山梨行

 Jも来週スーパー杯でそろそろ開幕も迫って来たが、その前に3連休があるのでまたどこかに行こうかなと。前回東(千葉・成田)に行ったんで今回は西という単純な理由で山梨に行くことにした。思い返せば甲府には過去観戦で2度行ってるが、最初は家とスタジアムを往復しただけ2度目は友人車で行って試合前に小作のほうとうを食べた程度で、実は甲府周辺を観光したことは無かった。
 かくして行きの特急も事前に手配していたのだが、当日は降雨の予報でそれだけが残念だなと思っていた中で日が迫るにつれて予報は変わり、前日にはついに甲府だけでなく首都圏も雪予報になってしまった。甲府に行くのもそうだが行けたとしても首都圏が大雪なら帰れないことも十分考えられたが、まぁ3連休だしその時はどこかに泊まればいいかぐらいの感覚でスーパーあずさに乗って甲府に向かった。ちなみに過去2回の甲府行はいずれも天候に恵まれない。最初は台風接近、2度目も往路で笹子トンネルを抜けるまでは大雨で、すっきり晴れるということは無いらしい。

 甲府に着くと曇ってはいたが雨も雪も無く、首都圏ほど寒くは無かった。まずレンタサイクルで武田神社へ。本当は昇仙峡や石和温泉など近郊の名所にも行きたかったが、元々日帰り旅のつもりだったので今回は甲府駅周辺を巡ることにした。武田神社武田信玄の本拠、躑躅ヶ崎館の跡地にあり甲府駅から数キロ北にあるのだが、自転車なら余裕と思っていたら緩い上り坂が延々と続いて地味にキツく、電動自転車で助かった。

 この地に館を築いたのは信玄の父信虎で、それは西暦1519年ということで丁度今年で500年にあたり、甲府市では「こうふ開府500年」と題して色々イベントが企画されているらしい。甲府駅ビル内にも展示コーナーがあった。
 戦国時代というのは歴史好きになる取っ掛かりとして色々なネタが満載だが、子供の頃不思議だったのは何故他の大名の本拠地が立派な城を構えているのに武田氏は「館」だったのかということ。この躑躅ヶ崎館は周囲を堀で囲まれた構造ではあるのだが、同時期の他大名の城郭、例えば上杉謙信春日山城とか織田信長岐阜城などと比べればかなり規模は小さい。だが実際行ってみると、先に述べたように高台にあるので南に向かって甲府盆地を見下ろす形になり、それ以外の三方を山に囲まれていて見た目以上に防御性に優れていたのだろうと思う。周囲の山にも砦や支城が造られて防御線が構築されていたようだし。まぁそもそも内陸の盆地という地理的条件故に他国から狙われる可能性よりもこちらから海など豊かな資源を求めて出兵する頻度が高かったのだろうなとも思うが。

 この時点で11時を過ぎていたのでまた丘を下って甲府駅前に戻り、ほうとうの小作へ。前回別の支店に行った時は豬肉入りを食べたので今回は鴨肉入りをば。追加で馬刺しも注文した。

 昼食後は甲斐善光寺へ。

 ここは有名な長野の善光寺が武田と上杉の争いによって不安定な立場に置かれた為に本尊を信玄が甲斐に持ち帰って建立したものだという。行ってみると本堂や山門は大きいが周囲を住宅地に囲まれていることもあってか長閑な空気が流れていた。今回は武田神社とここで御朱印を頂いた。
 その後は甲府駅まで戻って駅前にある甲府城址に行って本丸跡より甲府盆地を眺め(雲で富士山が観れず残念)、最後は駅前の武田信玄像を巡って自転車を返し、帰路へ。

 丁度自転車返却場所の直前にあったのだがこんな広告も。

 思えば過去小瀬で観戦した2試合は共に引き分けだった。次にJ1で行けるのは何時になるだろうか。

 そんなこんなで帰り道だが、普通に中央本線を戻るのは面白くないので、甲府から出ている静岡方面の特急に乗って東海道で帰ることにした。特急ふじかわというのが甲府と静岡(駅)を結んでおり、途中の富士駅で降りて東海道線で三島に向かい、そこから新幹線で帰るというルート。実際乗ってみたら特急とは言え山道を走るのでスピードが出ず、甲府~富士で2時間弱掛かる。ただ三島駅に着いた頃には陽が傾いていたがなかなかいい景色だった。

 結局首都圏も積もるほど雪は降らなかったようだったが、新幹線を降りた時は甲府より寒かった。

アジアカップその他諸々雑感

決勝を始め大会全体の所感をば。
・決勝は相手の出方を掴み切れないまま2失点してしまったのが痛恨だった。1失点ならなんとかなったかもしれないが2点はキツい。アジアカップで2点リードされるのはあまり無いが、記憶を辿ると96年大会(これも同じUAE開催)の準々決勝クウェート戦以来だった。加茂監督のゾーンプレスがロングボール主体のクウェートに上手くかわされて、アル・フーワイディに2点食らった試合。当時アジアカップはBS1で全試合放送されていて結構な数の試合を見てた思い出。

・今回は特にボランチの負傷者続出が痛かったな。大会前からまず三竿が怪我で選べず、UAEに入ってから守田が離脱、大会が始まった後でもGLで青山が負傷離脱し、遠藤もイラン戦で負傷してしまった。決勝は柴崎&塩谷だったが、塩谷は守備力はあれど遠藤のように積極的にボールを狩りにいくという訳でもないので少しキツかった。もっと試合をこなしていれば連携も深まったかもしれないが、約3年振りの代表復帰でしかも事前合宿の途中で急遽呼ばれた選手にそれを求めるのは酷。

・今大会で輝いた新星という点では冨安は素晴らしかった。今大会の日本で全7試合に出たのはこの選手と原口だけ。CBというポジションでこの年齢でこれだけの経験はなかなか出来ない。確実に今夏は移籍市場に載ることになると思うが、上手くステップアップして欲しいと思う。同い年の堂安は期待値よりかは下だったかな。どんどん仕掛ける姿勢は素晴らしいが、周りを使う/使われる動きに乏しい。決勝でも逆サイドからのロングパスに反応できなかったり、大外を走る酒井を使えなかったりというシーンが目立った。既に色々な媒体で国際的に「日本の新星」という扱いを受けて代表でもクラブでもこれからマークが厳しくなって複数人で対応される場面も増えてくるであろう中で、周りを使う動きを身に付ければ面白いのだが。

