J1第11節 横浜M×鹿島(日産)


 スタメンに前節サブだった伊藤、遠藤を入れたのは連戦故のターンオーバーだと思うが、2人とも去年の同じカードで点を取ってるのでそれに期待する面もあったかもしれない(笑)そのお陰?かまさにその遠藤が先制点を決め、天野もFKを決めて前半半ばで2-0。この展開は去年と全く同じだった。天野のFKはここしかないというゴール右上角だったが、前節も同じ位置からFKの場面があり、その時は今日より少しコースが甘くGKにセーブされたが、あれは今日の伏線だったな。
 今日はこれまでと少し配置を変えて伊藤、ウーゴの2トップにしたが、これが良かったと思う。去年の天皇杯準決勝柏戦でも途中からこの2トップになったが、この布陣だと前線がマークを外せるようになって相手ゴール近くで前を向いてボールを持てたり、フリーになるシーンが増える。またサイドの役割もこれまでのようなウイング的な振る舞いだけでなく、エリア内に飛び込んだり、より中盤というか2列目のアタッカーの要素も加わったのだが、遠藤にとってはこれが自分の特長に上手くハマったのではないかと思う。去年の鹿島戦もそうだったが、この選手のゴールはエリア内に走り込んでワンタッチで合わせるパターンが多い。ただウイングとしては縦への突破とチャンスメイクが求められ、エリア内で点で合わせるプレーは基本的に仕事の範囲外(それは1トップや天野、大津など中盤の役割)。足が速いからウイングとして育てられてきたが、適性は今日みたいな中盤とウイングの中間的な役割なんだろうな。点は決めたがサイドアタッカーとしては可も無く不可も無くというプレーだったし、終了間際に相手コーナー付近で時間を稼ぐという場面で、個人でキープするか近くの味方を使うかどっちつかずで結局パスが相手にカットされたというシーンがあったが、そういう判断力の拙さもまだある。
 鹿島は0-2にされてから押し返したのは去年と変わらなかったが、去年よりもチーム力は落ちている印象。まぁだからこそ今の順位なのだとは思うが、レオ・シルバの優雅なボール捌きとか、個々の選手のプレーはそれほど落ちているようには見えないが、チームとしての怖さが無くなっている。去年まではサイドの崩し方1つとっても3~4人が連動してフリーでクロスを上げるシーンなどがあったが、今日はあまりそういうシーンは見られず、パスを回す際もボールを受ける体勢が良くないからすぐにマリノスにボールを奪われるシーンが多かった。去年、鹿島の社長だか強化担当者だかのインタビューで「(“鹿島のサッカー”という基盤が出来ているので)もはや誰が監督でも変わらない」というような事を言っていたが、監督の違いはあると思うし、途中就任の石井氏で上手くいった(年間優勝、クラブW杯2位、ルヴァン杯優勝)ので、錯覚してしまったのではないかと。上位に定着し続けるには指導者にも投資するべきで、こういう点は勝負にこだわるこのクラブらしく無い。そういえばネルシーニョがまた日本に来るかもしれないとの事だが、鹿島が狙ってるのかな。

 後半も鹿島を上手く抑えつつマリノスがカウンターでチャンスを作り、中町が3点目を決めてほぼ勝負は決した。鹿島に3-0なんて何時以来だろうと調べたら2011年4月以来だと。震災後の中断からの再開緒戦で、アウェイながらカシマスタジアムが震災で使用出来なかった為に国立で開催した試合。チケを買っていたのだが、確かその日は結構な雨が降っていて、体調不良だったのもあって欠席した。もう7年か。

J1第9節 横浜M×湘南(日産)


