ガーナ戦&メンバー予想(最終)

観に行った06年のスコットランド戦10年の韓国戦がそうだったせいか、W杯前の国内壮行試合はよく雨が降る印象がある。

 展開としては南ア大会前の日韓戦に近かった。序盤に先制され、後半攻め込むも決めきれないうちにPKで追加点を奪われるという点で。試合後の重苦しい様も似ているな。8年前はその後もイングランドコートジボワールと連敗したまま本大会に突入したのだが結果はご覧の通り。何が起こったかというと
・レギュラー、布陣の変更
GKが楢﨑→川島、SBが内田→今野or駒野、中盤では中村俊輔がレギュラーから外れて阿部、長谷部、遠藤の構成、CFは岡崎→本田と守備にシフト
・南アに入る前のスイス合宿
大会後のインタビューや記事を読むとこれがかなり良かったらしい。スイスは高地で、南アと時差もないので理想的だったと。
・ベースキャンプの環境
南アのジョージを拠点にしたが、気候も良く、ゴルフや釣りなど気分転換も出来る場所だったらしい。逆にブラジル大会のベースキャンプは試合会場と気候が違って肌寒かった為にコンディションを崩す選手が続出し、また試合会場との移動距離も長かった。

 そう考えると今回スイス経由で現地入りするのは8年前の成功例、またベースキャンプの場所(カザン)が試合会場3都市の間にある点も前回の反省を踏まえたのかと思う。メンバー構成についてもおそらく何かしらの手が入りそうだが、8年前を参考にするならば、右サイド原口→酒井宏樹、2列目をカウンターに特化という事でドリブルでボールを運べる乾がレギュラーになる可能性はある。本当はこの場所に中島翔哉を置きたかったが・・・。カウンターなら浅野のスピードもハマるが、ガーナ戦で出番が無かったのを見るとエントリーは厳しいか。
 中盤ではいつも代表では負傷で早々に交代したりしていた大島が初めて普段のプレーを代表で見せたのは収穫だったかな。遠藤以来パスでリズムを変えられる選手はいなかっただけに貴重な存在。後半柴崎と交代と思いきや90分プレーしたのでおそらくこのまま本大会にもエントリーするはず。
 後半は攻め込みながらそれほどチャンスが無かったが、これも8年前とそう変わらないし、当時何が起こったのかを考えるとこの試合だけの観点と本大会を見据えた観点とではまた違ってくるのも事実。まぁ全てはコロンビア戦までの約20日間で決まる。1点言うならば、8年前は岡田氏がチームの全てを掌握して大熊、大木両コーチは文字通りのアシスタントだったと思うが、今回の西野氏は戦術面は森保、手倉森両コーチに任せて、チーム内のマネジメントの部分や対外的な顔としての役割をこなすべきだと思う。ガンバ時代みたくスーツでどっしり構えてれば黙っていても絵になる人だと思うのだが、元々雄弁では無い人とは言え今日みたくジャージ姿でボソボソ喋るインタビューは良くない。やはり2年以上現場の指導を離れているだけに求められるのは失礼だけど「神輿」としての役割で、実際の戦術面は直近までJクラブで指導していたり、五輪やW杯予選を経験している森保氏、手倉森氏の力が生命線。

 と色々思いつつ23人枠を最終予想。

GK :1川島、23中村、12東口
DF :17長谷部、22吉田、20槇野、6遠藤、3昌子
サイド:5長友、19酒井宏、8原口、21酒井高
MF :16山口、18大島、7柴崎、2井手口
2列目:14乾、11宇佐美、4本田、10香川
FW :15大迫、13武藤、9久保

DFは植田が入るかと思っていたが、3バックの中央、4バックの右もこなして中盤も出来る(要は長谷部の代わりが出来る)遠藤かなと。FWはガーナ戦で岡崎を途中で入れて2トップを試したってことは普通は浅野ではなく岡崎をエントリーだとは思うのだが、最後にサプライズ枠ということで敢えて久保を入れてみた。2列目も出来る器用さとシュートの上手さという点も考慮して。

J1第15節 横浜M×長崎(日産)


