九州行(最終日)

 この日はまず諫早から特急で佐賀の肥前鹿島に向かい(時間は約30分)、そこからタクシーで祐徳稲荷神社に向かった。つい最近知ったのだが、ここは京都の伏見稲荷、愛知の豊川稲荷と共に日本三大稲荷の1つらしい。帰りは福岡空港から帰るので長崎からは途中下車して行ける場所だけに急遽日程に組み込んだ。
 行く途中タクシー運転手のオヤジさんと雑談していたのだが、祐徳稲荷もここ数年海外からの観光客が増えており、特にタイからの観光客が激増しているとのことだった。何でもタイの有名俳優、女優が出演した映画のロケ地に祐徳稲荷が使われた影響らしい。着くとまさにタイからの団体ツアー客が来ている所だった。そのオヤジさん曰く、タイからの観光客は礼儀正しく揉め事も少ないとのことだったが、敢えてそう言うのは色々と言外に含む物があるのだろうと察した。

 清水寺のような崖に沿って建てられた本殿が印象的。山の上には奥の院があり、何気なく上ったらかなり急斜面の石段が続いていたのだが、今旅はこういう山登りは何度も経験したので(笑)すんなり登頂。頂上からは有明海を一望出来た。

 帰りもタクシーを使うつもりで、さすがに何台か停まっているだろうと思ったら1台しかおらず、その車も予約車で、結局電話で手配する羽目に。特急の時間が迫っていたので焦ったが到着時刻の3分前に駅に着いたら特急は4分遅れのアナウンス。まぁ無事乗車して一路福岡へ。途中鳥栖も通るので車内からベアスタを撮影。

3日後の5/7に鳥栖×横浜M戦が行われるが、これが今日なら確実に行っていた。日程が合わず残念。

 特急は二日市駅で降りて、近くの西鉄紫駅から太宰府天満宮へ。相変わらず国内外の観光客で賑わっていた。

 参拝を済ませると、天満宮に行く際は必ず寄る光明禅寺へ。ここも相変わらず人の少ない静かな空間だった。

 訪れる人は廊下に座り、静かにこの庭園を観賞する。その静けさがまた良いんだな。今まで行ったのは春、夏ばかりで秋は紅葉が美しいとのことだがまだ観たことがない。いつかは。

 その後は祖母の家に寄り、帰りに太宰府政庁跡へ。

 一昨年にはももクロの野外ライブも行われたらしい。ここも5年ぶりだが、前回書いたように、過去の栄華と現在の落差が儚さを感じられて好きな場所。そうした余韻に浸りつつ、福岡市街へ。
 丁度どんたくの時期で天神、博多エリアは祭りの雰囲気に満ちていた。最後はラーメンを食って帰ろうと決めていて、太宰府の親戚にも色々店を聞いたりはしたのだが、結局行ったのは長浜屋。決して美味いという訳ではないが、何故か毎回来てしまう。回転が早いから並ぶ時間等を気にせず済むというのも大きいが。ラーメンを食った後は博多駅前で例の陥没跡地を見物しつつ、福岡空港から帰宅した。

J2第11節 長崎×岡山(トランスコスモス)


■九州行(2日目)
 2日目はホテルをチェックアウトした後まず長崎の諏訪神社に向かった。長崎くんちの会場はここで、市電で長崎駅から10分程。長崎は市電の本数が多く、系統は幾つかあるが10分も待たずに行きたい方面の電車が来るので便利だ。

この階段を上って後ろを振り返ると山の中腹まで家々が建ち並ぶ長崎らしい風景が。

鎖国の時代から国際貿易港だったという経緯と合わせて、この街は日本のどこにもない独特の風情がある。

 その後は長崎駅に戻り、JRで諫早に向かった。10時に着いて試合は13時と時間があったので市内を散策。まず向かったのは諫早城址で、ここには眼鏡橋があり、長崎市内のそれより立派とのこと。

