J1第17節 G大阪×横浜M(パナスタ)

  • 京都行

 3年前の開幕戦以来のパナスタだが、例によって京都で途中下車。京都は行きたい場所があまりにも多く、いつもその選定やルートに悩むが、嵐山など西側は今後サンガスタジアムに行く時に寄るだろうということで、今回は祇園・東山エリアを中心に回ることにした。既に行ったことのある場所も多いが、御朱印を集めるようになってからは行ってないので改めて拝受しに行くという意味も有り。
 まずは京都駅からバスでこちらへ

銀閣

まだ朝9時だったが既に修学旅行の学生が何組か。4~5人1組でタクシーの運転手が案内も兼ねる形のようだった。自分も中学の修学旅行は京都、奈良だったが奈良は班別自由行動、京都はコース別にバスに分乗だった。凄い雨だったのと宇治の平等院行ったのは微かに記憶にあるがそれ以外どこを回ったのかは覚えていない。
 銀閣を出た後はそのまま哲学の道を南に下り、道沿いにある大豊神社で参拝しつつ南禅寺に向かったのだが、丁度その手前に東山高校があった。鎌田大地の母校。名前は知ってたし、正月に駒沢で試合を観てもいるが、周りが南禅寺や紅葉で有名な永観堂という場所だったとは。まぁ確かにその名が示す通りの場所ではあるが、調べたら元々知恩院の大僧正によって建学された仏教系の学校なんだな。校舎に掲げられた垂れ幕を見ると、サッカー以外も様々な種目で全国大会に出ているようだ。
 という感じで南禅寺を参拝し

南禅寺三門

 そのまま歩いて知恩院、八坂神社も巡る。

知恩院三門
八坂神社

 この時点で結構歩いていて、バスか地下鉄で移動しょうかとも思ったが適当な路線が無く、そのまま歩き続ける。祇園を通って建仁寺へ。ここはあの風神雷神図屏風が所蔵されていた。現在は高機能プリンタや金箔等で再現された高精細な複製品が公開されている。

風神雷神図屏風(複製)

 その後は近隣にある摩利支天堂や京都ゑびす神社を回り、丁度昼になったので近くの定食屋に入った。

卵とじ蕎麦定食

普段卵とじのうどんや蕎麦は食べないが、関西に行くと薄味の出汁と卵がよく合うので頼んでしまう。食後はバスで京都駅に戻り、大阪へ。普通にJRで行くのも面白くないので奈良線桃山駅、そこから徒歩で途中の御香宮神社に参拝しつつJR駅から10分ほど歩いた場所にある京阪の伏見桃山駅から大阪に向かった。

  • 観戦記

 今回のホテルは新大阪で、ホテルにチェックインして少し休憩した後、茨木駅からバスでスタジアムへ。思えば大阪行く時の宿は大阪駅京橋駅辺りがメインで新大阪のホテルは初めてかもしれない。駅から5分と近かったが、ここは在来線と新幹線が交差し、2階にはタクシー乗り場もある立体構造なので、徒歩ルートが分からず最初少し迷ってしまった。16時時点で新大阪駅ではマリノスユニ来た人を多く見かけたな。乗ったバス便は万博陸上競技場前で停車しそこから10分ほど歩くルート。

万博陸上競技

思えばここで観た唯一の試合は丁度10年前の7月だった。パナスタに移転してから既に7年が経過するが、ホームとして定期利用されなくなったスタジアムは人通りが途絶え、幕や看板で装飾されなくなったが故に急に老いるというか、独特の物寂しさが感じられる。他に以前高校選手権で行った市原臨海もそうだったな。ただパナスタの建設は単に専スタが1つ出来ただけではなく、その後の日本の専スタ建設にデザインや資金調達スキームなど様々な影響を与えた点で画期的だったし、意義のある事業だったと思う。