 3週連続の日産スタジアム。場内のデジタルサイネージに表示されていた情報を見たら4/8川崎戦から5/19長崎戦まで7週連続ここで試合があるらしい。W杯の中断期間故に今季は水曜にも試合があり、マリノスは平日はアウェイの一方、土日ホームが多い為、まるでホームが続くように錯覚してしまう。
 今日の湘南は昇格チームということもあってかトラップなど個々のスキルではマリノスに見劣りする選手もいたが、先週の神戸とは大違いでよく組織されたチームだった。またさすが曺氏というか、しっかりマリノスを研究してきたのもよく分かった。高いラインの裏を突いた1点目、3点目もそうだが、2点目も飯倉のミスからとは言え、ダイレクトにゴールを狙ったのは事前にそういう(飯倉の高いポジションの裏を狙える)シーンも有りうると想定していたからこそだと思うし、前半から何度も大きなサイドチェンジで逆サイドに展開していたのも分析の成果と思う。またいつも思う事だが、湘南は若い選手にとって献身性とか攻守の切り替えとか、個々のスキル以外にプロで生きていく為に必要な要素を学べる最高の学校だなと。
 で1-3になった後、マリノスが一気に2点差を追い付くのだが、実はトイレに行っていて観ていない(苦笑)ハーフタイムで混む前にと思って40分過ぎに行ったら歓声が聞こえてきたので1点返したかと思って急いで階段を上っているとまた歓声が上がり、まさかと思ってスタンドに入ると・・・という。そして席に着いて数十秒後に湘南の4点目が決まった。前半で3-4。
 マリノスの1点目は最終ラインから湘南のプレスをかわしつつボールを前に運んで、最後はブマルのテンポを変えるドリブル突破とウーゴのシュートセンスでフィニッシュに持ち込むいい展開だったが、映像で見た2、3点目はチームとしてデザインされたというよりウーゴのセンス勝ちというゴールだったな。
 後半は交代で入った仲川が主に右サイドからいい動きを見せてチャンスを作り出し、また湘南の運動量が徐々に落ちてきたのもあってほぼマリノスペース。10分過ぎにCKからデゲネクが決めて同点にした後、勝ち越すチャンスはあったがエリア内まで入り込んだ回数の割に相手GKを脅かすシーンはそれほど無かった。4-4で試合終了。
 
 マリノスでこんなスコアは見た事が無いな。それに近いスコアは思い付く限りだと10年ほど前に日産で西野ガンバに3-4、03年の開幕戦、エコパで磐田に4-2、13年開幕戦で今日と同じ湘南に4-2という試合があるが、さすがに4-4は無い。そう言えば湘南は2年前にも川崎相手に4-4という試合をしていた。スコアは同じでも、パウリーニョのCKダイレクトボレーとか、終盤にカウンターでDFが駆け上がってクロスに合わせる運動量とか、あの時の方がまだ互いの特徴や技術を出し合う内容だったように思う。今日はそれよりも自らの弱み(マリノスならハイラインの裏、湘南ならウーゴを掴まえきれない最終ライン)を修正し切れないまま、互いに相手の弱みを突いてゴールが量産された印象。
 帰りは新横浜で軽く飲んだのでJRの混雑には巻き込まれずに済んだ。

J1第8節 横浜M×神戸(日産)


 2週連続の日産。チケの販売状況を見て今日は開門前に並ばなかったのだが、余裕で2階席を確保できた。席割り変更でバクスタで観れなくなったし、階段の上り下りをしないといけなくなったが、時間的なメリットは大きい。やはり前日のシート貼りから当日の列整理(開門約3時間前)まで結構な時間を拘束されるのは、仲間内で分担するとは言え結構な負担だし。

 今日の神戸はポドルスキは累積警告で出場停止で、スタメンにまだユース所属の小林(これがリーグ戦デビュー)や、前節にリーグ戦デビューの佐々木など中盤から前に若い選手を入れてきたが、前半はちょっとチームの体を成していなかったな。まるで連携が出来てないので、神戸が自陣でボールを奪っても出しどころが無く、マリノスにすぐボールを奪い返されていたし、マリノスのサイド攻撃を抑えきれず、(神戸から見て)右サイドを何度も崩されてフリーでクロスやシュートに持ち込まれていた。若い選手にとって試合経験は重要とは言え、こういう状態ではむしろ逆効果なのではと思う。マリノスモンバエルツが来る前がそうだったが、チームとしての基盤の無い状態で試合に“放り込まれて”も、最初は勢いでどうにかなっても徐々に相手に研究されてフェードアウトしてしまうものだ。
 ただマリノスとしてはそんな神戸に前半0-0だったのが痛かったな。あの相手なら前半で先制するだけでなく、2点目、3点目を取って勝負を決めておくべきだった。後半はさすがに神戸が修正してきて2枚替えで徐々にマリノスゴール前に近付くプレーが増えていったのだが、そんな中でマリノスが先制。天野が左から入れたグラウンダーのクロスを神戸CBがクリアしきれず、中央でブマルがフリーで抜け出して流し込んだ。正直そんなスピードがあった訳でもないクロスをクリア出来なかった相手のミスに助けられた面はあったが、相手にとってみたら押されながらどうにか抑えていた中でついに失点してしまったという事で、これで均衡が破れてマリノスが押し切るかなと思った。
 だがゴール直後に神戸は渡邉千真を入れたのだが、前半半ばに左サイドを抜け出した大槻が中央にグラウンダーのクロス→三田が合わせて同点、その約10分後には今度は右サイドを抜け出た渡邉がそのままシュートし、逆転した。左右サイドの違いはあったが、どちらも中央からマリノス最終ラインの裏にダイアゴナルに走り込んだ先にパスが通った形。その後もマリノスは攻めには出るが、相手ゴールエリア角で回すのに終始して決定機自体はそれほどなく、試合終了。

