J1第28節 横浜M×仙台(三ツ沢)


 観戦していれば屋根の無いスタジアムで雨に降られる事は年に一度くらいあるものと覚悟しているが、試合中これだけまとまった雨が降り続くのは久々だな。記憶、記録を辿ると、去年夏に行った岐阜の長良川は試合前にゲリラ豪雨を食らったものの試合中は止んでいたし、同じく去年4月の日立台も本降りでは無くポンチョを着るほどでも無かった。これだけ降られたのは6年前のJ1昇格プレーオフ以来ではないかと思う。

 仙台に対してはアウェイで圧倒的に勝率が良い一方でホームで勝てない事が多いのだが、今日は開始から上手くボールを前に運べて、自らのプラン通りの展開に持ち込めていた。何度か惜しいチャンスがありつつも0-0で、この良い流れのうちに先制点が欲しいなと思っていた前半半ばに山中のミドルで先制。確かに山中らしい威力のあるシュートだったが、エリア外からのミドルでニアを抜かれたGKのプレーも問題あり、という様なゴールだった。
 その直後に仙台が同点に追い付いたものの(仙台はこれが初のチャンスだった)、前半の終盤に仲川が中央からドリブルで持ち込み、CBを抜いてGKとの1対1も冷静に決めて勝ち越し。このゴールがまさにそうなのだが、今日のマリノスは雨というコンディションに上手く対応したサッカーが出来ていて、いつものように繋ぐだけで無く、時にはこうしてドリブルで持ち込むのが良いアクセントになっていた。逆に仙台は少しボールを繋ぐ事に拘りすぎていた面はあったな。綺麗に展開するシーンもあったが、やはり雨で滑りやすいのでパスやトラップが少しずれて相手に奪われるというシーンも多々あった。石原の最前線でのボールの受け方や捌き方などはさすがだったが。

 後半もマリノスが押し気味に進めて左クロスをファーに詰めた仲川が頭で合わせて3-1。その後仙台GKのキックに詰めたウーゴがボールを奪い、ゴールに流し込んで4-1。ハイライトで見たらキックをブロックした時にハンドだったが、先制点に続き、仙台GKシュミット・ダニエルは不安定なプレーだった。先日代表にも選ばれていたので少し注目して見ていたのだが、体格はあれど基本動作で東口、中村らに見劣りがする。ミスが目立ってしまうポジションとは言え、そのミスが勝敗に直結するポジションでもあるので、今日のプレーからは代表クラスには思えなかった(まぁそれで代表入りしてしまうのが今の日本のGKの水準とも言えるかもしれないが)。終盤には更にウーゴがもう1点決めて5-1と。4-1となった後でポステコグルーは久保を投入したのだが、この選手の今の立場は2-1、3-1のような1点失ったらどうなるか分からない場面では起用出来ないという事なんだろうか。出場機会を求めての移籍だったが、これからU19アジアユースや契約上出場出来ないFC東京戦もあったりでマリノスで出られる試合はそう多くない。それはともかく終了間際に仙台にPKが与えられて5-2となったところで試合終了。

 残留争いしている中で連勝で一気に勝点6を積み上げ、得失点差も稼げたのは大きい。マリノスはこれまで得失点差の少なさが上位を狙う上でのネックになっていたが(上位は得失差が大きいので同勝点の場合不利になる)、下位は得失点差のマイナスが大きいため、逆に身を助ける形になっている。まぁその中身は去年までの「得点、失点共に少ない」状況から「得点、失点共に多い」状況に変わっているのだが。先ほど述べたように今日はピッチコンディションに上手く対応したサッカーが出来たのが勝因と思うが、残り6試合で懸念は主力の欠場かな。伊藤の負傷(最終節に間に合うかどうか)、ドゥシャンの出場停止(次節まで)以外にも警告3枚でリーチの選手が3人いる。ウーゴ、天野、大津。特にウーゴまで欠場となるとFWは町野しかいなくなるが(実際そうなったら仲川、大津辺りを置くのだとは思うが)、この3人で一番警告を貰いそうなのもこの選手という(苦笑)

