神奈川県1部リーグ(谷本公園)


 友人達のチームのリーグ開幕戦。この週末は雨が断続的に降っていたが、この日曜夕方は雨も上がり、濡れずに済んだ。結構寒かったのだが、今まで日曜19時開始が多かった中で、今日は17時開始だったので、帰りを考えるとこれはありがたい。
 今季も多くの有力選手が加入したそうで、出身校を聞くと、強豪高、大学ばかりで、中にはJ経験者もいた。だが試合が始まるとなかなか攻撃の形が作れない。最初は緒戦故の硬さかなと思っていたが、相手の守り方も上手く、守って速攻という形が徹底されていて、徐々にカウンターで危険なシーンを迎えるようになった。そんな中で先制を許し、前半終了間際にもPKから2点目。後半も同じ展開が続き、友人チームは1点獲ろうとバランスを崩した隙を突いて相手は更に2点を追加した。その後1点を返したものの、そのまま試合終了。

 個々の力で上回ろうとそれが必ずしもチームの結果に反映されないスポーツの怖さ(奥深さ)を実感した試合だったが、ボールを奪ったら複数人が全力で前に駆け出す相手のカウンターもまた威力があった。友人チームでは右サイド(3トップの右or右ハーフ)に入ったキャプテンが攻撃の中心のようだったが、相手の厳しいマークにあってなかなか良い形を作れず。こういうサイド起点に、単なるウイングではなく中に切り込んでシュートやパスで攻撃のリズムを作る選手はそれこそメッシやネイマールグリーズマンみたく現代的なアタッカーという感じ。

 今季からレギュレーションが変わってリーグはH&Aの18試合もあるらしい。長丁場な分、まだ取り返しは利くと思うので次戦初勝利を。

J1第6節 横浜M×磐田(日産)

barcaw2017-04-08
■花見
 桜もようやく満開と言うことで今日は試合前にスタジアム近隣で花見でもしようと思い、早めに家を出て港北ICやIKEAの傍にある緑道へ。

 小川の両脇を桜並木が数百メートルに渡って続いており、途中チューリップも植えられている。川の両脇の桜というと目黒川が有名だが、あまりに人が多くなり過ぎてしまった目黒川とは違い、地元民が集う落ち着いた空間なのがまたいい。ここは数年後には東名青葉ICまで伸びる高速道路の高架が上を跨ぐことになるので、今の姿を見ておけるのもあと2年、いや来年が最後かもしれない。小雨がパラつく天候だったが、それもまた風情があった。

 花見の後はスタジアムまで歩いて向かったのだが、近そうに見えて港北ICから約2kmと意外と距離があった。

■試合
 この試合は25周年記念試合という位置付けのようで、試合前は場内暗転からのこれまでの名場面映像や春畑道哉による“J's theme”生演奏といったイベントがあったのだが、やっぱ良い曲だよなぁ。20年以上経っても色褪せない。ついでに言うと春畑氏自身ももう50を越えているのに年齢を感じさせず若々しい。生演奏といいつつエアギターぽかったのはまぁご愛敬と言うことで(苦笑)曲と言えば今季から入場曲になった公式アンセムも曲自体は良いのだが、これから試合に向けて気持ちを昂ぶらせていく、といった類のメロディではないんだよな。どちらかと言うと試合後に余韻に浸る時に合う曲だと思う。

 今日は磐田ユニを着た中村俊輔が横浜にやって来るという試合でもあったのだが、磐田は細かくパスを繋いでいかにもこの選手好みのサッカーだった。というより早くも自分好みにチームを染めたと言うべきかもしれないが。相変わらずパスセンスは素晴らしかったが、他の選手もこれまでなら苦し紛れに蹴り出していたような場面でも落ち着いて味方に繋いだり、体の向きとは違う方向にパスを出すといった小技を駆使したりと、自信を持ってパスを回している印象を受けた。去年までは繋いでは来るがマリノスゴールに近付くプレーは無く、あまり怖さは無かったのだが、今日はそれとは異なり、サイドに展開してから何度かゴールに迫ってきた。アダイウトンが途中出場して左サイドから仕掛けるようになった後半は特に。
 マリノスは新潟戦に近い内容と言うか開幕2戦当時の動きは消えていたのだが、齋藤の2アシストで勝利と。やはりこの選手は球離れが早いと良い結果を生む可能性が高くなるが、この内容が続くなら、今後も1点勝負のギリギリの試合が続きそう。新潟戦から△→●→○だが、まさに勝ち負け引き分けの可能性が等しく3等分されたような状況。1点勝負なので先制されると苦しい。そういう中でセットプレーからの失点が最近多いので、そこは改善ポイントだな。

