年間表彰2017(前編)

 毎年この時期は慌ただしいものだが、特に今年は仕事で年末納期のプロジェクトがあり例年以上に時間に追われる日々だった。それも今日で一区切り付いたのでようやくこれを書ける(笑)例年通りまずはMVP以外の各賞を発表。
 
■年間ベストマッチ
※過去の受賞試合

2005年:バーレーン戦(○1-0/2005.6.3/ドイツW杯予選@マナマ)
2006年:サウジアラビア戦(○3-1/2006.11.15/アジアカップ予選@札幌)
2007年:豪州戦(△1-1(4PK2)/2007.7.21/アジアカップハノイ
2008年:カタール戦(○3-0/2008.11.19/南アW杯予選@ドーハ)
2009年:ベルギー戦(○4-0/2009.5.31/キリンカップ@東京)
2010年:デンマーク戦(○3-1/2010.6.24/南アW杯@ルステンブルク
2011年:韓国戦(○3-0/2011.8.10/親善試合@札幌)
2012年:オマーン戦(○3-0/2012.6.3/ブラジルW杯予選@さいたま)
2013年:ベルギー戦(○3-2/2013.11.19/親善試合@ブリュッセル
2014年:豪州戦(○2-1/2014.11.18/親善試合@大阪)
2015年:パレスチナ戦(○4-0/2015.1.14/アジアカップニューキャッスル
2016年:サウジアラビア戦(○2-1/2016.11.15/ロシアW杯最終予選@さいたま)

1位:豪州戦(○2-0/2017.8.31/ロシアW杯最終予選@さいたま)
2位:UAE戦(○2-0/2017.3.23/ロシアW杯最終予選@アルアイン
3位:中国戦(○2-1/2017.12.12/EAFF E-1サッカー選手権@調布)
 今年A代表は13戦6勝3分4敗。ベストはやはりW杯出場を決めた試合だな。浅野、井手口という若い2人がゴールを決めて、豪州相手に結果、内容共に文句なし。次点は3月のアウェイUAE戦。この時点ではサウジ、豪州、UAEとの4チームが競っていた中でUAEをまず蹴落とす事が出来た点で重要な試合だった。
 3位は選びにくいというか、勝った試合でも内容がイマイチなのばかりなのだが(4-0で勝った予選タイ戦(ホーム)も相手に何度も決定機を作られていた)、強いて言えばこの前の大会の中国戦は急造チームの中で前半よく我慢して後半に勝負を決めたという点で選出。

■年間ワーストマッチ
※過去の「受賞」試合

2008年:バーレーン戦(●0-1/2008.3.26/南アフリカW杯予選@マナマ)
2009年:バーレーン戦(●0-1/2009.1.28/アジアカップ予選@マナマ)
2010年:韓国戦(●0-2/2010.5.24/親善試合@さいたま)
2011年:北朝鮮戦(●0-1/2011.11.15/南アW杯予選@平壌
2012年:ウズベキスタン戦(●0-1/2012.2.29/ブラジルW杯予選@豊田)
2013年:ブルガリア戦(●0-2/2013.05.30/親善試合@豊田)
2014年:ブラジル戦(●0-4/2014.10.14/親善試合@シンガポール
2015年:北朝鮮戦(●1-2/2015.8.2/東アジアカップ武漢
2016年:UAE戦(●1-2/2016.9.2/ロシアW杯最終予選@さいたま)

1位:韓国戦(●1-4/2017.12.16/EAFF E-1選手権@調布)
 12月初旬から今年の試合を振り返っていたのだが、その時点で敗戦は3試合あった。サウジ戦、ベルギー戦は内容も芳しくなかったがそれでもアウェイで0-1だし、むしろホームで2点差を一度逆転されたハイチ戦(最後に追い付いて△3-3)の方が酷かったとも思った。ただやはり11月のブラジル戦かな、と思っていた所に、最後に断トツの試合が。いくら相手より経験不足だろうが、ホームでこの相手にああいう試合をしては駄目だ。
 
■年間ベストゴール
※過去の受賞ゴール

2005年:中村(俊)(ブラジル戦(コンフェデ杯)同点ミドル)
2006年:玉田(ブラジル戦(ドイツW杯)先制点)
2007年:山瀬(カメルーン戦(親善試合)決勝ミドル)
2008年:玉田(カタール戦(南アW杯予選)ミドル)
2009年:中村(俊)(バーレーン戦(南アW杯予選)FK)
2010年:本田(デンマーク戦(南アW杯GL)FK)
2011年:李 (豪州戦(アジアカップ決勝)決勝ゴール)
2012年:本田(オマーン戦(ブラジルW杯予選)先制ゴール)
2013年:本田(オランダ戦(親善試合))
2014年:岡崎(豪州戦(親善試合)バックヒールゴール)
2015年:柴崎(UAE戦(アジアカップ準々決勝)同点ミドル)
2016年:山口(イラク戦(ロシアW杯予選)決勝ミドル)