 例によって試合終了後に雨脚が収まったものの、90分雨に打たれて消耗したので帰りはタクシー呼ぶかという話にもなったのだが、結局いつものように歩いて三ツ沢の丘を下り、横浜駅へ。

 

J2第34節 町田×徳島(町田市立)


 今日はヤマハジュビロ×マリノス戦に行くつもりで、試合前に浜松を観光して鰻かさわやかのハンバーグを食べて磐田に行こうとか色々プランを練っていたのだが、肝心のチケットが速攻で完売してしまい断念。ならば等々力の川崎×名古屋にでも行こうかなと思ったらこの試合も完売と。こういう事態は今まであまり無かった。ヤマハは約15,000、等々力は約24,000の収容だが、カードによっては完売するくらい人気は上がってるということなんだろうな。
 という訳で今日は町田に行く事にした。ゼルビアは現在J2で2位(首位松本とは勝点1差だが消化試合が1試合少ない)だがスタジアムの問題でJ1ライセンスが無い故に今季は昇格出来ない。ゼルビアが2位以内に入った場合J1からの降格枠は1つ減るので、J1で残留争いをしているマリノスや長崎、柏、ガンバなどといったチームにはゼルビアの成績も気になるところ。

 試合は16時開始で鶴川駅に着いたのは15時過ぎ。スタジアム直行バスに乗ったのだがバスの並びで前後にいたのがどちらも外国人だったのは意外だった。後ろの人はゼルビアユニを着ていたし、野津田に結構通っている人なのかもしれない。ここ数年日産でもマリノスユニを着た外国人を結構見掛けるし、日本在住の外国人が住んでいる街のチームのサポになるという事例が徐々に増えているとか?
 てなことを考えつつ野津田に着いたのだが、遅い昼食としてYASSカレーの角煮カレーをば。

 前々から食べてみたかったこのカレーにようやくありつけた。個人的にカレーのルーは水気の少ないのが好みなのだが、その点でも理想的だった。
 スタンドに入る頃には選手入場直前という状況だったが、中に入ると真新しい映像装置が。

以前は今時珍しい位の旧式の電光掲示板だったが、これでリプレーも流せるようになる訳だな。

 試合は序盤から町田がやや押し気味の展開だった。繋ぐよりも中盤や最終ラインから左右にロングボールを蹴って前線の中島や鈴木を走らせ、サイドの高い位置を起点にゴールを目指すサッカー。あまり見栄えはしないが手堅いサッカーではある。監督の相馬氏は以前はもう少し繋ぐサッカーだったので少し意外だったが、現役時代に鹿島でプレーしたり監督経験のある人特有のリアリズムというか勝負への拘りも感じられた。前半終了間際に中村の見事なミドルが決まって1-0町田リードで前半終了。
 後半は徐々に徳島が押し返し、ミスで上手くいかない場面も多かったが、敵陣サイド奥深くで2~3人が連動して崩す動きとかは見応えがあった。後半半ばにバラルの落としにウタカが抜け出して同点。町田も8月のJ2月間MVPに選ばれた平戸の右足のセットプレーから惜しいチャンスを作り出したが決めきれず、試合は1-1で終了した。

 試合前に注目していたのは上で述べた平戸だった。東京五輪世代でもあり、最近の日本にいないフリーキッカーとしても面白い存在だなと。やはりセットプレーでは存在感があったが、試合中は(町田のロングボール中心のサッカー故か)それほど目立たず。ポジションは2列目の右サイドだったが、五輪代表だと2シャドーかボランチのどちらかとなってハマるポジションが無いので少々厳しいかな。この選手といいこの10年で鹿島ユースは定期的に良い選手を輩出するようになった。
 徳島でチェックしていたのは監督のロドリゲス。燻っていた若い選手の才能を開花させて、その選手がJ1に引き抜かれてもそこで得た資金を元に新しい選手を獲って結果を残すというのはなかなか出来る事では無い。この人自身も近い将来J1に引き抜かれるだろうなと思ったが、その有力候補だと密かに思っていた神戸が違う人と契約したので、次の職場がどこになるかは分からない。ただJ1でも成績の良いチームが敢えて監督を代えることはないだろうから、あるとすれば今季成績不振のところだろうな。あくまで残留すればだが、ガンバ、レイソルなど有り得るように思うが。ちなみに結構熱い人のようで試合中もコーチングエリアでなかなかアクションが激しかった。