 これまでこのスタジアムではアウェイゴール裏でしか観たことが無かったので今回は初めてバクスタの上層階にした。丁度コンコースからはガンバの練習場も見える。

G大阪練習グラウンド

ホームスタジアムに隣接して練習場があるのはブンデスのクラブっぽさがある。久里浜に移転予定だが今のマリノスも一応そうか。
 試合前とハーフタイムにはDef Techのライブもあったが、2人がピッチ上でBoleroを歌いながら選手が入場してくるという演出で、曲のイメージとシンクロして試合に向けて場内が徐々に高まっていく様が素晴らしかった。
www.youtube.com

 試合は序盤からマリノスがボール支配し、ガンバは前線から積極的にボールを追うという展開だったが、その流れで松原→高丘のパスを狙われてこぼれをダワンに流し込まれ、先制された。この7分の失点以降、前半はガンバに上手くカウンターからゴール前まで持ち込まれる場面が多かったな。特に左サイドの山見は小柄なドリブラーで観ていて面白い選手だなと。経歴を見たらアカデミー出身者ではないが地元は近辺なので子供の頃からのファンだったりするのだろうか。
 マリノスも中央のレオセアラに当ててサイドに展開という形は何度か出来ていて、一度ゴールかと思ったがオフサイドで取り消し。そんな感じで前半終了。
 後半はサイド起点にマリノスがより攻撃の圧を強めるようになり、後半10、15分で一気に逆転した。その後ガンバは選手を入替えるもボールを前に運べなくなり、マリノスがこぼれを拾ったり、奪ってガンバゴール前まで持ち込むシーンが目立つようになる。この辺りは選手層やコンセプトの浸透度の違いだったかな。ベンチにマルコス、仲川がいるのは大きいし、幹がしっかりしているからこそ樺山、山根といった若い選手を使う余地も生まれる。小池龍太は負傷中だが次節からはU21から藤田が戻ってくるし、選手層という点ではリーグトップだと思う。ガンバは新監督の下でスタメンレベルでは徐々にチームが構築されつつあるが、ベンチも含めた全体にはまだ、といった印象。そうそう途中出場した齊藤未月は前々から結構期待していて、負傷が無ければ東京五輪に出て田中碧の負荷を軽減出来たと思っているのだが、今日は空回り気味でハンド、ファール判定でピンチを招くシーンもあった。ああいう守備力、運動量、攻撃の起点となるプレーを備えたMFは貴重なのでチームにフィットしてくるようになればガンバも浮上しそうだけど。

 そのまま試合はマリノスが2-1逆転勝ち。3年前に来た時も開始早々のミスで失点してから逆転したし、似た展開多いなと思って過去のアウェイ観戦を振り返ってみると

2012/07/14 ○2-1(万博)※ATに勝ち越し
2016/04/02 ○2-1(パナスタ)※逆転勝ち
2019/02/23 ○3-2(パナスタ)※逆転勝ち
2022/06/18 ○2-1(パナスタ)※逆転勝ち

全勝かつパナスタでの3試合は全て逆転勝ちだった。先月の磐田もそうだが、不思議とジンクスというか同じ結果が続いたりする。

 試合後は前回開拓したモノレール宇野辺駅から乗るルートで新大阪に戻り、近くの定食屋で遅い夕飯を食した後、ホテルに戻った。この日は33000歩くらい歩いたのでそのまま爆睡。

 

代表6月シリーズ雑感+メンバー予想

 かなり久々に代表戦の雑感などを。以前は代表戦があればTVで視た感想などをここで書くことが多かったが、最近はその場はtwitterになっており、ここはほぼ試合観戦記と旅行/遠征記(と年末の表彰系)に特化していた。まぁ今回は本大会を前にして12日間で4試合も見た(1試合は現地で)というのはあったし、140文字では書ききれないことも多く。基本的には特定の1試合ではなく4試合を総合しての雑感や本大会メンバー予想を。ちなみにメンバー予想という意味では、前大会直後に既に予想済みなのだが、
barcaw.hatenablog.com
これはこれで4年前にどう思っていたのかの振り返りなので、また別途。