 中断前最後のリーグ戦で、4/8から続いた毎週のホーム戦もこれで一区切り。今日は長崎の高田社長が来ているということだったが会えず。思えばトランスコスモススタジアムに行ったのは丁度1年前、去年の5月だった。経営陣が変わってから初めての試合で、高田氏が試合前に挨拶したのは覚えているが、あの時はまさかJ1に昇格(それも2位の自動昇格)するとは思わず。だからこそ旅行で寄ったのだが、あれから1年で昇格、J1経験豊富な地元国見OBのベテランの補強、長崎駅近くでの新スタジアム計画と強化、運営両面でスピード感を保ちながら適切な判断を下している印象が有る。
 そう言えば長崎は初の日産スタジアムでもあったかな。コンコースには過去このスタジアムで決まったマリノスフリューゲルス横浜FC、代表の全ゴールが掲示されているが、このスタジアムで試合をしたチームの記録もあれば面白いと思った。日韓W杯、クラブW杯、Jリーグ、ACL等々国内外のクラブ、代表チームがここを訪れているので、その一覧が分かるレリーフなり、モニュメントなりがあれば箔が付くというもの。ドイツ、ブラジル、バルサ、R・マドリー、マン・U、リバプールチェルシーミラン、ボカ、リーベルコリンチャンスetcこれだけのチームが公式戦を戦ったスタジアムも世界にそうないはずだし。

 で、試合について。マリノスはCFに大津で両サイドは遠藤、仲川という構成だったが、ここからこの試合の位置づけが何となく見えてきたようにも。勿論負けて良いはずは無いが、今日の試合で確実に勝点3を獲るには少なくともウーゴか伊藤翔がスタメンだと思うが、ウーゴがベンチ、伊藤翔ベンチ外、大津がスタメンてのはそういう事かと。結果として大津はPKで1点決めたが、今後カップ戦、リーグ戦で落とせない試合、勝利が必要な試合で起用されることは無いかな。マリノスのサッカーが日本で他にあまりないとかいう以前に戦術理解力が低すぎる。自分と相手DF、自分とパスの受け手、出し手、それで完結してしまっているというか1対1の個人競技をしているようにすら見える。この選手が前所属の柏や欧州でスーパーサブ以上では無かったのはこの辺りに原因がありそう。
 試合は長崎が左サイドを上手く崩して先制し、大津のPKで追い付かれるも後半早々に2点目を奪うという予想外の展開に。まぁそこからマリノスが4ゴールを奪うのだが、長崎はいいチームだった。個々の選手を比べれば過去2戦で戦ったガンバ、名古屋に及ばないが、チームとしての怖さはそれ以上にあった。しっかり中盤でパスコースを切ってボールを奪ってカウンターという意識が徹底されていたのは磐田戦を観るようだったし、監督の力を感じさせた。思えば高木氏はマツダサンフレッチェに在籍していたが、このチーム(特にJSLのマツダ時代も経験している人)には優れた指導者が多い。森保氏、風間氏、J2首位大分の片野坂氏、先日甲府の監督に就任した上野氏、後はU16代表の森山氏など。やはり元総監督今西さんの功績は偉大だったということか。

 1-2されてからマリノスは4点取るのだが、特に仲川の2点目(チーム3点目)が素晴らしかった。右サイドからドリブルで中に切り込んで左足でニアを突くシュート。このサッカーのサイドアタッカーに求められるプレーを体現したゴールだった。仲川の1点目もそこに詰めていたという点では良かったが、ドリブルでチャンスメイク&ゴール、サイドはこれが出来るかどうかと言っても過言では無い。
 結果5-2という事で、飯倉があまり上がらなかったという点を踏まえても徐々にバランスを見つけ出しているというのは感じられた。6月上旬にルヴァンのプレーオフ天皇杯はあるが、この中断期間中にまた序列の変化や選手の入れ替えはありそう。

ルヴァン杯GL 横浜M×新潟(三ツ沢)


 今日は前半20分頃に現地着。バスが丘を上っている時にマリノスの先制を知り、三ツ沢公園に着いてゲートを通った直後に中から聞こえるチャントの中で僅かな悲鳴とため息が耳に入ったので嫌な予感がしたらやはり新潟の同点ゴールだった。三ツ沢開催は開始に間に合わない事が多いが、前半に点が入って見逃す事もまた多い。