 その後は城址の丘を登り、次は隣になる上山公園へ。ここの頂上からは有明海など眺望が良いということだったのだが、登山道の入り口が整備された公園というより普通の山道で、さすがに上る前に一瞬躊躇った。

 それでも苦労して上ったのだが、頂上の展望台に上っても周囲の木々に視界を遮られてあまり眺めもよろしくないという始末。そこから下山すると丁度スタジアムの裏手に出た。

■観戦記
 スタジアムは数年前の国体に向けて建て直されただけあって新しく、陸上トラック付とは言え2階からは結構見やすい。規模的には等々力に近いかな。試合前には社長に就任したジャパネットたかた前社長である高田氏の挨拶があったが、TV通販で見せる顔とは違い、会社を興し一代で売上1000億円超まで伸ばした経営者としての顔だった。
 試合について。長崎は前節ファンマのハットトリックで快勝していたが、今日もロングボールに反応したこの選手が相手をうまくいなしてシュートに持ち込み、先制。経歴を見たらバレンシア出身でギリシャスコットランドの1部でもプレー経験がある選手だが、スペイン人アタッカーに多いスピードとキレで勝負するというよりは、体格を生かして相手のマークをはねのけてシュートに持ち込むタイプ。ファンマ以外にも今季から特にJ2で急にスペイン人選手、監督が増えているが、これは代理人の売り込み先の1つに日本が加わったとか、そんな背景がありそう。
 長崎には元マリノスが3人いた。3バックの中央の田代、左ウイングバックの古部、そしてベンチにはCB北谷。3人ともマリノスでは殆ど試合に出られなかったが、特に今年29歳の田代、32歳の古部が今も試合に出ているのは嬉しい。
 先制直後には中村の追加点を挙げるなど長崎が前半半ばで既に2点リードしていたが、そこから岡山もボールを支配して攻め込んでいく。岡山のパス回しは長崎や数日前に観た水戸や町田と比べても洗練されていたが、決定機を作り出すまでには至らず。今はJ2でも下位に低迷しているようだが、昨年プレーオフ決勝まで勝ち上がった反動かな。得てしてタイトルや目標にあと一歩で届かなかった場合、一種の燃え尽き症候群とでも言うか、翌シーズン成績を落とす事が多い。それでも基盤、軸足が定まっていれば2年後、3年後にジャンプアップするものだが、今の岡山はまさにそこに至る苦しみを味わっている様に思う。戦力としては岩政の移籍、矢島のレンタルバックというのが大きいな。この2人に代表されるように、経験のある30代のベテランかJ1で試合に出られない年代別代表経験のある若い選手が主力である以上、こうした事態は避けられないリスクとしてあるのだと思うが。
 試合は後半にCKから中村が決めて長崎が3−0とし、試合終了。試合後はシャトルバスで戻るつもりだったが、スタジアム傍から発車しているのは駐車場までのバスだけで、駅行きに乗るのは少し歩いた道路沿いまで行かないといけなかった。駅までは歩いても20分程度ではあったのだが、試合前に2回も山登りした為に、もはやそこまでの力は残されていなかった。

 駅に戻ってもホテルのチェックイン時間まで少し時間があったので、近くのケーキ屋でお茶をしつつ休息し、ホテルへ。中に大浴場があり、これで大分疲労回復出来た。

九州行(初日)

 GW旅の第2弾は九州。まぁ長崎のトランスコスモススタジアムに行く為なのだが、5年前本城に行った時はその時点で九州のJスタジアムは全制覇だったが、その後長崎や鹿児島のJ参入、そして北九州に新スタジアムが出来たりと、この5年で色々と状況が変わった。北九州の専用スタジアムも惹かれたが日程が合わず、今回は長崎へ。長崎は5年前にグラバー園や中華街など主な所は大体回っているが、今回行くところは既に決めていた。軍艦島上陸と稲佐山展望台からの夜景観賞。Jの日程が出た後すぐに予約したので上陸ツアーの予約はすぐに取れて、後は当日の天候が安定するのを祈るのみだった。