1位:井手口(豪州戦2点目)
2位:昌子(中国戦2点目)
3位:井手口北朝鮮戦決勝点)
4位:岡崎(タイ戦2点目)
5位:香川(タイ戦先制点)
 今年は豪州戦の井手口のミドルだな。W杯行きをほぼ決めた重要性とゴールそのものの豪快さで決まり。3位にも先日の北朝鮮戦での決勝点を選んだが、このゴールもバウンド直後のボールを正確にミートしてエリア外から枠内に飛ばしてる点でなかなかハイレベルなゴール。この選手はミドルが本当に上手い。思えば日産スタジアムマリノス戦でミドル2発を決めたのは去年だったか・・・。月並みだが、代表で見せるプレーというのは普段クラブで見せているものだし、代表でクラブでのプレーを見せる事が出来る選手は相応のレベルにあるという事でもあるな。
 2位は昌子の代表戦ではなかなかお目にかかれないロングシュート、4位、5位はタイ戦からで、岡崎のはクロスに体ごと飛び込んでゴールに突き刺すヘッド、香川のはゴール前で俊敏に動いて相手をかわしてシュートに持ち込むという、いずれも両選手の良さが出たゴールだったので。

■年間最優秀若手選手(U-20)
※対象は1997/1/1生まれ以降の選手
※過去の受賞者

2006年:本田(2位:西川)
2007年:安田(2位:香川、3位:内田)
2008年:金崎(2位:内田、3位:香川)
2009年:米本(2位:香川、3位:権田)
2010年:宇佐美(2位:酒井(高)、3位:小野)
2011年:久保(2位:指宿、3位:扇原)
2012年:柴崎(2位:石毛、3位:小野)
2013年:南野(2位:久保、3位:大島)
2014年:植田(2位:岩波、3位:室屋)
2015年:南野(2位:関根、3位:中村)
2016年:井手口(2位:鈴木(優)、3位:中山)

1位:堂安(G大阪→フローニンゲン
2位:中山(柏)
3位:前田(水戸)
 今年はU20代表が10年ぶりにW杯に出たのでその効果があるかと思ったのだが、思ったほどでも無かったというのが正直なところ。特に攻撃陣はJ1で試合に出ている選手が多い割にクラブでもU20でもインパクトを残した選手は少なかった。その中で数少ない例外が堂安だったかな。ガンバでも移籍前までにリーグで3点取って、オランダでもほぼ試合に出てここまでリーグ3ゴール。ただこの手のタイプのアタッカー、かつ今のエールディビジのレベルならリーグで年間5~6点では物足りず、12~3点取れる域に達しないとステップアップは難しいように思う。まだ19歳で東京五輪世代(海外組なのでもしかしたら五輪本番は招集出来ないかもしれないが)だし、来年は更にスケールアップして欲しい。2位の中山はCBというポジションでJ1でシーズン通してポジションを守った点を評価。その他J1では15~20試合に出た選手は多いのだが(マリノスの遠藤、ガンバの初瀬、神戸の藤谷、新潟の原など)、決め手に欠ける中で、24試合出場して4ゴールを挙げた鳥栖の田川、J2に目を向けると福岡の冨安と水戸の前田の活躍が目を引いた。甲乙付け難いが、田川は99年生まれ、冨安は98年生まれで来年以降受賞のチャンスがあるので、ここは97年生まれの前田に。スピードが特徴で永井と浅野を足して2で割った様な選手だが、4月に水戸の試合を観た時はCKから頭で決めていた。来季は松本にレンタルバックのようだが、この選手も東京五輪世代で来月のAFCU23選手権にも選ばれているので頑張って欲しい。

■最優秀監督
※過去の受賞者

2009年:手倉森(2位:城福、3位:小林)
2010年:岡田(2位:小林、3位:関塚)
2011年:佐々木(2位:手倉森、3位:吉武)
2012年:森保(2位:手倉森、3位:吉武)
2013年:森保(2位:吉武、3位:小林、4位:高木、5位:風間)
2014年:長谷川(2位:城福、3位:反町、4位:石崎、5位:柱谷)
2015年:森保(2位:佐々木、3位:井原、4位:長谷川、5位:石井)
2016年:石井(2位:渋谷、3位:風間、4位:小林、5位:森山)