 今日は飯倉、喜田、扇原、松原等これまでのルヴァン杯メンバーから半分くらいレギュラー組を入れてきた布陣だったが、ボールはある程度テンポ良く回っていたと思う。サイドからのクロスもグラウンダーだったり色々工夫しているのは見て取れたのだが、やはり中の味方に合わず、前半観た時間においては流れの中からGKを脅かすシーンはあまりなかった。そんな中でやや遠い位置からFKのチャンスがあり、扇原がブレ球キックを沈めてマリノスが勝ち越し。先週土曜といい、今季はFKがよく決まるな。もちろん個々の練習の成果とは思うが、全体的にパスを出す時、受ける時の身体の入れ方、角度について相当細かいところまで指導されているのが覗えるので、こうしたセットプレーのキックも何かしらアドバイスなりはあるのかもしれない。
 前半はこのまま2-1で終わったが、新潟も防戦一方という訳では無く、何度かカウンターで裏を突いてチャンスを作っていて、扇原のFKの前には飛び出した飯倉の頭越しのシュートもあった(カバーに入った栗原が頭でクリア)。新潟の前線は田中達也高木善朗、ターレスとタレントは揃っていて、今日は特にターレスを観てみたかった。ブラジルの年代別代表経験もある逸材であると同時に問題児でもあるらしく、かなりのオーバーウェイトで来日したと。まぁ今日観た限りでも大分重そうで、リーグでもまだ1ゴールだが、鳥栖のイバルボを更に粗削りにしたようなプレースタイルで前線でボールを収められるので、監督が上手くコントロール出来れば大きな武器になるとは思った。

 後半はマリノスがボールを支配して押し込む時間が続き、新潟も中盤でボールを奪ってカウンターを狙うがマリノスがDFラインを高く上げてオフサイドを取ってチャンスを作らせず。ただ終盤になると田中達也矢野貴章(ターレスに代わって出場)がラインを抜け出すシーンが何度か有った。矢野はいつの間にかまたFWになっていたが、相変わらずの高さで栗原とのエアバトルは互角以上。またこの選手はスピードもあるのでラインを抜け出すプレーも出来る。一度左サイドを抜け出てシュートというシーンがあったがこれは枠を外した。
 マリノスは後半は前半より相手ゴールに近付くシーンは増えて枠内シュートも多かったのだが、新潟GK田口がセーブして追加点を奪えなかった。田口は去年はマリノスから藤枝にレンタルでそのまま契約満了となり、今季新潟に完全移籍。これが今季公式戦初出場だったが、決定機をよく防いでいた。ユース出身だし、地元で古巣相手に燃えた故かもしれないが、いいプレーだった。終盤にはウーゴも入れて3点目を取って試合を終わらせに行ったのだが、2-1のまま終わり。

 これで神戸とのプレーオフに進出してH&Aで勝ち上がればベスト8と。W杯でJ1が中断されるのでその間近隣のJ2、J3でも観に行こうかと思っていたが、ひとまず6/2(土)の神戸戦@三ツ沢は仮予約。時期的に雨が降らなければ良いが。

J1第14節 横浜M×G大阪(日産)


