天皇杯決勝 G大阪×山形(日産)


 今日は朝走→午前中友人の引越しの手伝いをしてからの新横浜行だったが、快晴の冬晴れで早起きして正解だった。スタジアムに着いたのは開始1時間と少し前だったが、こういう試合の時こそ普段行かないような場所に行ってみたく、バクスタ2階のアウェイ(山形)側中央寄りに席を取った。

 この試合の予想としては当然ガンバ優勢とは言え、後半半ばぐらいまで同点なら面白いなと思っていたのだが、開始3分で宇佐美が先制(苦笑)自ら放ったシュートを山岸が弾いた所に詰めたものだが、最初のシュートはまさにこの選手ならではと言うか、振りが短く早いタイミングでのシュートで、これを放った時点で勝負あったという感じ。
 先制された山形だが、その直後にガンバゴール前まで深く攻め込んでCKを取るなど、昇格プレーオフとは違ってかなり積極的に前に出て、しかもボールも繋いできた。試合前のメンバー紹介でスタメンにディエゴ、山崎、ロメロ・フランクの3人のアタッカー、ベンチにも中島、萬代、林とFWを3人も入れていたので気付いたのだが、監督石崎氏は引いて守る事をせず、これまでの激しさそのままに攻めに出て勝つつもりだったのだろう。内容的には昇格プレーオフで見せたようなJ2でよくあるロングボール、サイドアタック中心の堅いサッカーではなく、最終ラインからしっかり繋いで3人以上絡むパスワークも見せるなかなか見応えのあるサッカーだった。ただそういうサッカーでより活きたであろう川西の不在(ガンバからレンタル中につき契約上出場不可)は痛かったと思う。山形の中ではパスで間合いを操ってリズムを変えられる数少ない1人だっただけに。
 そういう中で、ここが今季のガンバの強さなのかと思うが、ガンバは無理に攻めに出ずに山形の攻撃を受けながら、少し隙が出来たとみるなり一気に攻めかかって前線の個人技でゴールを陥れる。先制点もそうだったが前半半ばのパトリックの2点目もまさに。大量得点の匂いもしたが、そこは山形が踏ん張って2−0ガンバで前半終了。

 後半も同じ展開が続くが、山形は先に手を打ち交代策で流れを引き寄せる。後半から伊東に代わって入った船津が左サイドで効いていたのだが、その左サイドのコンビネーションから最後は石川のクロスを中央のロメロ・フランクが決めて1点差に追い上げた。その後もディエゴの惜しいシュートなどがあったのだが東口の好セーブに阻まれて同点に追い付けないまま終了5分前に再び宇佐美が決めて3−1。エリア外からのミドルが山形の選手に当たってコースが変わった山形にとってはアンラッキーなゴールだったが、これも先程述べたように宇佐美だからこそのシュートタイミングだった。ここからガンバはそれまでのスタイルを変え、ロスタイム含めて残り10分弱をボールキープで時間を使い、山形にボールを殆ど触れさせず、奪われても自陣に入らせないまま試合を終えてしまった。

 正直、昇格後即3冠というのは(そもそも降格したのも含めて)リーグのレベル的にどうなのかと思っていたが、今日のガンバはまさに強者のサッカーだった。前の決定力と個人技に依存している点は来年の超過密日程(スーパー杯にACL、スルガ銀行杯、それから2ステージ制なので上位に入ればプレーオフも加わる)に耐え得るのかと言う点は気になるが、現時点での完成度はリーグ随一と言うしかない。前線に目が行きがちな中で東口の存在も大きかった。去年までなら2ー1に追い上げられた後の山形のチャンスの内、一本はガヤってた危険性を考えればその存在の大きさが分かる。

 山形はディエゴが健在なら残留の芽は十分にあると思う。残留する為にはチャンスをどれだけ作れるかではなく何より前線の決定力、ゴール数だが、その点において。そうそう試合中ふと気付いたのだが、山形はこれが初の日産スタジアムのはず。前回のJ1時代のマリノス戦はリーグ、ナビスコ全て三ツ沢開催で、降格した時は日産で試合をする日は何時になるのやらと思っていた中でこういう試合に巡り合うというのは面白い。来年のリーグ戦はどうだろうか。