  • ブラジル戦出場メンバーが軸

 この4試合から本大会メンバーを予想するならば、ブラジル戦に出たメンバーが軸かなと。勿論全員がそうだという訳では無いが、基本的には4試合で最も強い相手に出た選手達こそ森保監督にとって「ガチメンバー」であり、それはスタメンだけでなく途中出場した選手を含めてもそうなんだろうなと。特に終盤先制された後で柴崎、山根を投入したが、これは本大会の相手を考えれば可能性として大いに有り得る「終盤にどうしても1点欲しい」状況で誰を出すのか、ということなので興味深かった。山根はチュニジア戦でもリードされた終盤に途中出場しており、攻撃をテコ入れするためのSBとして考えられているのだろう。

  • 右SB長友

 SBという意味では長友は出場した2試合とも右だった。今季はクラブでそのポジション経験しているというのもあっただろうし、左の伊藤をテストする為にスライドした面もあったと思うが、このまま右が基本になるのではないかと思う。というのも左の伊藤がこのまま本大会メンバーになりそうなので。左:中山と伊藤、右:酒井、長友になるのではと。枠が23人ならSBに5人は使えないが26人なら山根も確実。

  • 吉田、遠藤の酷使

 チュニジア戦は吉田麻也が低調な出来でPK献上に連携ミスで複数の失点に絡んでしまい、遠藤もボールを持ったところを狙われてしまっていた。2人ともパラグアイ、ガーナ戦は途中交代したもののブラジル、チュニジア戦はフル出場。最後は五輪3決のメキシコ戦を思わせる、疲労感のあるプレーぶりだったが、CBの軸は麻也、中盤のアンカーは遠藤であって代えるに代えられなかったんだろうな。それは図らずも今回出場機会の無かった冨安、守田がその代役なのも明らかになったようにも。この2人がいれば上手くローテーションしてガーナ戦辺り休んでたかもしれない。特に中盤は攻撃やバランサータイプが多く、低い位置でしっかり相手の攻撃をフィルタリング出来る選手が遠藤と守田くらいしかいない。
 ただ冨安、守田共に今回に限らず筋肉系の怪我で欠場すること多いのは懸念材料。守田はアジアカップメンバーに選ばれて現地にまで飛びながらそれで大会を欠場した。冨安もプレミアで欠場多かったし。とにかく本大会を無事迎えられるのを願うしか無い。

  • 監督について

 今回の試合前後の会見やインタビューを見る限り、どうも以前と違う印象を受けた。吹っ切れたというか、これまでは周囲への気遣い第一で堅い内容だったのが、ストレートな発言が増えたというか。パラグアイ戦後の「W杯に出場する国とそうでない国の違いを示せた」という発言はこれまでに無いものでちょっと驚いた。予選を乗り越えて心境に変化があったのかもしれないし、あくまで推測だがメンター、アドバイザー的存在がいるのかもしれない。

  • メンバー予想

ということでポジション別に予想してみる。太字は確実と思う選手、+の後は候補で可能性が高いと思う選手から順番に記している。
GK:権田、川島+谷、シュミット、大迫
 森保監督は守備に関して基本的にはサイズを重視している節があって、シュミットは就任当初から呼んでるしかなり期待しているのだろうと思う。今回もGK陣で最多の2試合出場。ただチュニジア戦は守備陣との連携不足から失点し、1発ミドルも決められた。本大会は予選の正GKで近年安定感を増した権田がそのままスタメン、控えは経験豊富な川島が(南ア大会の川口がそうだったような)チームのまとめ役兼保険として入るのではないかと思う。3人目は同様にサイズがあり五輪で正GKだった谷の可能性もあるんじゃないかと。今回は大迫が選ばれていたが、4試合ともベンチ外だったのは監督を納得させるものが足りなかったのかなと。サプライズ枠としてU21代表の鈴木彩艶も一瞬頭を過ぎったがクラブでまだレギュラーではないのでさすがに無いか。帯同メンバーなら有るかもしれないが。

CB:吉田、冨安、板倉+谷口、中谷
 CBはまずこの3名は確実。とにかくコンディション良く本大会を迎えてくれ。4人目はここ最近の実績だと谷口が濃厚だけど、正直対人で強いイメージ無いんだよな。1対1に晒された時にその点不安なのだが、それでも今年招集されたCBが他に中谷で、今になって昌子や瀬古を呼ぶとも思えず・・。ただ現代表に多い川崎所属、出身者の1人としてあの独特なボール回しのリズムに対応出来るのは大きな要素。
※追記
書いた後植田がいたことを思い出した。ただ最終予選でも吉田、冨安欠場という中で起用されたのは板倉、谷口だったし、序列としては谷口、植田、中谷の順か。監督好みの高さあるCBでこの4年間召集回数は多いが出場歴はそれほどないんだよな。