 4/8からの7週連続ホーム戦の6戦目だが、途中ウィークデーにルヴァン杯やリーグ戦アウェイを挟んだりしてるので、今日が一体何節か分からなくなってくる(苦笑)
 今日の両チームのスタメン表を見た時、ガンバのファビオは中盤起用なのかと思ったが、試合が始まると明らかに三浦、菅沼との3バックだった。中盤は前目にフリーポジションを取る遠藤と自分でボールを前に運ぶのを好むマテウスがいる中で今野がどうにか支える布陣。去年から兆候はあったが遠藤はちょっとJ1でフル出場し続けるには厳しくなって来たかなというのが正直なところ。プレーテンポを操るパスセンスは健在だけど、少なくともウィークデーの試合には起用せず中6日を厳守するとか、出場時間を管理する段階なのかなと思う。おそらく日本初の公式戦1000試合出場が近付いているのであと1~2年は頑張って欲しいと思っているのだが。ガンバは前線の長沢やファン・ウィジョはマリノス守備陣に積極的にプレスに行っていたが、本当の獲り所である中盤(磐田はこの点が見事だった)が上記のような状況なので序盤からマリノスがボールを支配する展開が続いた。
 後半にガンバは今野→藤本の交代。今野も負傷から復帰したばかりだし、あまり無理をさせられないという判断だったか。これでマリノスは更に攻め込むようになって今日は磐田戦とは違うな、と思った矢先にその藤本が飯倉の頭越しのロングシュートを決めて先制。シュートした藤本の技術は素晴らしかったが、これで飯倉が上がって空いたゴールに入れられたのは今季リーグ4点目。もはやどのチームもマリノス戦なら隙あらば狙っている状況で、自陣ならともかく相手陣内半ばでボールを奪われてもこうしたゴールを決められてしまうのはリスク管理としてどうかと思う。そもそもグァルディオラのマンCやバイエルンはこうしたゴールを決められたシーンがそんなに無いはずだが。どうも今の戦術はCFGのオーダーで実践しているものの、ポステコグルー自身が消化し切れていないという疑念が消えない。
 先制されてもマリノスが押す流れは変わらず。今日は特に仲川の突破が効いていた。このサッカーでサイドアタッカーに求められることを体現していたというか、とにかくボールを持ったら縦に、斜め45度に仕掛けてクロス、シュートで終わるプレー。プレーの中身だけでなくその「回数」が重要で、何度も何度も仕掛けるプレーこそこのポジションで求められるもの。この連戦で一番評価の上がった選手。
 そして後半15分頃に天野のFKで同点。キックの位置から前節セレッソの丸橋が決めたようなファーポストを狙うのかと思ったらニアの上隅を正確に狙ってゴールと。ゴラッソだった。その後、25分頃にウーゴ→ブマル、大津→遠藤の2枚替え。まるでサイドの動きが出来ていなかった大津はともかく、得点源のウーゴまで交代させたのは、ルヴァン杯(勝利、引き分けでPO進出、負ければ敗退)でカードとして残しておく為だったか。これで仲川が中央に入ったが、サイドからグラウンダーではなく普通のクロスが多く、あまり効果的では無かった。エリアのすぐ外までは攻めるものの、その割に決定機は多くなく、結局1-1の引き分けで終了。
 前節名古屋戦に続いて勝てる試合で勝点2を失った試合だった。神戸戦も勝つべき試合だったから、この3戦で勝点7を失った形。喜田が復帰して中盤のボールの回りは良くなり、パスを回す時に一人囮にして相手のマークを外すプレーが前節から見られるようになったので、徐々に戦術が浸透しているのだろうとは思うが、上記で述べたように監督自身がこの戦術を自分のものに出来てないという疑念もあってまだ試行錯誤中なのは否めない。まぁとにかく残り公式戦2戦を勝ってW杯の中断期間中にチーム作りを進めるしか無い。それと同時にこのサッカーに適したタレントを外から呼ぶことも考える必要があるとは思う。inだけでなくoutについてもW杯後は欧州の夏の移籍期間もあり、デゲネクのようなW杯に出る(であろう)選手はそれを機に欧州からオファーがあることも考えられる。

 そうそう今日の観衆は21,576人だった。5/2の磐田戦は19,738人、4/28の鹿島戦は27,348人だったが、こうホーム戦が続くと4/28~5/12の中でどれか1試合だけ観に行こうと考える人は多そうだし、そういう人達が選んだのが鹿島戦だったという事かな。今日の試合はガンバサポが結構来ていて、アウェイゴール裏1階の半分以上を占め、また指定組を合わせれば4~5000人は来ていた。その他ホーム側でも今日たまたま来たという人は一定数いるだろうから、開幕前に書いたように、やはりマリノスのコア層(週末に試合があれば毎試合観に行く人々)は大体15,000人ということか。今のマリノスはこうしたコア層がどうにか支えているが、それ以外の層との“乖離”も進んでいるという感覚もまたある。

W杯エントリーメンバー予想(ドイツ編)

この前日本のメンバー予想をしたが、GW特別編として(笑)ドイツもやってみたい。昔ほど海外の代表チームを追ってはいないので、こういう色々考えた予想がすぐに出来るのはもうドイツくらいしかないな。次々新しい選手が出てくる南米勢、あるいはオランダ、フランス、イタリア等世代交代が進んでいるチームになると名前を聞いても分からない選手が増えてきた。

