J1第30節 横浜M×札幌(日産)

  • 2か月ぶりJ1観戦

 前回書いた通り、8/18福岡vs新潟戦以来2か月ぶりのJ1。日産で昼の試合も久々だな。新横浜駅から歩いているとスタジアムまでに(恐らく)タイ語を話すグループに何組か出くわした。札幌のスパチョークを観に来たのだと思うが、やはり自国人がプレーするのを観に行くというのは万国共通なんだなと。もしかしたら観光客では無く日本に在住しているしている人達だったかもしれない。ここ数年、特に首都圏のスタジアムではホームチームのユニを着た外国人を多く見掛けるが、観光であれ移住であれその土地のスポーツを観に行こうという動機もまた万国共通。
 14時からだったのでスタジアムに到着後に昼飯を調達しに行ったのだが、人が集まる東ゲートの店はどこも長蛇の列だったので西ゲート側に移動し、最終的にバインミーに。日産でのスタグルというと丼物か汁物だったんでたまにはこういうのも。

バインミー

 フランスパンに具材を挟んだベトナムの料理だが、トースターで焼いたパンはほど良くカリっとしていて上手く嚙み切れる硬さなのは個人的に好みだったし、美味かった。

  • 試合
試合開始前

 先週ルヴァン杯で敗退した直後、しかもCB陣に負傷者が続出して今日のCBは實藤と喜田というコンビだった。ただこうしたCBの緊急事態は昔からそれほど心配してないというか、出た選手で上手く対処する印象がある。少なくともレギュラーCBが不在で控えや他ポジションの選手が急遽対応→守備破綻というような単純な事例はあまり記憶にない。
 試合が始まると札幌に攻められる時間が長く、大きなサイドチェンジや最終ラインからのビルドアップによって自陣ゴール前まで迫られるシーンが何度か。ゴール前では上手く対処して無失点に抑えていたが、前半のこの内容はCBどうこう以前の問題でもあったな。札幌は個々の選手もマリノス側が寄せても1~2人くらいなら普通にマークを剥がしてボールを運ぶ技術の高さがあった。ただここがミシャサッカーたる所以なのだが、サイドチェンジやパス交換で相手ゴール前に近付いた後は自由というか個々のインスピレーションに全面依存な所があって、そこを上手く抑えればシュートを限定する事が出来た。
 そんな中で前半半ばにカウンターで抜け出した宮市が冷静に決めて先制。このままはハーフタイムを迎えたが、前半の内容からすると超上出来な結果。

 後半も札幌が押す時間が続き、GKとの1対1もあったがこれは一森がセーブ。その他何度か札幌にチャンスを作られたが無失点で凌ぎ、後半半ば過ぎに途中交代で入った杉本健勇がクロスをボレーで合わせようとしてダフってしまったのだが、このシュートが丁度上手くGK頭越しのループになって2-0。この選手というと6月のアウェイFC東京戦で、ベンチ外メンバーにも関わらず試合前にピッチでダッシュを繰り返していたシーンが思い出される。あれから4か月、負傷者続出という緊急事態ではあったがそこでベンチ入りして試合に出たら結果を残す辺り、カルトヒーローというのはこういう選手を指すのだろう。
 その後も札幌が攻めるも良い形でボールを奪ったマリノスが決定機を迎えるという場面が続き、ATにはその流れでエウベルが左から自分で持ち込んでゴール、直後1点返されたがすぐ後にまた植中が決め、最終的に4-1で勝利。
 
 正直スコアほど内容や決定機の数に(特に3点目を取るまでは)差は無かったと思うが、このサッカーを相手にすると4-1にも1-4にもなり得る極端な結果になる印象がある。とにかくにも勝点3を取って神戸を追走。残り4試合で4差だから十分チャンスはある訳だが、今日のスタジアムの雰囲気はどこか長閑な印象もあった。バクスタのややアウェイ寄りで観てたせいもあるだろうが、優勝争いの緊迫感というよりは秋の午後にのんびりとサッカーを観ようというような雰囲気。観衆も例えばこれがホーム最終節で勝てば優勝となるといきなり6万で埋まったりするのだが、横浜市民の気質なのかマリノスの位置付けがその程度なのかは分からないが、優勝という結果には興味はあるが、その過程にはそれほどでも無いというのは昔から変わらない。
 選手個人だと今日はスタメンの植中に注目していた。これまでカップ戦では結果を残していたがリーグ戦では出場機会が限られていた中で今日はリーグ初スタメン&初のフル出場で1ゴール。まぁ終了間際のダメ押し4点目ではあったし、押されている時間帯にしっかり結果を出した宮市、杉本(よく考えたらこの2人は2009年U17W杯に出たプラチナ世代)がさすがだったとも言えるのだが、カップ戦で実績を積んでリーグでも結果を出したということで今後に期待。やはり伸びる選手は最初は限られた出場機会の中で爪痕を残し、そこから徐々に出場時間を伸ばして結果も出しながらスタメンを勝ち取り、ついにはレギュラーとなると思うので。年齢的にも22歳というのは決して若くは無いのでリーグ戦でもポジション争いに絡んできて欲しいところ。

 札幌は何度かあった決定機を決めていれば結果は分からなかったと思うが、それよりもこのサッカーを観ながら安心感も覚えたというか感慨深い思いになったりもした。ミシャも来日して15年経つが、相手としてこのサッカーを観るのもそれだけの年月が過ぎ、広島→浦和→札幌とチームは変われど同じサッカーで同じ様にやられ、同じ様に攻略し、と。似た感覚をネルシーニョにも抱いていたが、今年Jを去った今はそんな感慨を抱くのはこの人くらい。

アウェイ側
  • 試合後

 そのまま直帰したが、14時だと帰りも丁度夕方になって良い。ようやく気候的に観戦(とプレーに)に適した季節がやってきたが、気が付けばもう10月下旬なんで、あっという間に年末が来て1年が終わるのだろう。そんな事も感じた一日。