J1第28節 横浜M×広島(日産)


 この試合は3枚3000円の格安チケ販売、土曜の昼開始、相手が首位広島、晴天、という条件が重なり、観衆4万越えが予想されていた。先月の浦和戦は観衆3万3千で相当混んでいて、かつ久々に大人数での観戦という事で席を確保する必要があることから、およそ3年ぶりにJで開門前に並んだ。3年前は三ツ沢だったから、日産開催のJで並ぶのは初めてかもしれない。まぁ11時10分頃に着いて40分頃には中に入れたんでものの30分程度の並びではあったが、昔代表戦でよく並んでいたのを思い出して懐かしくなったりもした。席を確保し、後から来る友人との待ち合わせには東ゲート前にある日韓W杯決勝開催記念レリーフ(→コレ)が分かり易いと思っていたのだが、思いの外認知されておらず、終いには『日産の電気自動車のことかと思った。』などというボケをかまされる有様であった。
 このようにいつになく早めにスタジアムに行ったのだが、試合開始まで30分を切っても人の入りはいつもより多少多い程度で本当に4万越えるんかいなという疑念が生まれてきた。開始直前にはホームG裏2階はほぼ埋まり、開始後にアウェイG裏2階が解放されていたので、直前に来る人が多かったのだろう。最終的には観衆3万6千だった。ほぼ同規模の入りだった浦和戦と比較してだが、初めて観戦に来る人が多かったと思われる。

 試合について、5月のビッグアーチでの試合は広島がボールをキープするもマリノス守備陣を崩せず、そうこうしている内にセットプレーとカウンターで3点取ってマリノスが快勝、という内容だった。今日もほぼ似たような展開でパスを繋いで攻める広島にカウンターで対抗していたのだが、アウェイ戦で点を取ったマルキーニョス、富澤の不在故か、カウンターでもセットプレーでも一撃必殺の鋭さは無かった。広島も広島で5月の試合よりかはゴール前に近づくシーンは多かったと思うが、やはり去年に比べて攻撃時も後ろを気にするようなサッカーで、攻撃にかける人数やスピード感に欠けてたと思う。その中で高萩は何度もマリノスゴール近くでマルセイユ・ルーレットを繰り出したりして危険な存在だったのは印象に残っているが。
 そういう試合の中で後半30分頃に小野が倒されてPKを取った。そのまま小野がキッカーとなり、そしてまるでいつかのベッカムの様に豪快に打ち上げて外したのだが、PKと判定されてから蹴る直前までの広島の対応が印象深い。小野がセットしたボールを取り上げて何かを念じながらセットしなおす佐藤寿人、GK西川に駆け寄って激励するミキッチ、そして小野に近づいて何か言葉をかけ、ゴール内に入った後に前に進み、キッカーから見てGKがより大きく見えるようにした西川―――PK時の守備側で思いつく限りのことを全てやった上で後は運を天に任せる、そんな意図が見えた。小野が外したのは運・不運で片付ける事も出来るが、出来る限りの事をやり尽すメンタルの安定感も明暗を分けた要素ではあるかなと。首位にいるチームはそういう細かい部分も疎かにしないものなのだな。