GK:ノイアーバイエルン)、テア・シュテゲン(バルセロナ)、レノ(レバークーゼン
 怪我から復帰すれば主将でもあるノイアーがレギュラーだがテア・シュテゲンでも全く問題無い。注意すべきなのは仮に控えとなった場合のテア・シュテゲンの扱いかな。バルセロナでカップ戦メンバーにもかかわらずクラブW杯で出番が無かったので、表彰式で不満を隠さずチームメイトから総スカンを食らった事があった。(その後正式に謝罪したようだが。)第3GKはトラップかレノだが、パリSGでカップ戦要員のトラップでは無くレノを。

CB:フンメルスバイエルン)、ボアテンク(バイエルン)、リュティガー(チェルシー)、ジューレ(バイエルン
 フンメルス、ボアテンクのバイエルンコンビは確実で、サイドや3バックにも対応出来るリュティガーも選ばれるだろう。それ以外だと前回大会を経験しているムスタフィはアーセナルでパッとせず3月の代表戦も選外だった。またヘーヴェデスユベントスで最近やっと負傷から復帰したばかりということで、ジューレ、ギンターの若い2人の中から選ばれると予想。中盤もこなすギンターか、一応この前のCLで途中出場で左SBに入ったらしいジューレか・・・まぁ中盤は層が厚いし、ここはサイドも出来る(であろう)ジューレかな。

SB:キミッヒ(バイエルン)、ヘクター(ケルン)、プラッテンハルト(ヘルタ・ベルリン
 キミッヒ、ヘクターは確実だが、その控えとなる本職SBがあまりいない。あくまで他のポジションに比べてだが、現在のドイツで一番層の薄いポジション。去年のコンフェデの頃までは若いヘンリヒス(元々中盤でSBに転向)が選ばれていたが、昨秋から選考外が続いている。まぁここ最近のW杯では少なくとも片方のサイドはCBを置いて守備を安定してきただけに、CBの誰かをサイドに置いたり、あるいは中盤のジャンを右SB兼用にしたりする事で対応する事になると思うし、3バックもオプションとして考えられる。という事で本職の控えはプラッテンハルト(左SB)のみで。

中盤:ケディラユベントス)、クロース(R・マドリー)、ジャン(リバプール)、ギュンドアンマンチェスター・C)
 レギュラーは運動量と守備力、そして前線への飛び出しを持ち味とするケディラと司令塔のクロースのコンビ、控えにも同タイプとしてケディラにはジャン、クロースにはギュンドアンを。ルディ(バイエルン)も堅実な選手で継続的に選ばれているが、どうもこの選手は日本の細貝と重なる。「代表の常連で一定の試合出場経験もありながら、レギュラークラスにはあと一歩届かないボランチ」という点で。それもあって最終的には↑の4名が選ばれるだろうと。

2列目:エジルアーセナル)、ミュラーバイエルン)、ドラクスラー(パリSG)、ゴレツカ(シャルケ)、ザネ(マンチェスター・C)、ロイス(ドルトムント)、ブラント(レバークーゼン
 エジルからザネまでの5名は確実。このポジションの層は厚いが、その他の候補はゲッツェは監督のお気に入りだがクラブでパッとしないし、シュールレは随分代表から遠ざかっている。またシュティンドルは遅咲きながら着実に実績を残してきたが先日負傷してしまいW杯は欠場が確実。という中で最終的には若いブラントとそしてコンディションの不安は付きまとうが、能力的にはレギュラークラスで得点力を備えるロイスかな。特にロイスは復帰後はコンスタントに点を取っているので期待。

CF:ヴェルナー(RBライプツィヒ)、ヴァークナー(バイエルン
 レギュラーはヴェルナーで、その控えとしてヴァークナーかゴメス(シュトゥットガルト)となるが、シーズン途中に敢えてレバンドフスキがいるバイエルンに移籍しながら、しっかりリーグで8点(ホッフェンハイム時代と合わせて計12点、ゴメスは7点)取ってるヴァークナーが一歩リード。

