新社会人の現実

 実際の職場に放り込まれてから2週間が過ぎた。そんな中で、一つだけ忘れないでおこうと決めた言葉がある。

「人は見たいと欲する現実しか見ない」

 これは塩野七生が『ローマ人の物語』で度々使う言葉である。作中では、普通、人は見たい現実しか見ようとしないのに対して、カエサルアウグストゥスオクタビアヌス)は凡人が見ない(見ようとしない)現実も見通したからこそ、ポンペイウスアントニウスクレオパトラに打ち勝ち、帝政の礎を築く事が出来たとしているが、果たして今の自分にそんな洞察力はあるのだろうか?

 社会人になって3ヶ月が経ち、悪い意味での“慣れ”が生まれていたにも関わらず、自分ではそうした現実を見ようとなかった。ここで、改めて自分の置かれた立場を考えると、所詮新人に出来る事は多くない訳で、毎日失敗して、そこから学んでいく事の繰り返しなのだ。仕事の知識、経験がゼロに等しい――――――こういう“現実”も自分の中で深く認識できれば、、、、、

 寝る事もない、かな。

にしても『ローマ人〜』は面白かったな。文庫版の続編が秋まで出ないというのがつらい。