1位:鬼木(川崎)
2位:高木(長崎)
3位:名波(磐田)
4位:下平(柏)
5位:渡邊(仙台)
 一応この賞の趣旨は「最優秀監督に優勝監督が自動的に選ばれる風潮に一石を投じ、中堅クラブを躍進させたり、戦力値以上の結果を残した監督を表彰する」なのだが、12年からずっとJ1優勝監督を選び続けているという(苦笑)そんな中で今年もやはり初の監督業でいきなりクラブに初タイトルをもたらしたら鬼木氏しかいないよなぁ。川崎は理想を追求する監督でベースを作って、そのサッカーを知る後任が(主に守備面を修正しつつ)それを継承・発展させてタイトルを獲る点でミシャ→森保の広島に似ている。
 2位は長崎を自動昇格させた高木氏で、3位、4位はJ1で上位進出した2人。5位は迷ったが、仙台は12位ながらボール回しの質が高く、そのインパクトで渡邉氏に。マリノスもリーグで2戦2分だったが、内容的には2試合とも圧倒された。
 選んだ5人を振り返ると、90年代~00年代初頭にJで活躍した選手ばかりだな。ただ代表の主力だった高木氏、名波氏の様な人もいれば、そうではない人もいて、プロ選手経験のある監督と言ってもそのキャリアは様々だと実感する。日本だと若くして現役引退して指導者の道に入った人(元ドルトムントのトーマス・トゥヘルなど)がJ1監督になる可能性は(S級ライセンス取得も含め)ハードルが高いが、J2発足からそろそろ20年が経つ事だし、例えばドイツのユルゲン・クロップリバプール)の様な現役時代は2部が主戦場で1部でのプレー経験が無いJ1監督が現れる可能性は結構あるのではないかと思う。

 後編は明日に。

天皇杯準決勝 横浜M×柏(等々力)


 いつもこの時期は天皇杯の準々決勝で、12/29に準決勝、元日に決勝という流れだが、今年から日程が緩和されて今日が準決勝。個人的に仕事納めが終わった翌日に国立や日産で観戦したり、大掃除しながらTVで視る習慣が付いていたので少し寂しいが、1週間空くのは試合の質を高める意味で良いのではないかと思う。
 今日の会場は等々力だったが、今大会はかなり神奈川県での開催が多い。マリノスはここまでずっと三ツ沢開催だったし、フロンターレも一度正田醬油スタジアムで戦った以外は等々力開催で、4回戦で柏に勝っていれば今日はマリノスの相手になるはずだった。天皇杯は決勝以外各県のサッカー協会が運営主管だが、神奈川県サッカー協会が頑張ったのかな。今日も通常なら日産スタジアム開催だったと思うが、現在改修工事中なので等々力が選ばれたのだろう。(三ツ沢は準決勝会場としてはキャパシティが小さい。)

 試合についてだが、立ち上がりからマリノスが押し気味だったのだが、前半10分にハモン・ロペスが凄いミドルを決めて柏が先制。シュートは一度浮き上がりながら落下してネットに吸い込まれた。そこから流れが変わって柏が押し込む様になり、何度かシュートシーンを作り出すようになった。マリノスはたまにカウンターのチャンスはあったが、前の人数が少ない分やはり個人での突破頼みとなり、特にマルティノスは不安定な出来で、接触ですぐに寝転ぶ悪癖も変わらずだったし、噂されている移籍情報はやはり事実なのかと思わせるような、心ここにあらずというプレーだった。前半は1-0柏リードで終了。
 後半は開始早々に扇原が負傷で交代し、代わりに伊藤が入って2トップになった。これが転機になったと思う。ポスト役は伊藤が引き受けてウーゴが裏抜けに専念出来る様になり、また人の配置が変わったので柏がマリノスの選手を掴まえきれない場面が出てくる様になった。そういう中で下平のクロスを伊藤が中央で合わせてマリノスが同点。柏は1ヶ月前にカシマで観た時と変わらず、時間が経つ毎に攻撃がクリスティアーノら前線の突破頼みとなって単調になり過ぎる傾向にあった。後半を終えて1-1で延長へ。カップ戦なので延長も十分有り得るとは言え、正直90分で決着が付くかと思っていたのでこれは予想外ではあった(苦笑)
 後半の内容からするとPKまで行くかなと思っていたのだが、延長後半の終盤にカウンターから最後はウーゴが決めてマリノスが逆転した。先ほど書いた様に、2トップにした効果が最後の最後に出た感じ。残り時間は柏のCKやロングスローによる攻撃が続き、一度オーバーヘッドが枠内を捉えたシーンもあったがこれは飯倉がセーブして逃げ切った。これでマリノスが決勝へ。

