J1第23節 柏×横浜M(国立)


 結論から言ってしまえば、マリノスは退場者が出たお陰で勝点を得たと言えるだろう。山瀬の退場は不可解ではあったが、退場前後では明らかに『後』の方がチームの意思統一が図れてやるべき事が明確であり、もし退場者が出てなければ、Yチケンが言ってた様に後半30分過ぎ位にフランサにしてやられてそのまま逃げ切られてた可能性が高い。

 11人が揃っている時はボールを前に進めてもハーフラインを越えた辺りで柏のプレス網に引っ掛かる事の繰り返しで、チャンスらしきものは坂田のスピードとか、個人能力で創ったものばかり。基本的にこのチームの練習はミニゲーム中心との事だが、それはレギュラー組、というかある特定のメンバー間でのコンビネーションが時間が経つほどに熟成される半面、この1週間の様に過密日程で毎試合スタメンを組み替える場合には想像以上にサッカーの質が下がるリスクもある。今日で言えば、まず守るのか、攻めるのか、それすら明確で無かった。

 そんな中途半端な状態が山瀬の退場によって、「まず守ってカウンター」という意識に統一され、途端に全体の動きが良くなった。先制点は思い切って攻め上がった小宮山によるものだったけども、あれだけ思い切って上がれたのも、この意識統一―――サイドバックが上がったら確実なクロスor切り込んでシュートで終わる―――という面が大きかったかと思う。

 先週日曜からの3連戦だったけども、やはり個人能力ではJの上位クラスにあるというのはよく分かった。ただ、それを活かすべき個々のインテリジェンス、もしくは指導力という面で非常に大きな問題を抱えているというのもまた明確になった。次は1週間後の千葉戦か・・・また相手のプレスの前にパスミスを繰り返しつつも、相手にマリノス守備陣を崩す力もまた無く、最後は個人能力で点を取って勝点3を得る、というのは何となく想像が付くのだが、果たして。

 今年もまた去年のように日立台の近さを味わえると思ったら、今年は2年振りにHITACHI社員動員マッチに当たって国立開催と。ただ、国立はトラックのすぐ傍までスタンドが迫ってるので、意外と観易かったのは付記しておく。このスタジアムのアウェー側に行くのは久々だったので、その意味でもなかなか新鮮だった。