 今日の相手に勝点1でもどうかと思うが、逆転負けはキツい。とにかくリーグ戦で2点目が取れない。このサッカーは最終ラインの裏という構造的なリスクを抱えていても攻守の切替えの早さと(主に)サイドからの攻撃力で2点、3点と奪って相手を圧倒するというものだが、今はリスクはそのままでそれを上回る攻撃が出来ていない状態。柏戦でも書いたが、この状況は組織の熟成不足というより既存の選手と目指すサッカーの不一致によるところが大きいのではという気がしている。基本的に攻撃陣はサイドも中盤も得点力が必要で、中盤はパスだけで無く相手ゴール前に走り込むプレーが必要だが、今日の天野、バブンスキーはどちらかというとサイドへのパス供給役という側面が大きかった。要は時間が解決する問題では無いのでは、と。
 そんな中でも来週もここで湘南戦があり、その次も鹿島戦なので4月は毎週末ここで試合がある。今日の客の入りの悪さ(16,313人)はその辺も影響してそうだな。開幕前の展望で書いたように、マリノスのコアな客層(相手や日程がどうあれマリノスを応援する為にスタジアムに行く層)は大体15,000人前後で、それ以外の人は対戦カードや日程を選んで来る傾向にあると思っていて、先週まさに「足が向く」カードがあった故に今週はその反動が来たのだろう。先週に続いての日曜開催だったが、先週と違って14時開始だけに終わっても16時なので、まだ時間に余裕があった。

W杯エントリーメンバー予想

 以下の文章は先週から書き始めて今週公開しようかなと思っていたのだが、まさかの監督解任であまり意味がなくなってしまった。個人的な希望だけでなく、ここまでの起用状況や監督の志向も踏まえた上での予想だったんで。ただ折角書いたのでお蔵入りさせるのは勿体無く、敢えて公開する。以下の文章は全て先週の時点で書いたもの。今となっては虚しさもあるが。

GK:1川島(メス)、23中村(柏)、12東口(G大阪)
 序列もこの順番か。負傷など不測の事態が無い限りこの3人のはず。

CB:22吉田(サウサンプトン)、20槙野(浦和)、3昌子(鹿島)、2植田(鹿島)
 レギュラー+控えはこの4人かなと。これまで槙野はCBでは厳しいと思っていて、それでもムードメーカーとして貴重な存在なのでSBでエントリーかと思っていたのだが、昨年浦和がミシャ→堀と監督交代した頃から急激に存在感が高まっている。守備で1対1の強さを求められるようになってそれに応え、特にACL優勝後は代表でもCBでスタメン出場が増えていった。ブラジル戦、ウクライナ戦とセットプレーで点を取ってもいる。4人目のCBは森重と迷ったが、ここは高さを買って植田で。

SB:5長友(ガラタサライ)、19酒井(宏)(マルセイユ)、21酒井(高)(HSV)
 通常はレギュラー+控えの4枠だが、確定と言えるのは長友と酒井宏樹だけで高徳は代表だと危なっかしいがギリギリ選出という中で4人目がいない。継続的に選ばれているのは車屋だがクアルダード(コロンビア)とかマネ(セネガル)とかのサイドアタッカーを抑える守備力に不安があるし、やはり欧州組に比べてワンランク落ちる。後は遠藤(浦和)が中盤と兼用で右SBの控えとして入るかどうかだが、この3月の遠征でコンディション不良で試合に出れなかったのは最終選考の上でマイナスで浦和でもあまり好調とは言えない。最終的に植田、槙野をサイド兼用として、本職はこの3人だけと予想。ちなみにマリノスの山中はW杯がもう1年後なら(逆に今季のプレーをもう1年早く見せていれば)、候補に入れたかもしれない。