 前回の主力で今回いないのはラーム(SB)、シュバインシュタイガー(中盤)、クローゼ(CF)だが、さすがドイツというかこの3人の後継はしっかり育っている。SBの層が薄いと書いたが、それでもキミッヒが現れたし、クローゼ(≓自ら決めるだけで無く2列目の得点も引き出せる万能型CF)の後釜にもヴェルナーが台頭した。しかもキミッヒは中盤だけで無くCBすらこなし、ヴェルナーはクローゼには無いスピードという武器があるなど、サッカーセンスやアスリート能力という点では先達よりグレードアップしている印象すらある。
 隙の無い23人だと思うが、この穴の無さが逆に危ういとも思う(苦笑)EURO2012の時は2年前の南アW杯から更に若い選手が台頭してついにスペインを越えるかと思ったらバロテッリにやられた。逆に日韓大会(ダイスラー、ショル、ノボトニー)、南ア大会(バラック)、ブラジル大会(ロイス)など、主力が負傷欠場して不安視されている時ほど好結果が出ていたりする。ただ強豪が順当に1位突破すれば、ブラジル、フランスがもう片方の山に回り、おそらく決勝T1回戦はスイスorコスタリカorセルビア、準々決勝はイングランドorベルギー、準決勝はスペインorアルゼンチンとなりそうなのはなかなか組分けに恵まれたと思う。

【5/16追記】
5/15に候補メンバーが発表され、やはりムスタフィ、ヘーヴェデスは選外だったが、↑からもジャンとヴァークナーが落選。ジャンは4月の怪我が思ったより重く、シーズン中復帰出来なかったのが痛かった。ヴァークナーは意外。あまりにもバイエルン勢が多すぎたからか(笑)?(上記の内、現所属7名+元所属のクロース+来季加入内定のゴレツカで9名もいる)

J1第12節 横浜M×磐田(日産)


 この日は夕方から雨だったが、西日本は朝から降っていたようだし、前日に旅から帰ってきたのはタイミングが良かった。
 今日のマリノスは鹿島戦からはウーゴ→扇原に代えたのみで、2トップからこれまでの1トップに戻した。右SBはてっきり松原が戻るのかと思っていたら、山田が再びスタメンで少し驚いた。元々中盤の選手が違うポジションで試合に出るというのは特にマリノスの場合今後を考えても意味のある事だと思う。1つ上の吉尾や更に上の天野など、マリノスユースからはこれまでにテクニックに優れた攻撃的な中盤の選手が数多く昇格したり大学経由で加入しているが、攻撃的な中盤は余程の逸材で無いと試合に出れないポジションだし、この山田から見れば1つ上に吉尾がいて、1つ下には2種登録で椿という去年U17W杯に出た選手もいて競争は激しい。そういう中で違うポジションでも試合に出るのは大きな意味があるし、思わぬ才能が開花するかもしれないなと。元々中盤で右SBにコンバートというとドイツのキミッヒを連想してしまう。この選手はグァルディオラにその戦術眼を買われて右SBでプレーし始めたら一気にドイツ代表のレギュラーにまで達してしまった。さすがに代表とまでは言わないが、今までにないSBとしてのプレーに期待したい。

 まぁ試合自体は鹿島戦以前に戻ってしまった印象。序盤に遠藤が抜け出してクロス→中で合わせたシュートは磐田DFがブロックというシーンがあったが、チャンスと呼べるのはこれくらいで、後は中盤で回しているところを奪われてカウンターを浴びるシーンばかり目立った。磐田は特定の味方を狙わずマリノスのサイド裏に取り敢えずボールを蹴り込むシーンが多かったが、一度川又が金井に競り勝ってGKと1対1のシーンを作り出したし、マリノスにとって嫌なところを突いてくるという点で名波氏の準備通りの展開だったな。ボールを奪っても間髪入れずサイドに展開というのも徹底していたし、湘南戦同様、相手監督の指導力を感じさせた。実際、前半の磐田の2ゴールは中盤でボールを奪ってからの(磐田から見て)右サイドを突破して生まれたものだった。マリノスから見れば左サイドだが、やはり鹿島戦以前のように左サイドでボール回しに時間を掛けすぎている弊害が出てしまったかな。

