J2第13節 山口×栃木(維新みらいふ)


■2年越しの山陽行
 毎年GWと夏は未踏スタジアムを制覇する為の重要な時期だが、2年前、2020年のGWは5/2維新みらいふ、5/3シティライトという絶妙な日程で2月には旅を予約していたのだが、その後のコロナ禍でJは中断、旅行も全てキャンセルとなった。あれから2年、今季の日程を見ると、4/30山口vs栃木、5/1岡山vs東京Vと2年前を思い起こさせる日程。これはもう行くしか無いということで2年越しの山陽行を決めた。言わばリベンジ旅なので、宿も2年前に泣く泣くキャンセルしたホテルを再予約。

 初日はまず山口に飛んだのだが、横浜のやや南寄りを飛んだので首都圏のスタジアムがよく見えた。

日産スタジアム

これ以外にも等々力、新国立、味スタ、相模原ギオン、そして恐らく町田のギオンも。その後も岐阜の長良川なども見えて、飛行ルートからして亀岡のサンガスタジアムも見えそうだったが関西は雲が掛かっていて見えず。そんなこんなで9時過ぎに山口宇部空港に到着。空港から新山口まではバス、そこから電車で山口駅まで行ってレンタサイクルで観光。

瑠璃光寺五重塔

この1週間ずっと天気予報をチェックしていて日替わりで雨、晴れ、曇りと予報が変わってどうなることかと思ったが、快晴に恵まれた。山口は緑が多い街だったが、新緑と空の青がよく映えていた。
この瑠璃光寺や山口大神宮等を巡りつつ13時過ぎに山口駅を出て2駅先の矢原駅で下車し、徒歩10分足らずでスタジアム到着。

■試合
 こういった未踏スタジアムに行く時は大概メインスタンドのアウェイ側で観ている。その理由としてはまず天気が読めないので屋根の設置率が高いメインスタンドへ、というのとアウェイ側は比較的まったり観れるので自分の様な立場の人間には丁度良いというのもある。古い陸スタはスタンド中央の放送席やVIP席のみ申し訳程度に屋根があるという感じだが、最近は他に町田、水戸などもそうだがメイン全体に屋根を掛けている所が多い。

メインスタンド

 この試合を見る前に気付いたのだが、実はレノファを見るのは(ホーム、アウェイに関わらず)初めてだった。監督の名塚氏は現役時代のベルマーレ、そしてファルカン時代に代表だったイメージが強い。ファルカン時代のある試合で背番号が井原3、名塚4という試合があって、4は井原だろと子供心に憤ったこともあった笑。対する栃木の時崎監督もベルマーレの印象があり、調べると98年だけ2人は共にベルマーレに所属していた。
 試合は両チーム共にあまり連動性は無く蹴り合うシーンが多く、その中で栃木の前線からの守備の出足が早いなという展開。午前中自転車で色々回っていた疲れが来て正直意識が飛ぶ瞬間もあったが、山口はサイド起点に何度かチャンスがあった。
 後半は試合が動き、10分過ぎにオーバーラップしていた左SB橋本が決めて山口が先制。経歴を見たらこの選手は横浜FCユース出身で今年慶大を卒業して正式加入らしい(2年前から特別指定で試合には出場していた)。wikipediaには出身高も記載されていたが、これを見る限り学業も優秀なんだろうな。
 このまま試合が終わるかと思ったが、栃木はAT突入直後に途中出場の矢野貴章が決めて追い付いた。この前にも1本良いシュートがあったし、この選手は昔は不器用ながら右サイドをスピードに乗って突破していく印象だったが、年々上手く、器用になっている気がする。その意味で鈴木隆行に似た印象。よくベテラン選手が「この歳になっても成長」とコメントすることがあるが、今日の矢野を見ると納得だわ。
 実は試合はこれで終わらず、AT6分が終わろうとする中で高木大輔が決めて山口が勝ち越し、そのまま試合終了。山口の勝利。今日は自分の見ていた隣のブロックに結構熱心に応援している若い母子連れグループがいたのだが、終了後に選手が挨拶に来ると子供達が「パパー!」と手を振り出した笑。関係者席だったらしい。

■試合後
 試合後は大歳駅から電車に乗り、新山口から新幹線で広島へ。2年前と同じ宿(当時は広島観光も予定していた)ということで向かったのだが、今回はついでに広島の新スタジアム建設現場も見学。