 マリノスはカップ戦では準決勝が鬼門の反面、決勝にさえ行けば勝っており、プロ化以降では天皇杯は2度(92年度、13年度)、ナビスコ杯は1度(01年度)の3戦3勝。だが今季はこれまで国内J1タイトル歴の無かったセレッソフロンターレがついにタイトルを獲得したり、勝負強さに定評のある鹿島が最後失速して優勝を逃すなど、過去のジンクスに当てはまらない傾向が続いているので決勝がどうなるかは分からない。何れにせよ、元日の埼スタ行が決まった。
 試合後に帰路に就くと、スタジアムコンコースや外で決勝チケを譲る柏サポが大勢いた。これも年末の風物詩というか天皇杯準決勝ならではの光景だな。今回は初めて武蔵中原駅まで歩いたが、武蔵小杉とそう変わらない時間で到着。

代表戦の感想など

EAFF E-1サッカー選手権が終わった事で雑感をば。

・韓国戦はミスマッチというか、同じ土俵で戦ってしまったのが敗因かなと思う。基本的に日本は今まで韓国に対してはパスを繋いでいなすというのが基本路線で、時には相手のフィジカルにそのパスや技術を封じられる試合もあった中で、主力が欧州で揉まれて当たり負けしない強さを手に入れる事で優位に立てる場面が増えた。その象徴的な試合が2011年の親善試合(3-0)だったが、昨日はとにかく前に繋ぐ事に囚われすぎて、攻撃がサイドに展開→突破という単純な形となり、相手にとって守りやすい形になってしまった。元々スピードやフィジカルで相手が優位な中で数的にも不利な状況でサイド突破してクロスを上げて、エリア内で相手の高さを越えて点で合わせるというのは非現実的というか、あまりに効率が悪過ぎる。

・後は出場選手の経験値に差があったのも事実だな。下記に昨日の両チームの出場選手の代表試合数を記すが、日本は今野が突出している以外は試合数が一桁の選手が大半で、今大会で代表デビューした選手がスタメンに5人もいたが、韓国はW杯を経験している選手が複数いて合計試合数で倍の経験があった。ゴールシーンを振り返っても、2点目のFKはそれ自体は見事だったが、その前に日本がファールしたシーンは車屋が自陣で不必要に大きくドリブルしたのを相手にカットされたものだし、3失点目も中央で相手に寄せながらボールを奪い切れずパスを通されてしまった時点で勝負あった。経験値、そして攻撃に変化を加えてセットプレーのキッカーとしても期待出来た点で清武(代表44試合)の離脱は痛かったな。

出場選手の代表試合数
■日本
GK:中村(2)
DF:植田(2)、三浦(2)、昌子(9)、車屋(3)
MF:今野(93)、井手口(10)(→三竿(1))、倉田(9)(→阿部(3))
FW:伊東(3)(→川又(8))、小林(11)、土居(2)
スタメン合計146試合(出場選手合計158試合)

■韓国
GK:チェ・ヒョヌ(3)
DF:キム・ジンス(31)、ユン・ヨンソン(2)、キム・ミヌ(15)、コ・ヨハン(16)、チャン・ヒョンス(45)
MF:イ・グノ(81)(→ヨム・ギフン(56))、チュ・セジョン(8)、チョン・ウヨン(22)、イ・ジェソン(27)(→チョン・スンヒョン(2))
FW:キム・シヌク(41)(→チン・ソングッ(2))
スタメン合計291試合(出場選手合計351試合)

・状況的には南ア前に同じくホーム開催の東アジア選手権で韓国に1-3で敗れたのと被る。おそらく本大会まで重圧は増す一方だと思うが、南ア大会(そして反面教師としてのドイツ大会、ブラジル大会)から学んだのは最終的には直前の準備、そして緒戦が全てということだな。南アの直前に正GKが楢崎から川島に代わり、中村俊輔がスタメン落ちして中盤が阿部、長谷部、遠藤となり、本田が1トップに入ったような劇的な変化が今回もあるのではという気がする。

J1第34節 浦和×横浜M(埼スタ)


