年間表彰2020(前)

 例年なら年末に発表する当blogの日本サッカー年間表彰だが、今年はリーグ最終節が例年より2週遅く、またルヴァンの決勝も年明け順延という状況を踏まえ、年を越しての発表とした。まぁ代表戦に関してはそもそも親善試合4試合しかやってないのだが、その中から敢えてということで。ただベストゴールについては総ゴール数が2でその内1点はPKなので今年は該当無し。ちなみにその1点はコートジボワール戦終了間際の植田のヘッド。

■年間ベストマッチ
※過去の受賞試合(画像クリックで拡大)

1位:コートジボワール戦(○1-0/2020.10.13/親善試合@ユトレヒト
 4試合から選ぶとすれば相手の強さ、結果を踏まえてこの試合かなと。ゴールは最後の最後だったが、開始からバランスの良い好内容だった。個人では遠藤航の対人守備の強さが印象深く、ブンデスで高い評価を得ているのも納得。

■年間ワーストマッチ
※過去の「受賞」試合(画像クリックで拡大)

1位:メキシコ戦(●0-2/2020.11.17/親善試合@グラーツ
 4試合の中では最も強い相手ではあったが、強豪との距離を測る上での貴重な試合だった。森保氏は選手の自主的な判断に任せる部分が大きい分、こういう強豪相手の親善試合では当面こういう内容が続くようにも。なおこの試合に限っては濃霧の印象度強し(笑)
 
■年間ベストゴール
※過去の受賞ゴール(画像クリックで拡大)

前述の通り今年は表彰無し。

■最優秀若手選手(U-20)
※対象は2000/1/1生まれ以降の選手
※過去の受賞者(画像クリックで拡大)

1位:瀬古(C大阪
2位:久保(マジョルカビジャレアル
3位:谷(湘南)
 これが今年夏までだったら2年連続で久保だったが、ビジャレアルであまり輝いていないというのを考慮して2位。1位はJのベストヤングプレーヤーと同じく瀬古で。J1で4位に入るチームのレギュラーCBというのはやはり大きい。
 3位は海外組でも菅原(AZ)などいて迷ったが、今年特に台頭が目立ったGKからということで湘南のを。まだ東口の牙城は大きいと思うので、今年もレンタルで試合経験を積んで欲しい。
 数年前は試合に出るU20世代自体が少なく、チームで準レギュラー格でもこの表彰でランクインすることもあったが、去年は若い選手が数多く出場機会を得た。過密日程&交代枠5名の影響も大きかったと思うが、特に2000年生まれ以降の世代はそのすぐ上の世代に比べてもより現代サッカーに適した素材が多い印象がある。この世代でJ1で15試合以上出場したのは23名にもなり、また今年の高卒1年目世代(01年度生まれ)だけでなく現高校3年世代からも鳥栖の中野(14試合)、湘南の田中(17試合)など一定の試合に出ている選手が出ている。ここまで来るとパリ五輪世代になるが、東京五輪の選考でも一気に有力候補になる選手が出てきて、層の厚みは増した。


■最優秀監督
※過去の受賞者(画像クリックで拡大)

1位:鬼木(川崎)
2位:片野坂(大分)
3位:長谷部(福岡)
4位:下平(横浜FC
5位:小林(北九州)
 この選考は元々タイトルを獲った監督だけでなく、手持ちの戦力に比べて好結果、内容を残した監督を評価したいという趣旨で始めたものだが、まぁ今年はリーグと天皇杯の2冠&圧倒的な攻撃力というサッカーそのものからこの人しかいないな。これまで結果を出してきたサッカーを変えて更にチームをグレードアップさせたというのが素晴らしい。多くの人が指摘しているが、やはり19年33節のマリノス戦(アウェイのマリノスが4-1勝利)がターニングポイントだっただろうか。
 これまでのやり方を変えたという点では5位小林氏もこれまでのイメージを覆すサッカーだった。改めて過去の選考を見返したが、山形、徳島、清水に続く4クラブ目でのランクイン。どのクラブでも一定の結果、内容を見せる点においてまさにプロの監督。
 2位片野坂氏はこの選考の常連だが、今年は過密日程という状況でしっかりリーグで11勝して11位。同じく4位平氏も今年は降格が無かったとは言え昇格チームを率いて若い選手を積極起用しての15位フィニッシュということで。
 3位の長谷部氏はJ2優勝の徳島と同勝点の2位ということでの選出。この人も桐蔭の李国秀氏の教え子なんだよな。以前も書いたが今Jや協会で活躍する監督には
マツダ~広島系統(森保、高木、小林、片野坂、森山 等)
住友金属~鹿島系統(鬼木、相馬、手倉森、関塚、石井、大岩 等)
の2系統あると思っていて、桐蔭の李国秀門下生はそれに続く第3勢力になるのではと期待している。今年山口の監督に就任する元仙台の渡邉氏や解説者の森岡氏、戸田氏など。まぁもう李氏は桐蔭では教えていないのでその数も限られてしまうのだが、育てて勝つ広島系統、勝負に拘る鹿島系統とはまた違った理詰めに考えるサッカーという印象があるのでそうしたスタイルの違いをJに持ち込んで欲しいなと。