新スタジアム建設現場
壁面の案内掲示と背後に見える広島城

 ここは市電やバス、アストラムラインの駅から徒歩圏内かつ繁華街にも近いので、万単位の人が来ても試合後は上手く分散するだろうなと思う。オープンは24年だが楽しみでならない。見学後はここに来たからには、ということでお好み焼きを食し、初日が終了。

J2第10節 大宮×千葉(NACK5)


 前回書いた様に、今週からマリノスはACLで海外なので来月頭までは行きたい試合に行く方針。とは言え今日はあまり近隣で試合が無く、J以外にもJFLの東京武蔵野、新宿のホームゲームがあったので少し考えたが(JFLは観戦経験無かったのでちょっと興味有り)、最終的にナクスタに行くことにした。大宮は未だ勝利無く現在J2最下位ながら、今週Jの副理事長を退任した原氏がフロント入りした最初の試合。思えば前回のナクスタ(去年5月)は監督解任直後で佐々木則夫氏が暫定監督として初めて指揮を執った試合だった。そして相手は前回、今回共に千葉。
barcaw.hatenablog.com
これも何かの巡り合わせか。

 今日は大宮駅から東武に乗り換えて大宮公園駅から向かった。

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大宮公園駅

ここもずっと古い駅舎だったが数年前に改築されて綺麗になった。この駅を使うのは大宮駅より徒歩の距離が短くなるのと駅前にスーパーやコンビニがあって買物にも困らないというのが大きい。久々にこの駅から歩いたら近くに二郎系ラーメン屋が出来ていてかなりの行列だった。数年来ないだけで色々変わるものだな。

 今日の席は↑の写真の通り、前回と同じメインアウェイ寄り。こういう観戦ではバックかメインの上層で俯瞰しながら観たいのだが、ナクスタは敷地の関係でバクスタが狭く、それよりは多少高い位置から見えるメインにしている。
 試合は開始から大宮の出足が早く、早々にFW河田が千葉の最終ライン鈴木からボールを奪い、そのまま1対1を決めて先制。その後も単発で攻めるシーンはあったが、全体的には千葉が押していたかな。大宮は前半時点で残り15分みたいな戦い方で、全員自陣で構えて相手の攻撃を撥ね返す一方そこから攻撃に繋げられず耐える時間が長かった。
 千葉は福満が(前半は自分の席に近い位置だったのもあるだろうが)右サイドを上下動して攻守に絡んでいたのが印象深い。トップのデ・レオンソは長身のポストプレーヤーで、2列目から見木と高木が飛び込むという形なのかなと思ったが、トップ下的な位置からボールタッチが多かった見木はともかく高木は存在感が希薄だった。この点まだ前線のコンビネーションは出来てないということだろうか。
 後半はより千葉が押し込むようになり、特に後半から入った左サイドの末吉の積極性は印象に残っている。そんな中で後半半ば過ぎに大宮がカウンターから河田が1人で持ち込んで追加点。大宮としては理想的だったが、千葉としてはこのカウンターで潰せるポイントを2つ位かわされてゴール前に抜け出されたという意味で痛恨だったな。
 その後は大宮が単発でチャンスは作るものの千葉が押し込む展開は変わらず。そんな中で途中から入った櫻川ソロモンは初めて観たが、この年代(2001年生まれの20歳)の選手は長身でもまだ線が細かったりする中で、190cmかつ胸板が厚く、何というか「デカい」、「強そう」という印象を持った。この年齢でこれだけの体格の選手はなかなかいない。今日は終盤の放り込みのターゲットがメインだったが、得てしてこの手の身体能力の高い若手FWはこういう役割に限定されてしまって点取り屋としての「形」が曖昧になってしまう懸念もある。結局FWとしてゴールを量産するには頭でも裏抜けでもエリア内でのワンタッチでも、自分の得意な「形」を持っていることが重要なので。10代から怪物と言われたFWがあまり大成しないのはこういう点にあるのではと思っているのだが。
 それはともかくAT6分を凌いで大宮がリーグ戦初勝利。この勝点3は大きいとは思うけど、今日の内容を残り約30試合続けるのはキツいよなぁ、とも思う。点を取った後、良い形で攻めるシーンが単発とは言え何度かあったが、それを増やす、継続させるのが残留への道なんだろうな。

 帰りは参道を経由して大宮駅まで歩いた。今日駅からスタジアムへ向かう途中、大宮公園内には埼玉県立歴史と民俗の博物館なる施設があることを知ったのだが、次回来る時は余裕を持ってこちらにも寄ってみたい。

