J1第12節 横浜M×鳥栖(日産)


 5月にしては日射しの強烈な一日だった。朝普段と変わらぬ時間に出社して試合開始に間に合えば良い位に思っていたのだが、観戦仲間から今日は先着1000名にサンマが振舞われる旨の情報を聞いてからは早々に片付けてスタジアムへ。12時半頃に東ゲートに着くと、サンマを焼く良い匂いが東ゲート広場一帯に漂っていた。係員曰く今から並んでもサンマに有り付けるか微妙との事だったが、実際に並んでみるとストックは豊富にあり、余裕を持ってゲット。
 以前も5月にサンマが振舞われたのを思い出しつつ、試合が始まった訳だが、今日のマリノスは何と中村をベンチに置く布陣。三門&小椋のWボランチ、藤田&伊藤の2トップは崩していないので、攻撃的MFの2枚をローテーションしたのだろう。鳥栖は現在首位だが、日産でのマリノス戦は天皇杯含め常にマリノスが主導権を握りつつ勝ってきただけに今日もその展開だと思っていた。少なくとも失点は無いかなと。が、前半10分に水沼のシュートをGK榎本が弾いた所に金民友に詰められて先制を許すと、その5分後には左SB安田のクロスを池田がファーで合わせて2−0。暑さでぼんやりしていたという事は無いだろうが、序盤にバイタルエリアを空けて相手のシュートを許し、そこに詰められる構図はFC東京戦、ガンバ戦から変わっていなかった。マリノスも攻撃はするのだが、齋藤などの個人の突破以外は基本サイドからのクロスに終始。2トップの動きも基本的に“片方がサイドに開いてゴール前にいるもう片方にグラウンダー気味のクロス”というガンバ戦の先制点に繋がったパターンをひたすら繰り返しという有様でそのまま前半が終わった。

 で、後半は満を持して背番号10が登場(藤田out)。布陣も慣れ親しんだ1トップ(伊藤)に変えてボール支配率を高め、徐々に鳥栖を押し込む。この展開こそが過去日産で鳥栖に勝ってきたパターンなのだが、過去と異なりこの試合では既に2点のリードを許しているため、鳥栖も“守ってカウンター”を徹底してくる。こうしてボール支配率の割にチャンスの無いまま試合は終盤を迎え、アディショナルタイム突入前後に中村が素晴らしいボレーのゴラッソを決めたものの、そのまま試合終了。

 やはり昨年末に言った通り、このチームは詰んでるんじゃないかと思う。“人”ベースの連携でここまで勝ってきたが、それはACLの過密日程で継続困難となった。ならばフレッシュなメンバーを入れてチームを活性化すれば良いという事になるが、ポジション毎に動きが決まっている訳ではなく、あくまで固定されたメンバーその人の特長がベースなので簡単に入れ替えられず、入れ替えた際は連携を一から構築しないといけないというジレンマ―――これが今まさにマリノスが陥っている状況。

 今出来るのはW杯の中断期間中にメンバーを固定して連携を磨くしかない。過去2年の結果でメンバー固定の功罪が見えてしまっているが、監督交代などは無いと思われるので、今の監督でJ1で生き残るにはこうする他無い。世代交代などの要素は目の前の勝点を拾う為に再び棚上げされるだろう。それがこのクラブにとって最良なのかはまた別の話ではあるのだが。

 今日は教師である友人の仕事仲間であるイギリス(イングランド)人や友人のアメリカ人が来て、国際色豊かな観戦だった。イングランド人氏は南ロンドン出身でチェルシーファンという事で、当方の拙い英語でサッカートークをしたのだが、彼がフェルナンド・トーレスを“rubbish”(ゴミ)と表現した時は、現地でもそういうキャラなのか・・・という切なさが。