カタールの育成が決勝の後から急に持ち上げられてるが、これは様々な条件が揃った産物という印象を受ける。まず育成というのは世界中どの国でもそれぞれ独自のプランでもって行われているもので、それは日本も例外では無いし、これが正解というものはない。フランスのそれは有名だし、ドイツも2000年以降の改革で14年W杯優勝という成果を出した。また欧州だけで無くコートジボワールはかつてASECミモザというアカデミーを通してトゥーレ兄弟やカルーを輩出したり、20年前の話になるが中国はユース選手を大量にブラジルに送り込んだりもしている(その中から唯一代表に上り詰めたのが日韓W杯に出た李鉄)。最近タイやベトナムのレベルが上がっているのも育成の成果か出ているからなのだろう。その中でカタールは比較的短期間で成果を出したと言えるが、その理由を考えると次の4つがあるのではと思う。

1.自国開催W杯に向けた投資の機運
2.圧倒的資金力による環境整備
3.指導をスペイン人に一任
4.帰化選手、移民選手の取り込み

これら4つが組み合わさったが故の成功なのかなと。特に3は育成を丸投げという点でかなりリスキーだが、今回はそれが功を奏した形。ただ逆に言えばこれが2022年の後も継続されるかは少し疑問だし、肝心の自国開催W杯でも、まだ3年以上ある中で言わば「ベールを脱いだ」形になった今のチームが、今後マークされるであろう中で勝ち続けるのは容易では無いようにも。またこれも3に関連するが、一つのプレースタイルに全フリするのは対策を立てられた時に脆いという事でもあって、それも含めてちょっと成功が早すぎたという気もする。

・これで去年9月からの活動は一旦区切りが付いてこれからはW杯予選に向けたチーム作りが始まると思うが、3月の代表戦は特にアジアカップに出た海外組は招集を見送るくらいで良いんじゃないかと思う。6月のコパアメリカは他大陸の大会なのでシーズン終了後の開催とは言え選手の拘束権限が無い(はず)なので選手の休養を求めるクラブとの交渉は難しくなるはず。6月に招集するために敢えて3月は招集しないというのも一つの交渉材料になるかなと。3月は基本アジアカップで呼ばなかった選手のテストという位置付けにしてしまえば。勿論試合に出てるのが前提だが、国内外思い付くまま名を挙げてみると

GK中村
DF植田、昌子
MF守田、三竿、中島、鎌田、中山、板倉
FW鈴木、久保

後はJの開幕後なんでそこでインパクトを残した選手(特にU22、U20世代)がいれば。集客が不安なら香川を呼ぶって手もある(笑)実際ベジクタシュで一定の活躍をすれば代表復帰も現実味を帯びる。3/22コロンビア戦の会場は日産なんで久々行きたい。

千葉行

 正月は過ぎたもののJの開幕までにはまだ遠いこの時期はどう過ごそうか毎年悩ましいが、今日はいつもより少し足を伸ばして成田まで。例によってマップを見ながら何処に行こうか考えていた時にふと成田山新勝寺は行ったことないなと。成田までは結構な距離だが、時間の短縮&一度乗ってみたかったというのもあり、今回は上野からスカイライナー経由で行くことにした。
 こうして8:25京成上野発のスカイライナーで向かったのだが、やはりこれから帰国する外国人観光客や海外に飛ぶ日本人観光客で席はほぼ埋まっていた。割合としては7~8割は外国人観光客だったかな。前に座っていた欧米人の親子3人組は車窓から見える東京の風景に興味津々だった。上野から50分も掛からず空港第2ビル駅に着いたのだが、到着直前には薄らと雪が積もっているのが見えて、時間こそ早いが都心からかなりの距離を移動してきたことを実感した。

 駅で降りた後はせっかくなので成田の第2ターミナルを散策。成田空港自体は15年近く前にイタリアに行って以来だが、成田での記憶が曖昧であまり覚えていない。確か行きはパリ経由のミラノというルートで、パリまではエールフランスとJALのコードシェア便だったはずだがどちらのターミナルだったか・・・。まぁそれはともかくフード&ショッピングエリアをブラブラしつつ次の海外行のイメージを膨らませた。実際行くとしたら羽田便で近場の香港や台湾かなとも思っているのだが。
 ターミナルから駅に戻り京成の在来線で成田で降りた後、徒歩10分程で新勝寺に到着。朝方からこの辺りはずっと天気が悪かったようで、本堂に参拝した時くらいからようやく晴れ間が見えてきた。ただし相当寒く、10時過ぎの時点で気温が5℃以下。

 この寺はよく節分で有名人が豆まきするくらいのイメージしかなかったのだが、境内はかなり広く、途中御朱印を貰いに並ぶ時間も込みだが全部回るのに2時間近く掛かった。ちなみにここでの御朱印は本堂や各御堂などから6種貰える。
 参拝後は丁度昼時だったので、参道で名物の鰻でも食べようかと思っていたのだが、店によっては午前中に整理券を配布したり、12時時点で100組以上の待ちが続いている所もあってとても昼を食うどころじゃないなと思っていたところにそれほど混んでない店が見つかってそこで鰻をば。来た時はまだそれほど人は多くなかったが、この時間になるとかなりの人出だった。土産に煎餅を購入。

 この後はJRの成田駅から千葉駅方面に向かい、そこからモノレールで千葉ポートタワーへ。

 千葉みなと駅から徒歩10分ほど。今日はここ数日と違って雲が多く絶景とまでは行かなかったが、東京湾の工業地帯や都心部、富士山などそれなりに眺望出来た。

 こういう展望台に行くと目印としてサッカースタジアムや競技場を探してしまうのだが、今日はフクアリを発見。

 マリノス戦の無い週末にフラッと観に行く距離ではないのでここでの千葉の試合は10年以上ご無沙汰だが果たして来季J1で観に行くことは出来るだろうか。

 その後は千葉駅に戻り、総武線横須賀線快速のグリーン車で帰路へ。正月に大宮行った時もそうだが、こういう時はグリーン車に限る(笑)相当歩いたので都内に入る前に意識を飛ばし、目が覚めたら品川を過ぎていた。

高校選手権2回戦 浜松開誠館×長崎総科大付属(NACK5)


 2019年の始まり。
 例年選手権では近場の会場に行くのだが、今回は神奈川の桐光が大晦日に負けてしまい、三ツ沢、等々力、駒沢といった普段観に行くような会場もこれといったカードが無かったのでどうしようかと思案した結果、静岡勢で初出場の浜松開誠館と長崎総科大付属というなかなか良いカード、かつ隣に武蔵国一宮である氷川神社がある、という理由で大宮まで行くことにした。思えば選手権で埼玉まで行くのは初めて。