J1第8節 鹿島×横浜M(カシマ)


 昨日は熊谷、今日は鹿嶋と連続で北関東への遠出。元々この試合は日曜だしDAZNだなと思っていたのだが、月曜の休みが取れたのと、昨日書いた様に埼玉ワイルドナイツは地域的にJで言う鹿島に似た側面もあり、連続して観ることで見えてくるものあるかなと。

 こういった遠征では観戦だけでなく試合前にどこか寄ったり観光とセットで予定を組むが、今回は往復直行バス利用で寄り道無し。鹿島神宮は去年行ったし、出来れば鹿島神宮、千葉の香取神宮と並ぶ東国三社の1つ息栖神社に行ってみたかったが、鹿嶋市に隣接する神栖市とは言えスタジアムから10km以上離れ、バスもなかなか無い場所なので断念。東京駅からの直行バスは、13時頃(開始2時間前)に着く便は既に埋まっており、その1本前に乗車し12:25頃に到着。着くと鹿嶋はまだ桜が少し葉が出てきた程度で十分見頃だった。

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スタジアムと桜
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桜並木

 試合まで2時間以上あったがスタジアム内外は結構な人出で、昼時なのもあってスタグルはどこも長蛇の列。

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コンコース

今回は以前食べて美味かったトマトモツ煮とハム焼き串をば。

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トマトモツ煮

 その後はスタジアム内にあるミュージアムも見学して試合開始。この2時間でスタジアム内を歩き回って開始時点でかなり足に疲労が(苦笑)

 マリノスは水曜にアウェイ広島戦で敗れた後の連続アウェイ戦。この後ACLなので、そのまま成田経由でベトナムに直行かな。前半は拮抗した展開で決定機は鹿島に幾つかという内容。鹿島のFW上田綺世と鈴木優磨はどちらもマリノス戦でよく点を取るが、1トップやウイングを置いた3トップが主流の今の時代に2トップは珍しい。見ると、鈴木がサイドや下がり目の位置など広範囲に動いて上田はそれよりやや前寄りに位置する組み合わせだった。前半にGKからのキックがそのまま流れて上田が高丘と1対1というシーンはあったが、全体的には2人をよく抑えていたかな。ただこの上田の決定機然りで畠中はロングボールに被ってバウンドさせて相手に渡してしまうシーンがこれまでにも幾つかあるのが気になるところ。角田は繋ぎの面では改善の余地有りだが、先週もFC東京戦でディエゴ・オリヴェイラを上手く封じた様に、動きを予測してのカバーリングが上手い選手だなと。
 CBと言えば鹿島の三竿は今このポジションなんだな。2トップで中盤は4枚というチーム事情や、高さや強さ、繋げる技術を活かすためなのかもしれないが、本来は中盤3枚の一角で活きる選手だと思う。それこそ代表もこの構成が基本になったがレギュラー3人とそれ以外で全くサッカーが変わる中で、遠藤や守田と同じ役割をこなせる希少なタレント、つまり代表復帰も十分有り得ると思っていたのだが。3センターで活きるタレントがCBに、というのはかつての谷口博之を思い出したりもした。
 後半は仲川→エウベルにしたことで左サイドが活性化され、マリノスが押し込む時間が増えていった。鹿島ゴールに近付くシーンは増えるも決定機とまではいかず、このままスコアレスか、と思い始めた後半35分過ぎにCKからA・ロペスが合わせて先制。その後は先制した後のマリノスが得意とする、相手をいなしながらカウンターでチャンスを伺う展開となり、終了間際には西村のヘッドとOG(三竿)で3-0の完勝。

 ここで勝つのは2012年以来10年振りらしい。個人的にも2004(●1-3)、2015(●0-2)、2021(●3-5)に続く遠征4試合目にして初勝利。ホーム戦を含めて過去観た鹿島戦でもベストな内容だったと思う。

 試合後は東京駅行きの直行バス乗り場に向かったが、よくこれだけのバスや車が来ているものだなと。車はつくばや土浦など近隣自治体のナンバーが多かったが、東京駅行きのバスは15台以上。

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スタジアム西の高速バス乗り場/駐車場

 鹿島もチームや自治体含め将来に向けて課題はあるのだろうけど、全国に鹿島アントラーズ鹿嶋市の名を知らしめて、毎試合こうして多くの人を首都圏から呼び寄せているのはこの30年の努力の結果だと思う。その点で昨日見たラグビーにその覚悟はあるのか疑問に感じている点もあるのだが、ここではこれ以上言うまい。