SB:長友、酒井、中山、伊藤+山根、菅原
 上で書いた様にSBはこの4人は確実。伊藤はブラジル戦こそ出場しなかったが、それ以外全てフル出場。もはや本大会に向けて少しでも経験積ませる段階なんだろうなと。元々左SBは佐々木が長らく選ばれていたし、監督が高さや守備力のあるタイプを好む中で、高さがあり、ブンデス1部でレギュラークラス、そして若いというのは理想的。5人目として山根も入ると思うが、9月の代表戦で菅原が再度呼ばれるかもしれないので一応候補としておく。菅原は残念ながら負傷で今回出場機会無く離脱してしまったが、前のポジションもこなせる万能性が売りなので、山根と同じ役割が期待されていると推測。

MF:遠藤、守田、田中、原口、鎌田+柴崎、藤田
 このポジションは色々なタイプが混在しているので単にMFと一括りに出来ない面もあるが、予選のレギュラー遠藤、守田、田中碧はまず確実。そして前回の経験者で今や「ドリブルで前に運べるインサイドハーフ」になった原口も選ばれるはず。鎌田はチームに攻撃のアイデアと変化をもたらす起爆剤として入れておきたい。
 このポジションは今回選外だった旗手、川辺がいるが、本大会まで残り9月しか試合が無く、クラブでは丁度新シーズン始まったばかり(7月末~8月初旬開幕)でアピールの場は数試合なのは厳しいかなと。その他候補としては柴崎はブラジル戦にも出たし入りそうだなとは思うが、1人くらいサプライズ枠ということで笑、U21代表藤田譲瑠チマを挙げておく。中盤で攻守に機能するタイプだし、今やっているU23アジアカップでのプレーは別格。今の代表は433が基本だけど、東京世代を境にこの配置への慣れがまるで違うなと感じる。若い世代は3トップのサイドや中盤3枚に適応したプレーを見せるが、上の世代は2ボランチやトップ下を置く布陣が基本だった為か、どこか無理に合わせている印象がある。藤田はボランチ2人でも3人でも機能するし、マリノスでも欠かせない戦力になりつつあるので、ワンチャンあるのではないかという期待。

WG/2列目:伊東、南野、三笘+堂安、久保
 ウイングというかゴールに直接絡むサイド、2列目のアタッカー枠。右の伊東、そして南野は確実だし、三笘もこれまでの起用や実際のプレーから間違いなくメンバー入りするはず。スタメンでも途中からでも、アシストも得点力もあるというのはそりゃ監督も使いたくなるだろうなと。
 堂安と久保の選考はCFの人数に影響するようにも。26枠を前提としてCF+WGで8人と予想しているのだが、CF3人ならこのポジションは5人で両名ともメンバー入りしそう。4人ならどちらかが落選。堂安は最初のパラグアイ戦で積極的なプレーだったし、久保もガーナ戦で代表初ゴールだったが、全体的には・・・という感じ。ブラジル戦に出場したのは堂安だけだが、ボールを奪われてそのまま相手に攻め込まれるなどあまり良い出来では無かった。26枠だからこそどちらか入りそうということで、23枠なら2人とも厳しいなというのが率直な感想。

