ブックレビュー vol.2

 You tubeギャルサーの動画を見続けたせいで、また夜更かししてもうた。ドラマなんて普段観ないけど、観る時は肩肘張ったものよりも、こういうB級っぽさが漂うものが多い。この前本屋でギャルサー公式ガイド本を観て一瞬買うべきか心が動いてしまい、高校時代に美少女Hにハマりかけてガイド本まで買ってしまった苦い過去を思い出した。

 そんな花火大会で電車激混みの今日は、先週買った2冊の内、後に読んだ方を紹介したい。
アディダスVSプーマ〜もう1つの代理戦争〜」バーバラ・スミット著 ランダムハウス講談社

 今回のW杯で最もユニフォームを提供したメーカーはどこか。アディダス、ナイキ・・・・ではなくプーマだ。イタリア、スイス、チェコ、アフリカの全5カ国+パラグアイ等等その数は12カ国に及び、アディダスやナイキを遥かに上回る。ただ、この中でイタリア以外は比較的(マーケティング的に)マイナーな国が多く、2強が興味を示さない国を中心に攻略していった結果と言えなくもない。個人的にはユニに各国の象徴物を透かしでプリントしたデザインは今大会随一だと思っているのだが。本書は2人の兄弟の仲違いから生まれたアディダスとプーマの永年の戦いを軸に、その栄枯盛衰を描いた物語である。
 先に述べたW杯参加国のユニであるが、前回大会までは、この3社以外にも、デンマークならヒュンメル、サウジなら王族がデザインした独自ブランド、中南米は国内メーカーと多種多様だったように思うのだが、今回は3社だけで30カ国近くに及ぶ。それ以外は英国、北欧圏を基盤とするアンブロと何故かセルビア・モンテネグロウクライナに提供しているイタリアのディアドラが目立つ程度だ。国内メーカーだったメキシコも今やナイキ・グループの一員で、サウジやイランも今回はプーマのユニを着ている。個人的に衝撃だったのは(予選敗退してしまったが)あのデンマークアディダスに乗り換えた事だ。自国の代表まで失ってどうするんだヒュンメルは。。。このまま寡占化が進む事に、一抹の寂しさが胸を過ぎる。
 なら日本はアディダスではなくミズノかアシックスが相応しい、という論法になるが、この本を読む限り(やたら日本に関する記述が多い。著者は外国人だが初めから日本向けに企画されたんだな。)、アディダスとの繋がりは想像以上に長い事が分かる。まだ日本にアディダスというメーカーが知られていなかった頃から、他のスポーツ団体が当然のようにミズノと契約している中でサッカー協会だけはアディダスとの繋がりを深めていたという事実。今の両者の関係の深さにはそれなりに理由があったんだな〜と気付かされた。
 もっとも例えそういった背景が無くとも、日本は遅かれ早かれ“アディダスの国”になっていたとも思う。何故なら隣国のあの赤いユニの国がナイキだから。今、ライバルと呼ばれる代表チームやクラブは大概、ナイキ側(以下N)とアディダス側(以下A)に分かれている。バルサ(N)とレアル(A)、ミラン(A)とインテル(N)、ブラジル(N)とアルゼンチン(A)そして日本(A)と韓国(N)。そういえば国内でも横浜M(A)と浦和(N)という構図があるな。アディダスリーボックを買収してナイキ追撃体制を整えた今、この2強の争いは益々激しさを増し、それにプーマが隙を伺うという展開が続く事だろう。だがアディダスやプーマが一度どん底を経験し、今やダスラー家とは何の関わりも無いように、この栄枯盛衰はこれからも続くに違いない。個人的にはナイキに何か起こりそうな気がするが。一昔前にエア・ジョーダンで日本でボロ儲けしたような機会は当分無いだろうし。

 どちらかと言えばアディダス派で、ナイキユニを買ったのは、去年のバルサユニが初だった。と言いながら今使っているジャージはディアドラなんだが。使ってもう4年半になり、穴も目立ってきたので、冬に新しく買おうかな。買うとしたらアンブロで(笑)(ユニならともかく、ジャージにまであの3本線が肩に入ってるのは抵抗が・・・)アンブロの、あのシンプルなデザインはいつ見てもいい。イングランド=アンブロという構図だけは守ってくれ。