中盤:17長谷部(フランクフルト)、16山口(C大阪)、7柴崎(ヘタフェ)、13井手口(レオネサ)、6三竿(鹿島)、10森岡(アンデルレヒト
 中盤はアンカー、より相手ゴールに近い位置、その中間である攻守の繋ぎ役の3タイプあって(複数タイプ兼用の選手もいる)、アンカー長谷部、繋ぎ役山口、前目の柴崎は確実。井手口は能力だけなら確定と思うので選んだがクラブで試合に出ていないのが不確定要素。同タイプの三竿は途中出場ながらここ3戦連続で出番を得ているので監督の評価は高いのではないかと。残り1枠は香川(ドルトムント)、大島(川崎)といる中で得点力(とセットプレーのキッカー)を買って森岡で。本当は清武を入れたかったのだが負傷でおそらくエントリーは厳しい。また、仮に香川を選ぶとすれば、おそらくは南アの時の中村俊輔の様に、相手の分析の裏をかくための見せ球のような位置付け(この選手が中心と思って対策を立てたらレギュラーでは無かったという構図)になるのではないかと。

サイド:8原口(デュッセルドルフ)、18中島(ポルティモネンセ)、4本田(パチューカ)、14久保(ヘント)、11宇佐美(デュッセルドルフ
 本大会ではボールを支配されつつも、数少ないチャンスを逃さず決める戦い方になると思うが、その意味でこのサイドのポジションやCFに求められるのは守備にも奔走する献身性や前線でボールを収めるプレー、そして点が取れるかどうか。その意味で原口は得点力に難あれどサイドで守備に走れるのでおそらく選ばれるだろうし、中島も点の取れるアタッカーとして連れて行くのではないかと思う。そこから先は難しい。乾は攻撃に変化を付けられる数少ないタレントだが得点力がある方ではなく、久保も今季は昨季ほど得点が取れていない。本田はクラブでは点に絡む機会は多いがそもそも今の代表の戦い方とマッチするのかという問題が。ならばハリルが才能を買っていてクラブで復調しつつある宇佐美が逆転で滑り込む可能性は十分にある。
 今後のプレー(ゴール数)で決まる部分もあるので何とも言えないが、大舞台で結果を残す本田は最終的には選ばれると思う。乾は予選突破を決めた豪州戦のプレーが印象的で最後まで迷ったが、ドリブルで攻撃に変化を付けるタイプの枠はより点の取れる中島が優先されるのではないかと。

CF:15大迫(ケルン)、9杉本(C大阪
 前でボールが収まる大迫は絶対的な柱の一人。その控え候補は杉本、小林のどちらかとなるが、小林はポストの動きや2列目の飛び出しを引き出せる点で3月の代表戦で杉本より動きは良かったと思うが、最終的には杉本と予想。僅かにオフサイドだったが、ブラジル戦でセットプレーから競り勝ってのヘディングとか前線で体を張れる点が最後に決め手となるのでは無いかなと。その他岡崎は2トップなら間違いなく選ばれたと思うが、今のサッカーでは収まるポジションが無い。勿論南アの時のように、最後の最後で本田1トップという新布陣に変えた例もあるので、5月にどうなるかは分からないが・・・。

※バックアップ:西川(浦和)、森重(FC東京)、遠藤(浦和)、倉田(G大阪)、大島(川崎)、乾(エイバル)、小林(川崎)
 バックアップも前回同様7名と仮定して選んでみる。まぁ上で述べてきた中で23人枠に入れられなかった選手を中心に埋まってしまうのだが。ただ中盤は香川はバックアップに選ぶくらいなら23人に入れるだろうと思うので倉田を選んだ。南アで帯同する若手枠の4人に選ばれた時も(既に代表で一定の実績はあったので)相当反発したらしいし、今の地位、立場ではとてもバックアップに納得するとは思えない。