 このスタジアムも久々なので、今まであまり行ったことの無いメインスタンドに行くことにした。今日の両チーム、まず浜松開誠館は初出場だがこの10年で現清水の竹内、松原を輩出するなど一定の実績を残してきた中で今季ついに選手権の予選突破を果たしたチーム、そして長崎総科大付属は小嶺氏が監督を務める長崎の新たな盟主。余談だが、選手権に出るチームというのはその高校史上最高クラスのタレントが在籍時は出れずに、その選手が卒業した後に出場というパターンが多い気がする。古くは清商の小野伸二が選手権に出れずに卒業した直後に出場したりとか、今年で言うならこの浜松開誠館や鹿島の安部の出身校である瀬戸内が初出場したりとか。

 試合は序盤は長崎総科大付属がロングボール中心に押し気味に試合を進めたが、前半中盤以降は浜松開誠館が押し返して一度決定機を作るなど対抗していた。長崎総科大付属のユニはアウェイ用の白黒縦縞だったが、そのデザインが国見のアウェイそのままだったのはやはり監督の意向があるのだろうか(笑)このチームには今季C大阪U18から移ってきたMF鈴木(17年U17W杯出場)がいたのだがキャプテンマークを巻いていたのには驚いた。中学でJユース、高校で高体連というのはこれまでもよくあるパターンだったが、ここ数年Jユースのタレントが高校の途中で高体連に移るパターンが増えてきた気がする。神谷優太(東京Vユースから高2途中に青森山田高)とか中村駿太(柏U18から高3時に青森山田高)とか。まぁチームスポーツである以上自分に合う/合わないというのはあると思うし、合わないなと思ったらより自分がより活きる(であろう)チームに移れる選択肢があるのは良いことだと思う。鈴木は坊主という見た目もそうだが、小柄ながら当たり負けしないテクニシャンという点で昔国見で活躍した大久保嘉人中村北斗らを彷彿とさせて、まるでずっとこのチームにいるようだった。

 前半は0-0、後半も膠着状態が続いたが、後半半ば過ぎに長崎総科大付属が右サイドからのクロスを合わせて先制し、その1点を守り切って勝ち抜いた。やはり小嶺監督のチームというか他の日本のチームに無いヘディング慣れは感じたな。先制点の様なクロスに合わせる場合でも、ルーズボールの競り合いでも頭に当てる時はジャンプしきった最高到達点で、姿勢も顎を引いてしっかりコントロール出来る体勢なのでほぼ競り勝っていた。普段からの練習が、相手の攻撃を撥ね返すだけで無く、攻撃でも今日のような得点に結び付くんだなぁと実感。
 開誠館は前半半ばから終わりまでの攻勢を後半に維持できなかった。個々で見ると右サイドに張っていた11番が逆脚の左足で突破してチャンスメイクしたり面白いタレントだったが、最後フィニッシュする選手がいなかったかな。これで静岡勢は4年連続初戦敗退らしいが、かつてほど人材の質で他の都道府県に優位性を保てない中で、限られた人材が多くのユースや高校に分散される以上、こうした傾向は今後も続くのだろうと思う。

 試合後は氷川神社まで歩いて参拝。

元日は横浜の伊勢山皇大神宮に初詣したので今日は二番詣(という言葉があるかは知らない)だったが、それほど混まず参拝出来た。帰りは大宮公園駅から大宮駅に戻り、湘南新宿ラインで帰宅。 

2018年観戦振り返り

 これも年末恒例だが、今年の観戦を振り返っておく。明日高校サッカーに行くかもしれないが、今日時点で観戦数は去年から5試合減の39試合。マリノス戦がやはりメインとなり、それ以外で空いた日程でフラッと観に行くこともあるが、長期的にそういう機会は減りつつある。DAZNがあるので観たい試合はそれで良いかという話でもあるし。また振り返って気付いたが、今年等々力に行ったのは正月の選手権だけでJでは一度も行かなかった。これは04年以来のこと。日産や三ツ沢を除いて一番近いスタジアムでもあり、以前はマリノス戦やマリノスの日程が被らない時によく行っていたものだが、今季の川崎のホーム戦は完売が続いており、行こうと思っても完売ということが多かった。増築計画もあるようだが早くて竣工は5年後になるだろうし、来季以降も行く機会は選手権とかに限られそうだな。

■ベストゲーム

1位:横浜M1-1川崎(2018/4/4 J1第6節@日産)
2位:横浜M3-0鹿島(2018/4/28 J1第11節@日産)
3位:浦和3-1鹿島(2018/10/20 J1第30節@埼スタ
4位:FC CASA1(4PK5)1品川CC(2018/11/4 関東社会人サッカー大会2回戦@赤羽スポーツの森公園)
5位:横浜M4-2神戸(2018/6/2 ルヴァン杯PO@三ツ沢)

 観戦39試合中28試合がマリノス戦になるのだが、「リーグ上位相手に内容、結果共に完勝」というような試合が今年は少なかった。全体的には序盤はノーガードの打ち合いで得点失点共に多く、中盤以降は失点は減ったがゴールも減って逆転負け、競り負けの試合が増えていった。その中でベストを挙げるなら引き分けながら川崎相手に一定のクオリティを見せた試合かな。前半は川崎に何度も決定機を作られたが、終盤は逆にマリノスが何度もチャンスを作ってどちらが勝ってもおかしくなかった。また齋藤学が日産に登場し、場内に響くブーイングもまた試合を盛り上げる要素になったかな。2位はGW序盤に鹿島に3-0という試合。スコアほど内容に差は無かったのだが、今季のリーグ一桁順位9チームに対し、リーグ戦で2点差以上付けて勝ったのはこの試合だけ。後述するが天野のFKもレベルが高かった。3位はマリノス戦以外から、ルヴァン決勝の前週に埼スタで行われた試合。この赤い2チームはお互い敵視してるのが伝わってくるけど、決して陰湿でなく、拳で正々堂々と勝負付けようぜという“陽”のエネルギーを感じる。4万以上入った埼スタという舞台や試合のクオリティもまた高かった。4位は友人チームの試合で、今年は3試合観に行った中で、相手チームも含めスタンドが盛り上がってPK戦勝利という結果から。西が丘に行くのに赤羽ルートを開拓するという思わぬ副産物もあった(笑)最後はルヴァンプレーオフの神戸戦。同じ大量得点の試合でもホーム湘南戦(4-4)やホーム長崎戦(5-2)は大味というかあまりに簡単に失点する守備に多少白けた面はあったが、この試合は相手にセットプレーから2失点こそしたが締まった試合だったように思う。