 前編はここまで。後編かつメインのMVPは現在絶賛投票回収&集計中につき、連休中には・・。

天皇杯決勝 川崎×G大阪(国立)


 何気なく申し込んでみたチケが当選してしまったため、2021年最初の観戦は去年と同じく天皇杯の決勝にて。14:40開始ということで昼は行く途中、渋谷辺りで食べようかと思っていたが、ふと国立ということでホープ軒を思い出して入場前に。ここも福岡の長浜屋と同じで何故かクセになる味。

ホープ

 今回は同じ3階席でもバクスタアウェイ寄りを選んだのだが、抽選販売後の一般販売中止もあって自分の列はそれほど人がおらず、こうした決勝では珍しくのんびりとした観戦となった。入場後は試合までまだ1時間以上あったのでコンコースなど場内設備を見て回った後で試合開始。

 試合前の予想としては意外とガンバに勝機はあるのではないかと。直近の対戦では川崎が5-0で圧勝してリーグ優勝を決めたが、カップ戦決勝では得てしてそういった結果がフラグになるものだし、ガンバは当然分析して対処する中で決勝特有の1点勝負になったらどうなるか分からないなと。
 と言う中での前半は川崎が押し込みつつも決定機を逃して0-0。ガンバも前半早々にパトリックが頭で合わせてネットを揺らすもオフサイドというシーンこそあったが、それ以外は前にパスが繋がらず後ろで堪え忍ぶ展開だった。それでもガンバは井手口が負傷?で不在とは言え矢島、倉田、パトリック、宇佐美という1本のパスからゴールに結び付けられるタレントがいるので前半スコアレスというのはむしろ御の字だったかなと。
 と言う中で後半10分頃に川崎が先制。ハーフライン付近で川崎がボールを奪い、最後はL・ダミアンからのパスに走り込んだ三笘が上手く流し込んだ。その後も川崎が前半同様に押し込んでここで2点目が決まっていたら勝負は決まったかと思うがクロスバーを叩く、かすめるシュートが続いて追加点を上げられず。それでも時間は進んで後半35分を過ぎた頃になって急にガンバが勢い付いた。川崎を押し込み始めてじわじわとゴールに迫り、シュートシーンや決定機も生まれ始める。今季のガンバはこれがあるんだよなぁ。守る時は東口や守備陣の個々の踏ん張りでどうにかして、ある時間帯になると突然西野時代の様な迫力ある攻撃で点を取って勝点3を得るという。観ていて少し前のCL決勝バイエルンvsチェルシーを思い出した。バイエルンは本拠地が決勝会場かつチェルシーが複数人出場停止という絶対有利な状況で予想通り押し込んで後半に先制するも、チェルシーがワンチャンで追い付いてそのままPKで優勝という試合。実際ガンバは何度か決定機は作ったし、もし追い付いていれば更に勢い付いて90分内で勝ち越すことも有り得たと思うが、最後は川崎守備陣が踏ん張ってゴールを割らせず、そのまま試合終了。

 これで川崎がリーグとカップの2冠、ガンバはどちらも2位という結果になったが、それにしてもガンバは不思議なチームだった。1試合の中で攻める/守るがはっきりし過ぎているというか、相手に押し込まれている時間が結構ありながら、ある時間帯では逆に相手を圧倒するという。例えその相手がリーグ王者であっても。まぁ前述の井手口やアデミウソン、昌子を欠いてこの結果は上出来と言えるかもしれないが。