 W杯のような舞台では1点が重い。2点取られても3点取ればいい、というスタンスでは例え親善試合でそれが出来る力があったとしてもW杯では結局0-2とか1-2で試合が終わるものだ。いい加減メディアも(そして一部の選手や協会の人々も)、「美しい(ここで言う美しさとは2010年前後のスペイン代表やバルセロナが暗黙の内に想定されている場合が多い)サッカーで勝つ事が至上であり守備的に振る舞って勝つのは不格好でダサい」かのような価値基準は捨て去って、シンプルに「いかに大舞台で勝つか」を基準にして欲しい。2010年と2014年、どちらがより多くの喜びをもたらしたかを考えればすぐに分かりそうなものだし、2010年のサッカーも意思統一された組織の美はあったと思うのだが。大体その南ア大会で優勝したスペインは緒戦で敗れながらその後しぶとく1-0の試合を続けた末のタイトルだったし、前回のドイツもブラジル戦7-1とか攻撃の華々しさだけで無くSBに本来CBのムスタフィやヘーヴェデスを置いて守備を安定させたのが勝因と思っている。前回で言えば日本が直前の親善試合で破った(3-2)コスタリカも、その試合の反省から守備をテコ入れし、その結果がイタリア、イングランドウルグアイとの組を突破した末のベスト8。
 そういう中での選考なので、優先されるのは守備力、高さ、強さといった要素なのではないかと。本番まであと3試合予定されているが、おそらく8年前の様にそこでもあまり結果はパッとしないままだろうと思う。全ては直前の準備次第。それが上手くいく事を願うしかない。

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と書いたのだが、これが全部白紙になる訳だ。2トップ採用なら岡崎復帰の可能性は十分あるし、これで香川もエントリーされたら上のメンバーから2人は外れる事になる。ここまで書いてまた虚しくなってくるが、だからといってどこかのライターの様に負けを願ったりはしない。「将来の為にここで負けた方がいい」なんてのは戯言で、親善試合ならともかく公式戦なら目の前の試合に全てを掛けて初めて次の道が拓かれるものだと思っているので。

J1第6節 横浜M×川崎(日産)


 昨年末から3月末までの改修工事の影響で、6節にしてようやく日産での試合。改修といってもトイレや照明、通信設備の更新とかであまり目立った変化は無いだろうと思っていたのだが、行ってみると結構変わっていた。
 まずメイン、バックの1階がより深い青色、かつ跳ね上げ式の座席に。

 去年までならそこに座っていたのだが、席割り変更で今年は↑のように上から眺めるだけ(苦笑)以前も言ったように、ホームスタジアムの座席がクラブカラーで統一されるとより“ホーム感”が増すのでこれは嬉しい。出来れば2階やゴール裏など他のエリアもこの色で統一して欲しいところ。
 またコンコース内の各柱にはディスプレーが設置されていた。

 こうした縦長ディスプレーによる広告表示は少し大きな駅のコンコースでは当たり前になってきているが、スタジアムで見るのは初めて。プロモーション情報だけでなく場内案内図や当日のタイムテーブルも表示されてなかなか使い勝手が良さそう。他にバクスタ中央付近には3×5mくらいの大型ディスプレーもあった。

 と色々変化を目の当たりにしていたのだが、もう一つの大きな変更点である席割りの変更はまだ慣れない面はあるな。2階ゴール裏席から東ゲート広場まで行こうとすると、開門からしばらくの間は入り口階のみバクスタとの往来が自由なので、ゴール裏エリアの階段を下に降りて、そこからバクスタ方面へ歩く必要がある。このスタジアムは4階(入り口階)~7階(2階席入り口階)があるが、この間5~7階では柵で行き来出来ない。つまり広場から席に戻る時はバクスタの階段を上って上の階でゴール裏方面に横移動、というルートが使えない。それを知らず、一度上の階まで行きながらまた下に戻る羽目になってしまった。これも含め2階との往復を繰り返すのはは地味にキツかった(苦笑)
 ただ2階は眺めは良いので時間がある時にふと見入ってしまう。