■ベストゴール

1位:仲川のドリブルゴール(2018/9/29 J1第28節横浜M5-2仙台@三ツ沢)
2位:杉岡のミドル(2018/10/27 ルヴァン杯決勝 湘南1-0横浜M埼スタ
3位:武藤のミドル(2018/10/20 J1第30節浦和3-1鹿島@埼スタ
4位:天野のFK(2018/4/29 J1第32節横浜M3-0鹿島@日産)
5位:藤本のロングシュート(2018/5/12 J1第14節横浜M1-1G大阪@日産)

 この為に今年のゴールを見返したが(Jや各クラブがYouTubeにゴール動画を上げてくれているのは助かる)、終盤に前掛かりになった相手にカウンターからドリブルで決めたゴールが結構多かった。6/2ルヴァン杯プレーオフでウーゴが決めたゴールとか、10/20浦和×鹿島のATでの武藤など。その中でドリブルゴールという点では、9月の月間ベストゴールにも選ばれた仲川のゴールが素晴らしかったのでこれを1位に。雨で滑りやすいピッチを上手く利用した点でもGood。
 2位はルヴァン杯決勝での杉岡のゴール。やはり決勝という大舞台で優勝を決める一撃というのは価値がある。3位は上で挙げた鹿島戦での武藤のもう1つのゴール。ATのゴールも素晴らしかったが、エリア外から距離がある中で低目のミドルを突き刺したインパクトで。4位は直接FK枠と言うことで同じ天野のガンバ戦で決めたゴールやルヴァン杯GLで扇原が決めたブレ球キックもある中で、ベストゲームの項で挙げた鹿島戦でここしか無いという場所に決めた精度で。最後は飯倉チャレンジ枠なのだが(苦笑)、湘南や磐田など今季序盤に様々なチームがマリノス戦でロングシュートを決めた中で、自陣から正確にゴールネットを揺らした藤本の左足の精度を評価。

■ベスト遠征

1位:鳥栖2-1横浜M(2018/11/24 J1第33節@ベアスタ)
2位:北九州0-1群馬(2018/4/29 J3第8節@ミクスタ)
3位:清水0-1横浜M(2018/3/31 J1第5節@日本平
4位:京都1-0山形(2018/8/4 J2第27節@西京極)

 ここで言う遠征とは首都圏(一都三県)以外での観戦を指し、マリノス戦に限らない。合計4試合なので全て順位付けしてしまうと、1位は前日に友人に鹿児島を色々案内して貰い、翌日もベアスタや太宰府、福岡を周った11月の試合。天気にも恵まれたし、良い旅だった。2位はGWに行った初ミクスタで、試合のレベルはさておき、小倉駅から徒歩10分弱という近さや目の前が海という立地、そして試合後にホテルにチェックインした後でも下関を観光出来る関門エリアの近さも込みで。3位は去年に続いて行った日本平だが、去年に比べて少し旅程が慌ただしかったのでこの順位。最後、8月の西京極の試合はお初の上賀茂神社とか京都観光出来たのは良かったのだが、暑すぎたのとサンダルで行ったら途中で足裏のマメが潰れてかなり痛かったのでそこがマイナス(笑)

 来季の未踏スタジアム制覇は岡山のカンスタ、沖縄辺りが目標になるかな。レノファのスタジアムも未踏だが山口県は今年行ったばかりで、金沢も一昨年の夏行ったしなぁ。松本が昇格したからアルウィンもまたJ1で行けることになるが、前回は長野善光寺経由で松本城を見つつ最後は雄大南アルプスの夕景をバックに試合開始という旅で、もうあれ以上の経験は出来ない気もする。また来季はラグビーW杯でかなり変則的なスタジアム運用になるだろうから、大分もW杯期間中に大銀ドームではなく市営陸上競技場を使うかもしれないのでそういうレア地を目標にしようか。まぁ全てはマリノス戦を始め日程次第なのだが。マリノス戦では日産が改修工事を終え、普段座っている場所も跳ね上げ式の座席に更新されるだろうから、スタジアム全体が深青で統一された光景と共に楽しみ。

年間表彰2018(後編)

 今日はMVPを発表。気が付けば09年に投票制を導入して今年で10年目になった。よく10年も続けたなと思うが、何だかんだ集計したり投票者の友人たちの選考やコメントを読むのが楽しいってのはある。後はこの選考を始めたきっかけにも通じるが、日本にはプロリーグの表彰はあっても協会主催の国内外の日本人選手対象の表彰は無いので、代わりにそれをやっているという自負もあるかな(笑)今年も39人に協力して貰ったのには感謝に堪えない。選考に際してコメントを書いてくれた場合、少なくとも一度は引用させて貰った。

【選考方法】
いつもと同じくベスト5を選んで貰い1位:5pt〜5位:1ptでポイント化してその総合計で選出。仮にポイントが並んだ場合は1位票の多い方が上位、それでも並んだ場合は以下2位→3位・・・5位票の大小で決定。順位票すらも並んだ場合は両者同順位とする。なおこのルールはベスト5のみ適用し、6位以下でポイントが同じ場合は全て同順位と扱う。
【過去の受賞者】

それでは5位から発表。例年通り選考者コメントを太字で表記。なお所属は2018年に在籍したクラブ
第5位
中島翔哉ポルティモネンセ):47pt
代表の新10番が5位。「ボールを貰う位置、トラップからのシュートまでの一連の流れを見るだけで、代表戦に行く価値があると思わせる選手」だが、常に笑顔で「『サッカー楽しい』とコーナーフラッグでリフティングしちゃう純朴さ」を見せるなど「ひたすらに真面目にとも、とにかく自信を持ってとも、違う。サッカーへの対し方がこれまでの日本人選手とは全く違う」「香川の後釜10番を任せられる」選手。
この選手は南野、堂安と並び称されることが多いが、今回の投票では他の2人を大きく引き離した。やはり「W杯前あたりからワクワクさせてくれる選手」で、「ポルトガルで年間通して活躍」したというのが大きかったか。新しい代表の中心として、年明けにまずアジアカップがあるが「南野、堂安との化学反応」かつ「来年は森保ジャパンの2列目トリオが(この投票の)1~3位を占めることを期待する」。