■千石・駒込
 2週連続の埼スタ行だが、折角の遠出をスタジアムとの往復で終わるのも勿体無いし、午前中は紅葉狩りでもしたいなと思っていた。色々調べると埼玉高速鉄道に繋がる南北線沿線には紅葉の名所が幾つかあり、中でも駒込六義園は10年程前に仕事で1年ほど近くまで通っていた懐かしさもあったのでここに決めた。
 前夜W杯組分け抽選を観た後は早々に寝て、当日はまず六義園近くにあるレストランに向かった。ここは仕事で通っていた当時にオープンした店で、それなりに値は張るが本格的な炭火焼ハンバーグが食べられるのでたまに贅沢しようと何度か行った店。今日のランチに、と思って調べてみたら今はメディアで紹介されたりして人気店になっており、開店1時間前に名前を登録してやっと一巡目という状況らしい。10:30に名前を書いて、その後は六義園へ。
 この庭園に行くのは10年振りだが前回は夏場だったので紅葉の時期は初めて。行くとピークからはやや過ぎていたが、十分見応えのある木々が。


 今回改めて調べたが、元は徳川綱吉の側近、柳沢吉保の屋敷だったんだな。こうした大名庭園が残っているのは江戸=東京の特色とも言えるが、現代に遺る庭園もこれ程の規模ならば、全国の大名屋敷が犇めいた当時の江戸ならどれほどの緑に溢れていたのだろうかと思わずにいられない。
 庭園を観賞した後はレストランに戻って美味いハンバーグを食し、駒込駅から浦和美園へ。

■試合
 埼スタ自体は毎年行っているのだが、今日のカードは実は13年以来4年振り。ACLを獲ってクラブW杯に向けて主力を休ませるなど一息付いている感じの浦和、リーグ戦でのACL出場の可能性が消えて3週間後の天皇杯に懸けるマリノスという半ば消化試合めいた雰囲気での試合となった。前半は浦和が押し込む展開。特に左サイド(マリノスの右サイド)から切り込んで何度かチャンスを作り、オフサイドにはなったがゴールネットを揺らすシーンもあった。前半気になったのはマリノスの右SB松原で、1対1で後手に回り、ピンチを招くシーンがしばしば。この選手は日本のSBとしては長身で年代別代表で国際経験もそれなりにある点がマリノス(CFG)のスカウトに引っ掛かったのだと思うが、状況判断の拙さは開幕からあまり改善されず仕舞だった。それさえ改善すれば一気に代表入りも有り得るのだが、“判断力”はボール扱い以上に習得の難しいスキルでもあるのが難しいところ。
 後半はマリノスから見てやや状況が改善し、カウンターで浦和ゴール前に近付くシーンが増えていったのだが、後半半ばにカウンターで左サイドから中央にグラウンダーのパス→これを中央付近にいた前田が左足でダイレクトで合わせてマリノスが先制した。シュートは西川が一歩も動けないほど見事だったが、前田のプレー自体はこのゴールが全てと言って差し支えない。前半はピッチにいたのかどうかすら怪しい存在感だったが、このゴールでどうにか帳尻を合わせた形。帳尻と書いたが、この選手も今季あまり伸びなかった選手の一人ではある。今日の様に局面で技術を見せる事はあるが、試合を通してとなると・・・という。来季は監督が変わる中で今季の序列を維持出来るかは不透明。個人的にはヴェルディ育ちによく見られる“(プレーにおける)自己主張の強さ”はそれが希薄なマリノスユース育ちに比べて買っているのだが。
 その後は浦和が押し込むがマリノスが最後まで踏ん張って1-0勝利。まぁ好調時の必勝パターン(前半をやり過ごし、後半カウンターから得点し守り切る)が復活したとも言えるが、このような偶発性に頼ったサッカーでリーグ戦34試合を乗り切るのはやはり無理があったとも言えるな。残り10分を切る頃は優勝争いが気になってDAZNで磐田×鹿島を視たりしていたが(苦笑)ちなみにこのヤマハスタジアムの試合はアディショナルタイムでアクセス過多故か視聴不可となった。


 帰りは前回の様な地下鉄1時間以上というのは避けたかったので赤羽岩淵で降りて赤羽まで歩き、上野東京ラインで帰路へ。

J1第33節 鹿島×柏(カシマ)


 今日はJ1の33節でマリノスはアウェイで仙台戦だが、日曜だし仙台は過去何度も遠征して色々行き尽くした感もあったので今日はDAZN視聴かなと思っていたところに、友人から去年のGW同様鹿島戦のチケがあり、車も出してくれるという誘いが。埼スタ行の翌日だったが、折角の機会なので乗っかる事にした。
 前夜埼スタから家に帰ったのは日付が変わる頃だったが7時に起床し、8時過ぎに近所のコンビニで友人車と待ち合わせ。昨日に続いて好天に恵まれたので昨年GWと同じく良いドライブだった。早めに出発したので懸念された渋滞も東関道の終点、潮来IC直前で少しハマった程度で、高速を降りた後も迂回路を使って渋滞知らずでスタジアム近くの駐車場に到着。例によって管理人のオヤジさんからスナックの小袋を人数分貰うオマケも付いた(笑)
 11時前に着いたので少し早い位かなと思っていたのだが、スタジアムに入ると既にかなりの人数でスタグルはどこも長蛇の列だった。コンコースを色々回って今回は洋風のトマトモツ煮をば。