 試合後は鶴川行のシャトルバスに乗り、帰路へ。このスタジアムも何だかんだ毎年来ていて今日で5回目。

観客動員についてなど

 たまには観戦記や散策記以外も。マリノスは先日の浦和戦でリーグ戦ホーム17試合中13試合を消化し、平均観客数は現時点で21,902人。これは去年の平均24,766人に比べて約11.6%の減少で、またリーグ内においても毎年平均観客数2位の座をFC東京と争っていた中で現在リーグ6位(浦和、FC東京、名古屋、川崎、G大阪、横浜Mの順)。
原因としては席割りの変更、チームの成績(特にホームで3勝3分7敗と勝てない)というのがまず思い浮かぶが、ただ今季は集客面でことごとくツイてないという面もある。挙げてみると
①変則日程
 今季は日産の改修工事が3月末まで続いた影響で開幕当初はアウェイが多く(5試合中4試合)、その分4月以降はW杯でリーグが中断される5月中旬まで毎週末ホームで試合があったのだが、それが逆に観に行く試合を選別される結果になったと思う。「たまにはマリノスの試合観に行こうか」という人にとって足が向くのは隣町とのダービーかつ齋藤学の移籍という話題性のあった4/8川崎戦(37,332人)だったり、GW序盤の土曜という近場に出かけるには丁度良い日程だった4/28鹿島戦(27,348人)であって、その間の4/15神戸戦(16,313人)、4/21湘南戦(19,117人)はそうではなかったということなのだろう。同時にマリノスの客層はそういう層の占める割合が大きいとも言える。
 また今年は中断期間の為にリーグ戦の平日開催が例年より多いのだが、7/28清水戦の様に気象条件によって試合が延期され、代替開催日が水曜、しかも3日後には同じ場所で試合という日程になった。清水戦は7/27まで25,000枚くらい発券されていたが8/29の入場者は15,645人。

イニエスタトーレスが来る前に神戸、鳥栖とのホーム戦を消化
これも不運としか言いようがないのだが、この2人がJデビューする前に両チームとホーム戦を消化してしまった(苦笑)

 3/10(土)鳥栖●1-2:11,247人(三ッ沢
 4/15(日)神戸●1-2:16,313人(日産)
 6/2 (土)神戸○4-2: 8,827人(三ッ沢)※ルヴァン杯PO

鳥栖戦はホーム開幕戦で三ッ沢は大入りだったが(それでも12,000~13,000ほどは入って欲しかったところ)、神戸戦は今なら上記の倍以上、味スタのFC東京×神戸戦(本人は出場しなかったが)が44,801人で今週末の埼スタでの浦和×神戸も完売なのを考えると、この前の浦和戦以上に入っていてもおかしくなかった。目安として客単価を2,325円(17年度の入場料収入、観客動員数より算出)としても約7000万の増収。来場者が購入するグッズ収入もあるので、17年度の純利益が約2500万だったマリノスにとってこれはかなりの金額。

③夏休み期間のホーム戦がすべて水曜
 小学校の夏休み期間は集客の書き入れ時だが、この期間のホーム戦はというと

  7/28(土)清水   :台風で順延
  8/1 (水)広島 ●1-4:10,069人(三ッ沢
  8/15(水)名古屋●1-2:24,527人(日産)
  8/29(水)清水 ●1-2:15,645人(日産)

 8/15はお盆休みの人が多かったと思うが水曜開催ばかりで、唯一の土曜開催だった清水戦も台風で順延という。こう書いてても本当にツイてないな。また結果も書いたが、この3戦全て敗れたのも影響があったと思う。