第4位
本田圭佑パチューカメルボルン・V):49pt
ロシアW杯での活躍、オーストラリアでの活躍、カンボジアでのチャレンジと、日本サッカー界に与えた影響は絶大」な「ケイスケホンダ」が4位。「セネガル戦の同点ゴールは鳥肌」物で、ベンチスタートが多くなっても「W杯三大会得点」し、「なんだかんだで活躍」するあの勝負強さは一体何なのか。「改めてメンタルの強さと運を引き寄せる力、それを支える努力を感じた」。「ベルギー戦の最後のコーナーはショートで良かったと思うが」、そのコーナーを取ったのは本田の無回転ミドルをクルトワがセーブしたからなのだが、キックの軌道が南アで決めたFKに少し似ていて、もう少し軌道に高低差があってクルトワの手前で落ちていればもしかしたら・・・

第3位
家長昭博(川崎):50pt
連覇の原動力」である今季のJリーグMVPが3位。「アシストやゴールという目立つ活躍はしてないですけど」、「アシストやアシスト・チャンスにつながる1つ前のプレーがとても多かった」という声があったように、この選手はJリーグアウォーズのMVP受賞スピーチでも自ら「平々凡々な成績」と言ったようにゴール、アシストで突出した数字を出した訳では無いのだが、試合中のさり気ないプレーや判断のセンスがずば抜けてる。「実際にプレーを見たのは夏休み広島戦アウェーだけだが、1人違う次元のプレーをしていた」らしい。あまりに平然とプレーするから何気なく見てしまうが、その数秒後に「実は今のプレー相当レベル高いんでは?」と気付いて背筋がゾクっとするような、そんな選手。そういう意味ではイニエスタに近いかな。「長く天才と言われ、このランキングに入れることができるチャンスは今年しかないかもれない」。そうそうアウォーズでサプライズのビデオメッセージがあったように、この選手と本田は全く同じ生年月日、同じレフティ、同じガンバジュニアユースという不思議な縁のある関係だが、今回の投票で本田49pt、家長50ptだったのはちょっと驚いたな。可能性としてはもうチャリティマッチなどになるかもしれないがまた2人が共演する試合を見てみたい。

第2位
大迫勇也(ケルン→ブレーメン):71pt
今年のこの選手はやはりまず「やっぱり流行語だし」「半端なかった!」「ハンパない!」「やっぱり半端なかった」「ハンパないっす。」というあのコロンビア戦のゴールが思い出されるが、忘れがちだが「W杯でまた夢が見られたのはあのPK奪取から」。また「ワールドカップでの活躍、そして新生日本代表の攻撃力を支えているのは紛れもなく大迫」、「森保ジャパンの2列目トリオが躍動できるのもこの人が最前線にいるから」という声があったように最前線の選手でありながら「周りを活かし、自分も活きるプレー」で、「日本に他に1トップを任せられる選手はいない」。あのポストプレーはもはや芸術の域。一方で簡単なシュートを外したり、「ブレーメンでは前線のマルチプレーヤーとして苦労している」。「もっとゴールへの貪欲さを見せて欲しい」という声もあった。

2018年日本最優秀選手
乾貴士(エイバル→ベティス):81pt

 今年のMVPはこの選手。やはりロシアW杯のインパクトは巨大で、「何といってもW杯での2得点が忘れられない!」、「W杯での2ゴール興奮した!」、「ワールドカップでのゴールは痺れた!」、「ベルギー戦のミドルが今年1番のハイライト」、「セネガル戦の同点ゴールは目の前でシビれた」という活躍により「我々を心の底から熱狂させ」、「W杯盛り上がったのは、やっぱりこの人の影響が大きい」。またプレー面では「小さくてもスピードとテクニックで通用することが証明された」、「時間を作るボールの持ち方は世界レベル」、「森保ジャパンで活躍する若手にとっても刺激になったんじゃないかな」というコメントもある一方で「10月にスペインで試合を観たときベンチ近くから挨拶してくれたので個人的な加点を含む」、「少年みたいな笑顔と、トーク力も評価したい」という評価要素もあったらしい(笑)
この選手はザック時代から代表には継続して選ばれていたけど、当時は同じセレッソ勢の香川や清武ほど存在感を示せずブラジルW杯も最終選考に漏れた。実は既に30歳だし「ようやく日の目を見た」選手。またW杯後は「ベティスでフィットできていないのが残念」だし、やはり「波の大きい選手」でもあるかな。MVPが81ptというのは投票人数が30人以上になってからの最少で、それはやはりクラブでのプレーがマイナス要素になって票が分散したのだろうと思うが、他の選手との比較の中で最終的にW杯のインパクトが評価されたということか。

6位以下は下記の通り。
選手名の青は監督、チーム名の赤は海外クラブ緑はJ2青はJ3橙はその他カテゴリ

以下雑感を箇条書きに。
・GKではやはり川口に票が集まった。「サッカー界のGKの歴史を変えた人」であり「楢﨑とともに日本のゴールキーパーの地位を上げたのは間違いなくこの人」。丁度自分を含め選考者はアトランタ五輪、人によっては清商の頃から活躍を見てきた世代だけに「マイアミの奇跡、アジア杯のヨルダン戦など数々のシーンが鮮明に思い浮かぶ」。「(マイアミの)あの勝利は運と川口のおかげ」。代表スタッフになるという報道もあったが「次の川口を育てて欲しい」。「今までの感謝を込めて」、「我々の青春よ、お疲れ様」、「後にも先にもあなた以上に気迫のこもったプレーをする選手はいないと思ってます。お疲れ様でした」。最終戦後のセレモニーで楢﨑が花束を持って登場したシーンは胸が熱くなったな。ちなみに今回楢﨑に1pt入っているのは「ヨシカツ引退試合のサプライズ」ただそれだけの理由らしい(笑)この人も今季出場無かったが来季どうするのだろうか。その他GKは飯倉、権田、川島が得票。飯倉は「Jリーグで他に類をみない戦術を可能にしたのは彼のポテンシャルがあってこそ」。今季序盤は飯倉チャレンジを何度も食らったが、中盤以降はラインの高さを調整し、失点は激減した。権田はJに復帰して安定感がかつてと見違えるようだった。代表正GKは今は東口かもしれないが、来年もしかしたら序列は変わるかもしれない。川島はW杯でかなり批判されたが、「批判を跳ね返すポーランド戦での活躍。もし0-2で負けていたら決勝T進出は無かった」。パンチングでの処理に難があるのは事実だがベルギーの強豪S・リエージュでのレギュラーGKという実績は川口、楢﨑も到達できなかった高みだし、その実績は色褪せ無い。