 帰りは表彰式も観て、最後はメイン側コンコースで新宿のビル群を眺めつつ帰路へ。

国立競技場から新宿を望む

 昔はカップ戦決勝や代表戦の時などは外苑前経由で帰るか代々木まで歩いたりしたものだが、今日は人数制限下で混雑の心配も無く帰りも千駄ヶ谷から。この駅も五輪向けに改装されて小綺麗になっていた。

2020年の観戦を振り返る

 気が付けばもう今年も残り僅かなので観戦を振り返ってみる。
2020年観戦数:23試合
例年ならば「大晦日高校サッカーに行くかも」などと書いていたはずだが、一般入場は無しとなったのでこの数で確定。ここ数年は40試合弱が続いていた中では少ないが、今年の特殊な状況を踏まえれば意外と行ったなという思いもある。2/23に開幕戦のマリノス-ガンバ@日産を観に行ってから7/12に中断からの再開戦であるマリノス-FC東京@日産まで実に140日も観戦間隔が空いたのは本格的に観に行くようになった2001年以降無かった事態。マリノス戦も例年ならリーグ戦はほぼ皆勤だったが今年はスーパー杯、ACLを合わせても12試合に止まった。在宅メインということもあって意外と水曜は行けた、というかむしろ土日の観戦数と同じくらいだが、過密日程で試合が続く中で日曜19時はちょっと厳しかったな。

■ベストゲーム
改めてここでの“ベスト”の定義を述べておくと、両チームがお互いに持ち味を高いレベルで出し合う試合となる。
1位:横浜M2-3鹿島(2020/11/3 J1第31節@日産)
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 マリノスが前半2点先行しながら鹿島が逆転した試合。鹿島のゴールはどれも見事だったのだが、それ以上にそのサッカーの印象が強い。結果はともかく今のマリノスはボール支配率で相手を下回ることはそうないのだが、前半半ば以降、特に後半は鹿島に押し込まれて後手に回る時間が長かった。鹿島はボール回しのリズムや選手の距離感が良く、若い選手も多いので来年以降更に強くなる予感もあり、数年後に振り返った時にターニングポイントとなる試合になるのではないかと。
2位:神戸2-0鹿島(2020/1/1 天皇杯決勝@新国立)
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 一応今年の試合だが前シーズン最後の試合。この試合では1位とは逆に神戸の良さが目立ち、鹿島は選手やサッカーに限界を感じさせる内容だった。クラブとしては鹿島がこうした決勝の常連ではあるものの、選手を見ると神戸にはW杯やCLの決勝を戦ったイニエスタポドルスキ、日本人でも経験豊富な酒井や山口、西がいて、個々の経験値なら鹿島の選手を圧倒しており、試合もその通りの内容だった。神戸でプレーするイニエスタポドルスキを観たのも実はこの試合が初めて。
3位:横浜M3-3(2PK3)神戸(2020/2/8 スーパー杯@埼スタ
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 まぁPK9人連続失敗という珍しいものが観れたという要素が大きいのだが(苦笑)、試合も打ち合いで面白かった。マリノスは勿体無かったよなぁ。結果的には今季5つのタイトルを狙って無冠に終わった訳だが、リーグやACLほどではないにしろスーパー杯も立派なタイトルの1つである以上、こうしたチャンス(リーグか天皇杯で優勝しなければ出場出来ない)はものにしてクラブとしての実績を積み上げていくことが大事なので。ちなみにマリノスは過去スーパー杯で4戦全敗。
4位:横浜M6-2浦和(2020/11/14 J1第27節@日産)
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 マリノスがスコア的に圧倒した試合だが浦和にもチャンスが幾つかあったので選出。浦和としてはJ・サントスを止められなかったことに尽きるが、マリノスとしては中盤以降ジュニサンの得点力にかなり助けられた。幾らボールを支配しても最後のフィニッシュ(の質と量)は個人の才能に負うところが大きい訳で。
5位:横浜FC1ー1鳥栖(2020/12/5 J1第31節@三ツ沢)
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 鳥栖が終盤に追い付いた試合なのだが、お互いボールを繋ぎつつ激しくフェアに戦った好試合。今季は降格が無かった分、終盤でも変に堅くならずこういう試合を観ることが出来た。