 当日は朝羽田を出て長崎空港に向かったのだが、空港は大村湾上にあり、一旦南に旋回した後に北上して着陸するコースだったので、諫早上空を通り、明日行くことになるスタジアムがよく見えた。

 空港から長崎駅までシャトルバスで30分程掛かるが、前日の睡眠不足もあってバスの中ではほぼ寝ており、気付いたら着いていた。荷物を駅のロッカーに預けた後は市電で港に向かい、丁度昼時だったので海辺にある出島ワーフというレストラン街(5年前には確か無かった)で刺身定食を食べ、その後は近くのフェリーターミナルで周遊船の手続きをし、そして13時に出航。

 2階のオープン座席に座ったのだが、全体的に厚い雲に覆われたどんよりとした天候で風も強く、遠方に軍艦島が見えてきた時も霞がかってどこか不気味さがあった。

 だが島に近付くと急に日が射してきて青空も見えるようになり、さっきまでが嘘のような穏やかな天候。島内では3ヶ所でガイドさんの解説を聞くことが出来るのだが、2日前は波が荒く上陸出来なかったらしい。上陸率は凡そ7割とのこと。

 人がいなくなって40年が経ち、建物も朽ち果てて廃墟と化しているが、どんな街も人がいなくなり、生活が消えればこのような姿になってしまうのだろう。帰りは島の周りを周回しつつ、長崎港に戻った。

 港に戻ったのは15時半頃でチェックインまで時間はあったが、かといってグラバー園等に行くほどの時間も無かったので、長崎駅で土産を購入したり稲佐山までのアクセスを調べたりして時間を潰し、16時過ぎにホテルにチェックイン。行くとホテルの前から稲佐山夜景観賞ツアーバスが出ているとの事でまだ空きがあったので予約。これで行き帰りのアクセスの手間が省けた。
 18時半丁度にバスが来て乗り込んだのだが、このツアーは市内の主なホテルを回って参加者を集めて山に登り、帰りも各ホテルまで行ってくれる。自分のホテルが最初で、途中大浦天主堂や中華街付近のホテルも回るので、バスに乗っているだけで市内の主な場所を見物出来てしまうという思わぬ効果もあった(笑)バスにはガイドさんもついていて話も面白かったのだが、その中で長崎はPM2.5の影響をよく受け、今日は特に酷かったという話になって、昼間に軍艦島が霞がかっていたのはそのせいかと今更気付いた。
 山の頂上に着くと、丁度トワイライトタイムで、そこから暗くなり夜景が輝く様を観ることが出来た。

 前回行った時は昼間で、しかも悪天候で雲に覆われて殆ど景色が見えなかっただけに、5年越しの景色。帰りはホテル近くの中華料理屋でちゃんぽんを食って初日は終了。

J1第9節 横浜M×G大阪(日産)


 今年のGW唯一のホーム試合。ホームのガンバ戦は毎試合拮抗した展開にはなるが、最終的には勝ちか引き分け、つまり負けていない印象が強い。ガンバはACL後ということもあってか遠藤、長沢、アデミウソンをベンチに置き、赤崎、堂安、藤本といった選手達で攻撃陣を構成していたが、開始からいつものようにボールを繋いで押し込んできた。マリノスのチャンスは開始直後にロングボールに齋藤が抜け出たシーンくらいだったかな。今日の1トップは伊藤だったが、リーグのC大阪戦、ルヴァンの神戸戦と観てきてゴールの匂いが感じられない。去年までと変わらないと言えばそうなのだが、今季はバブンスキー、天野といった足下の技術のある選手が試合に出るようになった分、前でボールを収めるのに時間が掛かるといった技術面の粗さが目に付いてしまう。
 前半を0−0で終え、後半15分頃にガンバはアデミウソン、長沢を同時に投入してきた。これはここで点を取って勝負を決めるという意思表示だったと思うが、実際ガンバの攻勢は更に強まっていく。長沢の1対1は飯倉が防いだが、その後ガンバから見て左サイドを連携で崩して最後はグラウンダーのクロスを長沢がヒールでそらし、そこに堂安が合わせて先制。その後も基本はガンバが攻めてマリノスはカウンターを仕掛けようにも決定機までは至らず、ゴールに近付いたなと思わせたのは終了間際くらいという内容で試合終了。