・中島の項でも述べたが、南野は7pt、堂安は13ptとそれほど得票は伸びなかった。2人ともクラブでも安定して活躍しているし、堂安は「21歳以下バロンドール最終候補に選ばれて」もいたが、オーストリアとオランダという報道量がそれほど多くないリーグなのと「W杯後に台頭した選手」という印象が強い故かな。「今後のさらなる活躍を期待

・選手以外では監督が3人得票。1人は別枠と言えるが・・・
西野「ポーランド戦でのスーパー采配。良いか悪いか別として、監督としてのタクトをブレずにふれる手腕に脱帽。
宮本「ガンバを立て直したことだけでなく、相変わらずのそのイケメンぶりに心を奪われました。
加藤「残留がかかる崖っぷちのなか、某掲示板における、残り全部勝とう!!が残り全部加藤...。の書き込みが今シーズンNo1
柏はアウェイ広島戦で強風を上手く利用して勝って神風とか言われてたけど、アウェイで首位に勝っちゃったから結果的に解任が遅れたよなぁ。よく「先を見過ぎず目の前の試合に集中」とか言うが、この場合は目先の勝利に惑わされた形。

・最年少得票者は去年に続いて久保(2001年生まれ)なのだが、今年は2000年以降に生まれた選手としては2人目の中村敬斗(2000年生まれ)が得票。
久保「子育て世代の期待の星、サッカー界の『国民の息子』と、呼びたい。笑 横浜でどんどん出場してほしい!
中村「他所から来て18歳でガンバでゴールを決めるのは、只者ではない。
中村は三菱養和出身だけど、ここも永井雄一郎田中順也と10年に一人くらい代表を狙えるアタッカーを輩出する。

・J2、J3勢では川口や相変わらず根強い人気のカズの他はヴェルディ松本山雅とJ2上位の選手が挙がった中で山口のオナイウが得票した。「どの所属チームでも結果を残せなかったが、今年の山口ではゴールという結果を残したことを評価。来年から大分みたいなので、J1でどれだけ点を取れるかも注目。」またJ3ではこの投票で播戸が今琉球にいることを知ったのだが(笑)、鹿児島の中原は知らなかったのでどんな選手かと思ったら「鹿児島ユナイテッドFCの昇格を決めたゴール」の選手とのこと。

・今回得票が無かった有力選手の中では、酒井宏樹に票が入らなかったのは意外だった。あれだけ叩かれた川島ですら票が入っている中でW杯の主力では唯一の得票0。自分も入れてないので偉そうなことは言えないが、所属クラブの格と出場状況を考えたらここ数年の欧州組で一二を争う安定感だと思う。代表にも絶対欠かせない選手。

・プレーの安定感で酒井と双璧なのが長谷部。クラブでリベロや中盤で守備を統率してDFBカップ優勝とヨーロッパリーグ出場を勝ち取った。余談だがブンデスバイエルンドルトムントに所属せずにリーグとカップ両方優勝したのは現役ではこの選手だけなんじゃないかと思う。ヴォルフスブルクでリーグ優勝、浦和でも国内タイトルとACLを総ナメにしたし、実はかなりタイトル運のある選手。また引退した代表でのラストマッチは「ルカクのスルーに長谷部の脚がもし届いていれば。。。」という最後だったが、直前の監督交代の中チームをまとめた「不動のキャプテン」、「偉大なるキャプテン」。長期に渡ってチームの軸となる主将を持てたのは日本にとって幸運だった。腕章を巻くだけなく、本当の意味でその地位を引き継ぐのは誰だろうか。

・毎回この投票では独自の選考をしてくれる人が多いのだが、都倉に票を入れたのが3人いたのはさすがに驚いた。サポートするチームの選手に票を入れるというのはあるが、選考者にコンササポはいないし、初めてJ1で二桁ゴールを決めて札幌の4位に貢献したという実績はあれど、得点ランク上位の小林、興梠より得票するとは。投票者コメント「札幌の躍進の象徴。SNSでの広報活動も献身的」とのこと。来季はセレッソでどうか。

・ベスト5に入らない次点の選手、特別枠、番外編もいくつかあった。ここでは書けない人や内容が多いんだが(笑)書ける人だけ。
神戸の三木谷オーナー「目先のチームも見る価値あるが、10年後に育成の花が開くのかどうか
ポドルスキイニエスタを取る以前からヴィッセルは寮を整備したり育成にも力を入れているが、小川や岩波は移籍してしまったし、なかなかトップチームで主力となって代表に入るレベルの選手は生み出せていない。U21代表の右SB藤谷、U19代表のDF小林らがどこまで伸びるか。

という感じで今年もまた興味深い投票となった。投票が集まりだした序盤は川口に票が集まっていて、勿論結果は尊重するが、お疲れ様票だけでベスト5に入るのはどうかなと個人的に思っていた中で、6位という絶妙さ。上で述べた本田と家長の得票数もそうだし、神の見えざる手、いや色々なサッカー観を持つ人が集まった集合知とでも言うか、いつもこの投票はこういう絶妙な結果になるし、だから面白いので止められない(笑)
来年は早々にアジアカップなので、2019年の投票がアジアカップ関連で埋まるのを願いつつ、年を越したい。

年間表彰2018(前編)

 さて今年も残すところ1週間を切った、ということは毎年恒例の当blog日本サッカー年間表彰。年末の慌ただしさと1年の疲れが押し寄せる中で、なかなか落ち着いて振り返ったり文章を書く時間が取れないが、やはりこれは外せない。例年同様にまずはMVP以外の各賞をば。
 
■年間ベストマッチ
※過去の受賞試合

2005年:バーレーン戦(○1-0/2005.6.3/ドイツW杯予選@マナマ)
2006年:サウジアラビア戦(○3-1/2006.11.15/アジアカップ予選@札幌)
2007年:豪州戦(△1-1(4PK2)/2007.7.21/アジアカップハノイ
2008年:カタール戦(○3-0/2008.11.19/南アW杯予選@ドーハ)
2009年:ベルギー戦(○4-0/2009.5.31/キリンカップ@東京)
2010年:デンマーク戦(○3-1/2010.6.24/南アW杯@ルステンブルク
2011年:韓国戦(○3-0/2011.8.10/親善試合@札幌)
2012年:オマーン戦(○3-0/2012.6.3/ブラジルW杯予選@さいたま)
2013年:ベルギー戦(○3-2/2013.11.19/親善試合@ブリュッセル
2014年:豪州戦(○2-1/2014.11.18/親善試合@大阪)
2015年:パレスチナ戦(○4-0/2015.1.14/アジアカップニューキャッスル
2016年:サウジアラビア戦(○2-1/2016.11.15/ロシアW杯最終予選@さいたま)
2017年:豪州戦(○2-0/2017.8.31/ロシアW杯最終予選@さいたま)