 今後のホーム試合は以下の通り。

9/29 (土)仙台※三ッ沢
10/5 (金)札幌
10/14(日)鹿島※三ツ沢、ルヴァン杯
11/3 (土)FC東京
12/1 (土)C大阪

 浦和戦も消化した今30,000人を超えそうなのはFC東京戦、最終節のセレッソ戦でどうかといったところかな。FC東京戦は3年前に30,999人だったが(大学4年で特別指定選手だった富樫がデビュー戦ゴールを決めた試合)、いつもは25,000前後なのでギリ届くかどうかだと思うが。近隣だけにガスサポは毎回4~5,000人くらい来るが、ホーム側が浦和や川崎戦ほど来ない。後は金曜開催の札幌戦が20,000前後、三ッ沢の仙台戦は12,000前後といったところだろうか(雨が降らないのが前提)。どちらも遠方のチームだが首都圏在住の出身者が来るのかアウェイサポが多い印象がある。マリノスの集客傾向として、相手の知名度(有名選手がいるかどうか)と分かりやすさ(例:勝てば優勝など)に大きく左右されるというのがある。言い換えると勝点で並ぶ相手との直接対決とか、ホーム開幕/最終戦、この試合に勝てばACL出場が見えてくる、といった要素はあまり響かないんだな。8/1の広島戦は水曜とは言え首位相手なのだから、もう2,000人くらい入っても良かったが、1万人を越えるのがやっとという辺りにそれが現れている。勿論いつもスタジアムに行く人はそういう背景を十分理解しているが、そういったコア層とライト層のギャップが大きい。浦和の観客数も以前よりは減少傾向にあるがホーム開幕/最終戦はどこが相手だろうと何だかんだ40,000人以上入るし、去年のACL決勝も勝てば優勝という分かりやすい試合ではあったが、自分の周り(バックアッパー)はある程度観戦慣れしている人(チャントへの手拍子とか)が多かった。以前から思っていることだが、浦和の強みはこうしたコアとライトの間に位置する「中間層」の分厚さだと思う。(逆に言えば観客の減少はこの層が離れつつあるのが響いているのかなと。)

 開幕前に書いた懸念が、今のところ集客面はその通りの結果になっている。ただ今季は席割りが大幅に変わって実質的に値上げされた分、入場料収入自体は増えているかもしれない。ルヴァン杯も昨季はGL敗退(ホーム3試合)だったが今季は準決勝進出中でホーム6試合が確定しているのでその分増収となる。ただ空席は無いに越した事はないんで、メインはともかくバクスタホーム側まで人が少ない試合はなんだかなという思いにさせられる。まぁこれは去年までそこで観ていたからなのかもしれないが(苦笑)
 

J1第26節 横浜M×浦和(日産)


 さすが浦和戦+限定ユニ付チケット発売効果+3連休中日の好天もあってか日産は今季初の4万超え。こういう試合は知り合いも来るもので、試合前にはレッズサポの友人達や、マリノスサポだが10年ぶり位の友人にも会えて楽しい時間だった。マリサポの友人とは急遽一緒に観ようという話にもなった。

 マリノスルヴァン杯で2連勝、浦和はリーグで連敗+オリヴェイラベンチ入り禁止を受けての試合となったが、序盤からマリノスが押しつつ浦和が少ない好機を窺う展開になった。浦和が興梠の見事な胸トラップからのシュートを見せれば(飯倉がセーブ)、マリノスも仲川の右クロスを伊藤が得意のニアで合わせたが枠を外れた。どちらかというとマリノスから見て右サイドは優勢、左サイドは劣勢だったかな。マリノスの右の対面にはマルティノスがいたが、時折カウンターで抜け出すもシュートまでには至らず、未だチームに適応出来てないのを窺わせるプレーだった。契約年数は知らないが恐らく今季で浦和を去るようにも。逆に左は山中に対して若い橋岡(U19代表)がいたが、西川や最終ラインからのロングフィードに空中戦で優位に立っていたし、なかなかアグレッシブな動きだった。山中はトルコへの移籍話が破談になってからどうも動きが宜しくないな。試合中そのキック力を見せるシーンは少なく、開幕当初の様に中央にポジション移動して戦術的に機能する訳でも無いので、代表入りどころかJ1の平均レベルのSBになってしまった感がある。元々守備が得意な方では無いし、今のプレーなら確かに堅実な佐々木翔が代表入りするよな、というのを認識させられるプレーだった。
 そんな中で浦和が先制。マリノスゴール近くでのFKのこぼれを中央から宇賀神がミドルを決めた。このカードは大概お互いの良さを消し合う所謂“塩試合”になるのだが、その意味で浦和はアドバンテージを得た形。

