J3第29節 八戸×大宮(プラスタ)

  • 連休旅

 今週末は元々広島vsマリノスに行くつもりだった。試合というかスタジアム目的の計画だったが、7月にJ後半戦日程が発表されたら即手配しようと思っていた所、両チーム共にアジアの大会に出る為日程の確定が遅くなり、最終的に22(日)18:30開始と。23(月)は在宅の予定で、旅行は土日想定だっただけにこれは誤算で、今年は断念。
 で、どこか別の未踏スタジアムに行ける試合はないかと日程を見ると21(土)に八戸vs大宮というカードが。東北は他にも秋田、福島、いわきなど未踏のスタジアムが結構残っているのでこのタイミングを逃すまいと八戸旅を決めた。

 朝6時半の新幹線で八戸に向かう。東京は6時時点で既に気温30℃近かったが、八戸は14℃。9月でも連日の真夏日でウンザリしてた所にいきなり秋になった感覚。まぁ涼しいだけなら最高なのだが、今回は雨がずっと降り続く天候ではあった。基本的に旅行する時は好天なのだが・・・。
 八戸駅前で車を借りて、まずは近隣にある櫛引八幡宮へ。

櫛引八幡宮

南部一之宮と称しているが、正式な社格ではなく南部家と深い関りがある事による自称だという。まぁ由緒に特に関心は無く、その名前からリオ五輪代表だったGKを思い出して寄ってみたという次第なのだが。この地名然り、あの選手も青森出身なので、地元に代々続く家柄なのだろうな。
 参拝後は近くの根城へ。南北朝時代に南部氏の居城として築かれたという事だが、由来を調べて南部氏は奥州土着ではなく元々甲斐源氏の流れを汲み、甲斐から奥州に渡った氏族である事を知る。中は広い公園で、その端にある本丸のみ有料ゾーンとなっていて建物が一部復元されている。

根城本丸

 ここから海側に行くか内陸部に向かうか迷ったが、内陸部の十和田湖奥入瀬渓流方面へ向かう。距離にして約60km。途中の山道も含め基本は2車線道路だったが、舗装の状態はまちまちで雨で深い水溜まりが出来ている箇所も多かった。こうして十和田湖に到着。

十和田湖

丁度昼時だったので湖畔の食堂で名物というヒメマスの定食をば。

ヒメマス定食

 食後は奥入瀬渓流方面に移動。

奥入瀬渓流

全長14kmに及ぶ渓流。場所柄、数キロトレッキングするのが基本の様だが、時間も限られていたので2ヵ所で車を止めて周辺を見て回るに止めた。この時点で気温は12℃と完全に秋の気候。
 そのまま渓流を走り抜けて八戸までは行きと異なり十和田市街を経由して戻る。途中の道の駅で休憩&土産を買いつつ17:00前にホテルにチェックイン。試合は18時からなのだが、往復120km以上運転の後だったので少し休憩してからスタジアムに向かった。

  • プライフーズスタジアムへ

 スタジアムは八戸市街地から北に車で20分ほどの場所にある。シャトルバスもあるようだったが駐車場も完備されているとの事で車で向かう。車を停めたのは丁度18時頃で、試合始まって5分ほど経った頃にようやく着席。

スタジアム外観

この時はまだ小雨が降っていて周囲も皆ポンチョ、レインウェアを着用していたが、今回の旅にあたって雨中の観戦は予想されたとは言え家にあるのは青いマリノスポンチョしかなく、さすがにそれを着る訳にはいかないので苦笑、雨雲レーダーを見ると少し経てば雨は止みそうだったのでそれに期待しつつパーカーでどうにか凌ぐことにした。