1位:セネガル戦(△2-2/2018.6.24/ロシアW杯GL@エカテリンブルク
2位:ウルグアイ戦(○4-3/2018.10.23/親善試合@さいたま)
3位:コスタリカ戦(○3-0/2018.9.11/親善試合@吹田)
※特別賞:ベルギー戦の後半7分まで(後半7分時点○2-0/2018.7.2/ロシアW杯決勝T1回戦@ロストフ・ナ・ドヌ
 今年のA代表は14戦6勝3分5敗。W杯でベスト16に進出しただけに普通はこの大会からとなるが、コロンビア戦は勝ったとは言え相手が殆どの時間で1人少ない状況だったし、むしろ二度先行されながら追い付いたセネガル戦を評価したい。結果的にポーランド戦は時間を消費する試合になったが、主力の一部を休ませることが出来た訳で、それはセネガル戦で勝点1を得たからこそ。ポーランド戦もそれまでと同じ面子で臨んでいたら、GLは突破出来てもかなり消耗し、同じ敗北にしてもベルギー戦ではリードすら出来なかったかもしれない。ゴールを決めた2人、原口はポーランド戦出てなかったし、乾も後半20分過ぎからの出場だった。
2位はスアレス以外ほぼベストメンバーだったウルグアイとの打ち合いを制した10月の親善試合で、3位は新監督の初戦、かつ新しいメンバーが躍動して快勝したコスタリカ戦。そして特別賞としてベルギー戦の乾のゴールが決まった時間までを。やはりこの試合も後世に伝えないと。

■年間ワーストマッチ
※過去の「受賞」試合

2008年:バーレーン戦(●0-1/2008.3.26/南アフリカW杯予選@マナマ)
2009年:バーレーン戦(●0-1/2009.1.28/アジアカップ予選@マナマ)
2010年:韓国戦(●0-2/2010.5.24/親善試合@さいたま)
2011年:北朝鮮戦(●0-1/2011.11.15/南アW杯予選@平壌
2012年:ウズベキスタン戦(●0-1/2012.2.29/ブラジルW杯予選@豊田)
2013年:ブルガリア戦(●0-2/2013.05.30/親善試合@豊田)
2014年:ブラジル戦(●0-4/2014.10.14/親善試合@シンガポール
2015年:北朝鮮戦(●1-2/2015.8.2/東アジアカップ武漢
2016年:UAE戦(●1-2/2016.9.2/ロシアW杯最終予選@さいたま)
2017年:韓国戦(●1-4/2017.12.16/EAFF E-1選手権@調布)

1位:ウクライナ戦(●1-2/2018.3.27/親善試合@リエージュ
特別賞:ベルギー戦の後半24分から試合終了まで(最終結果●2-3/2018.7.2/ロシアW杯決勝T1回戦@ロストフ・ナ・ドヌ
 ポーランド戦がワーストだという人もいるかもしれないが、個人的に最後のあのボール回しはルール上有り得ることなのでGL突破という結果を手にした以上特に言うことは無い。今季のJは川崎が敗れつつも他会場の結果でリーグ優勝が決まったが、多少バツは悪いが最終的に望むものを手にしたという意味であれと似たようなもの。その他今年の敗戦を振り返ると、ベルギー戦は後述するが別枠で記録するとして、ガーナ戦、スイス戦は監督が代わった直後でまぁこんなものだろうなという印象だった。その中で結果的にハリルの最終戦となったウクライナ戦は内容的に酷かったので挙げておきたい。相手の組織的な動きに付いていけず殆どチャンスも作れなかった。ハリル解任の背景には色々な動きがあったのだろうとは思うが、あの内容が“最後の一押し”になってしまった感はある。
 ベストマッチと同様にベルギー戦の最初の失点から試合終了までを特別賞として。
 
■年間ベストゴール
※過去の受賞ゴール

2005年:中村(俊)(ブラジル戦(コンフェデ杯)同点ミドル)
2006年:玉田(ブラジル戦(ドイツW杯)先制点)
2007年:山瀬(カメルーン戦(親善試合)決勝ミドル)
2008年:玉田(カタール戦(南アW杯予選)ミドル)
2009年:中村(俊)(バーレーン戦(南アW杯予選)FK)
2010年:本田(デンマーク戦(南アW杯GL)FK)
2011年:李 (豪州戦(アジアカップ決勝)決勝ゴール)
2012年:本田(オマーン戦(ブラジルW杯予選)先制ゴール)
2013年:本田(オランダ戦(親善試合))
2014年:岡崎(豪州戦(親善試合)バックヒールゴール)
2015年:柴崎(UAE戦(アジアカップ準々決勝)同点ミドル)
2016年:山口(イラク戦(ロシアW杯予選)決勝ミドル)
2017年:井手口(豪州戦(ロシアW杯予選)2点目のミドル)

1位:原口(ベルギー戦先制点)※動画6秒から
2位:(ベルギー戦2点目)※動画23秒から
3位:南野ウルグアイ戦先制点)※動画12秒から
4位:山中キルギス戦先制点)※動画30秒頃から
5位:本田セネガル戦同点弾)
 今年は14戦で27ゴール。最多得点者は乾と南野(4点)で、大迫(3点)、香川、原口、伊東、中島(2点)、槙野、本田、川又、堂安、酒井宏樹、山中(1点)と続く(その他OGが2点)。
 やはり試合の価値、相手の強さ、その中でのゴールの価値(先制、逆転等)が大きいほど評価は高くなる中で、1位はベルギー戦のどちらにするかで迷ったが、原口のゴールで。予選のアウェイ豪州戦でも同じように裏に抜け出して決めたゴールがあったが、これまで代表ではエリア内で点で合わせるパターンが多かった。ドリブラーなのにそれがゴールやアシストに反映し切れてないのが勿体ないなと思っていた中での、このゴール。また柴崎の縦パスも素晴らしかったのでそれと合わせてのベスト。
 で、2位は乾のゴールなのだが、今年のゴールを見返していて、W杯直前のパラグアイ戦でも同じ様なミドルを決めていたのを思い出した。試合後のインタビューで西野氏が「(乾が)やっとボールと足がフィットしてきた」てなことを言っていたが、あの試合から何かが変わったな。3位は南野のウルグアイ戦の先制点で、ボールを受ける瞬間のターンとかこの選手のセンスが詰まったゴール。4位は山中の開始直後のミドルで、あの位置から逆サイドに低いミドルを打てる選手はなかなかいない。ベイル化(SBからアタッカーにコンバート)の可能性をここでも言っておく(笑)5位も同じセネガル戦の乾のゴールと迷ったが、終盤に追い付いたゴールの価値、W杯3大会連続、アフリカ勢にも3大会連続で点を決める本田の大舞台での勝負強さ、ゴール前に体を投げ出して相手GKを惑わす岡崎とか、色々な要素が詰まっていたのでこちらを。