■ベストゴール
1位:上田(2020/11/3 J1第31節 横浜M2-3鹿島@日産)
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 毎回この為に観に行った試合のハイライトを見返すのだが、1位はそうするまでもなくこれ。ロングボールを完璧にトラップしてすぐさまシュート体勢に持ち込み、そして決めると。一連の流れは一瞬だったが、決まった後からじわりとその凄さを実感して背筋が震えるような感覚を覚えた。この選手も去年のコパ・アメリカでは外しまくって叩かれたし、今季も序盤はサブが多かったが、終盤になるとレギュラー定着してリーグで二桁ゴールを達成。エリア内のワンタッチ、外からのミドルなどシュートパターンも多彩だし、鹿島はストライカーを育てるのが上手いなと改めて。
2位:オルンガ(2020/10/3 J1第19節 横浜FC0-3柏@三ツ沢)
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 今年のJのストライカーを語る上で外せないオルンガはボールカットした後1人で持ち込んで決めたマリノス戦のゴールと悩んだが、横浜FC戦の2点目はクロスをトラップしただけで相手のマークを外し、かつフリーで打てる体勢となってそのままズドンという一連の流れがまぁ凄かった。近くに座っていた横浜FCサポも呆れていた笑。
3位:マルコスJr(2020/2/23 J1第1節 横浜M1-2G大阪@日産)
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 トラップしてから反転→シュートまでの早さと上隅を正確に捉えたシュートそのものも素晴らしかった。
4位:エヴェラウド(2020/11/3 J1第31節 横浜M2-3鹿島@日産)
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 上田と同じ試合だが、あれだけ速く鋭いミドルを観たのも久々ということで。
5位:松原(2020/10/10 J1第21節 横浜M4-0大分@三ツ沢)
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 今季のこの選手は4位のエヴェラウドのゴールやオルンガに決められたゴールなど守備面で結構やらかしが多かったのだが、古巣大分戦で決めたこのミドルはゴラッソ。
 
 これ以外にもマリノスならオナイウはなかなかセンスを感じるフィニッシュが多かったしエリキのニアを抜くシュート、ジュニサンの相手守備をこじ開けるような突破からのシュートも印象深い。また上記鹿島戦は3点目の遠藤のダイレクトボレーも綺麗だったが丁度トイレに行っていてこの眼で観ていないので選外(苦笑)

■ベスト遠征
今季は首都圏以外で1試合しか観てないので該当無し。特別賞としてその11月のサンガスタジアム行を。
京都2-0徳島(2020/11/21 J2第35節 @サンガスタジアム)
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 今年は色々と未踏スタジアムにいくはずだった。サンガスタジアムは本来なら3月に予定しており、GWには山口、岡山を連続で観戦、7月は五輪で宮城スタジアムに行くはずだったのだが・・。来年も少なくとも序盤は今年の延長線上になりそうで五輪も開催が怪しいが、ベガルタすら使わない宮城スタジアムなんてこのチャンスを逃したらいつ行けるかって話だしな。遠地もそうだが、今年スタジアムで友人達と観戦出来たのは結局開幕戦だけだった。中断明けのスタジアムで会えたのは11月の鹿島戦が最初で最後。来年は遠征云々の前にこうした日常が戻ってくることを願いつつ。

J1第34節 FC東京×神戸(味スタ)


 コロナという予期せぬ事態の中で紆余曲折あったリーグ戦も今日で最後。三ツ沢のダービーは予想通りチケが取れなかったので味スタに行くことにした。FC東京、神戸というACL組同士の試合。東京はルヴァン杯を残しているものの、リーグ戦は両チームとも天皇杯出場権、来季ACL出場権共に可能性は無くなっているので消化試合ではあるが、逆に変に堅くならず良さを出し合う展開を期待していた。東京は前節の若手中心から森重、永井、東ら主力が一部戻り、先週末にACLを戦ったばかりの神戸はオール日本人のスタメン。

