- 2025観戦始め
例年、年末年始に一度は選手権を観に行くが、今年はインフルや風邪が周りでも蔓延していて正月2日以降はあまり遠出せず大人しくしていたのもあり、今日が今大会、そして今年の初観戦。選手権の観戦はいつも1~3回戦か決勝で、準決勝はあまり無いな。記録を辿ると12年振り2度目だった。
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この時の京都橘には小屋松知哉と仙頭啓矢がいた。
11:30頃に国立着。昼時だったが、場内で買うと並びそうだったので、渋谷で乗り換えついでにテイクアウト。ハンバーガーにしようと思っていたが店が11:30開店で、近くのバインミー屋で調達した。
以前マリノス戦のスタグル屋台で買って以来、カリっとしたパンの食感が結構好きなのよね。
- 第1試合:東福岡×前橋育英
そうしている内に選手紹介、入場。入場後5分ほどアップして試合開始。
プレミアウエスト8位の東福岡とプレミアイースト6位の前橋育英というカードで、そのリーグカテゴリ通り序盤から激しい展開だった。東福岡はここまで無失点だけあって前育が攻めても常に自陣では複数人で対応してチャンスを作らせない。今大会4ゴールのオノノジュも中央、サイドと幅広く動いていたが孤立気味で、試合から消されてしまった感。そんな中で東福岡は前半10分過ぎに右サイドへの展開から最後はグラウンダーのクロスを中で合わせて先制。
前半はボール支配こそ前育だったが試合を握っているのは東福岡という構図。東福岡は守備が堅いと言ってもフィジカル全開サッカーという訳では無く、中盤のアタッカー陣は細かい技術を見せつつ攻める時はしっかりボールを繋ぐ。見ていてリカルド・ロドリゲス時代の徳島、浦和を思わせるサッカーだった。ウノゼロの美学でも撃ち合い上等サッカーでもなく、攻める時は丁寧に展開し守備にも気を配り、先制し追加点もしっかり奪う2-0を理想とするサッカーとでも言うか。前半はこのまま終わり、これは東福岡かなと。
だが後半前橋育英は選手や布陣を変え、早々に左サイドから粘ってそのままゴール前に持ち込んで同点、そしてその5分ほど後には同じ左サイドからオノノジュのパスをエリア内で受けた佐藤が今日2点目の逆転ゴール。そしてその数分後にはカウンターから後半から投入された白井がドリブルでボールを運んで右に展開、その折り返しを自ら決めて3-1。一気に試合を動かしてしまった。
3点目を決めた白井はその後もボールを持つ度に場内から歓声や感嘆の声が上がっていたが、ジョーカー的な活躍を見せる小柄なドリブラー、下級生(2年)という点で帝京時代の田中達也を思い起こさせた。
その後は東福岡が1点返そうと攻勢に出て惜しいシュートもあったが全体的には前育が上手く試合をコントロールし、ATもしっかり相手コーナー付近でキープして時計を進めてそのまま勝ち切った。2試合通した感想は最後に書くとして、プレミア勢同士のハイレベルな一戦であった。
2試合目は千葉の流経柏と神奈川の東海大相模という事で両校応援の数は多く、試合開始後も入場が終わらない程。特に流経はバクスタからゴール裏スタンドまで赤いウェアやマフラーを身に付けた人々が目立っていた。ちなみに今日の2試合、どちらもホームは赤、アウェイは黄黒の縦縞というチームカラー。
この試合はプレミアイースト4位の流経と神奈川県1部7位の東海大相模という事で、流経有利は揺るがないかなと。ここまでの道のりを見ても、流経はプレミア王者大津に勝ち切るなど厳しい試合を勝ち抜いて来た一方で、相模の対戦相手はは全て県リーグ勢。プレミア、プリンス、都道府県リーグのカテゴリが定着してから選手権も出場校の所属リーグをチェックするようになったが、言わばカップ戦で3部リーグのチームが勝ち上がり準決勝で1部の上位勢と対戦するようなもので、勢いもさすがにここまでかと。
・・と、かなりフリを付けてしまったが(実際試合前はそう思っていた)、開始から試合は一進一退、むしろ決定機は東海大相模の方が多いのではと思う展開。何より驚いたのは、流経柏のプレスの中で普通にボールを繋いで攻めていた事。プレスの圧に乱れない強さ、しっかり周りを見て展開する判断力と技術、本当に県リーグの中位なのかと。そんな中、流経柏にPKを与えてしまい、これを決められリードされて前半を折り返したが、この展開ならまだ十分挽回可能と思いつつ後半へ。
ただ後半はさすがに流経が修正して試合をコントロールする時間が増えた。ボールを奪い、サイドに展開して相模ゴール前に迫る場面が増え、相手クリアもまた拾って2次3次攻撃という展開が続く。その中で決定機も幾つかあったが、相模GKの好セーブやDF陣の奮闘、バー直撃などもあって追加点ならず。時間と共に地力の違いが露になったような後半だった。相模は終盤ロングスローの機会も何度かあったが、これも流経のDF陣がしっかりクリアし、ラストプレーでもロングスローでGKも上がってきたがこれを撥ね返して試合終了。
- 2試合観戦後雑感
今日の2試合で特に印象に残っているのは、強度の高さ以上にその判断力。どのチームも相手や状況を「見て」、ボールを運ぶべきか一旦下げて作り直すべきか常に判断しながらプレーしていたし、上手く行かなかったら試合中やハーフタイムで修正して全く別の姿を見せていた(特に前橋育英と流経大柏)。それを一定以上の強度でこなし、プレミア勢だけでなく県リーグ所属の東海大相模でもその一端を見せていた点に於いて、10年前、いや5年前とは全く違う次元になったなと。
これは高体連、クラブユース混在のU18年代リーグ戦が整備された成果と言えるかもしれない。一昔前はこの年代最高峰の試合は主にクラブユースの試合だが一番盛り上がるのは高校サッカー選手権という状況でプレミア、プリンス、選手権は同じ年代ながら別次元の大会という感もあったのだが、それらが一本の線で繋がったというか。今大会の4強の内3つがプレミア所属、1つは県リーグというのは一発勝負のカップ戦では起こり得る状況だし、そもそも24年度はプレミア所属22チーム中高体連が過半数を占めたのを反映しているなと。一方で今季の結果でプレミアからは高体連3チームが降格し、来季の昇格4チームは全てJユース。「高校かユースか」ではなくお互いが切磋琢磨してこのレベルに到達したのもまた実感した。
- 試合後
選手権を2試合観ると2試合目の後半辺りから徐々に体が冷えて寒さとの戦いになるのだが、今日は試合そのものの面白さもあって乗り切った。帰りは明治神宮前駅まで歩いて帰宅。