CF:前田、古橋+大迫、浅野、上田
 まず前田は入りそう。チュニジア戦は出番が無かったが、引いた相手にこのタイプは有効で無いという判断だったと思うし、それ以外の3試合は途中出場ながら出番はあった。スペイン、ドイツ相手ならブラジル戦でGKアリソンに寄せて場内湧かせたように、あの速さが活きるのではないかと。それこそ10年前のロンドン五輪スペイン戦で永井謙佑がそうだったように。
 古橋は代表のCFとしてまだフィットしていない感があるが、フィニッシャーとしての確実性は前田以上だしブラジル戦スタメンだったんでCFとして期待されてるのかなと。という中で浅野は速さなら前田がいるし、古橋ほど決定力が有る訳でも無いのが苦しい。ブラジル、ガーナ戦ではベンチ外だった。恐らくチュニジア戦も負傷離脱が無ければ上田がスタメンでテストされてたように思う。
 という中で3人目は異なるタイプとして大迫が戻ってくるんじゃないかと。あのボールの収まりは他の候補に無い武器なんで。上田は2トップ、あるいはトップ下でアシストしてくれる選手がいれば良いが、今の代表のサッカーだと持ち味が活きないんだよな。鹿島でも鈴木優磨がトップ下ではないが周りを幅広く動いてサポートする連携だし。

 ここまで太字の選手は19名。26枠なら各ポジション1~2名ずつ加え、23枠ならGK、CB、MFで1人ずつ、WG/2列目とCFの候補から1名という形になりそう。
 

親善試合 日本×ブラジル(国立)


 6月の代表シリーズ唯一の首都圏開催ブラジル戦だが、縁あって行くことが出来た。今日の様なクラスとの試合を観るのはそれこそこのblogを始める以前になってしまう。ざっと挙げると下記の通り



2001年vsイタリア@埼スタ
2002年vsアルゼンチン@埼スタ
2004年vsアルゼンチン@エコパ
    vsドイツ@横浜国際。

その他2009年には旧国立でのベルギー戦も観に行ってるが、当時の同国は今のクラスになる前夜といった感じで、後の主力は当時まだ若かったアルデルヴァイレルトヴェルマーレンがいた程度。ブラジルをこの眼で観るのは始めてだった。

 今日は朝から梅雨入りの雨だったが、18時過ぎに現地到着。ここは何度か来ているが座席の前後間隔が狭く、座った後簡単に移動できないので荷物だけ置いた後トイレを済ませつつコンコースを回って時間を潰す。

雨の新宿ビル群

やっぱここに来るとこの風景は撮らなければ笑
そんなこんなで選手紹介が始まるであろう19時過ぎに着席。
試合前はオシム氏への感謝の拍手やスマホライトを使った演出など。これは普段のJでもあるが満員のスタジアムでは壮観だった。

試合前演出

そして選手入場

試合直前

ホームゴール裏では日の丸のコレオがあったようだが席はホームゴール裏3階だったので見えず。映像装置で引きの画が見てみたかった。

 今日の日本は予選突破を決めた豪州戦から山根、守田、浅野が外れて中山、原口、古橋が入り、長友が右にスライドした布陣。このように数名変えるのはいかにも親善試合のテストという感じがして個人的に結構好きだったりする。長友が右だったのは、酒井が負傷、冨安もコンディション調整中?という中で相手左サイドを封じる右SB候補のテストだったかな。山根はそういったタイプでは無く、負傷離脱した菅原もどちらというと複数ポジションこなせる器用さが売りで守備職人というタイプではない。
 開始早々にいきなりポスト直撃のシュートがあったが、あのお陰で今日のスコアになったと言えるし、入っていたらここ最近のブラジル戦みたく前半で試合を決められ、結果3点くらい取られてもおかしくなかった。その後は少し持ち直したけど、攻撃は単騎突破がメインで、強いて言えば伊東、長友の右サイドから何度か突破、クロスがあった程度。この合宿で取り組んできたのかGKからビルドアップしていたけど中盤から前になかなかボールを運べず。そうしている内にまたブラジルが圧を強め、特に前半最後の10分はこれ1点取りに来たなと思わせる攻勢だったが何とか0-0でハーフタイムを迎える事が出来た。