 試合後は溝の口経由で帰路へ。天候の影響もあったがこの時期はまだ朝晩は冷える。

J1第5節 C大阪×横浜M(キンチョウ)

barcaw2017-04-01
 今年の未踏破スタジアム制覇は大阪から。思えば4年前は水曜開催、3年前はヤンマー開催で、その年まさかの降格で一昨年、去年は行くチャンスが無かった。奇しくも去年の吹田行と同じ4月第1土曜日の大阪開催だったが、今年は去年の経験を踏まえて日程が出た直後から事前に色々調査。調べてみると大阪でも飛行機の方が新幹線より安かったりするので帰りは伊丹から空路を選択し、また去年は宿を取るのに苦労したが、今年は15時開始なので日帰り。

 例によって早朝の新幹線でまずは京都に向かったのだが、今年は桜の開花が遅く、また前日は雨で気温が上がらなかったのもあって去年ほど咲いてはいないだろうというのは分かっていた。そんな中で京都でも行ったことの無い場所、かつ京都駅からそう遠くない名所はどこか色々検討し、まずは京都御所京都御苑)に向かった。洛中にあるが、行ったことがあるようで無かった。御所の周りを御苑が囲む、というよりは塀で囲まれた広い京都御苑の中に京都御所を始め幾つかの御所や貴族の住まう邸宅が独立しているイメージ。行くと御所の外に広がる砂利道の広さに圧倒された。普通屋敷の外は細い道に囲まれているが、そうした固定観念を打破する光景であるが故に何か只ならぬ風格を感じてしまうとでも言うか。

 9時からは御所内の一般見学が始まったので中を見学し、その後は地下鉄を乗り継いで醍醐寺に向かった。乗りながらふと思ったが、京都ほど古い街で地下鉄を通すとなれば各時代の遺跡が出てきて工事どころでは無かっただろうな。同じような話をローマでも聞いたことがあるが。
 醍醐寺に行ったのは今まで行ったことがないのと秀吉が開いた花見で有名な桜の名所という点からだった。今回は桜はあまり望めないなと思って行くと、やはり枝垂れ桜が木によっては咲いているといった程度で全体ではまだ一分咲き。ただ中の庭園は見事だった。

 こういう樹木、石、水で自然を現したような庭園はその規模が大きいほど観ていて飽きない。

 醍醐寺を出た後は醍醐駅近くの定食屋で昼食を摂り、地下鉄で山科駅、そこからJRの新快速で大阪に向かった。この時点で既に一万歩以上歩いていたので、新快速ではすぐ座れたのもあって大阪まで意識を飛ばしていた。大阪からは地下鉄で長居駅に向かい、14時前にはスタジアム到着。

■観戦記
 今回はメインスタンドアウェイ側に座ったが、メインスタンドが大きく(高く)、その他スタンドが低いという構造は三ツ沢に近く、マリノスにとっての日産―三ツ沢の関係がセレッソにとってのヤンマー―キンチョウなのかな。ただマリノスと違うのはキンチョウの増築計画がある点で、中にこんなポスターが。

 バックやG裏を増築するらしい。吹田スタジアムを造ったガンバといい、またノエビアの神戸、亀岡に新スタジアムを建設する計画が具体化している京都など、スタジアムに関しては関西が日本の先進地域だな。関東も埼スタフクアリNACK5、など専スタはあるが、収容25,000〜35,000規模のスタジアムが無い。
 ホームゴール裏を観ると、シンハービールの目立つ広告とあべのハルカス、そして中継映像でよく映るセレッソ旗を掲げたアパートが。

 今は取り壊されてしまったが三ツ沢バクスタ裏の古河電工社宅にもマリノスフリューゲルス横浜FCの旗が掲げられていたし、浦和美園埼スタ間に出来たマンションにもレッズの試合日に旗を掲示した家を見たことがある。ああいうのはサポがスタジアム近くに家を買った、あるいは近所にプロチームが出来て応援するようになった、というパターンか?