■年間最優秀若手選手(U-20)
※対象は1998/1/1生まれ以降の選手
※過去の受賞者

2006年:本田(2位:西川)
2007年:安田(2位:香川、3位:内田)
2008年:金崎(2位:内田、3位:香川)
2009年:米本(2位:香川、3位:権田)
2010年:宇佐美(2位:酒井(高)、3位:小野)
2011年:久保(2位:指宿、3位:扇原)
2012年:柴崎(2位:石毛、3位:小野)
2013年:南野(2位:久保、3位:大島)
2014年:植田(2位:岩波、3位:室屋)
2015年:南野(2位:関根、3位:中村)
2016年:井手口(2位:鈴木(優)、3位:中山)
2017年:堂安(2位:中山、3位:前田)

1位:堂安(フローニンゲン
2位:冨安(シント・トロイデン)
3位:杉岡(湘南)
 2017ー18シーズン後半からのゴール量産とW杯後の代表デビュー&初ゴールを考えたらこの選手だな。2年連続受賞。2位はベルギーでレギュラーを掴み代表デビューも果たした冨安。日本のCBは
生まれ年:氏名(代表記録)
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1956年:加藤久(代表61試合6ゴール)
1967年:井原正巳(代表122試合5ゴール)
1978年:中澤佑二(代表110試合17ゴール)
1988年:吉田麻也(代表89試合10ゴール)
と約10年間隔で長く代表を引っ張る中心選手が現れるが、1998年生まれのこの選手はまさに10年に一人の逸材。
今年は橋岡(浦和)、安部(鹿島)、郷家(神戸)など1999年世代もJ1でレギュラー、準レギュラーを掴む選手が多かったが、ここはルヴァン決勝MVPの杉岡で。来年のA代表入りに期待。

■最優秀監督
※過去の受賞者

2009年:手倉森(2位:城福、3位:小林)
2010年:岡田(2位:小林、3位:関塚)
2011年:佐々木(2位:手倉森、3位:吉武)
2012年:森保(2位:手倉森、3位:吉武)
2013年:森保(2位:吉武、3位:小林、4位:高木、5位:風間)
2014年:長谷川(2位:城福、3位:反町、4位:石崎、5位:柱谷)
2015年:森保(2位:佐々木、3位:井原、4位:長谷川、5位:石井)
2016年:石井(2位:渋谷、3位:風間、4位:小林、5位:森山)
2017年:鬼木(2位:高木、3位:名波、4位:下平、5位:渡邊)

1位:大岩(鹿島)
2位:森保(代表/U21)
3位:鬼木(川崎)
4位:相馬(町田)
5位:片野坂(大分)
 今年は迷ったな。J1、J2、代表関連で候補者が多く。
 まずJ1から見ていくと、城福氏(広島)、長谷川氏(FC東京)はどちらも新任で、昨季不振だったチームの順位を大幅に上げたのは事実なのだが、終盤の大失速の印象が強くベスト5にランクするのは抵抗がある。J1ならタイトルを獲った鬼木氏(川崎)や大岩氏(鹿島)を入れるべきだし、途中就任して降格圏のチームを9連勝させて最終9位に上げた宮本氏も候補に入る。
 次にJ2だが、2年前J3だったチームを自動昇格させた片野坂氏、そして優勝の反町氏、そして予算規模やJ1ライセンスが無い中でモチベーションを落とさず4位に導いた相馬氏が候補。
 ここまでで既に6名だが、代表関連の人も名を挙げておきたい。西野氏はチームの責任者(最終決断者)としての功績は大きかったとは思うが、ここではW杯はコーチとして監督を支え、監督に昇格した後は5戦4勝1分と結果を残し、同時にU21でアジア大会準優勝の森保氏の功績は大きい。また森山氏も異例の途中就任(通常はU15から継続して同じ世代を見る中でU16から就任)ながらU16代表でアジア制覇。
 以上の候補からベスト5を選ぶ訳だが本当に悩ましかった。悩んだ結果、大岩氏は過密日程とは言え国内タイトルは良いところまで行きながら無冠だったのがややマイナスだが、リーグ終盤に控え中心でベストメンバーのセレッソレイソルを破るなど最終3位に滑り込んだチーム力はさすが鹿島と思わせるものがあったし、ACL制覇の偉業を称える意味で1位に。2位は森保氏、3位に鬼木氏、そして4位はチームの予算規模(約7億)を考えたら相馬氏で、5位に同じく経営規模(約10億)がJ2でも中位で、何より2年前はJ3にいたチームをJ1に上げた功績から片野坂氏で。ただ反町氏は正直マンネリというか2年前にPOで敗退した時にチームとしての伸びシロはもう無さそうに見えて、実際昨季は8位に落ちた訳だが、その翌年に優勝させたのはさすがだと思う。

 と色々な監督の名を挙げていてふと思ったが、広島系統の人(片野坂、森保、森山)と鹿島系統の人(大岩、鬼木、相馬)が多い。広島系統の人は以前も書いたが当たり負けない強さやメンタル面を強調し、独特の戦術を持っていてもそれにこだわらず手持ちの選手に合わせて、また相手をよく分析する人が多い。3バック+2シャドーの使い手ながら代表では4バックを継続し結果を出している森保氏が典型的。他に高木氏(長崎)、上野氏(甲府)など。風間氏も現役時代広島にいたのでこの系統と言えなくも無いが、この人のサッカー観は地元静岡がベースにあると思うのでちょっと違うかな。鹿島系統の人はやはり勝負にこだわる姿勢が強い。他に手倉森氏(代表コーチ→長崎)、関塚氏(現技術委員長)、石井氏(大宮)など。さすがと言うべきか殆どの人が過去指導したクラブや世代別代表でタイトルを獲っている。身体とメンタルの強さを植え付けて、戦術的な柔軟性、勝負へのこだわりも持つ・・・これが出来る指導者はやはり優秀てことなんだろうな。

 メインの最優秀選手は明日発表(したい)。