 新横浜公園~港北JC方面。東名と接続する横浜環状北西線の橋脚が姿を現していた。

 武蔵小杉方面。ここからでもタワマンがよく目立つ。今日の相手川崎のホームもあの辺り。

■試合
 開始から川崎がボールを繋ぎ、左右に大きく展開しながらマリノスゴール前に到達するシーンが目立った。前半半ば迄に3~4回決定機があったと思うが、マリノス守備陣が足を伸ばしてクリアしたり、知念のシュートはポストを直撃したりで無得点。マリノスがプレスに行ってもしっかりボールキープする個人、組織のレベルは明らかに今季対戦した中で最高の水準だった。まぁマリノスとしては前半0-0なのは幸いというか、去年の日産の試合みたく後半カウンターで勝負を付ける展開になるかなと。
 後半はややマリノスが押し戻すようになったが、前半13分に川崎が先制。反対サイドでのゴールだったので状況がよく分からなかったのだが、右からのクロスを家長が合わせてポスト→飯倉と当たってゴールインしたらしい。この場面はアシストの前の大島のパスで勝負あったな。中央でボールを持つものの前にマリノス守備陣がいるのでシュートやパスの隙が無い中で、反転して右サイド裏に浮き球を出す技術と判断力は素晴らしかった。この大島とネットのボランチコンビはさすがのプレー。
 このカードは先制した方がそのまま勝つ事が多いのでこれは川崎がこのまま追加点取るかなと思った矢先にマリノスがCKから中澤が合わせて同点。その後はマリノスが更に攻勢を強めて何度か決定機を作り出していく。特にウーゴはポスト直撃弾を含め2~3度決定機があったのだが決められず。
 後半途中には齋藤が途中出場した。その瞬間盛大なブーイングが響き渡り、その後もボールを持つ度にブーイングは鳴り止まなかったのだが、移籍後にマリノスサポの前に姿を現すのは初めてのはずだから、まぁけじめというか、ある種の別れの儀式のようなものではあったな。何度か左サイドをドリブルして2度ほど惜しいチャンスを作り出した。ただ川崎の場合、家長ほどの選手でも機能するのにシーズン半ばまで掛かったのをみると、今日の終盤のようなカウンターの応酬ならまだしもあのドリブルが機能するようになるにはまだ時間が掛かるとは思う。
 お互い追加点を取るチャンスは十分あったがアディショナルタイム5分の末、1-1の引き分け。このカードで引き分けは珍しいなと思って記録を辿ると観戦した中では2012年8月の2-2@日産以来だと。引き分けではあったが互いの意図が明確かつハイレベルな好試合だった。まだ4月だが、今季の観戦ベストマッチ候補(笑)
 
 帰りの電車内もそうだったが、それにしても川崎サポ増えたなと思う。今日もアウェイ2階を開放したが、そのエリアは去年より広がっていた。去年は右から映像装置の左端辺りまでだったが、今年は更に2ブロックほど左に拡大。観客数は去年の42,483人に対して今年は37,332人だからアウェイサポの比率はより高かったと言えるかな。マリノスはこの試合に向けて武蔵小杉駅コンコースで広告展開したりしていて、(アウェイサポ来場者UPの)目論見は成功と言えるが、肝心のホーム側の入場者数が去年より減るようでは本末転倒という気もする。帰りの電車でも、降車駅から察するに川崎市内を中心に23区南部や(本来マリノスが取り込むべき)横浜北部の人々を上手くファン層に取り込んだ印象を受ける。またこれはサポだけでなくユースも同様なのではないかと思っているのだが、それはまた別の機会に。

 6節にして初日産だったが、今月はその反動で(?)毎週末ここで試合があるという。やはりここで試合をして初めていつもの観戦生活が戻ってきたという感覚はある。

J1第5節 清水×横浜M(日本平)


 何故かここ数年、年度跨ぎの週末は遠征が入る。一昨年昨年の大阪、そして今年の清水と。前々から次に清水に行く時は(未踏の)三保の松原に行こうとは思っていたが、今年は桜の開花が早く、静岡での花見も考慮。という訳で7時過ぎの新幹線に乗って8時に静岡に着き、まずは駅から10分程歩いて駿府城公園へ。
 ここは5年前に行って以来だが、桜の名所でもあるとのこと。今週末はイベントが開催されるようで、着くと屋台の準備などが行われていた。

 
 公園を出た後は県庁の展望フロア(↑の写真内にある高層ビル)から城を眺めようと思っていたのだが、行くと土曜は10時開場と知り断念。平日は8時半なのだが土日もそうだと勘違いしていた。

 予想外に早く静岡を出る事になったが、県庁の近くにある静鉄の駅から清水へ向かい、そこから去年も行った河岸の市へ。ここで貸し出している自転車を利用して三保の松原に向かう予定だったが、オープンまで約20分という中で既に5~60名並んでいたのには内心焦った。その半数以上がマリサポで、早朝に横浜を出てここで朝食を、という人が多かったのだろうが、自転車の貸出数には限りがある中でもしや同じ事考えてる人が多いのではと。まぁすんなり借りられたのだが。
 清水は江尻(河岸の市前)、日の出(エスパルスドリームプラザ前)、三保の3拠点が反時計回りに水上バスで結ばれていて自転車も乗船可能という事だったので、市場からは船で三保に向かった。寝不足+朝から結構歩いていたのもあって船に乗ってる間はいい休憩時間。三保桟橋で降りるとまずはエスパルスの練習場に行ってみた。