 ようやく試合について(苦笑)代表戦の影響でバブンスキーはベンチスタートで前田がトップ下に入り、富樫が負傷、ウーゴがコンディション万全で無い(らしい)為に伊藤が1トップに入ったが、前半はシュートを打てたかどうかという悲惨な内容だった。前田はセレッソの中盤、山口とソウザに対応されて中央で前を向いてボールを持てないために、自然といつもの右サイドに流れていってマルティノスとポジションが被り、伊藤も前でボールを収められず。今日のセレッソは杉本がスタメンで、フィニッシュは寒くて点の入る匂いはしなかったが柿谷や山村とのコンビによる崩しや中澤を背負ってもボールキープするなど、マリノスからしたら嫌らしいプレーを何度も見せていた。
 後半は少しマシになってセレッソゴールに迫るプレーが増えてきたのだが、そういう中でセットプレーから木本にボレーを決められて先制を許した。この選手は先日のルヴァン杯でもマリノス相手にCKから点を取っていたのでどんな選手だろうとプロフィールを見たら、静学→福岡大で去年加入した選手。静学も小柄なテクニシャンタイプばかり育てていると思いがちだが、小林祐三(高校時代はCBだった)や永田充薗田淳(元川崎、札幌、現熊本)などCBも結構プロ入りしている。
 先制されたマリノスは金井→ウーゴで3バック(松原、中澤、デゲネク)、2トップ(伊藤、ウーゴ)にして押し込んでいく。が、ボールを支配する割に決定機は無く、逆にセレッソにカウンターからピンチを招く場面が増えていった。これまでも終盤に1点取るために前掛かりになってカウンターを受ける、というような試合は何度もあったが、今日ほど数的不利の場面も作られたのは記憶に無い。おそらくまだこの3バックを消化し切れておらず、マークやポジション移動の約束事が体で覚えるまでには至ってないのだろう。後半30分頃には喜田がPKを与えてしまい、これを柿谷が決めて2点差。その後も押し込みはするが決定機は作れず試合は終わった。

 試合後、どうもこのスタジアムはいつも負けるイメージがあるなと思って調べてみたのだが、

vsC大阪キンチョウスタジアム戦績
2010年●0−2
2011年○1−0
2012年●0−2
2013年●1−2
2017年●0−2(ルヴァン杯
     ●0−2

なんと今日で6戦5敗目だった。ここではいつもマリノスのやりたいことが出来ず、セレッソの思惑通りの(場合によってはそれ以上の)試合展開になる。ユアスタとは対照的に苦手なスタジアムということか。

 帰りは御堂筋線に乗ったのだが、この前の埼スタ浦和美園ほどとは行かずとも1〜2本乗車を見送る位の混雑の覚悟はしていたのだが、あっさり乗れて千里中央駅→モノレールで大阪空港まで。帰りの便は窓側の席が取れたので、縦横に道が連なる大阪の街並みの夜景が美しかった。

ロシアW杯アジア予選 日本×タイ(埼スタ)


 代表戦は15年6月のイラク戦@横浜国際以来、公式戦(予選)となるとブラジル大会出場を決めた13年6月の豪州戦@埼スタ以来か。16年は2001年来初めて代表戦をスタジアムで観なかった年だったので、今年のホーム緒戦は是が非でも行きたかった。書いてて思い出したが五輪代表もアテネ、北京、ロンドンの各世代の予選なり親善試合なりを1試合は観に行っていた中で、リオ世代は結局一度も生で見れず。まぁリオの予選は中東で集中開催だったし、過去の世代が親善試合でもよく使っていた国立が使えなくなり、ホームはフクアリユアスタ等平日に行くにはキツい場所で開催する事が多かった為だが。
 今日は新橋の外出先から直行だったので、銀座線で溜池山王南北線乗換で浦和美園まで直通コースで向かった。これだとJRを使うより多少安い(京浜東北線で王子→南北線乗換だと860円、この全線地下鉄ルートだと710円)。浦和美園に着くとやはりかなりの人手だったが、どうにか選手入場直前に到着。

