- ソウル・仁川行(最終日)
最終日は試合を観て帰るだけなのだが、午前中はソウル市内を散策。キャリーケースは業者に頼んでホテルから空港まで配送して貰うので、身軽に動ける。初日も朝ホテルで荷物を預かってもらったし、駅や繁華街のコインロッカー探しに費やす時間を節約出来たのは何気に大きかったな。
ホテルをチェックアウトした後はソウル駅へ。
旅行期間中予報ではずっと雨だったが、降られたのは初日の朝と2日目の夕方以降くらい。3日目はこうして陽も出てきた。ソウル駅に着いた後は駅前を少し散策し、構内をブラブラと。
10:30以降は併設されているロッテマートも開店したので、昨日に続いて少し中を見る。また色々違いが見えて面白かったが、パン売り場で大きなスペース取ってたこのミニパンケーキは日本ではあまり見ないな。韓国では一般的なのだろうか。
そんな感じで駅で時間を潰した後は地下鉄で1駅の南大門市場で昼を食べてからスタジアムに行こうとしたのだが、あまり店は開いていなかったり、食べたいものが無かったのもあって、屋台でトッポギを買うに止めた。
南大門市場からスタジアムまでは地下鉄を一度乗り換えるのみ、その名も「ワールドカップスタジアム駅」で下車して目の前にある。昨日の仁川の2つの競技場もそうだが、韓国はスタジアムの目の前までしっかりと鉄道が通っており、駅から10分、15分歩かせることは無い。日本ではそれが当たり前だからか「サポならこれくらい歩ける」みたいな話も出てくるが、アクセスが良いに越した事は無いんで、今後はもう少しこの点も意識したスタジアムを願う。その意味では広島、長崎の新スタはアクセス面でも良さそうだが。
スタジアム傍にあるグッズショップに寄った後は昨日と同じく前売りは買えなかったので当日券を購入。バクスタ2階中央付近の席で価格は19000ウォンと昨日と同じ。スタグルは昨日より店舗数が多かった。ただ持ち金が残り少なくなってたので購入は断念。
入場後、スタジアム内を少し散策。
築20年以上経つが、シンプルな構造だけに古さは感じさせない。今後も座席や通信インフラなどを更新していけば十分使用に耐え得るのではないだろうか。このシンプルかつピッチに近いスタンドの形状、ってのが日本には少ないんだな。球技場でもゴール裏がピッチから離れていたりで。パナスタの登場でようやく球技場のスタンダードが確立されつつあるという印象。
昨日と同じく試合時間が近付くにつれて自分の席周辺も人が増えてきた。FCソウルは今年で40周年らしくチケットにもそれが印字されていたが、試合前には80~90年代に所属したレジェンドが駆け付けて始球式の様なものをやっていた。
- 試合
今日は3位4位対決で、3位光州FCは今季昇格したばかりのチーム。試合はいきなり動き、4分にエリア内でボールを受けた光州のCFが振り向き様シュートを決めて先制。このCFは長身でいかにも韓国にいそうなタイプのFWという感じだったが、調べると2001年生まれで五輪代表歴もあるので、もしかしたら五輪の最終予選にも出てくるかもしれない。その後も基本ソウルがボールを支配しつつも要所でカウンターからゴール前に近付く光州の試合運びの上手さが印象に残った。「ボールを支配されつつ、実は試合を支配している」とでも言うか。サッカー自体は昨日観た2チームとそれほど変わらないのだが、全員が惜しみなく走り続ける献身性はより際立っていた。
ソウルは押し気味ではあったが少し淡泊な印象。このチームには奇誠庸がいて、落ち着いたボール捌きやロングパスなど視野の広いプレーは他の選手に無いものだったが、プレーがあっさりし過ぎて試合をコントロールするってほどでも無かった。ただ韓国ではこのタイプは希少なんだろうなとは思ったな。ソウルはかつて髙萩洋次郎が活躍し、リーグ有数のプレーメーカーという評価だったそうだが、2試合観た後ではそれがよく分かる。
後半も同じ展開でソウルにもチャンスは何度かあったが光州が体を張って守り失点許さず。ソウルは左サイドの7番のウイングが仕掛けてチャンスを作る場面が多く、いかにも韓国にいそうなタイプだしいい選手だなと思って調べたら元FC東京のナ・サンホだった。帰国後は代表定着してカタールW杯にも出たし、今のKリーグでは有数の選手なのだろう。
ただ追加点は光州、少ないチャンスをものにした、と思いきや直前のプレーがファールかのVARチェックが行われた後、ノーゴール判定。その後もソウルが攻め込むが最後までゴールできず、光州の勝利。光州にしてみればアウェイで魂の勝利というべき戦いだった。
このように勝った光州の選手が倒れ込んでいるのがこの試合を物語っている。
今日の観衆は約2万で、このスタジアムではさすがに空席が目立つが、サポの声はよく響いていた。ゴール裏だけでなく自分の座っているエリアもチャンスやカウンター、ソウルの被ファール時などは一気に沸く。
声出しという点でゴール裏とそれ以外の差が日本より小さい印象を受けた。日本だと「声出すのはゴール裏、後は手拍子」みたいな明確な線があるが、ここではさすがにチャントを歌うのはゴール裏位だが、試合展開に応じて歓声を上げる場面が多い。恐らく、普段から(大)声を出す事が当たり前かどうかの話なのだろうと思う。隣に座っていた若い父親と小学生位の子供の2人連れも親子揃って大興奮の観戦と言った感じで、ゴール裏のブーイングに合わせて子供がブーイングしてもなんやかんや言わない。日本は日本で良さがあると思うが、すぐ真面目に「サポ道」というか「応援のあるべき姿とは」、「○○すべき」、「こんな良くないことがあった」みたいな話になりがちなんで、もう少し気楽に観たいものだと思ったりもした。
- 試合後
試合後は空港へ直行。スタジアム最寄駅から1駅乗ると初日に乗った空港鉄道との乗換駅になる。40分ほど乗って17時頃に第2ターミナルに着き、ホテルから送ったキャリーケースを受け取ってチェックインや諸々手続きを済ませ、残りの金で夕飯を食って(最後はスンドゥプチゲ)出発を待つ。この第2ターミナルは相当広く、ゲートを通ってから10分以上歩かされた。20:30に離陸。行きの飛行機では出なかったので忘れていたが、帰りは機内食が出た。
約2時間の飛行後、眼下に三浦半島が見えてきた時は帰って来たのを実感。
飛行機を降りたのが23時過ぎ。行きで羽田に着いたのが23時過ぎだったから正味72時間の旅だった。韓国は昔から感じていることだが、パラレルワールドだと思っていて、似ているようで違う、違うようで似ている様が面白いし興味深くもある。日本の2002年W杯会場は全て行ったし次は韓国、と言いたいところだが、初回でソウル、仁川という近場を攻略し、後はソウルから遠ざかるだけなんで大分ハードル高い笑。近場の1人旅なら台湾も良いが、観戦旅ならまた欧州行ってみたい。