たまたま桟橋の近くにあったから行っただけなのだが、よく考えたらマリノス以外の練習場に行った経験は殆ど無いな。↑のクラブハウスの近隣にはアカデミー用のグランドが別にあり、前を通ると丁度練習している所だった。
とのんびりしていたのだが、帰りの船まで1時間しかなく、桟橋から松原まで数キロあるので実はそれ程余裕は無かったという。行く前は、浜辺に松原が延々と続いているだろうからそれに沿っていけばいいぐらいに思っていたのだが、主なスポットは集中しており、自転車を飛ばして御穂神社→羽衣の松→浜辺からの絶景を駆け巡った。

 今日は春霞だったが、先週この時期にしては珍しく冠雪したとの事で(by水上バス船長)、霞む中で白い雪がくっきりと浮かび上がる様を観る事が出来た。そこから桟橋まで戻り、自転車を返した後でようやく昼食。12時を過ぎていたが、場内に店は多いので10分程度で入れた。

数日前から漁が解禁された桜エビ等、約20種の中から好みの5ネタを選べる五色丼。これで1,600円は安い。朝からここまででもう旅として十分だったが(笑)、メインイベントを逃す訳にはいかないので昼食後、清水駅からバスでスタジアムへ。

■試合
 今まで観に行った日本平での清水戦は、漠然と「晴れて、快勝」というイメージがある。実際の記録を振り返ると

2010/8/04 ○2-1
2011/8/27 △0-0
2013/3/09 ○5-0
2017/5/27 ○3-1
2018/3/31 ??
※雨に降られた試合は無し

一度引き分けているが、やはり13年の5-0のインパクト故かイメージは良い。
ただ今日は試合開始から清水は前線からかなり強くプレスを掛けてきて、序盤は清水が良い形を作るシーンが目立った。まぁここまでのマリノスの試合を見れば、対策として「まずはGK、CBに自由にボールを回させない」となるのは必然ではあるのだが。自陣低い位置でボールをカットされてピンチを招くシーンもあったが、相手のパスが合わなかったり、中央の中澤、デゲネクがしっかり防いで失点を許さず。
 そういう中で扇原の自陣深くから左サイドへのロングフィードを清水の右SB立田が被って山中に渡り、山中のクロスを中央のウーゴが合わせて先制。立田はユース出身の長身DF(セットプレー時に見たら中澤より高かった)でU-21代表にも選ばれており、積極的な攻撃参加など思い切りの良いプレーが目立ったが、その裏を上手く突いた扇原、山中の強かさが勝ったゴールだった。
 この後もマリノスのピンチが無かった訳では無いが、先制した余裕と過去の戦績故か不思議と追い付かれる事はあっても逆転は無いだろうという感覚で観ていた。後半はこれまでとは違って時間が経つほどに清水の出足が鈍ってマリノスがボールキープで時計を進め易くなり、逆にカウンターから何度か2点目を決めるシーンはあったのだが、決めきれず。大津のオーバヘッドと吉尾のシュートは入ったと思ったのだが(苦笑)吉尾の外したシュートはこの前観たルヴァン仙台戦に似ていたが、あの場面で相手ゴール近くでシュートに持ち込めるという点で、今のサッカーの中盤に求められる資質はあると思うので今後楽しみ。そのまま試合は終わってマリノス連勝と。

 今日は新加入の大津&ブマルがスタメンだったが、まだ様子見といったところだろうか。大津は前述のオーバーヘッド然りでかなりの身体能力があるのは分かっているが、どうも組織の中で活きるとか継続性とかのイメージが無い。そういう意味で伊藤翔に近いのではないかと思う。時折ずば抜けた身体能力を活かしてゴラッソを決めるが、シーズン通してのゴール「数」となると・・・という。ブマルは右サイドでスタメン出場したが、今後数試合はJへの適応期間かな。試合序盤は清水に複数人で対応されて上手く押さえ込まれてしまい、そのマークが緩んだ後半に徐々にそのスピードとドリブルを見せ始めた。ある程度味方のサポートを受けて(≓連携が出来上がって)初めて本領発揮するタイプではないかなと。今後ルヴァン杯などを活用しつつ徐々に馴染ませていくのだろうと思う。