 後半も10分過ぎにスローインから中町が田口にボールを奪われ、飯倉が前に出ていたので迷わずロングシュートを狙ってこれが決まって3点目。中町の奪われ方は確かに良くなかったが、ハーフライン付近でボールを奪われたのが即失点に直結するのもどうだか。
 その後も同じように中盤でボールを奪われて磐田のカウンターを浴びるシーンが続出したが、後半半ばにPKを得て、ウーゴが決めたものの味方がエリア内に入っていたのでやり直し、2度目はカミンスキーがセーブしたものの詰めた仲川が決めて1点返した。そして後半35分にギレルメが2枚目のイエローで退場。しかもその後感情をコントロール出来ずマリノスの選手に蹴りを入れて、退場する際もマリノスベンチ前でスタッフに掴みかかるという暴れ振りだった。おそらく最悪の場合このまま契約解除、少なくとも10試合、数ヶ月レベルの出場停止は確実。近年はすぐ動画が拡散してしまうから、こういうあからさまな暴力行為はクラブやリーグ全体のイメージダウンに繋がるので一定の商業的ステータスのあるリーグでは減っている印象で、そうした選手の居場所も無くなりつつあるとは思うが(イングランドジョーイ・バートンとか)、Jでこうしたシーンは珍しい。
 その後マリノスはボールを支配するが決定機までには至らず試合終了。やはり目指すサッカーに選手の質が追い付いてないように思う。確かにグァルディオラのチームはバイエルンもマン・Cもレベルの高いプレーを見せるが、もしブンデスやプレミアのセカンドクラスのチームを指揮したら同じサッカーを目指すだろうか。まぁ次の名古屋戦が終わればリーグの連戦は終わるので、W杯の中断までの3試合で勝点4以上は取っておきたいところ。
 
 帰りは溝の口行きのバスに上手く乗れて王将で軽く飲んでから帰宅。ここはいつも混んでいるのだが、早く帰れたお陰で並ばず行けた。

北九州・山口行(3日目)

 最終日は萩の城下町を観て帰るスケジュールで、周遊バスもあったが小回りの利くレンタサイクルを利用した。萩の城下町は中洲の上にあり、萩城址がその先端にあるのだが、ホテルとレンタサイクル屋のある東萩駅からは自転車で15分ほど。途中には菊ヶ浜という浜辺があったが、白浜と背後にそびえる萩城址は絵になる光景だった。朝8時過ぎと早い時間だけあってさすがに人は少なかったが、大学生?らしき男が独り浜辺に座りながら海を眺めていた。何か思うところがあったのだろうか。

 その後は萩城址にある指月公園や城下町を巡り、旧家も見学。

 自転車で走っていて気付いたが、とにかくここは維新志士の銅像が多い。目にしただけでも高杉晋作久坂玄瑞山県有朋等々。正直特に長州藩が好きという訳では無く、むしろ政治家や感化された有名人が言うところの「松陰“先生”」だとか「松下村塾の精神を今に」だとか言う発言には若干狂気すら感じられて引いてしまうのだが、歴史に名を残す人物を多数輩出したのは事実だし、日本史上重要な場所であるとは思う。

 ここまででまだ10時前で、帰りの飛行機には14時頃に萩を出れば良かったのでかなり時間が空いてしまうなと思っていた所にふと東萩駅から津和野行きのバスが出ている事を思い出した。津和野まではバスで1時間45分ほどで、帰りの萩・石見空港までは15時過ぎに出ればOKと言う事で時刻表を調べると、10:15のバスに乗れば12時には津和野に着いて十分観光できる事が分かり、昨日に続いて急遽日程変更して東萩駅に戻って自転車を返し、津和野へ。観光バスタイプの車両かと思ったら普通の路線バスタイプの車両だった。こうして山を越えて島根の小京都へ。

 津和野でも同じく自転車を借りたのだが、萩より更にコンパクトな街ですぐ回れる。途中城下町の風情を残す通りもあった。

 途中周囲の山を見上げると鳥居が連なる神社があり、太皷谷稲成神社といって日本の五大稲荷社の一つらしい。去年のGWに行った佐賀の祐徳稲荷は三大稲荷の一つだったが、その他二つあるということか。まぁ定義はそれぞれのようで、自称に因る所があるようだが。山の中腹にあるので例によって本殿まで山登り。

 本殿からは津和野の街並みを一望。

 津和野駅に戻った後は在来線で益田駅に向かい、そこからシャトルバスで空港へ。空港は海に近いのだが、離陸するとすぐ日本海の上に出て、赤潮が目立っていた。

 航路は松江付近まで本州沿いを飛び、そこから日本海に出て福井辺りで再び本州に戻り、石川、富山、長野、北関東とほぼ同緯度を通って栃木から南下して羽田に向かうルート。今までに無いルートだけに北アルプスなど窓下の景色が楽しかった。