 後半は前半同様、主に伊東起点に攻めていたが、ブラジルはしっかり2人付いてケアしていた。昨日(コーチの)サンパイオが伊東を警戒という記事を読んだが、まさにその通りの対策。ただ一度伊東が突破と見せかけて前にフリーで走り込んだ長友にパス、これが通って惜しい場面が作れた。やっぱ伊東が欧州で変わったのはこの判断力だな。単に前のスペース目がけてドルブルするだけでなく、緩急を付けたり周りにパスする場面も出てくるようになって、そのタイミングが適切。ベルギーリーグアシスト王は伊達じゃ無いな。
 全体的には前半と変わらず、むしろブラジルの攻勢が強くなって守るシーンが増えてくるようになった。てっきりネイマールは前半で交代するのかと思っていたらフル出場。中盤の底までかなり広範囲に動き、点取り屋というより一歩引いたアシスト役という感じだった。上手いのは相変わらずだが、かつてほどゴール、アシストにフル稼働出来なくなってるという事情もあるんだろうな。今日も終盤に得たPKを決めて代表74ゴールとペレの代表記録(77)まで後3点と迫ったが、先日の韓国戦の2ゴールもPKだったし、流れの中で決めきるのは少し難しくなっているのかなと。メッシ、ロナウドが同年齢の頃は相変わらずのゴールマシンだったけど。ただ権田も無闇に動かずよく我慢していた中で、動きをよく見て冷静に逆を突いたあのPKはさすがだった。

 失点の数分前に三笘、堂安が入ったが、入って早々三笘が何度か左サイドを突破したのは単発だった攻撃の中で目を引いたな。何故か周りの選手もこの選手の活かし方を既に把握してるかのようにボールがよく回るようになって、一度相手ゴール前中央から左サイドへのパスを2人スルーしてフリーの三笘に通るシーンもあった。ただブラジルの右SBミリトンはさすがというか1対1でも簡単に突破を許さず。
 失点後は山根、柴崎を入れて1点を取りに行ったのだと思うが、ATもなかなかボールを前に出せずそのまま試合終了。日本としてはこのレベルの相手と試合するのは久々、それこそ18年W杯ベルギー戦、強いて言えば同年秋の親善試合ウルグアイ戦(埼スタ)以来4年ぶりという中で、その感覚を思い出す90分だったかな。強豪の中でも特にブラジルには分が悪いが、日本がやりたいことをやられて、守備に追われる慣れない展開が続いて失点という展開故だと思う。今日も守備はかなり奮闘したと思うが、ボールを獲り切れなかったり、奪っても繋げられない場面が続いた。1人入って変わったとは思わないが、「潰せて繋げる」守田がいればどうだったかなとは思った。
 今日も中盤に途中から鎌田を入れたり、予選後半のサッカーから本大会はまた変わってくるであろう中で最後までその最適解探しが続くのだろう。基本的には今日の試合に出たのは森保さんがこのレベルの相手に戦える、リードされた時など試合展開によっては途中で出すと判断した選手達で、実際皆一定の働きはしたので、本大会の有力候補だろうと思う。これにコンディション調整中の冨安、守田、負傷中の酒井を加えた20名は確実。今回の登録数は26名なので、FPは控えGK2名を除いた4枠を伊藤洋輝、谷口、植田、久保、上田、浅野、大迫らで争う形か。久保はこの後のキリンカップで結果を出す、新シーズン大活躍するとかで無い限り、今の状態だと26枠に増えてもメンバー入りは厳しいかもしれない。

 得てしてこうした相手との試合は相手への声援が大きいとか言われがちだが、3階とは言えホームゴール裏だったのもあったかと思うが、少なくとも自分の周囲ではブラジルのプレーに感嘆しつつ日本の良いプレーにそれ以上の拍手とハリセン(来場者に配られた)の音が響いていた。こういう親善試合は久々だったのもあるが、冒頭で述べた昔行った強豪相手の親善試合の空気感に似ていたかな。試合後は雨も止んでいたので友人と北参道まで歩き、副都心線で帰宅。

J1第16節 磐田×横浜M(ヤマハ)