 展開は予想通りというか神戸がややボールを保持しつつ東京はカウンターでチャンスを狙うというもの。神戸は外国人選手抜きとは言え山口、酒井といった経験豊富な選手が上手く要所を締めて不安定さは感じなかった。ACLで名を上げたCB菊池も(恐らく)初めて見たが、自陣空中戦で相手に競り勝つ度に何か雄叫びのような声を上げてなかなか面白いキャラだなとwその大きな体格や独特の風貌はかつて名古屋にいた増川を思い出させる。
 声と言えば今日の両チームGK波多野と前川も場内に響く声でよくコーチングしていたのが印象深い。どちらもムードメーカーのようだし、こういう選手はチームに必要で、20代前半~半ばという年齢でJ1に出てるGKとしても貴重な存在だなと。更に言えば菊地(188cm)、波多野(198cm)、前川(191cm)と長身CB、GKが徐々に台頭してきているのも感じている。

 その他個人で気になったのは東京は右ウイングでスタメンだった紺野と神戸では古橋。紺野は去年の天皇杯、ガンバvs法政でも見て当時も感じたことだが、
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体格やプレースタイルが川崎の長谷川っぽい。今日は右サイドライン際の突破で見せ場を作っていた。話は逸れるが改めて↑の天皇杯の観戦記を読み返すと、あの時の法政大からはGK中野(現札幌)などプロに行った選手も何人かいて、さすがガンバを破ったチームだなと。
 古橋は途中出場だったがエリア外右サイドからGKに位置を見て打ったループ(ゴール角に直撃)や、右サイドライン際で相手を抜いて突破したシーンなど、違いを作れるアタッカーという点で今日出ていた選手の中では一歩抜けていたかなと。もはやJで二桁ゴールは当然の領域になっている。

 肝心の試合だが(苦笑)、お互い何度かチャンスはありつつ0-0で終盤を迎えたのだが、80分過ぎに間接FKから永井が頭で繋ぎ、それを受けたオマリのヘッドがループ気味に前川の伸ばす手の先を越えてゴールイン。これで東京が1-0勝利。最終戦だけに試合後はセレモニーもあったが電車が混む前に、ということで例によって西調布まで歩いて帰宅。最近タブレットを買ったので今日は味スタのフリーwifiを利用してDAZNで他会場(主に三ツ沢)をチラ見しつつの観戦だったが、何はともあれ今年のJ1が全試合消化して終了したことをまずは喜びたい。

J1第31節 横浜FC×鳥栖(三ツ沢)


 マリノスがACLで日本にいないので、その間近場のJ1の試合か、J2、J3の面白そうな試合を観に行こうと思っていたのだが、鳥栖はアカデミー出身の若い選手がレギュラーとして試合に出ているので観てみたくもあり、三ツ沢に行くことを決めた。
 今日は昼過ぎまで雨が降る寒い一日だったが、思えば去年の今頃も似たような天気だったな。
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 もう1年か。去年を思い出しつつ本来なら最終節が行われている時期なのにも気付かされた。

 スタジアムに着いたのは開始直前というタイミングでメインスタンドアウェイ側に行こうとすると警備員が通行止めして何人かスマホのカメラを構えていたので何かと思ったら控え室からベンチ外のカズがスタンドに向かうところだった。目の前を通り過ぎたのにカメラを出すタイミングが遅れて全然撮れなかったが。おそらくこの選手に過去最も近付いた瞬間だった。

 今日の両チームは順位も近く、ほぼ互角の戦いだろうと思っていたが、試合が始まると実際その通りの展開になった。前半は横浜FCがやや押し気味だったが鳥栖も何度か相手ゴール前までボールを運んで惜しいシーンを作っており、お互いフィジカルコンタクトを厭わず激しく当たりながらも良さを出し合う好ゲーム。前半終了間際に斉藤光毅が左サイドを突破して中央にグラウンダーのクロスを入れ、それを松浦が合わせ、横浜FCがリードして後半へ。
 後半も半ば頃までは横浜FC優勢で決定機もあったのだが決めきれないうちに徐々に鳥栖に流れが傾いて、終盤は鳥栖が押し込む展開になった。そんな中で40分頃に途中出場のレンゾ・ロペスがアーリークロスを合わせて同点。レンゾ・ロペスって2年前は京都の主力で西京極でも観たのだが、鳥栖にいたのは知らなかった。調べたら去年はチリにいて今年からか。ついでに言うと、ずっとブラジル人だと思ってたのだがウルグアイ人なのも今回知った(苦笑)その後も鳥栖が攻め込んだがそのまま試合終了。