モツ煮というかシチューの様な感覚だったが、付け合わせのミニトーストのアクセントが効いていた。

 鹿島は今日勝てば優勝決定、引き分けならば11/29開催の浦和×川崎(ACLにより順延)の結果次第という状況で、一方の柏はC大阪と3位を争っているがセレッソが今日勝てば4位以下が確定し、ACL出場は天皇杯の結果如何となる(12/23の準決勝でマリノスと対戦)。試合は開始から両チーム共に激しい寄せで相手の自由を奪うサッカーで、前半はシュートが枠内に飛ぶシーンは少なかった。決定機と呼べるのは前半半ばにレアンドロが左45度から撃ったミドルくらいで、これはGK中村がセーブ。柏も左サイドを中心にカウンターから何度か様々なパターンのクロスを入れていたが、中で合わなかった。
 後半は鹿島がより攻勢を強めていく。柏を押し込む時間が続く様になったのだが、柏守備陣が集中して守っていたので柏ゴールに近付くほどシュートやパスに割ける時間も空間も限られていた。ただそんな中でもレオ・シルバレアンドロが独特の間合いでドリブルやフェイントを仕掛けてシュートチャンスを作り出していたのだが、そうしたシュートは悉く中村航輔がセーブ。そんな中で後半半ばにはアーリークロスから左サイドを走り込んだ遠藤のボレー、CKから昌子のヘッドと鹿島の決定機が続いたのだが、遠藤のボレーは中村がセーブし、昌子のヘッドはバー直撃でゴールならず。遠藤は先月の日産での試合には出場せず、プレーを観るのは久々だったがトラップ1つで相手をかわすテクニックなどボール扱いの上手さは相変わらずでセットプレーのキッカーも務めていたが、先ほど述べたボレー以外にゴールに繋がるパスやシュートは少なかった。友人は中村充孝(今日は出場せず)を観たかったと言っていたが、もしかしたら中村の方が攻撃に変化を付けられたかもしれない。
 その後も鹿島が支配する時間が続いたのだが、最後まで柏ゴールを割れず0-0で試合終了。ゴールは入らなかったが、お互い相手の攻撃を最後の一線で食い止める守備の激しさとそれをかい潜ってシュートに持ち込む個々のセンスがせめぎ合う好試合だった。これで優勝争いはひとまず11/29の結果次第となり、3位争いはセレッソが勝利した為に柏は4位以下が決まった。柏は前節も磐田相手に勝利したとは言え、ホームで押され気味の内容だったようだし、9月に日産でマリノスを対戦した時よりも調子を落としている感がある。守備陣は強固だし、クリスティアーノやD・オリヴェイラら前線の破壊力もあるが、その間を繋ぐ中盤の司令塔不在という印象を受けた。

 13時開始なので試合が終わってもまだ15時。ホーム最終戦なのでセレモニーを観る人が多かった故か駐車場からもすんなり出られて帰路に就いた。途中やはり千葉の湾岸沿いや首都高で渋滞にハマったりもしたが、18時過ぎには家の近くに到着。まさか3年連続鹿島に行く事になるとは思わなかったが、楽しいドライブだった。

ACL決勝第2戦 浦和×アル・ヒラル(埼スタ)


 友人がチケを取ってくれてこの試合に行く事になった。埼スタに行く時は目黒線南北線埼玉高速鉄道の直通を使えばそのまま浦和美園まで運んでくれるが、目黒から1時間以上地下に潜っているのはどうも退屈なので最近は王子まで京浜東北を使ったりしている。今日は上野東京ラインを使って更に北にある赤羽まで行き、そこから赤羽岩淵駅まで10分弱歩くルートにした。これだと地下鉄は20分程だし、赤羽は大きな駅なので飲料、食料等調達するのにも便利。

