天皇杯決勝 川崎×柏(国立)

  • 2週連続国立

 事前抽選に申し込んでみたら当選してしまった。先週に続いてだが今日はまず例によって東急の御朱印巡りの続きをば。試合前に代々木や外苑前周辺の3社を回り、途中代々木駅近くの定食屋で昼を食おうと思ったら11時前で既に10人以上並んでいたので11時開店のらすたへ。

らすた代々木店

 ここはおおよそ年1くらいのペースで行っている。普段代々木はあくまで乗換駅なのだが、たまに今日の様な用事で降りる事があり、その頻度が年1とも言える。食べた後、御朱印巡りの3社目は外苑前駅に近いエリアなので歩くと少々距離があるなと思っていると、周辺を回るコミュニティバスがあるのを知った。これに乗ると途中色々迂回するものの代々木駅前からその神社のすぐ近くまで行ける。これまで通った事の無い道も通るので、車窓がなかなか興味深かった。普段は駅とスタジアムを行き来するだけなので、バスで街中を走ると違った景色が見えるものだな。さすがというかこの辺りはレストラン一つ取っても小洒落た店ばかりだが中には街中華、定食屋もあり、国立の周辺も意外に食べる処はあるなという発見。まぁどこも今日の両チームのユニを着た人でかなりの行列ではあったが。

 参拝を終えてもまだ12時だったので、国立に直行せず青山通りに出て銀杏並木を眺めながら向かう。

神宮外苑銀杏並木

ピークは過ぎていたがまだ十分見頃だった。そして12:20頃にスタジアムに入場。

 今日の席はバクスタ3階の柏側の席だったが、思ったよりもゴール裏に近いエリア。そして通路間の中間辺りという国立上層階としては一番避けたい場所だった。抽選だと席は選べないのでこうなってしまう。まだ試合まで1時間半あったのでコンコースをブラブラしようかと思っていたが、このまま開始まで席で時間を潰し、選手のアップや審判団&メンバー紹介、入場直前のセレモニー、国歌斉唱を経て試合開始。

選手入場時
川崎コレオ
柏コレオ

川崎は旗で3色、柏はKASHIWAの文字が途中からKASHIWAと”ASIA”を浮かび上がらせるように変化。これは2012年度シーズンの決勝(2013年元日開催)でも出していて、この時は1-0で柏が勝利して優勝。このリバイバルということだったか。

2012年度決勝(G大阪vs柏)
  • 試合

 席が柏側だったのもあるが、試合前から柏サポの気合を感じていたのだが、試合が始まると実際柏が押す展開。M・サヴィオ、山田が川崎の最終ラインと中盤の間に上手く入り込み、そこに細谷や小屋松、両SBも絡んで川崎ゴールエリア付近まで何度も攻め込む。前半一番印象に残っているのは山田のプレー。マリノス時代から期待され技術の高さは同世代でもトップクラスだったと思うが、それだけではプロで戦えないというのもまた然りで、マリノスでは徐々に出番を減らし、水戸、山形へのレンタルによってJ2で揉まれ、今季ついに完全移籍でJ1クラブへ。山形時代に一度試合を観た事があるが、その時は周りの味方が走って戦ってるのにそれを傍で見ているだけの場面が多々あり、あまりマリノス時代と変わってないなと思っていたのだが、今日は球際の攻防を恐れず、守備でも奮闘しつつ、攻撃時は高い技術を見せるという戦う男の姿があった。ついにJ1で戦える真のプロ選手になったんだなという感慨。同僚のM・サヴィオもそうだが、こういうチームの中でも上手い部類に入る(であろう)選手が攻守に奮闘している姿は胸を打つものがある。
 ただ柏は攻め込みつつも決定機自体はそれほど無かった。クロスがもう一越えすれば、パスがもう一本通ればという場面はあったが、鄭成勇を脅かしたシュートは1度あったかどうか。この辺りは川崎の守備が一枚上手ではあった。
 一方で川崎の攻撃は淡泊で、サイドまではボールは運べるがその先は、という感じ。今日は右家長、左宮代だったが、マルシーニョの様に縦突破出来る選手がいないと前線のL・ダミアンも下がってポストをこなすばかりでゴール前にはなかなかボールが入らず。こんな感じで前半は0-0。

 後半はやや川崎が持ち直して柏陣内に攻める時間が長くなっていったのだが、決定機というまでには至らず。逆に縦パス一本で柏がチャンスを迎える場面が出てくるようになった。その中で細谷が抜け出してGKと1対1を迎えたが、ここは鄭成勇がセーブ。このままスコアレスで延長へ。

 延長はやや柏が押し気味ではあったが、シュートはGK正面が多く、逆に川崎がクロスから小林悠やゴミスのヘッドで惜しい場面を作り出す。特に延長後半終了間際のゴミスのヘッドは1点ものだったがこれはGK松本がセーブし、詰めてきたシュートにも対応してゴールを割らせず。直後のCKも防いでPK戦へ。

 PK戦は序盤からお互い外さず決め続けたのだが後攻の柏4人目が外して川崎5人目が決めれば優勝、だったがゴミスのキックを松本がセーブし、その後の柏武藤がしっかり決めてPK戦も延長へ。ここで川崎6人目登里のキックを松本が再びセーブし今度は逆に柏はこれを決めれば優勝だったが片山のキックはGKの逆を突きながら左上隅のバーを弾いてしまう。7~9人目はお互い決めてついに10人目のGK対決となった。後で知ったが柏の古賀が負傷で参加出来ず、川崎はジェジエウを外してお互い10人でのPK戦となったらしい。鄭成勇のキックは右上隅を正確に捉えて成功、続く松本のキックは左にややコースが甘く、これを鄭成勇がセーブしてこの瞬間川崎の優勝が決定。

 今日の松本は終了間際のセーブを始め安定感あるプレーで無失点に貢献し、PK戦でも2本ストップ。柏が優勝していればPerson of the Match級の活躍だった。それが自らのキックで優勝を逃す結果となるとは・・・。先週のPO決勝もそうだったが1つのプレーが結果を左右し明暗分かれる残酷さよ。ただ終了後、柏側からは自然と拍手が巻き起こった。川崎側にいた人達を含め、あの場にいた人は皆、お互い全てを出し切った故のこの結果なのだと理解していただろう。私もこの様な素晴らしい試合を観せて貰ったお礼の意味を込めて拍手をば。
 残酷、と書いたが観客だけでなく選手にとってもそれだけ感情を揺さぶられる試合だったんだろうとも思う。PK戦でキックを成功させた両チームの選手達は皆普段以上に力強く拳を突き上げたり、吠えたりしていたが、この試合に懸ける思いが伝わって来た。

  • 試合後

 この試合は友人も来ていたようでハーフタイムにSNSにアップされた写真を見ると自分とアングルが似ているなと思って連絡したら1ブロック隣だった笑。表彰式まで観た後は表参道まで歩き、そこから地下鉄で渋谷へ。延長まで行ったので終了後は日も暮れて、↓の様にイルミまで見せられると急に年の瀬を感じた。今年も残り3週間か。。

表参道イルミネーション