UAE戦

 前回の最終予選は4年前の6月に始まったが、当時を思い返すと2010年南アW杯ベスト16→2011年アジアカップ優勝という流れが続き、その間長友、内田、香川、岡崎らが欧州に渡ってポジションを確保するなど、個人、組織共にスケールアップしていた時期だった。今思うにザック時代のピークはこの12年6月頃ではなかったと思う。
 あれから4年が経って、今日のスタメンには前回の緒戦のスタメンが5人いた(吉田、長谷部、本田、香川、岡崎)。また清武、酒井(宏)は4年前は途中出場、西川もベンチにおり、4年前のオマーン戦以降に定着した選手はスタメンなら森重、酒井(高)、そして今日代表デビューした大島の3人だけ。森重、酒井(高)は12年後半〜13年半ばにかけて代表に定着しており、前回スタメンで今日負傷辞退した長友も、怪我が無ければ確実にスタメンだったはずなので、要は新陳代謝が殆ど無いまま4年が過ぎた訳だな。まぁ4年は殆どが20代前半〜半ばだったので、同じ面子でここまで来たのも理由が無い訳ではないのだが。
 ハリルホジッチもおそらくこれを理解はしていて、タレントを発掘する為に就任以来新顔を何人も代表に呼んだり国内組合宿を組んだりしている。時には我慢して起用し続けたり(ex宇佐美、浅野)。ただ現状ではスタメンとベンチの間というレベルでまだ↑のレギュラー陣を脅かすまでには至っていないが。思えば79年組→86年組と主力世代が変遷しきた中で、単純計算して次は7歳下の93年組がもっと台頭しなければ。大島、遠藤、久保、あとは94年組の浅野、植田、岩波、室屋らはもっと代表に絡んできて欲しい。更に言えば95年組の中村、南野も。

以下雑感集
・岡崎の真骨頂は攻守に幅広く動き回って相手を攪乱させる動きでレスターみたいな2トップかザック時代の2列目サイドで活きる選手だと思うのだが、今だと動く範囲が狭まって1人で相手を背負わねばならずなかなか持ち味が出せない。と言っても今の日本で1トップに置ける選手はなかなかいない。その意味でザック時代の前田はボールが収まって得点力もあって理想に近かったな。大迫がもう少しケルンで結果を出せばその後継者になれるはずなのだが。
 岡崎が上記の様な状況、かつ清武はパサー、香川も代表だとボールを持ち過ぎてリズムが悪いという中で結果的に一番ゴールの匂いがするのは本田という事になる。今日も点を取ったが、予選通算で7点取ってるのは偶然ではない。

・長谷部は今日で代表100試合目。100試合を超えているのは他に遠藤、井原、中澤、川口、岡崎の5人しかいないが、高校時代はあまり有名では無かった(少なくとも同世代のトップでは無かった)長谷部や岡崎、中澤の名があるのを見ると、プロで活躍するのに必要なものは何か考えさせられる。
 この選手はボールを前に運べるのがいいな。今日も何度か自陣からドリブルしていたが、若い頃のプレーを思い起こさせた。

・大島はそんなに悪く無かったと思うが、やはりまだ中村憲剛の副官的イメージが抜けず、自分が主役となって試合を支配するといった印象が持てない。川崎でやってるプレーをそのまま出していたのは冷静さと言う意味では良かったが、代表だと(チームの方針としては)川崎ほどショートパスにこだわらないので、そのギャップは少し感じた。まぁポジション、年齢含め定着して欲しい選手。柴崎も鹿島で燻って無いで早く復帰してくれ。

・香川は代表だとザックの頃からクラブでのプレーを見せるシーンが少ない。キープ力がある分あまりボールを取られないのが逆に球離れの遅さに繋がってしまっているとでも言うか。もう27歳で代表も80試合を越えているのだが、代表では主役になり切れないもどかしさが。

・原口はもうドリブラーというより「ドリブルも上手い中盤の万能型」だな。守備もこなすし、サイドでも中央でもプレーに絡んで消えるシーンが少ない。ゴール&アシストの数は少ないながらドイツでレギュラーで出ている理由が分かった気がした。ドリブラーと言えば齋藤学はドリブルのキレで原口を上回る一方でボールを失う回数も多く流れから消える時間も長い。代表定着にはこの点が改善ポイント。