 現地に着いたのは18時頃だったが、雰囲気は04年のCSを思い起こさせた。あの試合から今日までに埼スタの浦和戦は(主にマリノス戦で)何度も行っているが、やはりタイトルの掛かった緊張感はそれだけで空気を変えるものだな。(10年前のACL決勝も行っているのだが、あの時は着いたのが前半15分頃だったので試合前の様子は分からず。)
 第1戦はハイライトを視た程度だが、5分程度の編集で相手の決定機が何度も続いていたのを考えると、アウェイでゴールを奪っての引き分けは上出来以上の結果。ただ相手がかなりのレベルにあるのも事実なので、第2戦はどちらが先制するかで勝負が決まると思っていた。浦和が先制すればそのまま逃げ切りそうだし、アルヒラルが先制したら2点目も奪って一気に逆転もあるなと。そうして試合が始まったのだが、やはりアルヒラルは個々のレベルが高い上にボールを繋いで来るチームだったが、浦和も前から複数人でボールに寄せて奪いカウンターを伺い、最終ラインもよく耐えて相手にゴール近くまで侵入されても決定機は作らせない。阿部は上背は無いが読みと安定したフィードで浦和の最終ラインに安定感をもたらしていたが、槙野はトラップが大きくなって相手に奪われたり相手FWハルビン(シリア代表)にハイボールで競り負けるシーンも散見された。代表ではCBのレギュラーに近付きつつあるようだが、やっぱこの点が不安なんだよなぁ。相手に今日みたいな大きなFWがいる場合、W杯では必ず(吉田では無く)槙野に当ててくるだろうが、その時耐え切れるかっていう。お互いチャンスは1、2度あり、0-0で前半終了。
 後半は開始からアルヒラルが1点を獲りに押し込んできた。浦和はクリアしてもすぐ拾われるので波状攻撃を食らう形になったが、20分程経つと徐々にカウンターでアルヒラルゴール前に近付くシーンが見られる様になった。ミシャ時代ならここまでで失点していただろうが、堀氏になってから耐えるべき時に耐えられるのが大きな違いかと思う。ただカウンターと言っても散発的で相手GKが仕事をするようなシーンは無かったが、一度エリアすぐ外からのFKを頭で合わせたがこれはアルヒラルGKがセービングし、こぼれを強く押し込んでも1点物だったのだがミートせずGKがキャッチというシーンがあった。これを決めきれないと逆に相手に決定機が生まれたりするんだよなと思っていたのだが、どうやらアルヒラルは終盤になるにつれて集中力を切らし始めたようでこの辺りから無用なファールが増え始め、残り15分を切る頃に中盤の選手が2枚目の警告で退場。この時間帯はアルヒラルへの警告が続いたのだがどれもアフターで妥当な判定。今日の主審はあのイルマトフだったが、そこはさすがだった。
 相手が自滅し始めたのでこのまま0-0で逃げ切るのも手だなと思っていたのだが、後半40分過ぎに縦パスに上手く身体を入れて相手をかわして抜け出したR・シルバが強烈な一発を決めて浦和が先制した。あの場面、グラウンダーで左右の隅を狙うかと思っていたら、ゴール上隅とは。少しでも力んだりミートがずれたら枠上に飛んで行くシュートだったが、あの場面でああいうのを撃つ(撃てる)のがストライカーなのだろう。この選手は最初は左サイドに位置していて(興梠が中央)、ゴールから遠い位置では折角の得点感覚が勿体無いなと思っていたのだが、後半途中から中央に入ったのが奏功した形。その数分前には左SBの宇賀神に替えてマウリシオを入れ、槙野を左SBにしたが、これらの配置変更は堀氏の采配の上手さだったと思う。槙野も中央でハイボール勝負だと厳しいがサイドでならその守備力が活きる。アディショナルタイムにはアルヒラルベンチ前で浦和の選手がファールを受けたのをきっかけに両チーム揉み合うシーンもあったが、アルヒラルは完全に集中が切れた状態だった。そして試合が終わり、浦和が優勝と。

 準決勝を見た時に思ったが(そう言えば準決勝、決勝共に第1戦アウェイで1-1、第2戦ホームで1-0だった)、これほど手堅い浦和はそれこそ10年前にACL優勝したチーム以来ではないかと思う。またスタンドの雰囲気も04年CSを想起させると書いたが、コレオのレベルやゴール裏の声量だけでなく、バクスタの声量や、優勝を決めた試合後に再びコレオを掲げる機転等、浦和サポのサッカーに対する感度の高さもまた実感した。
 思えば10年前の決勝も今日と同じ友人からチケがあるとの連絡が来て行ったのだった。10年経ってまたこうした機会をくれた事に感謝。

J1第32節 横浜M×C大阪(日産)


