入っていたが最終的に落選)のような状況になるのではないかと。特に高橋はこれからプロとしてどのクラブでどれくらいプレー出来るのかという点も気になるところだが。その他候補を挙げるとすれば今季はCBの様だが古賀(柏)、後は湘南という品質保証付のサイドプレーヤーとして(湘南)、バンクーナガンデFC東京)辺りかねぇ。

中盤:遠藤航、守田英正、田中碧、藤田譲瑠チマ、齊藤未月
 このポジションは攻守を繋ぐ役割をこなせるタイプそもそもあまりいないというのもあり、カタールに出た3人はそのまま選ばれるだろうと。特に遠藤は4年後は33歳とベテランだが、麻也から代表キャプテンの座も受け継いでいるのではないかと思う。新顔としてまず思い浮かぶのはマリノス藤田。既に去年のE1選手権で代表デビューしパリ五輪代表でも主力なので、欧州行くのも時間の問題かなと思っていたが、昨季の終盤からマリノスで控えになっているのでまずは今年どれだけ試合に出ることが出来るか。そのチマからレギュラーを奪った形の渡辺横浜M)も中盤のプレーメーカーとしてここ最近のマリノスで不可欠な選手であり、23年中(早くて今月)には代表に復帰すると予想しているが26年はどうかと言われるとちょっと分からない。という中で最後の1人に齊藤G大阪→神戸)を選んでみる。移籍しすぎて停滞している感もあるのだが、中盤で相手の攻撃をフィルタリングしつつ前に出る推進力もあるプレースタイルが個人的に好きなので笑。その他候補としては岩田セルティック)、後はチマ、ナベコーと同じヴェルディユース出身の山本(東京V→G大阪)を。

  • 2列目:鎌田大地、久保建英、堂安律、斉藤光毅

 2列目とサイドアタッカーの境界は曖昧だが、典型的なサイドのドリブラーだったりややセカンドトップタイプは「セカンドトップ/サイドFW」枠にして、それ以外の2列目から仕掛けたりチャンスメイクするタイプをこちらに。攻撃陣についてはカタールに出た久保堂安は順調に行けば次は年齢的により成熟したプレーを見せてくれるだろうし、鎌田もこのところ移籍報道が出てから低調だが、あのレベルで戦える選手自体基調だし、次回大会はまだ29歳なので期待している。一方で次回31歳の南野モナコでのプレー次第だが最近はクラブ、代表共にイマイチなので厳しいのではないかと。
 ではパリ世代かと言うと、クラブで中心となって継続的に数字残している選手がまだ少ない。鈴木唯人(清水→ストラスブール)、西川鳥栖)、小田(神戸→ハーツ)、荒木(鹿島)は試合中で良いプレー見せる時間帯だったり、ある試合だけ、あるシーズンだけ光ることはあったがあまり継続的ではない。試合経験という意味では松木FC東京)はクラブ、代表(U20/五輪)と同世代では突き抜けた試合経験を持つが、五輪代表はともかくA代表の面々とポジション争い出来るかというと・・・。中盤で戦える選手だけど遠藤、守田の様な守備者というタイプではないし、もっとゴールに絡んで欲しいところなのだが、目指すは本田(得点力を磨く)なのか田中碧(中盤のオーガナイザー)なのかで揺れている印象。今のままだと広島の野津田パターン(2列目としてゴールに絡む事を期待されながら伸び悩み、20代後半になって中盤のゲームメーカーとして開花/別名上野良治パターン)になるような気もするがCBの項で述べたようにU20W杯で変わる可能性もある。
 という中で敢えてパリ世代から斉藤光毅(スパルタ)と予想。上手いけどゴールに絡む回数が少ないなと思っていたのだが、今年に入ってエールディビジで3ゴールと変化を感じるというのもあり。
 その他候補として旗手はセルティックで凄味を増している印象があり、CL(欧州カップ)でも経験を積んで代表のポジション争いに絡んできそう。

 2列目を考えていて思ったが、パリ世代以降はサイドアタッカーがいない。ウイングタイプで思い浮かぶのは先日ゴラッソを決めた樺山鳥栖)ぐらい。他の選手もサイドでプレーは出来るだろうけど、上で述べた通りどちらかと言えばトップ下タイプが多いように思う。という中でこのポジションはまず三笘は怪我さえ無ければ確実として(そう言えばこの選手は大きな怪我が少ない。これもまた資質か。)、次回は33歳になっている伊東もまだ頑張っているのではないかと。それ以外ではセカンドトップタイプとしてオーストリアで覚醒中の中村(LASK)を。それ以外では北野C大阪)は今のU20アジアカップでは本調子では無いが、クラブでは去年トップデビューして今季は開幕戦でスタメンだったし、3シーズン後に間に合う可能性がワンチャンありそう。