■静岡行
 3連休でも無い限り日曜に遠征はしないのだが、先月の鹿嶋行同様、月曜日に年休取れたので行くことにした。コロナ禍の反動なのか年齢に因るものか笑、こういう遠出は行ける時に行っておこうという思いが年々増している。
 試合は16時からなのでそれまで何処か回りたく、前回(19年秋)は浜松、磐田を巡ったのでそれ以外で、などと思いつつまた例によって地図を眺めていたのだが、そう言えば掛川はいつも新幹線から見える城を眺めるだけで行ったこと無かったなと。ということで朝の新幹線こだまで掛川へ。
 10時頃に到着し、まず駅前の駐輪場で自転車を借りて(何と無料で借りれる)、某有名ご当地ハンバーグチェーン店へ。静岡に来たからにはここに寄りたく、店舗が駅から自転車で行ける距離なのも掛川に決めた理由の1つではあった。前回の磐田遠征で開店1時間前に整理券発行しているのは把握していたので10時半頃に着くと16番目。10:45から座席への案内が始まり、自分も11時頃には案内して貰えた。

げんこつハンバーグ

ここも店舗は違えど過去3~4回行ってるんで今回は違う物をとは思いつつやはりこれを選んでしまう。

 食後は自転車で龍尾神社→掛川城と巡って再び駅へ。

掛川城天守
天守閣からの眺め(掛川駅方面)

 こういう街を散策する時レンタサイクルは便利だが、今日は最高気温30度前後という暑さで結構消耗。

 この時点でまだ13時だったので、磐田駅に着いた後は前回行けなかった府八幡宮へ。駅から1kmほどの距離だがバスのタイミングと合わず歩く事にした。行くと法被を着た人が多く、何かの祭りだったようで、楼門には山車?も置かれていた。

八幡宮楼門

 ここからヤマハスタジアムまではバス路線も無く歩くしか無いので、折角なので前回行けなかった淡海國玉神社まで更に1kmほど歩いて参拝し、ここの御朱印は前回行った見付天神矢奈比賣神社で貰えるとのことだったのでまた更に1kmほど歩き、御朱印を頂いた後は1.5kmほど歩いてようやくスタジアムへ。丁度開始1時間前、15時頃に到着。さすがに疲れてバクスタ裏駐車場のスタグルキッチンカーでアイスを購入。

■試合
 今日の席は前回と同じバクスタ上層部なのだが、このスタジアムはバクスタが西を向いている為に昼の試合では日射しをモロに浴びることになる。今日の様な天候だと尚更で、そう言えば前回も10月なのにやたら日射しが強かったのを思い出した。
 前半は磐田をシュート0に抑えたものの、攻撃は単発という内容。一度ゴールかと思ったがオフサイドで取り消しとなった。マリノスとしてもあまりリズムが作れない前半ではあったが、試合毎にターンオーバーする代償とも言えるし、ベンチにも手札は揃っているので後半如何様にも手は施せるといった感じであまり動揺は無かった。
 で、後半早々に右クロスから最後は仲川が決め、その約10分後には左からのアーリー気味のクロスをレオセアラが頭で合わせて2-0。この効率の良さ、90分の間に良い時間悪い時間ありつつも全体的には試合をコントロールしているような内容は優勝した19年、最後まで優勝を争った13年を思わせた。その後は磐田が攻勢を強めて何度かマリノスゴール前まで迫ったのだが、しっかりDF陣は対応していて、シュートの場面でもコースは限定され、最後は高丘がセーブ。途中から入ったファビアン・ゴンザレスはボールタッチは粗いが長い手足と独特のリズムでボールを前に運ぶ、予測不可能なタイプで、一度ドリブルで中央突破される場面もあったがここでもよく対応していた。このまま2-0で勝利。

勝利後

今日は鹿島、川崎共に敗戦。磐田遠征に行くと勝つのは勿論、他会場で優勝を争うライバルが軒並み敗れて一気に優勝への展望が開けるパターンが多い。13年は残り2試合残して首位になったし、19年も28節だったが首位FC東京が敗れて勝点差が縮まった。今年はまだ16節に過ぎないが、これで首位。