 柏戦もそうだったが、最近は両サイドの動きが研究され、かつ10番のコンディションもあまり良くないという状況で攻撃は機能不全に陥っている。サイドが駄目なら中央からとなるが、後ろからボールをなかなか運べないのが実情。喜田はボール奪取など守備面での貢献度は高いが前への展開力など攻撃面では厳しく、天野も(直接は別として)間接FKの精度はなかなか高いが少し相手のプレスが強いと流れの中での存在感を消されてしまう。バブンスキーは魅せるテクニックこそあるが(今日も一度マルセイユを披露してスタンドは沸いた)、どこか淡泊で怖い選手では無いんだな。足技は観ていて面白いが、それがゴールにどう繋がるか見えてこないとでも言うか。ここまで決めた2ゴールを振り返ると、いずれも齋藤から出た左サイドからのパスをダイレクトでシュート、という展開。その齋藤の動きが本調子で無い以上、ゴール、というかシュートにも至らないのは必然か。現状を変えるには負傷者の復帰(特に富樫)、10番のコンディション、そして夏場で相手のプレスが今より弱まるのに期待するしか無いかな。

J2第10節 水戸×町田(ケーズデンキ)


 関東のJスタジアムで唯一行ったことの無かったこのスタジアムにも、ようやく行く機会が巡ってきた。例によって観光とセットで考えていて、最初はベタに偕楽園を観てスタジアムに向かおうと思っていたのだが、色々調べると水戸からそう遠くない海沿いの那珂湊には市場があって海鮮物が食べられるという事だったので7時の特急で上野を出て向かった。途中勝田駅で三セクの鉄道に乗り換えたのだが、てっきり改札を出て乗り換えるものと思っていたら全く駅が見付からず、色々歩き回った末に実はJRの上り線ホーム上に専用改札があるのを知った。

 よく見たら一応JR改札内にも表示はあったがかなり分かりにくい。まぁそんなこんなで電車で15分+徒歩10分程度で市場に到着。

 まだ朝食を食べていなかったので、まず屋台のホタテ焼きを食し、その後はレストランで海鮮丼をば。屋台は他にもウニや牡蠣も売られていて、朝の9時過ぎながらかなり人が来ていて賑わっていた。

 その後は駅に戻って水戸に向かい、偕楽園へ。これで兼六園後楽園と合わせ、日本の三名園を制覇。この庭園は敷地の脇を常磐線が通っていたり、線路を挟んで南にある千波公園との境がが分からず、どこからどこまでが庭園なのかよく分からなかったのだが、常磐線より北側がその敷地という事らしい。

 偕楽園というと梅で有名だが、既に時期は過ぎていたので今日は純粋に庭園そのものを観るつもりだったが、行ってみるとツツジが見頃で目に眩しい色合いを見せていた。

 その後は徳川斉昭によって建てられたという好文亭を見学し、3階から眺望を楽しみつつこの庭園を後にした。

■試合
 ネットでスタジアムアクセスを調べると水戸駅からシャトルバスという事で、それだと偕楽園から一旦駅に戻るのは面倒だなと思っていたのだが、偕楽園に行く時に降りたバス停の案内表示に、シャトルバスがそのバス停にも止まる旨が書いてあったので、かなり時間を節約出来た。運行の茨城交通はSUICA、PASMOといった交通系ICカードには対応してないので、久しぶりに乗車時に整理券を取っての現金払い。
 着いたのは丁度昼時で、朝にがっつり食べたので昼食は抑え目にしようと思っていたが、スタンド内外のグルメはどれも美味そうだった。常陸牛の丼物やハンバーガーにも惹かれたが、最終的には串焼きに。思うに都市部から離れて地方に行くほどスタグルのCPは高まる。今回の常陸牛のように首都圏よりも低コストで質の良い素材を調達できるという側面が大きいのだとは思うが。