 清水で印象深いのは左SB松原とMF金子。松原は去年の試合でも良い選手だなと思ったが、今やこの選手の左からの仕掛けはチームに不可欠。プレーは勿論、何よりそのメンタリティが良いな。前半左からのクロスで2度決定機を演出しつつもゴールに結び付かず(最初は僅かに味方に合わず、2度目はデュークのヘッドを飯倉がファインセーブ)、地面を叩くほど悔しがっていたのだが、そうした悔しさを露わに出来るという事はそれだけ勝負に貪欲で、ワンプレーの重み―――それで評価が天と地ほど変わる―――を分かっているという事だろうから。似た匂いを鹿島の鈴木優磨にも感じている。金子は本来攻撃の選手なのだが、今日は守備の上手さが目を引いた。小柄だが俊敏性があるのでボールを奪うスキルが高く、普通ならボールを取られないような場面でこの選手がマリノスの選手の懐にスッと体を入れてボールを奪うシーンを何度も観た。ただ本来は点に絡んでナンボの選手なので本業(攻撃)が好調で初めて守備でも評価され、守備だけでは評価されないというジレンマはあるかもしれない。

 帰りは静岡駅行きのシャトルバスに乗車。この時点で相当歩いたり自転車を漕いだりしたので途中殆ど意識を飛ばしていたが、日帰り旅として丁度良い日程だった。

ルヴァン杯GL 横浜M×仙台(三ツ沢)


 土曜に続いて三ツ沢行だったが、仙台GK川浪が当たっていて決定機をものに出来ず0-0スコアレスドロー。ただ点は取れなかったが(前半終わり頃から相手が一人少なかったのを差し引いても)よくボールが回って決定機も柏戦、鳥栖戦に比べて断然多かった。サイドの出来はこれまでとそう変わらなかった中で、中盤の選手がどんどん前に仕掛けてエリア内に入っていったのが違いだったかな。ベンチには天野、扇原もいた中で途中出場したのは和田や仲川だったが、観ていてふとトルシエシドニー世代を思い出した。それまで日本であまりなかった戦術(フラットな3バック)を導入するにあたって、より若く技術のある世代がそれをいち早く吸収し、中堅、ベテランを押しのけてA代表でもポジションを確保していった、という構図。今日は若手優先起用という縛りがあったかもしれないが、若い世代の方が戦術の体得が早いという点で今のマリノスもそれに近い状態なのかもしれない。
 その中で吉尾は観ていて面白い選手だった。マリノスユース出の中盤の選手は全体的にスマートだが軽さもあって、特にトップ昇格直後の19~20歳頃はプロの寄せの早さの中で消えてしまう選手が多いのだが(故にJ2レンタルを経て20代半ばでようやくプロとして戦えるようになるパターンが多い)、この選手は思ったよりがっしりしていて重心が低いので、相手の寄せにも簡単に当たり負けせずプレーを続けられるし、パスだけで無くゴール前まで走り込んでシュートも狙える。今後もルヴァン杯でこのプレーを出していれば結果(ゴール/アシスト)も出るだろうし、リーグ戦でも出番を貰えるかもしれない。
 
 仙台も若くて巧い選手がいつの間にか増えていたな。つい3~4年前はベテラン中心だったイメージなのだが、今日がルヴァン杯なのを考慮しても20代前半の選手が多かった。出身を見ても自前のアカデミー出身者始めクラブユース出身者と青森山田、清商、流経柏など強豪高出身者が勢揃いといった感じで。今日も一人少ない中でボールを支配されながらもマリノスの浅い最終ラインの裏を突いて何度かマリノスゴール前までボールを運んでいたし、ワンチャンスで1点取る匂いを出していた。キャプテンは野津田(広島ユース出身)だったが、これまでは右からカットインして左足でシュートというパターンばかりだった中で、今日は中盤やや低めの位置からゲームメイクしていたのが印象深い。まだプレーにぎこちなさはあったのだが、あの左足がシュートやセットプレーだけでなく、中盤から試合のリズムを変えるロングパスやサイドチェンジにも活用されたらワンランク高みに達するのではないかと思う。

 今日は平日開催で観衆も6,391人という入りだったが、仙台サポは意外なほど多かった。アウェイ自由にいた人数ならこの前の鳥栖とほぼ変わらない位。ユニの黄色の中に白が目立っていたのでよく見ると、白いYシャツの上からユニを着ている人達だった。仕事帰りという事だろうから、仙台出身とか縁のある首都圏在住の人が来ていたのだろうか。20年Jで戦っていれば、子供の頃地元で観ていて進学、就職で上京した後は仙台が首都圏に来た時に観に行っている、という人も多そう。