J1第31節 横浜M×鹿島(日産)


 先々週の味スタ以来の観戦。この前書いたように今は(天気が良ければ)観戦するのに気持ちの良い季節なのだが、マリノスのホーム戦は今日を入れて残り2試合。11/14の浦和戦がラストという。久々に観戦仲間の友人達もスタジアムに来て、チケは各々購入したのでバラバラで観戦と思いきや1列後ろだったり、通路挟んで隣のブロックだったりと顔の見える距離だった。

 マリノスは22連戦が終わってようやく中5日空き、鹿島は先週土曜に試合があったので中2日という条件での試合。序盤はややマリノス優勢で、前半30分までにカウンター気味の流れから2点取って2-0。1点目はサイドを崩してのクロスから逆サイドの選手(水沼)が飛び込むという恐らくは練習通りの形、2点目はJ・サントスの縦の推進力というか、パスが多少相手に引っ掛かっても跳ね返されず、半ば強引にでも前に通せてしまうので、それがエリア内でのエリキのシュートに繋がった。
 2-0としたのだが鹿島も防戦一方ではなく、マリノスゴール前でのシーンは幾つかあり、またCKからもチャンスがあった。見ていて選手間の適度な距離感だったり組織立った守備や攻撃はオリヴェイラ時代やその後のT・セレーゾ時代を思い起こさせる。あの当時も柴崎や野沢、カイオ辺りによく日産でゴラッソを決められていた。
 などと思っていると前半終了間際に永戸のロングボールをゴール前で上田がトラップしてボレー、これが決まって鹿島が1点返した。最後のシュートは違うが、前に走りながらロングボールを完璧にコントロールしたという点においてはフランスW杯のアルゼンチン戦でベルカンプが決めたゴールを思い起こさせるゴラッソ。ホーム側の観客すらどよめくほどだった。上田はその前からこういうロングボールのトラップを見せていて、その空間認識力においては柳沢を思い出す。まぁ最後のフィニッシュ精度以外完璧という点でも似ているのだが(苦笑)これで今季は出場20試合で5点目。ただスタメン起用された4試合中3試合で点を決めているし、ああいうトラップなどの技術は教えられて身に付くものではないので期待している。本来なら大学4年、大学サッカーを2年半経験してプロに行ったというのは優秀なタレントにとって4年はやや長い中で適正な時間、適切な判断だったと思うし。

 後半はほぼ鹿島ペースだった。マリノスのSBとウイングの間というか中盤脇のスペースを上手く使われて鹿島右SB小泉や左に張ったエヴェラウドがマリノス陣内深くでボールを持つシーン多し。その中でエリキの左のカットインのミドルなどチャンスもあったのだが、ちょっとこれは同点も時間の問題だなという中で、後半30分過ぎに松原のトラップを狙っていたエヴェラウドがボールを奪った後そのまま中央に切り込んでミドルを決めた。まぁこれも打った選手を褒めるしかないゴラッソ。ただ今日のエヴェラウドの出来なら1点は決めてくるだろうなとは思った。
 で、実は3点目は見ていない(苦笑)トイレに行っている時に歓声が上がったので嫌な予感がしたら遠藤のゴールというアナウンス。なのでDAZNでしか見ていないのだが、これも力みの無い見事なダイレクトボレーだったな。その後ATは5分あったが鹿島に上手く時間を使われて試合終了。

 マリノスとしては後半あれだけ鹿島に押し込まれたのは気になる。今季負けた試合でもこれだけ押されたのは川崎戦くらいで他はボール支配しつつカウンターで失点というパターンだっただけに。ACLを前にして意図的に落としているのかもしれないが、去年よりも前線のタレント頼みが強まった感はある。エリキやJ・サントス、マルコスの個人能力に負うところが大きく、それ以外の選手のゴールの少なさが露わになってしまっているというか。このサッカーで結果を出す(上位進出、タイトル)には一定水準以上のタレントが必要であって、その点今のマリノスのフロントは上手く選手を入れ替えつつ体裁を整えているとは思うが、レンタル主体だと入れ替えが激しく、常に新戦力探しに動き続けなければならないのは難しいところだな。丁度流れる水を止めたら池がすぐ澱んでしまうように。
 鹿島は新監督でここまでのサッカーを観ると来季以降は益々強くなる恐さがあった。元々高校、ユース年代のスカウトや国内、国外(ブラジル人)の補強には定評があるし、これでまた来年新しい選手や既存の若い選手の底上げで力を付ければ優勝争いに十分加われる。選手で言うとGK沖はどっしり構える安定感があって、広島の大迫が今はレギュラーから外れているので、五輪代表の正GKも行けるのではと。なかなか国際経験を積む場が無いのが厳しいところだが。

 試合後は友人と帰ったが、観戦出来るのはこの試合が今季最後のようなので、休日の昼間にこうして友人とスタジアムで観戦出来る喜びを噛み締めつつ帰宅。