 鹿嶋行恒例?のスタジアムを出るまでや千葉付近の渋滞で50分遅れとなったが、20:20頃に東京駅に到着。マリノスはこれからACLベトナムだし、今後1ヶ月は近隣で行きたい試合あれば行くスタンスで。

熊谷行(初ラグビー観戦)

 今日は熊谷にて人生初のラグビー観戦。元々ラグビーについてはTVのスポーツニュースや一般紙のスポーツ欄で知る程度で、自分が子供の頃は神戸製鋼が強かった、代表はNZが強い、ぐらいの認識。大学の早明戦も野球の早慶戦高校サッカー高校野球と同じ学生スポーツの風物詩的にスポーツニュースで見ていた程度なのだが、2015年W杯の後、自国開催を控えて試合よりもその歴史的背景や制度、各国リーグ、代表の状況に興味が湧いて、そのサッカーと似ている様で違う、違う様で似ているのが、あたかもパラレルワールドを見る様で面白いなと。2019W杯もスタジアムでは観戦しなかったが、一度横浜で試合後のアイルランドサポと電車で遭遇して、2002年に同じく横浜に同国の人々がやって来たのを思い出したり、TVで見ると、各国サポのチャントあり、ブーイングありの雰囲気が日本で言われるところのラグビーとは大分違うのも感じた(そして親近感)。
 そんな感じでどこか教条主義的な日本のラグビーには距離を置きつつ、W杯会場でもあった熊谷ラグビー場は前々から行ってみたかった。前置き長くなったが、5月でシーズンが終わる中で日程を調べたら今日しか行けなさそうだったので2012年天皇杯レッズvsマリノス以来の熊谷行決定。

 熊谷へは新幹線も通っているが、それではあまりに普通で面白くないので色々マップを眺めていると、近隣の利根川には今も渡しがあるのを知った。ということで今日は朝に家を出て宇都宮線久喜駅から東武に乗り換え、川俣駅からバスで赤岩渡船場まで。

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赤岩渡船場
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利根川

ここは県道扱いなので無料で乗船出来る。利根川を渡った後は河川敷から熊谷駅行きのバス停があり、それに乗って途中下車して徒歩5分程で現地着。ここまでJR、東武、バス、船と複雑なルートだったがどの乗り換えも10分程度で最長でも20分(川俣駅からのバスを降りてから乗船するまでの時間)と実にスムーズだった。
 
 こうして熊谷スポーツ公園内に着くと、まず今日のホームチーム、埼玉ワイルドナイツの施設がお出迎え。

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練習グランド&クラブハウス
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宿泊施設(1階はグッズショップ)

 練習グランドを挟んでこれだけの施設が並んでいる。埼玉県ラグビー協会の施設も兼ねている様だが、他に医療施設もある。サッカーだと宿泊施設まで備えた場所はJクラブ単独では聞いたこと無いし、福島のJヴィレッジや堺のJグリーン等クラブの枠を越えた施設ぐらいかな。こうした取り組みを含め、このワイルドナイツというチームはサッカー界で言うところのかつてのヴェルディ読売クラブ)と鹿島を合わせた様な存在に見える。早くからプロクラブを志向してハード、ソフトの整備を進めてリーグ内の強豪に上り詰めた点、地理的には都心では無く関東近郊を本拠とする点に於いて。チーム名に熊谷ではなく埼玉を冠したのはその両面性のバランスを取った折衷の様にも思えるが、中途半端に埼玉を名乗るなら「熊谷」を冠して鹿島の様にブランド化すれば良かったのに、とも思う。練習ピッチ脇には熊谷市内の小学校の子供達が描いた幟が掲出されていて、公園内や市内幹線道路沿いにはチームのバナーが飾られていたり、自治体の支援もあるようだし。
 
 そんなこんなでスタジアムに着いたのは開始1時間半前の13時頃だったが、丁度ゲートに着いた時に入場開始。普段Jだと(最近は直前に着くことが多いが)、開門は2時間~2時間半前というのが染みついてたので意外だった。

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スタジアム全景

 スタジアムの構造としては1つだけスタンドが独立した構造で三ツ沢に似ている。というか背もたれ、カップホルダー付の座席等、今三ツ沢を建てたらこうなるんだろうなというデザインというか。ただ独立スタンドはバクスタなのが三ツ沢とは逆。

