J1第28節 横浜M×仙台(三ツ沢)


 観戦していれば屋根の無いスタジアムで雨に降られる事は年に一度くらいあるものと覚悟しているが、試合中これだけまとまった雨が降り続くのは久々だな。記憶、記録を辿ると、去年夏に行った岐阜の長良川は試合前にゲリラ豪雨を食らったものの試合中は止んでいたし、同じく去年4月の日立台も本降りでは無くポンチョを着るほどでも無かった。これだけ降られたのは6年前のJ1昇格プレーオフ以来ではないかと思う。

 仙台に対してはアウェイで圧倒的に勝率が良い一方でホームで勝てない事が多いのだが、今日は開始から上手くボールを前に運べて、自らのプラン通りの展開に持ち込めていた。何度か惜しいチャンスがありつつも0-0で、この良い流れのうちに先制点が欲しいなと思っていた前半半ばに山中のミドルで先制。確かに山中らしい威力のあるシュートだったが、エリア外からのミドルでニアを抜かれたGKのプレーも問題あり、という様なゴールだった。
 その直後に仙台が同点に追い付いたものの(仙台はこれが初のチャンスだった)、前半の終盤に仲川が中央からドリブルで持ち込み、CBを抜いてGKとの1対1も冷静に決めて勝ち越し。このゴールがまさにそうなのだが、今日のマリノスは雨というコンディションに上手く対応したサッカーが出来ていて、いつものように繋ぐだけで無く、時にはこうしてドリブルで持ち込むのが良いアクセントになっていた。逆に仙台は少しボールを繋ぐ事に拘りすぎていた面はあったな。綺麗に展開するシーンもあったが、やはり雨で滑りやすいのでパスやトラップが少しずれて相手に奪われるというシーンも多々あった。石原の最前線でのボールの受け方や捌き方などはさすがだったが。

 後半もマリノスが押し気味に進めて左クロスをファーに詰めた仲川が頭で合わせて3-1。その後仙台GKのキックに詰めたウーゴがボールを奪い、ゴールに流し込んで4-1。ハイライトで見たらキックをブロックした時にハンドだったが、先制点に続き、仙台GKシュミット・ダニエルは不安定なプレーだった。先日代表にも選ばれていたので少し注目して見ていたのだが、体格はあれど基本動作で東口、中村らに見劣りがする。ミスが目立ってしまうポジションとは言え、そのミスが勝敗に直結するポジションでもあるので、今日のプレーからは代表クラスには思えなかった(まぁそれで代表入りしてしまうのが今の日本のGKの水準とも言えるかもしれないが)。終盤には更にウーゴがもう1点決めて5-1と。4-1となった後でポステコグルーは久保を投入したのだが、この選手の今の立場は2-1、3-1のような1点失ったらどうなるか分からない場面では起用出来ないという事なんだろうか。出場機会を求めての移籍だったが、これからU19アジアユースや契約上出場出来ないFC東京戦もあったりでマリノスで出られる試合はそう多くない。それはともかく終了間際に仙台にPKが与えられて5-2となったところで試合終了。

 残留争いしている中で連勝で一気に勝点6を積み上げ、得失点差も稼げたのは大きい。マリノスはこれまで得失点差の少なさが上位を狙う上でのネックになっていたが(上位は得失差が大きいので同勝点の場合不利になる)、下位は得失点差のマイナスが大きいため、逆に身を助ける形になっている。まぁその中身は去年までの「得点、失点共に少ない」状況から「得点、失点共に多い」状況に変わっているのだが。先ほど述べたように今日はピッチコンディションに上手く対応したサッカーが出来たのが勝因と思うが、残り6試合で懸念は主力の欠場かな。伊藤の負傷(最終節に間に合うかどうか)、ドゥシャンの出場停止(次節まで)以外にも警告3枚でリーチの選手が3人いる。ウーゴ、天野、大津。特にウーゴまで欠場となるとFWは町野しかいなくなるが(実際そうなったら仲川、大津辺りを置くのだとは思うが)、この3人で一番警告を貰いそうなのもこの選手という(苦笑)

 例によって試合終了後に雨脚が収まったものの、90分雨に打たれて消耗したので帰りはタクシー呼ぶかという話にもなったのだが、結局いつものように歩いて三ツ沢の丘を下り、横浜駅へ。