以下雑感を箇条書き
・今日ほど内容と結果が乖離した試合は無かった。押されまくっても1−0、2−1というような試合は過去何度か観たことがあるが、何度も決定機を作られてPKまで与えても4−0という。日本は攻撃は単発だったが、久保にボールが渡ったら1点という感じで気付いたら前半半ばで2−0になっていた。UAE戦が1G1Aで今日も1G2Aと、この選手様々だな。クラブだと中央でゴールを狙う典型的なストライカーなのに、代表では右サイドから仕掛けてアシストだけでなくゴールも決めるこの器用さよ。

・今日の試合は今野が負傷した為酒井高徳ボランチ起用という事でそれが楽しみの1つだったが、開始から低調な出来だった。最終ラインがボールを持っても受けに行かないので吉田や森重はロングボールを蹴り出さざるを得ず、中盤が省略された形になってしまった。クラブでこのポジションをやっているというのでもっと出来るかと思っていたが・・・。思うにブンデス、というかリーグ下位のHSVだと中盤は走り回って相手のボールを狩るのが最優先で繋ぎは後回しという感じなのかと思う。これがバイエルンドルトムントの様な上位クラブになると中盤にもシャビ・アロンソ、ヴァイグルといったパスセンスのある選手が不可欠になってくるのだとは思うが。また酒井高徳のプレースタイル自体も堅実な職人というよりは(SBでも)時々自陣で相手を小技で抜きにかかったり、リスキーなプレーが多い印象がある。

・長谷部、今野の負傷でこのインサイドハーフのポジションに適合する選手がなかなかいない。現メンバーだと他に倉田は試してみる価値はありそうだが香川と共存となるとちょっと攻撃的過ぎる気もする。清武、そして今は代表から外れているが柴崎も同様で、これらの選手は香川とポジションを争う事になりそう(今日も香川→清武の交代)。ここで必要なのは山口のようなアンカータイプと香川のような攻撃的MFの丁度中間―――守備と攻撃のバランスが取れていてパス回しに付いていける技術もあり、戦術眼、判断力も備える、と要求水準が高いのだが、代表クラスかは別として今年鳥栖で試合に出ている原川のようなタイプは相性が良さそう。これと言った特長は無いが、逆にそれがこのポジションに上手くハマるのではないかな。と書きながら思い付いたのだが、森重をここに置くのが良いのでは?(笑)元々ボランチで攻撃にも顔を出すタイプだったし、守備もCBとしては国際舞台では危なっかしさがあるが中盤なら能力がより活きるように思うのだが。まぁ予選の内は吉田&森重でCBは固定だろうからあまり現実味は無いが、予選を突破出来たら試す価値はあり。

・川島がPKを止めたシーンはギリギリまで我慢して相手の出方を読んで飛んだのはさすがだった。勿論昨年のUAE戦、豪州戦を思い浮かべながら書いているが。思えばこの選手もいつの間にか34歳だが、これは南アW杯時の楢崎、川口とほぼ同じ年齢。クラブで出番が無い選手が正GKというのはやはりあまり宜しくないので、このまま試合に出られない状況が続くならば南ア当時の川島のような若いGKをバックアップするという形が理想だが。