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アウェイ側インゴール裏

 その他目を引いたのはアウェイ側インゴール裏(この様な表現が適切かはさておき)に↑のテラス/ラウンジ席があったこと。これはゴール裏応援文化のあるサッカーだと出てこない発想だよなぁ。海外のラグビースタジアムを見ても、ナショナルスタジアムは別として、クラブだとスタンドはメイン、バックのみ(要は福岡のベススタの様な構造)という所もある。今日の観客の入りを見ても、バクスタの中央とメインのホーム寄りに多かったが、両インゴール裏はあまり人がいなかった。メイン、バックが空いてるのにインゴール裏にわざわざ席を取る動機がなかなか見出しにくいという背景はあるのだろうし、サッカーで言うところのゴール裏エリアはそうした収益面のメリットもあるのかなと思った。

 再入場も可能なのでメインスタンド方面の店舗も覗きつつ昼食を調達し(近隣の群馬県太田市弁当屋で唐揚げ丼が美味かった)、試合開始。再入場方法など不明点はスタンドやコンコースにいるボランティア?スタッフの人に聞くとすぐに案内してくれた。

 ようやく観戦記になるが、正直ラグビーは細かいルールまで把握してないので、あまり語れることは無いのだが、試合中もスタジアムDJや解説者の会話が場内に流れるのは驚いた。特にファールがあった時にその理由を伝えてくれるので助かった。ラグビーのファールは、パッと見て分かりにくいものが多く、主審の笛が鳴った後に「今の反則の理由は何か」と考えることが多いので。一方でこういった場内DJが流れるのを含めての観戦スタイルなのだろうし、今のコロナ禍が終息しても場内の雰囲気はさほど変わらないのかなとも感じた。サッカーの場合、やはり試合中のチャントが響いてこそと思うし、今はそれとは違う別世界と自分では思っているが、ラグビーはその点あまり違いは無いのかなと。
 試合そのものはワイルドナイツが前半シャイニングアークスに0-10でリードされるも、どの球技でも強いチームは試合時間トータルで力の配分を計算して結果を出すよなと思っていたのだが、やはり後半開始から選手交代含めてギアを上げて一気に逆転。ただSアークスも特に15番のフォラウが個人技でチャンスメイクして追いすがったので接戦になった。ラグビーに関してワールドクラスとそれ以外の違いがまだよく分かっていない面がある(サッカーならテクニック、フィジカル、メンタル等から選手のレベルをある程度推し量れる)のだが、このフォラウという選手は長身かつフィジカル、スピードを備え「違い」を作れる選手なんだなというのが一目瞭然だった。調べたら豪州で色々あってほぼ代表含むキャリアは断たれた結果、今日本でプレーしている選手とのことだったが。
 その他観ていて面白かったのは、ワイドに展開して攻める際に、両チーム共に斜めに走る動きを意識していた点。守る側からすれば当然ながら正面より斜めに来られる方が捕まえにくいし、サッカーでもマークを外したりDF裏に抜ける動きでこうした斜めの動きが重視されたりするので、そうした共通点を感じるのも楽しかった。
 接戦と書いたが、終盤にSアークスが同点に追い付くも、ワイルドナイツがその直後に突き放すトライを取ったのはさすがだった。球技を問わず強いチームは取りたい時に点を取れるものだなと。31-24でワイルドナイツの勝利。

 SNSを見ていると試合の雰囲気作りという点においてホームチーム寄りの運営or(日本で信じられているラグビーらしさという意味での)両チーム公平に、という議論があるようだが、まだ日本ではクラブチームにそこまで帰属意識だったり入れ込む人が多くはなく、ラグビーそのものが好きという人に支えられている故に起こっている議論という気もしている。例えばワイルドナイツもこの熊谷で10年20年活動していけばいずれ「物心付いたときからこのチームを観てました」という世代が現れて、スタンドの空気も変わるかもしれない。
 ただ今日のスタジアムを見て思ったのは、来てる人は総じて善男善女だなと。皆恐らく一定の教育水準で良識を備えた好人物なのだろうけど、社会は必ずしもそうでは無い。Jや代表戦のゴール裏にいけば、サッカー好きという以外に全く価値観や会話が合わなさそうな連中も(一部ではあるが)いたりするが、それを含めて試合の90分だけはそのチームを応援する空気が作られて、そして試合後は皆それぞれのコミュニティに戻っていく。そのダイナミズムに親和性を覚えてしまう自分としては物足りなさを感じたが、それはそれでラグビーの独自性でもあるのだろう。