 後半も展開は変わらず。マリノスはウーゴを入れて伊藤と2トップにしたり点を取りに行ったのだが、サイド深く切り込む割に決定機には至らない。という中で後半半ばに縦パスに抜け出た遠藤が中央のウーゴへグラウンダーのクロスというかパスを送り、それをウーゴがボールをキープしつつ相手GK、DFの動きをよく見て冷静に流し込んだ。これで同点。
 この時間になると浦和もマリノスゴール前までなかなかボールを運べなくなってきたので、一気に逆転という展開は十分有り得たと思う。ただ、マリノスはボールを支配する割には決定機を作れず、時間だけが過ぎていく。そんな中で後半40分近くになってトイレに行こうと席を立つも、スタンド入り口まで来た時どうも気になって後ろを振り返ったのだが、まさにそのタイミングで浦和が浮き球の縦パス1本で武藤が飯倉と1対1になり、これを沈めて浦和が勝ち越した。その後はマリノスが押し込むも決めきれず、終了間際には浦和ゴール近くから間接FKを放り込むもこぼれを拾ったユン・イルロクがクロスを上げられず、バックパスした時点で終了の笛が鳴った。FKの時点でアディショナルタイム終了間際だったのだから。あの場面はボールを拾ったら即クロスを上げるべきだった。こうして消化不良感を残したまま試合終了。

 今日もそうだが今季のマリノスは内容的に勝点1以上を取るべき試合で勝点0、つまり負ける試合が多い。ホームの神戸戦、清水戦(共に●1-2)は少なくとも引き分けるべき試合で今日は内容的には2-1、少なくとも1-1という試合だったが、結果は1-2。この勝負弱さが今の順位の原因の一つではあるかな。点を取られても取り返すだけの攻撃のメカニズムというのが今季のウリだったが、今は先制すれば逃げ切り、逆に先制されればそのまま押し切られるという去年までと変わらない。次はアウェイで磐田だが、残留争いは何より勝点の近い相手に勝つ事が大事だから、残り8試合でこの磐田、ガンバ、長崎、鳥栖は落とせない。

 ハーフタイムに友人の誕生祝いをして、試合後は新横浜の居酒屋で飲んで解散。5年ぶり位に訪れた店だったが楽しく飲めた。

コスタリカ戦

・スタメンを見た時、当たり前だがチーム構成には監督の性格が出るものだと実感してしまった。W杯からメンバーが大きく変わるのは2006年以来で、あの時のオシムは最初に13人だけ発表して、後日追加で6名発表という前代未聞の発表方法を取ったが、それを考えてもやはり発表方法やスタメン選びにはそれぞれの色が出るものだなと。
 スタメンにGK、DF、MF、FWそれぞれ30代のベテランを置く一方で初代表を2人入れて、その堂安や南野、中島という若い選手で2列目を構成するというバランス感覚。また会場が吹田だったからか東口、三浦、堂安の新旧ガンバ勢も揃ってスタメンだった。結果も出す、新しい選手も試す、同時に親善試合らしい興行的要素(メディア受け)も忘れない、そのギリギリの折衷点を追求したメンバーとでも言うか。
 そしてこのバランス感覚によって(+若い選手が活躍した事によって)、代表は“4年後に向けて期待を抱かせる新しく、若いチーム”というイメージを得る事が出来た。スタメンに30代が4人というのはベルギー戦(川島、長友、長谷部、乾)と同じ。20歳の選手もいたとは言えイメージほど若いチームでは無かったのだが、試合後に印象に残っているのは中島、南野、堂安ら24歳以下の選手達のプレー。緒戦からこういう深謀遠慮を見せられて脱帽する他ないが、どうか無理せずお身体を大事にと言いたくなる。