・タイは(川島のセーブもあったが)良い形を作りながら最後のフィニッシュが甘いという点で90年代の日本は相手の強豪国からこう見えていたのかなと思わせるチームだった。思えば日本の得点者、アシスト者はほぼ全て欧州組だが、こういう一瞬の隙を逃さない感覚はさすがだ。タイは日本で言う中田英寿の様な存在(若くして国内を出て欧州で成功)が現れ、また79年世代のようなU17やU20で世界大会を経験するような黄金世代が台頭したら、もうワンランク上がるように思う。ただ東南アジアだと若い世代はベトナムが結果を残しているが(今年のU20W杯に東南アジア勢で唯一出場)。上記の中田や黄金世代についてふと思ったが、彼らは世代的に近かったのも大きかったな。過去にも奥寺、カズのような先駆者がいながら後が続かなかったのとは対照的に、中田→小野、稲本らが連続した世代だったが故に、次々に欧州に移籍していってそこでの経験が代表の強さに還元されていった。

 帰りは早めにスタジアムを出たがそれでもかなりの混みようだった。地下鉄に1時間以上乗ってるのはやはりキツい。

J1第4節 G大阪×浦和(吹田)


 2日前の金曜日に友人の誘いで行くことが決まった。去年の鹿島行といい、稀にこういう誘いがあったりする。2週間後も大阪に行く予定なので少し迷ったが、カードは申し分無かったし、飛行機も安く取れたので日帰り大阪行が決定。

 行きは7時の羽田発伊丹行の便だった。大阪まで飛行機で行くのは6〜7年前の出張以来(その時は関空)、伊丹を使うのは実に中学以来。7時発と言っても離陸は7:20頃で、飛んでいるのは実質40分程で8時過ぎには着いてしまった。そこからモノレール→阪急で梅田に行ったが朝が早すぎて開いてる店も無かったので取り敢えず大阪城に向かった。

ここも数年ぶりだが相変わらずアジアからの観光客が多い。特に中国からの観光客は林家パー子かと見紛うほどのド派手なピンクのダウンやスカーフを身に付けている人が多く、またかなりの確率でサングラス着用なので言葉を聞かずとも分かってしまう。友人は新幹線で来る事になっていてまずは通天閣に行こうという事で大阪城を出た後は地下鉄で南下したのだが、その途中四天王寺にまだ行ったことがないのを思い出し、何も考えず大阪城に行ってしまったのを軽く後悔したのだが(苦笑)、まぁまた後日ということで。
 通天閣に行ってみると以前と同様に展望台は50分待ちとのことで諦めて、道頓堀に向かい、そこで昼食を摂って梅田を経由してスタジアムへ。今回は千里中央駅からのモノレールルートで向かったのだが、かの有名な太陽の塔が近くに見えた。

これまでの万博や吹田スタジアム行で遠目に見たことはあったが、ここまで近付いた事は無かった。近くにはららぽーとがあって物凄い混雑ぶりだったがそこでドリンクを調達してようやくスタジアムへ。モノレール駅から寄り道せず歩いても10分は掛かるが、まぁマリノスで言うところの三ツ沢開催のようなものだな。共に丘陵地帯にスタジアムがあり、最寄りの地下鉄駅(モノレール駅)からは10分程度、JR駅(マリノスなら横浜駅、ガンバなら千里丘駅)に行くには30分程度歩くという点で。

■観戦記
 共に先週半ばにACLを戦った後のリーグ戦だったが、ホームで戦ったガンバより中国でのアウェイ戦から帰った後の浦和の方がコンディションは厳しいかと思っていたが、試合は序盤から浦和に決定機が多く生まれた。前半はガンバに枠内シュートが無かったのではないかと思うが、浦和には決まってもおかしくない決定機が2〜3回あった。ただ、それらの全てがゴールに至らなかったので、ガンバがワンチャンスでゴールというのは十分有り得るとは思った。
 浦和の攻撃に関しては以前友人とも話したことがあるが、ペナルティエリアまではシステマチックで、そこから先は各人の自由に任せているのではと思う。これが鹿島になるとクロスの上げ方、エリア内での動き方まで約束事があるように思うが、浦和の場合はその辺は各個人のインスピレーションに任せている感じ。上手くハマれば大量得点が期待できるが、この試合ではそうではなかった。
 後半はややガンバが押し返す展開になったが、後半半ばに左サイドからのクロスを今野が合わせてガンバが先制。最初中央でクロスに合わせたので長沢かと思ったが今野が中盤から上がっていた。長谷部が負傷した今、代表のUAE戦に出る可能性は高いが(ボランチは今野&山口の大阪勢コンビかな)、この選手は守備の人と思わせてこういう得点力もある。
 その後は浦和が攻勢を強めたが何度かあった決定機もものに出来ず終盤を迎えた。その間ガンバは藤ヶ谷が負傷退場で本来(東口、藤ヶ谷に次ぐ)第3GKの田尻が出たりもしたのだが阿部との1対1を防ぐなどいいプレーだった。だがアディショナルタイムに浦和のシュートがガンバの選手のハンドを誘ってPK、これをラファエル・シルバが決めて同点となった。田尻はPKのコースも読んでいたのだが、サイドギリギリを狙ったR・シルバのキック精度が勝った。そのまま試合終了。