 試合後はすぐにスタジアムを出て熊谷駅行きのシャトルバスに乗り、帰りは新幹線で帰宅。

J1第6節 横浜M×FC東京(日産)


 新年度最初の試合。今年は3/31が木曜、4/1が金曜で目まぐるしかった。今日は19時開始だったので試合前にIKEAに寄りつつその近くにある桜の名所へ。

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桜・小川・チューリップ

あまりメディアで取り上げられることの無い穴場で、地元民中心に賑わう場所。ここともう1箇所、実家近くの桜並木は毎年外せない。

 2箇所の桜を愛で、実家に寄ってスタジアムに向かったが、今日は30周年記念試合ということでこんな展示も。
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スタグルに並んだので着席したのは開始直前だったが、前半早々に西村のヘッドでマリノスが先制。これはジャンプの高さ、滞空時間の長さが素晴らしかった。色々なことが出来る選手だなとは思っていたが、こんなプレーも出来るとは知らなかった。マリノスの前線は基本ターンオーバーで欠場する試合もあるが、このままいけばリーグで二桁取れるはず。
 ただその後は東京が前線のプレスを強め、アダイウトン、紺野の両サイド起点にチャンスメイクするシーンが多かった。特にマリノスから見て左SB永戸とCB角田の間を狙われてパスを通され、裏に抜け出されるシーンが2度ほど。ここは高丘の好セーブやシュートが枠外になったりで救われた形。そんな中でマリノスは自陣深くでボールを奪われ、それを繋がれて最後は安部に決められ同点。東京としては対マリノスとしてこの戦法だったのかもしれないが、選手の顔触れを見ても、このサッカーと親和性の高いメンバーが多いようにも思う。そのまま1-1で前半終了。
 後半は頭から水沼が右サイドに入り、開始早々にその水沼のクロスをA・ロペスが合わせてマリノスが勝ち越し。今日の水沼はクロスが常にゴールの匂いがした。というかクロスを上げるときは常にフリーで抜け出している状態だったので、そういうチーム戦術込みで素晴らしかったと言えるけど。東京は後半からアダイウトン→永井という交代で左サイドの迫力が弱まり、前半飛ばしすぎて息切れしている感もあった。そんな中で半ば過ぎに松木が2枚目のイエローで退場。これでほぼ勝負あり。
 退場した松木はやはり見れば見るほど本田に似ている。左利き、接触を厭わない負けん気や、小技よりも視野の広い展開力に強みがある点など。今日はそれが裏目に出たが、徐々にチーム内で立場を築きつつある印象。
 試合はこのまま2-1でマリノスの勝利。ベンチに水沼、レオ・セアラ、藤田、仲川を置いて途中から出せる選手層の強みは確実にあると思う。今後リーグ戦は2試合ともアウェイ、その後はACLで海外に飛んでしまうので、次のホームは5/7と1ヶ月後。4/10アウェイ鹿島戦は日曜だがシーズンを占う重要な試合という予感もあるので現在検討中。
 

カタールW杯最終予選 日本×ベトナム(埼スタ)


 今回も友人の誘いがあり、去年の豪州戦以来の予選へ。都内の事務所からでも1時間以上掛かるため、前回の様に赤羽の3rdオフィスを使うか、と思って調べると何と浦和美園の隣駅、東川口駅前に3rdオフィスが1つあったので予約。ただし仕事が詰まって昼に移動する暇が無いため朝向かうことになった。仕事で7時前に家を出たのはかなり久々。埼京線武蔵野線と乗り継いだが、乗換の武蔵浦和駅に着く頃は丁度通勤ラッシュ帯で、これもまた久しぶりだった。
 隣駅なのでこれまでの平日埼スタ行とは違う余裕をかましていたのだが、夕飯用に駅前のモスバーガーに行ったら思ったより並んでいてここで20分程掛かり、この東川口駅武蔵野線からの乗換で埼スタに向かう客が多い上に、やってくる電車は既に超満員状態でなんとか体を押し込んで乗車という有様。駅で友人と落ち合ってバスでスタジアムに向かったのだが、現地周辺は大渋滞でここでも想定以上の時間が掛かってしまった。丁度バスを降りた時にスタメン発表で、開始10分程前に着席。