・12年前も初代表の選手が何人も出たが、当時と違うのは若い選手、初代表の選手ですら既に海外でプレーしているという事だな。スタメンだけで堂安、南野、中島、遠藤の4名いて、サブの浅野、伊藤、冨安と合わせれば7名も。堂安はJ1でレギュラーとしてプレーしたのは実質半シーズンだし、伊藤はJ1どころかトップ昇格前のユース所属の時点でドイツに渡った。もう本当の逸材はJ1で長くても1年半くらいプレーすれば欧州からオファーが来て移籍してしまう時代なのを痛感する。そして同時に伸びる選手は一気に台頭するものだとも。堂安のJ1最後のゴールを観たのは去年の4月だったが、当時はまだ将来有望な若い選手の一人だったのに、今日は代表デビュー戦とは思えない堂々としたプレーだった。

・今後は新しい選手を試しつつ、W杯組の中堅、ベテランも少しづつ呼び戻してチームに融合させていくのだろう。酒井宏樹、大迫、吉田、久保辺り。もしかしたらアジアカップは長友も呼ぶかもしれない。オシムの時も最初はジェフ組を中心に呼んで戦術を浸透させ、翌年夏のアジアカップ前に満を持して中村俊、高原を呼び戻した。ただ今回は年明けすぐにアジアカップなので呼び戻すにしても11月の試合には呼んでおかないといけないが。

・青山は年齢的には勿論、プレーもベテランらしい落ち着きがあったが、代表戦は今日でまだ9試合目。ただ代表に呼ばれるのはブラジルW杯、ハリルの緒戦、そして今回と節目のタイミングであることが多い。ロシアW杯も直前合宿に呼ばれていたので怪我が無ければ大島か遠藤に代わってエントリーされてたかもしれない。新監督が広島で指導を受けた森保氏であるからこその招集でありキャプテン就任だとは思うが、それを含めて不思議な巡り合わせの良さがある選手。

 10/16のウルグアイ戦に行きたくなるような試合だった。来月は今回呼べなかった選手、呼んでも試合に出せなかった選手を起用するのだと思うが、HSVの伊藤はどんなプレーヤーなのかこの目で見てみたい。

世田谷方面へ

 昔あれだけ通ったこの辺りも、家と都心を結ぶルートから外れている故かここ数年は大分縁遠くなってしまった。今は味スタの行き帰りで京王線を使う時位しか通らない。そんな中で数年前に豪徳寺に行った時周辺には他にも色々寺社があるとのことだったので、今回は松陰神社に向かった。ここは昔部活のランニングで行って以来だと思うが、記憶はかなり曖昧で、その上書き更新の意味合いもあり。
 
正面入り口の鳥居。参拝し、境内を回ってもここに来たのが思い出せない。もしかしたらランニングで行ったのは隣の若林公園だったかもしれない。「松陰神社」と名の付く社は萩にもあるのだが、今年のGWで行った時はバスから眺めただけだった(苦笑)その時も書いたが、この人物が(文字通り)神格化され崇拝される風潮には若干引いてしまうのだが、日本史上重要な人物であり場所であったとは思う。さすがというべきか、境内には松下村塾を復元した建物もあった。

 神社を出た後は世田谷線三軒茶屋に行き、キャロットタワーの展望室へ。都心から周囲を眺めるのとはまた違った風景が楽しめて、位置的に東京タワー、六本木ヒルズ、渋谷、スカイツリーがコンパクトにまとまって見える。

例によって横浜方面も。

みなとみらいは丁度武蔵小杉のタワマン群越しに見えた。

ビルの合間を縫うように走る首都高。ふとTMが1994年に一旦“終了”した時のシングル「Nights of The Knife」の一節が脳内で再生された。

ハイウェイがビルの谷間を突き抜けてく
贅沢な夢を叶えている街

この首都高3号線が向かう先には渋谷があり、まさにこの歌詞とシンクロしているなと。展望台から下りた後は三茶でそのまま夕食を摂って帰宅。やはりこの辺りは246号沿いのような雑然とした雰囲気もありつつ、一歩中に入ると落ち着いた空気が流れていて、その感覚が懐かしかった。