 日本のトップレベルにあるチーム同士の中身の濃い試合だった。お互いACLとの掛け持ちだったが、それでも今日のようなレベルの試合を見せられるチームとしての質の高さや層の厚さがあった。ましてそういう試合に今日のようなスタジアムなら尚更引き立つ。今日はアウェイ寄りに座っていたが、ガンバゴール裏は1階から2階まで大旗が広がり、またメイン、バックのホーム側も試合前に総立ちで手拍子したりと、新スタジアム2年目を迎えて名実共に自分のスタジアムにしているなという印象を受けた。長い目で見たらこれは大きなアドバンテージになるだろう。

 試合後は千里丘駅まで歩き、新大阪から新幹線で帰路へ。行きが飛行機だったせいか、帰りがやたら長く感じられたが、どうにか日付が変わる前に帰宅。

J1第4節 横浜M×新潟(日産)


 13年に負けて以来ホーム新潟戦では確か全勝のはずなので今日も勝つかなと思っていたが、1−1の引き分け。押している割に決定機は単発という点で去年に戻ったような内容だった。今日はウーゴがスタメンだったが、この選手はイベリア半島出身、抜け目なくスペースを突くプレースタイル、そして背番号7という点からスペインのビジャを思い起こさせる。ただ今日は2度ほど決定機があったが決められず。特に2度目の左からのクロスをフリーで合わせて枠外に飛ばしたシーンは、先制直後でこれを決めれば試合が決定付けられた&この直後に失点しただけに試合の分岐点だった。シュートまでは持ち込めていて、リーグで既に2点取ってレッドスター時代にもゴールを量産していた実績もあるだけに、コンディション次第かなと思うが。そうそう天野がボランチから左に流れて中央にクロス、という展開は札幌戦の3点目と同じで、これは練習で培ったパターンなんだろうな。
 失点のシーンはEURO2004のフランス×イングランド戦を思い起こさせた。フランスが終了間際に追い付いた後、ジェラードがGKに同じような浮き球のバックパスをして、それをゴール前に残っていたアンリが拾って倒されPK、となったシーン(これをジダンが決めてフランスが逆転勝ち)。

新潟のホニは開始から明らかにスピードがあるのが分かっていただけに不用意だったとは思う。マルティノスの先制点もラッキーパンチみたいなもので、これも事故みたいな失点だったので、後半勝負と割り切れば良かったが、過去のホーム戦よりかは停滞した内容だった。

 齋藤は新潟の右SB矢野貴章に上手く対応されて浦和戦、札幌戦の様な決定的なシーンは少なかった。惜しかったのは前半の中央突破から相手をかわして打ったシュートくらいだったかな。矢野は長身でスピードがあり、齋藤に裏を取られそうになっても上手く体や足を入れてブロックしていたが、齋藤がこのオフに欧州に行けなかったのは年齢以外にこういう部分なんだろうと思った。欧州に行けば矢野ぐらいの体格、スピードのあるSBは幾らでもいる。そこでサイドアタッカーが生き残るにはそれを上回るスピードやテクニック、得点力、それが厳しければ原口の様に90分間攻守に動き回る献身性が必要だと思うが、その点で物足りないと判断されたのだろう。