 この試合はホームタウンデーという事らしく、試合前に町長が挨拶したのだが、その中で水戸の社長を称えて“社長に負けないくらいチームも頑張れ”というような内容を言っていたのが印象深い。水戸がJに参入したのは2000年とJ2の2年目で、J2のオリジナルメンバー10クラブが全てJ1昇格を経験しているのを踏まえると“J1昇格経験の無い最古参クラブ”なのでそろそろ、と言いたくなるが、現実はなかなか厳しい。だが、このように行政の長と友好関係を築けるトップがいればいつかは、という希望が持てるのも事実だ。

 試合について。内容はほぼ互角ながらPKなどチャンスをゴールに効果的に結び付けた水戸が3点を先行したが、その後町田も2点を返す拮抗した展開だった。町田の2点目が決まったのはアディショナルタイムだったが、その後も惜しいチャンスがあって3−3になってもおかしくなかった。
 選手で目に付いたのは水戸の前田だな。松本からレンタルで来ている俊足FWで、前線からの守備も怠らず、前を向いてボールを持てば何かが起こりそうな期待感がある。速さと力強さを備えるという意味で永井というより浅野に近いかな。ボールを持つだけでスタンドの沸き具合が明らかに違い、この試合では先制のPKゲットに1ゴール1アシストとMOMの働きだった。97年生まれで東京五輪世代、かつ来月開幕するU20W杯出場の資格も持つので、もしかしたら最後滑り込みでメンバー入りするかもしれない。

 帰りは水戸駅までのシャトルバスにすんなり座れて途中意識を飛ばしつつ帰路へ。

J1第8節 柏×横浜M(日立台)


 2年ぶりの日立台。鉄骨や柵がメイン、かつゴールとスタンドが密接した構造は他の日本のスタジアムにあまり無く、イングランドの箱形スタジアムのような雰囲気がある。このスタジアムを見ているとイングランドでそうだったように、増築、改装すればより素晴らしいスタジアムになるのではないかという想像(妄想)が出来る(笑)実際、周囲の土地には建設の余地があるし。

 そういう中で始まった試合だが、今日はマルティノスが累積警告で出場停止の為、前田が右サイドに入り、バブンスキーがベンチで天野がトップ下、ボランチには喜田と扇原というコンビだった。開始直後は一進一退の攻防で、柏ゴール前で2度ほどFKを得たが決まらず、徐々に柏にサイドから押し込まれるようになった。柏はクリスティアーノがトップに張っていて、シュートはあまり打たせなかったが、ポストプレーで何度も起点を作られた。デゲネク、中澤を背負ってもしっかり空中戦で競り勝って後ろに、横に展開するので柏の選手は思い切って攻め上がることが出来、それが連続した攻撃に繋がっていた。そういう中で柏の左サイドからのクロスを金井がハンドしてPKとなり、クリスティアーノが決めて柏が先制。飯倉はコースは読んでいたが、クリスティアーノのシュートスピードがそれを上回った。その数分後には右サイドからのクロスを大谷が折り返して中の中川が合わせて追加点。あっと言う間に柏が2点先行した。

 磐田戦でも書いたように、今は(というかマリノスは伝統的に)先制されると苦しい。まして2点も先行されると追い付くのも厳しくなる。後半も立ち上がりは攻勢に出たが徐々に柏に押し返され、終盤は途中投入のバブンスキーがテクニックで相手をかわすプレーを見せたが、周りに2人、3人と柏の選手がいる中で1人抜いただけではチャンスに繋がらず。逆にカウンターから柏になんどかチャンスを作られたが、これは防ぎ、0−2のまま試合終了。