 早いものでもうホーム最終戦の日となった。今日は雨予報だったので屋根下を確保したのだが、そう言えば最近日産のマリノス戦は屋根下が多いなと思って振り返ると9/16柏戦、10/14大宮戦、10/21鹿島戦と直近3戦全てそうだった。今日も含め、それだけ週末雨に降られる事、そしてそこにマリノスのホーム戦が被ってしまう事が多い証と言えるだろうか。
 座席と言えば先日来季からの大幅な席割の変更が発表され、いつも座っているバクスタは大半が指定化されることになった。写真は今日座った位置からの眺めだが、ここも来季は指定のSC席となる。屋根下でもそうでなくても、いつもゴールラインの延長線上にあるこの位置から試合を観ていたが、おそらく来季は別の場所で観る事になるだろう。指定は年チケ価格の問題もあるがそれ以上にたまにくる友人との観戦が難しくなる故に手を出せない。こちらから誘う事もあるが、そうでなくても友人達は日産/三ツ沢に行けば私(+いつもの観戦仲間)がいると確信しているので(笑)、当日に向こうから連絡をくれたりもする。指定ではそういう事が出来なくなるんだな。自由席がゴール裏と隅になるならば1階からは試合が今以上に観難くなるので2階への移動も視野に入れてよく検討したい。

 試合についてだが、前半半ばまでのマリノスは何度か攻撃の形を作り、良い内容だった。前半13分のバブンスキーのゴールはゴラッソだったが、この選手は高水準のテクニックがあるからついゲームメーカー、司令塔タイプかと思ってしまうが、実際はMFではなくセカンドトップと言った方が適切かと思う。ボールをキープして試合のリズムを作るとかは苦手で相手ゴールから遠ざかるほど試合から消えてしまうのだが、開幕の浦和戦や今日然りでゴールエリアすぐ外ぐらいならミドルが高確率で枠内に飛ぶので、第2のFWとしてもっと相手ゴールに近い位置でプレーすればより恐さが増すのでは無いかと思う。書いててふと思ったが香川に近いタイプかな。前半半ば以降からは徐々にセレッソがボールを支配して攻め込むようになった。サイド起点に何度かチャンスを作るが決めきれず1-0マリノスリードで前半終了。
 後半もセレッソがボールを支配して攻め込んでいたのだが、セレッソの選手はボールを止めて蹴る基本的な動作の水準が高く、トラップした時に既にパスを出す体勢になっているのでパスがとてもスムーズでマリノスはなかなかボールを奪えなかった。セレッソのシュートチャンスは中澤らが身体を張って防いでいたのだが、このまま無失点は考えにくいなと思った後半半ばに清武のシュートが決まって同点。反対サイドで決まったゴールなので最初誰が決めたかよく分からなかったが、左足で逆サイドネットに正確に蹴れるのは清武か柿谷くらいだろうと思ったらやはり清武のゴールだった。そしてその数分後には今度は清武のヒールパスから水沼が決めてセレッソが逆転し、更にその数分後にはCKから杉本が決めて3-1。ここまで僅か6~7分。これで試合は事実上決まった。2-1の時点ではまだ鹿島戦の様にカウンターからワンチャンで同点、もしかしたら再逆転もあるかなと思っていたが、さすがに2点差は厳しい。
 その後は、というかその後もセレッソがボールを支配し、たまにマリノスがボールを奪ってカウンターを仕掛けようにもマルティノスや遠藤が単独突破する以外攻め手が無く、セレッソの選手数人に囲まれてボールを奪われ逆にカウンターを食らってゴール前まで侵入されるシーンの繰り返し。等々力での川崎戦の様に相手の攻勢に圧倒されて混乱状態に陥り組織の体を成さなくなった感があった。こういう時にチームを鼓舞するような選手がピッチ上にいなかったのも大きかったと思うが。
 終盤にはCKからヨニッチが決めて4-1。また後半半ば以降に扇原、マルティノスが警告を食らい、累積で扇原は次節、マルティノスは残り2試合の出場停止が確定した。こうして試合終了。

 セレッソルヴァン杯優勝でワンランク高みに達したようにも。ここまでボールを支配されるとは思わなかったが、個々の技術もさることながら優勝で自信を付けてチーム全体にプレーの迷いが減った面もあるのかなと思う。天皇杯も準決勝に勝ち残っているし、カップ戦2冠を達成してもおかしくない。

 試合後はホームゲーム最終戦後恒例のセレモニーがあり、監督、主将が挨拶をした。負傷からの回復途上にある身ながらピッチの上で自分の言葉で挨拶した齋藤は立派だった。この光景を見て去年までの主将が何故これを出来なかったのかという事も考えさせられるし、また現主将が背負う(背負わされる)ものの大きさにもある種の同情を禁じ得ない。現トップチームにアカデミー出身者は何人もいるが、何故この10番の負荷を軽くすべく責任を分担出来る選手が他にいないのかと。

 ホーム最終てことで一区切りとして試合後は渋谷に移動し、観戦仲間と飲んで帰宅。