 結果は1-1だったがどちらも2-1にするチャンスはあったし、2-2、3-3になってもおかしくない展開で、熱い試合だった。両チームとも若い選手が躍動していたが、鳥栖の本田は03年生まれだからまだ高2か。鳥栖はU15で良い選手がいてもU18世代では東福岡など高体連チームに行く例が結構あったと記憶しているが、01年生まれの松岡といい若い内からトップで積極的に起用しているところを見るとその流れも変わってくるのかな。サッカー自体も技術をベースに縦へのスピードを意識したサッカーで面白かった。
 横浜FCの斉藤光毅はアシストを決める活躍だったが、どうもこの選手を見ていると三好と重なってしまう。上手いのは間違いないし、ゴールやアシストを決める時も難しいことをいとも簡単にやってのけるのだが、その数が多くないんだな。年明けにはベルギーに行くが、その辺りが改善され、継続的に点に絡める選手になるのを願う。一歩間違うと「チーム内で一番上手いのに試合に出れない」という状況に陥る可能性もあるが。

 試合後はベトナムに移籍する松井のお別れセレモニーがあるようだったがバスが混む前にスタジアムを出て直行バスで横浜駅へ。この市民病院前ロータリーから出るバスはここ最近重宝している。

京都行(2日目)

 京都に行く時は毎回観戦ついでの日帰りなのだが、連休なので1泊。Go toトラベルは新幹線や宿泊費の連休加算であまり安く無かったので個別に手配したのだが、宿代が抑えられて行きに飛行機を使っても費用はそれほど掛からなかった。泊まったのはトイレ、シャワー共用だが内装はリノベされた旅館で税込4200円。寝られる場所があれば良いのでこれで十分。場所は五条駅東本願寺近くの古い町屋が建ち並ぶ路地裏にあり、角から薩摩、長州の藩士やそれを追い掛ける新撰組が飛び出してきそうな雰囲気があった(笑)

 今回は紅葉も勿論だが、京都に行くときは出来る限り未踏の地へ、というのが基本方針なので2日目は洛北を中心に。京都駅から近い寺社や名所はほぼ行ってるので、未踏となると遠いエリアになってしまう。バス、京阪、叡山電鉄を乗り継いだのだが、叡山電鉄は7月の豪雨で市原駅から先が不通となっており、代行バス鞍馬寺へ。

鞍馬寺入口

 さすがに山の方は見頃も過ぎていたが、所々で見事に色付いていた。

鞍馬寺本堂手前より

本堂までは結構な石段があるのだが、寺が運営するケーブルカーがあり、こちらを利用した。
 参拝後は徒歩で貴船神社に向かったのだが、鞍馬寺奥の院を経由する山道で、前日に続いて今日も歩き倒すこととなった。

貴船神社

 夏は流し素麺や川床でも有名だが、今回は参拝後はすぐに下山。そこから先は特に予定を決めていなかったのだが、叡山電鉄車内で沿線の紅葉の名所が紹介されており、一乗寺駅で途中下車して詩仙堂に向かった。ここは江戸時代の文人石川丈山が晩年を過ごした山荘の跡であり、かつ福井の永平寺の末寺ということだったが、夏に永平寺を訪れたのも何かの縁かな。中はこのような見事な庭園。

 詩仙堂の隣には神社があったのでここにも寄ってみたのだが、八大神社と言って、あの宮本武蔵一乗寺下り松の決闘前に参拝したということで武蔵縁の社らしい。本殿脇に銅像もあった。

八大神社
宮本武蔵

 その後は出町柳駅に戻って京阪に乗り換え、京都駅に戻る途中で下車して東福寺へ。ここは京都駅から近い割に行ったことが無かった。紅葉の名所でもあり、その規模に圧倒されそうなほどだったが、とにかく人が多すぎて疲れた。

 前夜の永観堂もそうだが、紅葉は静かに楽しむのが一番だな。その意味では今日は詩仙堂が良かった。

 今回は時間に余裕があれば大阪も巡ろうかと思っていたのだが、この時点で夕方近くなっていたので、京都駅に戻った後帰路へ。

J2第35節 京都×徳島(サンガスタジアム)