J1第25節 横浜M×柏(日産)


 清水戦から3日後に再び日産スタジアムにて。今日もメンバー、布陣を変え、DFラインは4枚でCFに伊藤、両サイドは仲川、ブマルを置く構成。序盤から相手陣内深く攻め込んでブマルのシュートがバーを叩くシーンもあったが、柏も左のクリスティアーノ、右の伊東に展開してマリノスゴール前まで攻め込むシーンが幾つかあった。伊東のスピードは相変わらずで仕掛けたら2人くらい軽く抜いてしまうのだが、最後の判断に迷いが見られてシュートまで持ち込む場面はあまり無く、本調子では無いようだった。そして前半30分に左のブマルのクロスに伊藤翔が合わせて先制。低めのクロスでGKもキャッチすべく出ていたが、伊藤の足が一瞬早く触れたものだった。伊藤はこういうクロスにニアで合わせるパターンが多いが、その得意な形で決めた。このまま前半終了。
 後半も同じ様な展開だったが、14分に右からのクロスを折り返し、中央の天野が合わせて2点目。この後はマリノスが更に攻勢を強め、柏の最終ラインがボールを持っている時でも積極的にチェックしてパスコースを切ったので、柏はまともにボールを前に運ぶ事も難しくなった。このままでもマリノスはチャンスは生み出せただろうし、このまま2-0で終わらせる事も出来たが、後半27分に柏は久しぶりに前線にボールを運んだその1回のチャンスで1点返した。そこから流れは変わってマリノスが押すのは変わらないものの柏も押し返すシーンが増えていったのだが、2-1となってから約5分後に、柏のCBパク・ジョンスとGK桐畑の連携ミスを突いた伊藤がボールを押し込んで3-1。柏としては凡ミスでの失点だけにショックだったかこれ以降はまたマリノスが押し込むようになり、この時点で試合は事実上決まった。その後は桐畑が味方のバックパスをキャッチしたのでエリア内間接FKという珍しいシーンもありつつ(上記写真)、最後は今日が誕生日だった中町を入れて試合を締めた。マリノス勝利を観るのは7/11の天皇杯以来、リーグ戦となると5/19長崎戦以来という(苦笑)

 マリノスも押してはいたが中盤でのパスミスからピンチを招くシーンも幾つかあり、決して良い出来では無かったが、ここで勝点3を取れたのは大きい。これで柏に勝点で並び得失差で上回って14位浮上。連戦とは言え1つも落とせない試合が続く中でチーム得点王のウーゴを使わなかったのは不思議だったが、伊藤が2点取ったのだから結果オーライだな。上位3チームに3連敗して以降、リーグ戦では

vs湘南 ○1-0
vs名古屋●1-2
vs鹿島 ●0-1
vs神戸 ○2-0
vs清水 ●1-2
vs柏  ○3-1

と3勝3敗。勝った試合で相手に何度もチャンスを作られたり、負けた試合では逆にこちらが何度も好機を作り出したりと要は毎試合どちらに転んでもおかしくない展開。ルヴァン杯の後は日程も楽になるので、少し落ち着くだろうか。
 柏も最近の戦績を見たら見事に●と○が交互に続いているのでマリノスと同じく毎試合五分五分の展開だが、このチームの場合クリスティアーノ&伊東の出来で結果が左右されるのだろう。その依存度は去年~今季序盤~現在と日を追う毎に高まっているように思うが。その中で今日は新加入のCFオルンガがなかなか良いプレー(アシストも記録)だったので、上手く機能すれば浮上出来るかもしれない。

 今日は雨予報だったが試合中は降らず、スタジアムを出ても空が見えていたのだが、大気は不安定だったようで時々空が光っていた。案の定家に帰ってすぐ大雨が。