  • CF:上田綺世、古橋亨梧

 最後CFはまず上田はベルギーでもゴール量産しているし、あのシュートの上手さをそろそろ代表でも発揮するのではないかということで選出。最後の1人はカタール組の前田セルティック)、町野(湘南)とパリ世代エース細谷(柏)と大分悩んだが、セルティックで昨季以上に点を取っている古橋で。「良い選手だがチーム戦術的に・・」とか監督が悩むレベルを越え、もう勝つなら選ぶしか無いと思わせるゴール量産振り。まぁセルティック以外でどうなのか(そもそも移籍するのかどうか)という点はあるし、良いパサー、サイドアタッカーに恵まれている面もあるが、岐阜→神戸→セルティックと様々なサッカーを経験している幅の広さを感じるので仮に移籍しても適応するのではないかと。
 CFは2枠想定と少ないのもあって一番迷った。前田、町野は次のW杯でもまだ20代で経験を積んでよりスケールアップするだろうと思うし、実際町野のプレーは今季見ていてより凄味を増した印象。細谷は以前から縦への速さとボールコントロール技術を備えた「Jユースで育った浅野拓磨」という印象があって、パリ五輪→A代表と順調にステップアップしそう。プレースタイルでも監督好みなのではないかと。また開幕戦のATに自分で得たPKを決めた後、それまでブーイングしていたゴール裏の相手サポに向かって耳に手を当てたシーンを見て、かなりメンタルも強い選手なんだろうなと。
 それ以外、大穴として中島(札幌)、熊田FC東京)。中島はプレーもそうだがSNSでの他のサッカー選手に無い視点が面白いから、というのは半分冗談だが、そういったサッカー以外の世の中の出来事に目が向く選手はプレーでも視野が広い印象がある。熊田は去年のプレミアイーストでゴラッソ連発していた印象はあったが、今やってるU20アジアカップでの活躍に影響されて笑。大迫とはまた違った足元の柔らかさとどんな形からも点を取れる万能型CFというのは今までの日本であまり見なかったタイプ。

  • まとめ

<北米W杯26名予想メンバー>
GK:谷晃生、鈴木彩艶、中村航輔
CB:冨安健洋、板倉滉、瀬古歩夢、小林友希
SB:中山雄太、伊藤洋輝、橋岡大樹、半田陸、菅原由勢
中盤:遠藤航、守田英正、田中碧、藤田譲瑠チマ、齊藤未月
2列目:鎌田大地、久保建英、堂安律、斉藤光毅
セカンドトップ/サイドFW:伊東純也、三笘薫、中村敬斗
CF:上田綺世、古橋亨梧

以下はここまで挙げた選手の中から特に候補とするならば(予想するにあたって迷った/可能性を感じる)という選手

GK:権田修一、小久保玲央ブライアン、山田大樹
CB:町田浩樹、田中隼人
SB:中野伸哉、古賀太陽、畑大雅、バングーナガンデ佳史扶、高橋仁胡
中盤:岩田智輝、渡辺皓太、山本理仁
2列目:旗手怜央
セカンドトップ/サイドFW:北野颯太
CF:前田大然、町野修斗、細谷真大、中島大嘉、熊田直紀

 結果が分かった時の言い訳用にかなり多くの名を挙げたが(苦笑)、思いも寄らない選手が台頭するんだろうなとも思う。カタールで最年少だった久保は2001年生まれでその次は1999年生まれの伊藤。これを次回大会に当てはめると05年生まれの新高3世代と03年生まれに相当。たださすがに高校生時点でJ1主力だった久保は別格だし、W杯に選ばれるような選手は少なくとも現時点でプロデビューして頭角現してるはず。現実的には今春に高校を卒業する04年世代までだろうな。
 そもそも東京世代は自国開催五輪に向けてU18の頃から数多くの海外遠征など手厚く強化された分経験値は高いし、それに比例して選手層も厚い。一方でパリ世代は久保は別としてコロナ禍で01~02年生まれのU20W杯を始め海外遠征、国際試合そのものが長期間無くなるなど、同年齢時点での経験値にかなり差がある。その意味でシドニー世代とアテネ世代の関係に似たものを感じる。06年ドイツ大会でのアテネ世代は駒野、茂庭(田中誠の負傷で急遽招集)の僅か2人だった。今回はそれより多めに鈴木、半田、藤田、斉藤と各ポジションから計4名選んでみた。
 次のW杯はまたいつもの時期なので、メンバーの発表は26年5月だろうか。サッカーの世界で4年(正確には3年3ヶ月)というのは状況が変わるに十分な長さなので色々予期せぬ事も多いと思うが、意外な選手の台頭にも期待しつつ、次のW杯までの時間を楽しみたい。