ルヴァン杯準々決勝 川崎×名古屋(等々力)


 今年もJが開幕してから8月まで月3~4試合のペースで観戦してきたのだが、9月に入ると急に観戦する機会が減る。マリノスのホーム戦は9~12月にそれぞれ月1試合あるのみで、アウェイもそんなに行けなさそう。(ちなみに9/21土が不自然にJ1の試合が無いのは20日に開幕するラグビーW杯の影響か。)なのでこの秋はJ1にこだわらず近隣開催で面白いカードがあれば観に行こう、という中で早速等々力までルヴァン杯の決勝トーナメントを観に行くことにした。川崎のホーム戦も最近は完売続きで行けるのは平日のカップ戦くらいだな。リーグ戦で最後に行ったのは何時かと調べたら丁度2年前のマリノス戦だった。
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 18時前過ぎに現地に着くと、今日はゲームとのコラボ企画だったようで懐かしい8bitのゲーム音楽が流れていて、行列があったので行ってみたらあの高橋名人との写真撮影コーナーだったので並んでしまった。試合前の選手紹介もファミコン風の映像。川崎はとかくその企画力が評価されるが、一番の強みは継続性とコラボ企画によるコネクションの多彩さではないかと思う。「有名な○○と組みました、以上」ではなく、その関係を継続させて別の機会に違う形で組んだりとか、今日のような企画をやればやるほど人脈が広がって益々アイデアが広がっていく。
 それはさて置き、今日の両チームは最近調子が下降気味なのでどうなるかと思って観ていたのだが、序盤は川崎が押す展開。いや押すというより名古屋DFの裏があまりに空きすぎて、中盤からロングフィードを入れる度にそれが裏に通って名古屋ゴール近くで川崎の選手が前を向いて加速しながらボールを持つ状況が生まれていた。ボールを配球する下田も精度の高い左足を持つが、それにしたって空きすぎだろう、という守り。川崎の先制点もその流れで、ロングボールに抜け出た知念がGKもかわしてゴールに流し込んだ。
 川崎としては前半で2~3点取れる内容だったが、その後何度も名古屋ゴールに迫りながら決定機までに至らなかったのは、やはり川崎も調子を落としているのを感じさせた。名古屋は前半30分でDFの若い藤井をジョーに代えた後少し押し返すようになった。
 後半はほぼ拮抗、やや名古屋がボールを支配して押し、川崎は主にボールを奪ってからのカウンターでチャンスを作っていた。そんな中でカウンターからL・ダミアンが自陣からドリブルで持ち込み、最後は走り込んだ脇坂にパス、脇坂はGKとの1対1を決めて2-0。この脇坂という選手は司令塔というか中盤でゲームメイクするタイプだが、巧いけどどうもプレーが淡泊だなと思っていた中でのゴールだった。まぁでもこのゴールは半分以上L・ダミアンのものだったな。この選手は見た目通りの空中戦やポストプレーだけでなく、特にカウンター時のドリブルもなかなか上手い。巨体でゴリゴリ進むので相手も下手に体を寄せたら逆に吹っ飛ばされそうでなかなか近付けない、といった感じ。
 その後は川崎が上手く試合をコントロールして名古屋の攻勢を抑え、そのまま試合は終わった。2点差を付けてアウェイゴールを許さなかったのは川崎にとって大きい。ただ先にも書いたように全体的にサッカーが定まらず、もっと言うとL・ダミアンをまだ上手く組み込めず試行錯誤が続いている印象も受けた。今日は知念、後半は小林と組んでの2トップだったが、このチームは過去2年1トップで結果と内容を残してきただけにそれに未練があるというか。2トップだと中村憲剛、家長、阿部といったタレントを十分に活かせない、それで結果が出ないと慣れた布陣にまた戻してみる、というように試合毎にメンバー、布陣が変わって定まらない為に悪循環に陥っているように見える。これが続くようだとリーグ戦での復調は難しいようにも。
 名古屋はいつもの風間サッカーという感じだったな。観ていて思ったが、風間氏が望むままに選手を入れ替え出来るほど名古屋に資金力があるのが仇になっている気もする(苦笑)川崎時代も志向に合う選手/合わない選手を選別して選手の入れ替えはあったし、川崎も決して金のないクラブでは無いが、さすがに今の名古屋のようにシーズン途中に他チームのレギュラークラス、元代表クラスを呼べるほどでは無い。しかしだからこそ手持ちの選手を育てざるを得なかった訳で、そこから大島や小林、谷口といった選手が鍛えられて主力に成長していった。今の名古屋は今日前半で交代した藤井とか、鹿島に移籍してしまった相馬、磐田が使わないならと獲った(レンタル)はずなのに殆ど起用していないU20代表の伊藤など若い選手にとってあまり良い環境とは言えない。オランダに行った菅原もU18時代にいきなりCBでスタメン抜擢されたが今季はあまり出番が無かった。これ風間氏が去った後は焼け野原になるんじゃないかという懸念が。

 ※全然話は変わるが、移籍した相馬は大学時代から特別指定で出場し、サポーターからも愛されてたので名古屋ユース出身とばかり思っていたのだが、三菱養和の出身だった。ここはこの選手然り、永井雄一郎田中順也と一芸のある、監督が使いたくなるようなアタッカーを生むよなぁ。ガンバからオランダに行った中村敬斗もそう。観戦仲間の弟が養和出身なのでこの前のガンバ戦でそのことを言ったら、自由にやらせてくれるから(アタッカーが)伸びるんじゃないですかね、とのこと。(この弟もトップ下のアタッカーとして大学で結構実績を持つ。)

 帰りはいつものように新丸子まで歩いて帰宅。