 今日は横羽線第三京浜を結ぶ新しい首都高の開通日で、開通時間が丁度試合終了直後の16時ということで、帰りに溝の口行きのバスに乗ると、先導車に誘導された車列が見えた。

J1第3節 川崎×柏(等々力)


 今節は金曜開催が3試合あり、マリノスはアウェイ鹿島で首都圏では等々力、埼スタでも試合があったので、今年も友人の年チケにて等々力行。
 友人が来るまでの間、スタジアム外のフードパークでちゃんことベーコン串を食べつつ何気なく試合前の等々力の様子を見ていたのだが、さすが金曜開催だけあって会社帰りのサラリーマンの姿が目立つと共に(自分もその一人だが)、近所から来たと思しき“チャリ通”の学生や親子連れも結構いて、“大都市だがローカル”な匂いを漂わせるのはこのチームならではだよな、と思ったりもした。

 今日この試合に行ったのは監督が代わった川崎のサッカーを観てみたいというのもあったが、柏の若い選手達を観たいというのが大きかった。特にGK中村航輔。昨年の日産での柏戦は丁度リオ五輪の時期で、日立台の試合も行かなかったので生で観るのは初めて。この選手はどこか川口能活を思い起こさせる。GKとしてそれほど体格に恵まれている訳では無いが反応の鋭さや飛び出しのタイミングで勝負する点、眼光の鋭さ、そして背番号が23という点からも。まだ少し線が細い感もあるが、今日の2失点はいずれもGKにはノーチャンスだったし、何度か相手と1対1になりかけながらタイミング良い飛び出しでクリアしていたプレーが印象深い。今J1でレギュラーを取っている若い日本人GKが少ないだけに是非このまま伸びて欲しいと思う。
 柏はスタメンに8人もアカデミー出身者がいたのだが、両CBの中谷、中山にとっては苦い経験となる試合だった。中谷は自陣でボールコントロールをミスして失点に繋がり、中山は後半に中村憲剛を倒して1発レッド。特に中山のレッドのシーンはカウンターで中村憲剛が中央をドリブル突破して前に中山、という状況で、まさか周りにパスを出さず自ら中山を抜きに掛かるとは思ってなかったのではないだろうか。中村の老獪さにしてやられた退場だったと思うが、こういう経験が出来るのも試合に出ていればこそなんで、今後に期待したい。その他今日は4バックのCBで先制点も決めた川崎の谷口、そして鹿島も昌子、植田など、こういう若い選手が代表に定着して欲しいものだ。吉田、森重の控えが丸山などという状況はあまりにさもしい。
 それ以外では右SBに入った古賀は結構大柄な選手で、最初大卒なのかと思って調べたら今年昇格したまだ18歳の選手だった。しかも名前が“太陽”って柏でプレーするために生まれてきたようなものだな(笑)柏アカデミー出身の大柄な右SBというとやはりマルセイユのあの選手を思い浮かべるが、是非それを越えるような選手になって欲しい。

 川崎は昨年までの様なこれでもかというほどのボール回しは無くなり、やや実利的な路線に微調整したかなという印象。ただ右サイドに入った小林悠に攻撃は組み立てからフィニッシュまで、守備もサボらず下がって対応とかなりの負荷が掛かっている。今日は前線中央に阿部が入っていたがあまりフィットしておらず、今後は前線でボールキープ出来る家長のコンディション次第て感じかな。
 やや実利的と書いたが、昨年までと変わらない面もあって、柏が1点返した直後に川崎キックオフからすぐボールを奪われて自陣ゴール前までボールを運ばれ、あわや一気に同点か、というシーン、そしてアディショナルタイムの何でも無いスローインをミスして柏の選手にボールが渡ってしまい自陣まで攻め込まれたシーンなどはいかにも(ここ数年の)川崎という場面だった。一緒に観た友人曰く川崎はスローインがかなり下手とのことだったが(苦笑)

 今年から急に始まったフライデーナイトマッチだが、水曜よりも行きやすく、今後も日産、三ツ沢、等々力ならば行くだろうし、味スタ、埼スタでもカード次第では、という感じかな。