試合開始直前にスタジアムに着いてアウェー側を見ると、1階席の7割は埋まっていた。数年前、同じ場所で同じカードを観た時はせいぜい半分程度だったのに、今日は数でいったら先々週の瓦斯とほぼ同じ。やっぱチームが好調だとアウェー動員も増えるんだな〜と思いながら、試合は始まった。
結果は4−3という壮絶な、そして日産スタジアムでは今後数年間観れないであろうスコアでガンバが勝った。決勝点はミス絡みであったが、正直、ガンバのサッカーを観て、こんなサッカー観れるなら毎試合ホームに通いたくなる思いが湧き出た事は否定しない。流れるようなパス回し、そして個々の技術――――あのマリノスが自陣に押し込まれて何も出来ない時間帯すらあった。いやそういう時間帯でも悉く攻撃を跳ね返してきたのがマリノスであったが、最後はゴールを決められるという結果に何より衝撃を受けた。最後の失点以外は全てガンバの攻撃の前に守備が決壊したもの。このようなガンバの攻勢に呼応するかのようにマリノスもここ数試合無かった流れるような展開を見せ、一時は逆転した。それでも、あのガンバのサッカーに対して感じた程の衝撃は受けなかったな。
言ってみればマリノスのサッカーは高校サッカーで言う市船だと思う。イチフナのサッカーはとにかく手堅い。別にロングボール一辺倒ではないし、パスをしっかり繋いで攻めるのだが、まず守備ありきだし、観ていて面白いと思った事は一度も無い。マリノスのサッカーもそういうサッカーに近い部類に入ると思う。マリノスの試合を観て(含TV)その内容に本当に興奮したのってここ数年では、磐田相手に国立で3−0で圧勝した試合とか結構限られる。別にそれはそれで1つのスタイルであって否定しないし、小手先の技術に溺れるチームに対する強烈なアンチテーゼであるとは思うのだが、先日の浦和といい、今日のガンバといい、単なる小手先を越えた組織と個々の高度な技術の融合したサッカーには歯が立たなくなってきているんではないかと思い始めている。それに打ち勝つには、ユーべみたく、ハイレベルな選手が全員の意思統一の下で、面白みは無くとも徹底したリアリズムを貫く事だと思うが、どこか方向性にブレがある印象。本当はガンバや浦和みたいなサッカーやりたいけど・・・・といった迷いと言うべきか。確かに3点取ったし、先週までの悪いリズムは抜け出たと思うけど、長期的に見れば、この方向性のブレが影響するんじゃないかな。
4月も半ばだってのにかなり冷え込んだ中での観戦だったが、内容は本当に面白かった。ガンバと浦和が開幕で当たったのは本当に勿体無いわ。