 スタメンは事前に監督が公言していた通り大幅な入れ替え(9枚)だったが、GKが川島だったのは意外だった。てっきりシュミットか谷(出場なら代表デビュー)かなと。GKとCB1枚に代表歴豊富な選手を置くという監督なりのリスク管理だったか。試合後、谷は(出場可能な選手を全員ベンチ入りさせるため)FP登録だったと知ったが、同時に現時点のGKの序列は権田→川島→シュミット→谷なのも分かった。川島はW杯メンバーなら39歳と日本のW杯メンバー史上最高齢で、これはベテラン枠として第3GKで入った南アの川口(当時34歳)よりも年上になるが、ベテランとしてチームを盛り上げるだけでなく、権田のサブを務める存在ということか。
 試合は前半からあまり噛み合ってない感じで、単発で三笘や久保がサイドを突破するシーンが目立った程度。中盤3枚は総入れ替えだったが、ここだよなぁ。今日の3人は、特に旗手、原口は運動量豊富だが攻撃に特長のある選手で、レギュラーの遠藤、守田、田中碧の様な連携やプレースタイルとは別のサッカーになってしまう。柴崎もアンカーだったが本来は少し前よりの選手だし。序盤は一緒に観た友人の言を借りれば「ベトナムは活躍すればJへの移籍の可能性が生まれるので必死、日本は怪我しない様にプレー」という内容。
 そんな中でCKから普通に合わされてベトナムに先制を許す。場内のリプレイで見ると、競り負けたのは中山だったのは残念だった。最近のこの選手への期待は長友への評価が下がっている裏返しの面もあるが、そもそも全く違うタイプなのでスタメンとして出た時に自分の特長をもっと出さないといけない。守備の強さ、高さは武器だが、あくまでCBが左SBをこなしているという感じで、これで右が酒井なら相当堅いのでW杯本戦では効きそうだが、もう少し縦突破の数を増やして欲しいところ。先制された後からやっと日本も動ける様になって、こぼれを確実に拾って押し込む様になるが0-1で終了。

 後半は頭から旗手→伊東となってよりサイドを使うようになり、サイド→中央とボールを運んで、原口のシュートのこぼれを吉田麻也が押し込んで同点。あの場面でそこにいるのもそうだが、反応の速さに、ビビってプレーしてんじゃねぇぞ、という主将としてチームメイトへのメッセージを感じた。
 その後もほぼ一方的に押し込んで、VARで取り消しゴール含むチャンスが幾つもあったが、最後までゴールならず。見ていて、中央に楔を入れ、落としを後ろから走り込んでシュートというパターンが多かったがこれはチームとして狙っている形の1つなんだろうな。1-1で試合終了。

 全体的には今のチームは川崎のメンバー、プレーリズムが基本だよなと。特に後半15分頃に守田、田中碧を入れた後はピッチ上の新旧所属が谷口、山根、三笘を加えた5名となり、ボール回しのリズムがフロンターレ勢とそれ以外で微妙に異なって見えたほど。それだけに上で述べた、中盤の替えの効かなさにも繋がってくるのだと思うが。三笘は今日はフル出場した点に於いて、かなり期待されているのを感じた。サイドの本大会エントリー枠をレギュラー+サブで4とすると、伊東、南野に続く残り2枠を久保、堂安と3人で争うことになるはず。今回は堂安が招集外だったが、久保の落選も決して無くはないと思う。U24ではともかくA代表では過去の出場で惜しいシーン、瞬間的に魅せるシーンはあったが、未だノーゴールで、試合を通してチームに貢献した、というのはそれ程無い。特に今W杯は欧州のシーズンが始まった後に開催される異例の大会で、新シーズンに、例えばレアルに復帰して出番が限られたりすれば、と。まぁこれは他の欧州組全員に言えることだが。

 とあくまで試合に焦点を当てて書いたが、やはりベトナムサポについて触れない訳にはいかない。今日はアウェイエリア以外にもバクスタやホームゴール裏にまで数人1組のベトナムサポが点在していて、ゴール時は皆大きな国旗を掲げるのでよく目立っていたが、殆どは留学生もしくは移民2世、3世と思われる若い人達が多かった。男女ともに服装はパッと見だと日本人と変わらず、言葉で分かるというレベル(ユニや国旗身に付けたり、赤鉢巻きしているのは目立ったが)。試合を観ながら、ふとドイツがホームでトルコと対戦した時に、現地のトルコ移民がスタジアムジャックしたシーンを思い出した。今日は人数自体はジャックされた訳では無いが、身近にいる異文化との真の「交流」、もっと言えば衝突を体感したのも事実だった。「多様性を尊重しましょう」という美しい言葉のリアルとでも言うか。スタジアムを出れば並んで駅まで歩き、同じ電車に乗って帰る訳だが、要は我々のホームをルール無視の傍若無人で荒らすなよ、と。声出し(の解禁)に賛成/反対って次元の話ではなく。ただこうした綺麗事では無い交流が逆に相互理解を生むきっかけにもなると思うし、それこそがサッカーの持つ面白さ、ダイナミズムの1つであると思う。綺麗な世界だけ観たい人には耐え難いものかもしれないが。そんな事を考えながら日付が変わる少し前に帰宅。