■京都行
 今回の旅は元々3月にサンガの新スタジアムに行く予定が試合中止となり今年は厳しいかなと思っていた中で、11月の3連休初日に試合があるということで日程が発表された後から色々計画していた。時期的に紅葉も見頃だろうという期待もありつつ。
 京都なら普通は新幹線だが伊丹から直行バスが1時間に2~3本出ているのを知って今回は初めて飛行機を利用。まぁ朝6:30羽田発だったんで4時起きだったが。伊丹~京都間はバスで50分ということだったが、連休で高速が混んでおり80分ほど掛かった。
 試合は14時なので午前中は亀岡にあるスタジアムに行く途中、洛西エリアを中心に、ということでまずはベタに嵐山に行き、

嵐山・渡月橋

その後はレンタサイクルで近辺の寺院を幾つか巡った。

常寂光寺
二尊院
宝筐院

そしてJRで亀岡へ。京都市外で、嵯峨嵐山駅から先は携帯の電波も入らない長いトンネルを抜けるが、実際は同駅から約10分で、京都駅からも30分程。そして何より駅から近い。直線距離で言えば鳥栖と同等、実際に歩く距離なら駅の入口がスタジアムと反対方向にあるので跨線橋を渡る必要のある鳥栖よりも、スタジアム側にも出口があるこちらの方が近いかも知れない。

亀岡駅コンコースよりスタジアムを望む

 駅前では屋台も多く出店しているイベントが開催され、なかなか賑わっていた。スタジアムから駅を挟んで反対側が市街地の様で、スタジアム周辺はご覧の通りの長閑な風景。

スタジアムより望む

■試合
 この試合を観るにあたり、最初はバクスタ2階にしようと思ったのだが一般発売開始日には完売しており、それならばとメインの1階にした。スタジアム全体の印象としてはパナスタをコンパクトにしたような感じ。コンコースからピッチが見える作りなのも同じだが、同じ竹中の施工だからだろうか。日本のゼネコンにもこうやって観やすい専スタのノウハウが溜まっていくのは良いこと。やはり専スタは選手が(陸上競技場よりも)近く見えるのは勿論、ライン際の攻防で外に出たボールがスタンドに入ったり、広告看板にぶつかる音さえも臨場感を掻き立てる。2年前に西京極に行っただけに、余計にその違いを感じた。
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 試合について。今日の試合はスタジアムを見に行くだけなく相手が首位徳島で注目すべきカードでもあった。序盤は一進一退でやや徳島がボールを保持する展開。徳島のサッカーはコンセプトが明確で選手全員迷い無くプレーしていて好感が持てるチームなのだが、相手を崩し切る為に必要な個の力があと一歩足りない、という印象もある。それはシンプルにテクニックやスピード、強さ、パスセンスなど様々な要素を総合しての「個」なのだが、こういった場合、例えば去年の昇格プレーオフの湘南戦の様に、同格以上の相手を当たると最後に差となって現れるようにも。湘南で思い出したが、まさに湘南の様な(やりたいことは伝わってくるがそれが出来る選手が少ない)イメージだな。
 そういった意味で京都は徳島に足りない個を持っていたチームだった。CBのバイスは徳島の攻撃を撥ね返し続けたし、攻撃ではウタカと仙頭が素晴らしかった。特に仙頭はマリノスからレンタルということで注目していたのだが、J2では抜けた攻撃センスで、ボールを持てば何か起こる予感がした。試合中浮き球をヒールボレーで近くの味方に渡したシーンがあったが、それくらい周りが見えて自信と余裕を持ってプレーしていたのだろう。今日は先制点を決めてウタカの2点目もアシスト。
 京都は個人だけでなくチームとしてもコンパクトによくまとまっており、ここまで3連敗中だったのが信じられないような内容で2-0完勝。今節は福岡も負けて長崎が勝利ということで、J2もまだ7試合あるし分からない。最終節は福岡×徳島の直接対決だが、長崎はこの時点で3位でも2位と勝点差2以内なら昇格の可能性は十分にある。福岡も鳥栖も後ろに長崎が迫っている中では引分けでは危なく勝ちに行くだろうし。

 試合後は早めにスタジアムを出たが、駅の改札口で少し入場規制された程度で普通に座れた。宿にチェックイン後、紅葉の夜間拝観というものに行ってみたく、紅葉で有名な永観堂へ。見事な紅葉ではあったが、入場まで40分並ぶ羽目になり、やっぱ紅葉は落ち着いた雰囲気で見るものだなと。

永観堂

 帰りのバスも混んでいたので途中3~4km歩きつつ宿に戻り、初日終了。