 今日は齋藤のコンディションが万全でないのか動きに切れが無く、また柏も対面に同じく俊足の伊東を置いたりしていつものように独りでサイドを突破してフリーでクロス、パスというシーンは殆ど無かった。また右サイドの前田も只管サイドを前に突っ掛けるだけのプレースタイルで、スペースに走り込んでボールを呼び込むと言ったプレーが殆ど無く、また単純なトラップミスも多くて攻撃にブレーキを掛けているような状態。松本時代は1トップもやっていたし、もう少しプレーの幅が広いと思っていたが、現状ではマルティノス(この選手も決してレギュラー盤石といったプレー内容ではないが)の控え以上では無いかな。
 また全体的にトラップ、パスといった基本スキルで柏に大分見劣りがした。慣れたピッチとは言え柏の選手は狭いエリアでもシンプルにボールを繋ぎ、ワン・ツーでサイドを突破したりとボールを前に運べるだけの技術があったが、マリノスは横に繋ぐのがやっとで前に出そうとするほどパスミスの回数が増えていった。柏はスタメンにアカデミー出身者が7名もいたが、皆確かなスキルがあって決して若いから敢えて起用されているのではないプレーぶり。特にCBコンビの中谷、中山は先日の川崎戦(等々力)では退場や失点に繋がるミスなど若さを露呈していたが、今日は最後まで安定したプレー。こうした柏の若い選手達を見ていると、育成とは何かを考えさせられる。本来公式戦に出るレベルでは無い者もいる中でルヴァン杯に出場“させて貰い”、1本パスを通したり、相手から1度ボールを奪うだけで良く出来ましたとばかりに拍手を浴びるようなマリノスの若い選手達とは戦っている次元があまりに違う。柏の選手もこれが今季ホーム初勝利だったようになかなか結果が出ておらず、また前述の川崎戦の様に敗戦に繋がるミスをすれば年齢に関係なく厳しい批判を浴びる中で、それが成長を促して今日のようなプレーを見せることが出来るんだな。

 開始直前から雨が降り出すような天気だったが、幸い本降りにはならず。今日は行き帰りとも品川〜柏直通電車を利用したが、特に帰りはそのまま乗っていれば品川まで着くので心理的にかなり近く感じられた。

ルヴァン杯GL 横浜M×神戸(三ツ沢)


 横浜駅についたのが丁度試合開始時間だったのでタクシーを使ったのだが、駅ビルの建替工事の影響でタクシー乗り場が変わって以来、少し不便になったな。前は車列が4列くらいあって奥からどんどん客を乗せて発車していたのが、今は1列。しかも乗り場のすぐ前が信号なので、信号待ちで車が連なると乗り場の後ろまで車列が続いて乗車出来ない。新駅ビルが出来た後は駅前も改善、というか以前に戻れば良いのだが。
 そんな訳で前半15分くらいに着いたのだが、岡野町交差点を越えた辺りで確認した時は0−0だったのに、タクシーを降りると先制されていた。マリノスは予想通りリーグ戦からは総入れ替え、神戸は田中順也や伊野波がいたのでそんなに代えてないのかと思いきや先週末からは渡邊千真と藤田直之以外の9名入れ替わっていた。前半途中からの観戦ではあったが、マリノスはまともに攻撃出来ず、というかコンビネーションが合わずに自陣でも相手陣内でもパスミスが続き、ちょっとJ1のレベルではなかった。神戸は控え中心とは言え上記の渡邊、田中、そして徳重、北本、高橋秀人といったベテランがいて落ち着きがあったし、控えにもコンセプトを浸透させているネルシーニョ指導力もあるだろうな。特に渡邊がマリノスの選手が後ろからマークについてもバランスを崩さず上手くボールキープしていたのが印象に残っている。
 後半は多少マシな内容になり特に後半15〜30分頃はサイドから押し込んでいたのだが、ここで点を取れなかったのは痛かった。30分を過ぎると再び神戸の流れになり、終了間際にはCKから上手く合わせられて試合は事実上決した。この場面は3連続CKだったのだが、2本目はニアで合わせられて(マリノスの選手に当たってCK)、3本目もほぼ同じコースだったのに再び神戸の選手が合わせたものだった。ルヴァンの前節や主力の出るリーグ戦でもセットプレーからの失点が目立つだけに、チームとしての守り方に問題があるのだろう。