J1第5節 横浜M×鳥栖(三ツ沢)


 数日前から雨予報だったんで迷ったがチケを買った以上(年チケでも三ツ沢開催時は別途購入)結局は行ってしまうものだ。たださすがにここまで寒い&風雨が強いと思わなかった。仕事の為横浜駅に着いたのは19時丁度でタクシー乗り場に行ってみると既に長い列。

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横浜駅西口タクシー乗り場の列

旧駅ビル時代はタクシーだけで車線が4レーンあり、並んでも次々に客は捌かれていったのだが、今は歩道を拡張した分車道が狭くなり、タクシーレーンも↓の様に1本のみ。西口に出た客は右手のモアーズ、左手の高島屋方面に流れるか、地下のジョイナスかという導線なので拡張した中央部の歩道は広く取り過ぎたんじゃ無いかと。
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 20分後にようやく乗れてかなり不機嫌だったが、運転手のオヤジさんがなかなかいい人でそのキャラに癒やされた。今日は三ツ沢を3~4往復しているらしい。11年前の3/11当時の話(道はどこも大渋滞、途中ガソリンが切れた仲間の代走もしたらしい)などしながら前半30分に差し掛かる頃にようやく着いてポンチョを装備して着席。
 前半は15分程度しか観ていないのだが、雨が思いの外強く、↑の写真の様に既にピッチ中央には水溜まりが出来てボールが止まる状態。お互いサイドに蹴り出して打開しようという狙いだった。
 後半もそれは変わらず、もう殆どサッカーになってなかった。ただ、相手ゴールに近付く場面は鳥栖の方が多く、特に中盤はこのピッチでも球際の強さとキック精度もあって中央から左の岩崎に展開というシーンが何度かあった。昨季の主力が殆ど移籍した中で引分けも多いが今日も入れて未だ無敗。若い選手と若い監督が上手く噛み合っている印象。去年17歳でU24にも選ばれていた中野も(恐らく)初めて観たが、守備時は体の入れ方が上手く、アジリティもあるので上手くターンして相手ゴール方向に向きを変えてプレー出来る選手で、指導如何では幅広く何でもこなせる万能SBになる予感。
 マリノスは後半は殆どチャンスらしいチャンスが無く、終盤にようやく幾つかシュートやゴール前でのFKがあった程度。途中からはンダウ ターラも登場。↓

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ンダウ ターラ(写真中央)

 去年オフに獲得して即町田にレンタルされるも出場僅か2試合でどんなプレースタイルかよく分からなかったが、今日観た限りでは更に粗削りな神戸のリンコンという印象。ファーストタッチではスルッとドルブルで抜けて相手ゴールに近付いたが、その後は重馬場ピッチでボールタッチに苦戦してボールを奪われるシーンが多かった。このピッチだからゴリゴリ前に突き進むプレーを期待されたのかもしれないが、控え目に言ってもあまりに原石過ぎるというか・・・。まぁ前田みたく中央でワンタッチゴーラーに変化する可能性も無くは無いが。

 三ツ沢、大雨、0-0というとその昔学生時代にナビスコ杯の名古屋戦
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を友人達と観に行ったのを思い出した。終了の瞬間に席を立って病院前のバス乗り場に行ったのだが、今日は臨時バスは出ておらず、三ツ沢上町、下町を経由する大回りの路線バス横浜駅行きのみ。早く出たお陰で無事乗れたが、あのまま待っていたら寒い中かなり消耗していただろうし、歩道橋を越えて浅間下経由の路線バス乗り場まで歩く力も無かったので助かった。いつもなら横浜駅でラーメンか汁物を入れるところだが、まん防終了前で店は閉まっているので、仕方なく地元のスーパーで総菜を調達。