  • 試合
ホーム側

J3首位を独走する大宮と中位の八戸という試合だが、今季はJ3も昇格POがあり6位まで昇格の可能性がある為、八戸も十分チャンスがある。大宮には昨年から定位置を確保し、A代表のTPにも選ばれた経験を持つCB市原がいて是非この目で観てみたかったのだがU19代表の試合と重なった為今日は不在。とは言え大宮のスタメンにはJ2経験は勿論、アルトゥール・シルバ、杉本、石川などJ1経験もある選手もいてやはり大宮優勢かなと思っていた矢先にオリオラ・サンデーがゴール前で反転して右下隅に強烈なシュートを決めて先制した。経歴を見て知ったのだが、高校から日本に来て徳島でプロ入りし、7月までは八戸にいた選手という。このゴールはJ3レベルを越えたシュートだったが、これまでのキャリアでゴール数そのものは多くない。優れた身体能力が得点力に結び付かない例はよくあるが、点を決めるにはそれだけシュートテクニック、相手との駆け引き、動きの質といった要素が大きいんだろうな。
 先制された八戸だったが、その後はむしろ大宮を押す展開。レフティの司令塔山内が中央、サイドと展開して主導権を握り、前半半ばには山内が中央に当てたパスの落としを決めて同点。この山内は良い選手だなと経歴を見ると北海道出身で旭川実業高から札幌大を経て去年八戸でプロ入りという。恐らく選手権には出場歴あると思うがU代表歴は無いはず。J3はこうした強豪高、ユース所属ではない選手にとっての登竜門的位置付けだと思うが、この選手もいずれ上のカテゴリでプレーするのではないかと思う。
 八戸はその後も優勢で、前半の終わり頃には左サイド遠目の位置から放ったミドルが大宮の選手に当たって軌道が変わり、そのままポスト直撃してゴールイン。前半の内に逆転した。予想を越える展開で、前半終了時はこのまま八戸が押し切るかなと。

 この頃になると雨も上がり、ハーフタイムはスタジアムの外に出て何か腹に入れるものを調達。寒かったのでおでんなどにも惹かれたが、並びも考えて焼きたてのピザを購入。

スタジアム外のスタグル街

 後半は大宮が押し返すようになり、八戸は徐々にボールを前に運べなくなった。序盤から何度も八戸ゴール前に迫るシーンが続き、八戸は何とか耐える展開だったが、半ば過ぎにエリア外から小島がミドルを決めて同点。この時間になると、八戸のゴールエリア内に何度もボールが入るようになってもう1点入る匂いは十分だったが、同点から約10分後に左クロスからエリア内でフリーの泉が合わせて逆転。終盤は八戸が追い付くべく前に人数掛けるシーンもあったが決定的なチャンスは生まれず、そのまま試合終了。

 首位大宮が押し切ったという試合だったが、八戸も十分勝機はあったと思う。八戸の試合は5年前に鳥取で観ているが、当時の観戦記を読み返すと意外な見応えがあったと書いているので、J3の中堅チームとして一定の地位は築いているのかなと。また監督は石崎信弘氏なのも知ったが、手堅い中に先ほど述べた山内の様な技術に優れた司令塔を置くサッカーはこの人らしさを感じた。
 大宮はこれで残り9試合あるとは言え2位とは勝点16差、3位とは17差。自動昇格と優勝はほぼ確実かな。このチームに関してはレッドブル資本となってどうなるかが興味深いところではあるが。

  • スタジアム

 今回はメインスタンド中央寄りの席で観戦。

メインスタンドより

専スタだけあってピッチは近く非常に見やすかった。この天候だったので屋根があればとは思ったが、映像装置の意外な大きさには驚いた。

アウェイゴール裏と映像装置

三ツ沢のより大きいのではないかと思う。余談だがこの画像に出ている様に、試合中時折現地の風速が表示されていたが、このスタジアム特有の気象条件(例えば強風など)があるのだろうか。

  • 試合後

 終了後はホテルへ戻り、車を置いた後は近くの繁華街でラーメン屋に寄ったのだが、カウンターの隣席にいた3人組は大宮サポで耳に入って来る話だと3人共たまたま今日現地で知り合ったようでチームや選手、これまでの遠征歴について色々語っていた。これも遠征ならでは。