J1第36節 浦和×横浜M(埼スタ)


 埼スタは先月以来となるが、Jでは去年2月のスーパー杯、浦和の試合となると2年前のACL決勝以来か。スーパー杯の時は既に新型コロナウイルスという存在は認知されていたが未だ従来通りの観戦スタイルだったので、もはや遠い昔の様に感じる。そもそも今日の自分のチケ自体が「ワクチン・検査パッケージ」という当時は存在しなかった種別だった。また今日の両チームを見ても特に浦和は2年前から人もサッカーも大きく変わり、今季を以て阿部が引退、槙野、宇賀神は契約満了と来季も変化は続く。浦和は新監督を迎えて新しいサッカーに取り組み、シーズンが始まっても補強で監督の志向に合う選手を少しづつ集めている点が18年のポステコグルー初年度のマリノスに似ていて気になっている。春先に対戦した時はまだチーム作りの途上といった感じでマリノスが3-0で完勝したのだが、その後国内外から新戦力が加わって徐々に監督のサッカーも浸透してきた中でどうなるのかというのが興味のポイントだった。
 序盤の10分程はマリノスが完全に押し込む展開が続いたのだが、決定機は生まれず。ここ最近前半は低調、後半巻き返すパターンだったが前節で何かが変わったのだろうか笑。ただ半ば頃には浦和もカウンターでマリノス陣内に入るシーンが出始め、そしてセットプレーから先制。これで更に浦和は持ち直した形になって前半が終わった。
 後半は開始早々カウンターから浦和が流れるようなパス回しから最後は田中が流し込んで2点目。その後はマリノスがまた押し始め、特に終盤15分はかなり押し込みレオセアラが1点返して2点目のチャンスも十分にあったが最後は浦和の守備陣が踏ん張ってそのまま1-2で試合終了。マリノス埼スタのレッズ戦は相性が良い印象だったが、敗れたのは2015年以来らしい。

 今日以外の試合を含め、R・ロドリゲスのサッカーを表現するなら「手堅いポゼッション」「究極のバランス志向」とでも言うべき独特のスタイル。最終ラインから個々の位置取りを決めて丁寧にボールを繋いでいく、と書くと19年マリノス、あるいは近年の川崎やかつてのG大阪、磐田の様なサッカーを想像するが、実際は守備時はしっかり引いてブロックを作り、後ろのスペースを空けてまで前輪駆動で攻めたりはしない。かといって攻撃が個人任せかというと必ずしもそうではなく、今日の2点目の様に複数人が絡む見事な連携も見せる。
 という感じなので相手を押し込んで大量点を奪うよりかは、リスクマネジメントしつつ結果的に今日のような2-1などロースコアでしっかり勝っていくことを目指しているように見える。まぁこのサッカーに限らず上位を狙うためには、守備、中盤、前で軸となる選手は必要だとは思う。マリノスもチアゴ(と畠中)いてこその今のサッカーでもあるし。その意味で今日の浦和のスタメンは守備はシュルツが纏めていたが、中盤から前は試合をコントロールするには経験の浅いメンバーが多かったかな。FWはユンカーが軸だとは思うが、中盤にも阿部の様な技術とキャプテンシーを持った選手が1人要るようにも。因みに今日後ろに座っていたレッズサポ中年男性2人組からは平野への駄目出しが多く聞こえてきた苦笑。

 マリノスについて。序盤、終盤に押し込んで2点目を取れなかったのは不運な面もあったが、9/11広島戦(○3-1)以降、前節を除いてリーグ戦で3点以上取れた試合が無いのも事実。ここ最近見ていて思うのは相手陣内ゴールライン際は埋められてなかなか侵入出来ない中で、より浅い位置からのクロスが増えているなと。今冬の選手のin/outにも依るが、前田が移籍したら前線は空中戦に強いタイプを置いてのクロス攻撃がメインになるような気もする。その場合は杉本は完全移籍となるだろう。ポステコグルー時代の積み上げでボール回しはスムーズだが、現監督の志向とは微妙に異なる故のゴールの少なさという気もする。暫定松永氏やマスカット就任当初は大量得点で勝っていたのに、よりマスカット色が出始めると今の状況となり負けも増えていった。来季に向けては浦和同様軸となるタレントが必要と思うが、それはまた追々。

 14時開始だったので終了時は陽が傾いて良い雰囲気だった。

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試合終了後の埼スタコンコースより

 こうした光景を見る度に、秋の深まりとシーズンも終盤なのを実感する。