 選手個人で良い意味で目に付いたのはDF新井くらいかな。今日は思い切った攻め上がりを何度か見せて、CBがサイドを守っているだけではないところを見せてくれた。その他スタメンの吉尾(昇格1年目)、後半から出た山田(ユース所属の高3)も2列目で無難なプレーではあったが、これくらいの年齢の選手やルーキーは期待値が低い分、1度ドリブルで相手を抜いたり、全力でプレスに行くだけで拍手されるものだ。次のチャンス、あるいはそのまた次のチャンスで今日以上のプレー(≓ゴールに繋がるプレー)を見せられるかどうか。若くして台頭する選手はその段階で結果を残す。鹿島の鈴木然り、鳥栖の鎌田然りで。齋藤学も高3で公式戦デビューした時点で今のようなドリブルを見せていたがその先が続かずJ2で修行する事になったし、遠藤も去年よりは大分戦えるようになったとは言え、あれだけチャンスを貰って未だ公式戦ノーゴールなのだから、(試合経験という点で)いかに恵まれた環境にあるか自覚して欲しい。どうもマリノスのユース育ちの選手は大人しいというかプロとして少しでも高いレベルにのし上がろうという野心をあまり感じない。ここ10年を振り返っても小野裕二くらいか。

 このような試合だったが、次のルヴァンのホーム戦(4/26(水)新潟戦)もGWを控えて日程が立て込んでるだけに主力を出すとは考えにくく、今日のようなメンバー構成になるのが濃厚。正直年チケ保有してても行くか迷う。割り切って若手の試合経験の場にするとしても、そこには副作用も当然ある訳で、具体的には観客動員は今後も望めないだろう。以前はリーグ戦より減るとは言え三ツ沢で7〜8000は集めていたのが、リーグ杯に主力を出さないことが知れ渡るようになると観客もそれに応じて減っていった。↓に2012年以降のリーグ杯(ACL)のホーム戦観客動員を洗い出してみたが、モンバエルツ就任(2015年)以降減少傾向にある。15年、16年とも緒戦はまだ多めだったが、今日は5000台。おそらく数千万の減収と若手の試合経験を天秤に掛けて、という事なのだろうが。これがいつまで持つか。ちなみに14年以前では12年の新潟戦が少ないが、これは試合の時点でGL敗退が決まっていたためと思われる。それと今日の観客数がほぼ同じという。

<2012年以降のリーグ杯(ACL)ホーム観客動員>

2012年
●1-2札幌(7,148)
○3-2鹿島(9,693)
△0-0新潟(5,345)
平均:約7,395
2013年
○1-0川崎(12,131)
●0-1大宮(7,214)
○3-0磐田(7,169)
平均:約8,838
2014年
※ACL
△1-1広州恒大(12,230)
○3-2メルボルン(7,395)
○2-1全北現代(7,110)
平均:約8,912
2015年
○2-0清水(10,192)
●2-3神戸(5,544)
●1-2川崎(8,803)
平均:約8,180
2016年
●1-3柏(7,084)
○1-0鳥栖(4,777)
○2-1福岡(5,133)
平均:約5,565
2017年
●0-2神戸(5,314)
新潟
広島

 今日はスタジアム脇の桜がまだ見頃だった。殆ど桜を観に行ったようなもの。日中は暖かくてコート要らずかと思ったが、夜は結構冷え込んだ。いつもは友人と歩いて三ツ沢の丘を下るのだが、今日は早めにスタジアムを飛び出してバスに乗ったら試合終了後15分も経ってないうちに横浜駅に到着。