 磐田について。今日のスタメンはマリノスに縁の有る選手が多かった。在籍歴のあるDF山本、伊藤にFW杉本、そしてMF鈴木はマリノスユース出身。途中からは大津も出場した。この中で山本は公式戦に出場することなく移籍してしまったのだが、プレーを見る限り前へのフィードや相手に寄せられた時の判断において繋ぎの部分で少し厳しかったんだろうなと。また杉本もこれまでと印象は変わらず「何となく前で漂ってる」感。時折DFを背負ってのポストなどもあったが、去年のマリノス時代から判断する限りこの選手の強みは空中戦の強さだと思っているので、もっとシンプルにクロスを上げても良いのではと感じた。どうも「足下もイケる長身FW」と思われている(本人もそれを目指している)節があるのだが、もっとシンプルに前線の基準点だったり、高さを極めれば一皮剥けると思うのだが・・。今年でもう30歳だけど。
 ジュビロというチームに対しては、まず昨季昇格を争った甲府から伊藤監督を引き抜いたのは面白いなと思った。よく「スタイルの継承」と言うとコーチの昇格となるが、他チームから方向性を同じくする指導者を招聘することで継承されることもあるのだと。今日のサッカーを観る限り、守備時は球際激しくボールに寄せていたのが印象に残っている。3年前のフベロもそうだったが、所謂(現役時代磐田でプレー経験の無い)「外様」監督ほど守備の激しさと奪ってからの展開を意識しているように思う。このチームの場合、OB監督だとどうしても「あの華麗なパスサッカーよ再び」という誘惑を拭いきれない面があるようにも。

 帰りは前回には無かったJR御厨駅を利用。スタジアムから徒歩で20分ほど掛かるが、徒歩圏内で駅が出来たのは大きい。

JR御厨駅

 18:28の浜松方面の東海道線に乗るつもりだったが、18:18発の電車が2~3分遅れた為乗ることが出来た。浜松から新幹線ひかりで帰宅。

J1第12節 横浜M×名古屋(日産)


 ACLを挟み4/10以来のマリノス戦、ホームだと4/2以来。この間色々な試合を観に行ったのもあるし、DAZNACLを視ていたのもあってそれほど間隔が空いた気がしない。このGWだけでもこれで4試合目。色々あって前半10分頃に着いたのだが、15時開始とは言え昼を食べてなかったので東ゲートのキッチンカーで調達。

ローストラム丼

ここは以前も買った記憶。ここ数年マリノスはスタグルを強化していて店舗も多くなったが、前回食べた西ゲートのジャークチキンライスといい、結局2~3店の中からローテーションで選んでる気がする。上記メニューで分かる様に、個人的には麺類より丼物が好み。麺類でもメインスタンドホーム寄りの1階コンコースにあるとんぱた亭のラーメン(家系)は年1で食べたくなるけど。

 という中での試合だったが、名古屋の監督は長谷川健太氏なので展開はある程度読んでいた面はあった。マリノスがボールを支配し、名古屋はカウンターでチャンスを伺うんだろうなと。実際そうだったのだが、マリノスは押し込むというよりはチャンスは単発だったかな。ベトナムから帰って1週間足らずというのもあるだろうし、毎試合メンバーをある程度替えて臨んでいる面もあると思うが、今日の前線はマルコス、エウベル、A・ロペス、レオ・セアラとブラジル人4人並べていたのは個の力で押し切って勝点3という意図を感じさせた。
 ただ先制は名古屋で、前半の終わり頃にCKから中谷のヘッドが決まった。CKを蹴ったのはマテウスなのだが、名古屋の攻撃=ほぼマテウスなのだが、それでも抑えられない、特にセットプレーでの高精度の左足は脅威だった。後半も開始早々に右サイドからのクロスが流れてポスト直撃し、その後CKから再びアシスト、と思いきやこれはVARによりノーゴール判定。その後はバーにかすったFKもあったし、この選手が右サイドでボールを持てば何かが起こる、特に(マリノスから見て)左サイドでCKを得た時はスタンドからも何とも言えないざわめきが聞こえるほどだった。左足一本で全てを可能にするようなプレーはかつてのウルグアイレコバを思い起こさせた。この選手も実はマリノスにいたのだが、2018~今日に至るまであまりに選手の入れ替わりが激し過ぎて、在籍はいつだったかと調べないと分からなかった苦笑 正確には2019年の後半のみ在籍してたのだが、どうもエリキと混同してしまう。(エリキは19年後半~20年に在籍)

 そんな試合だったが、マリノスは後半の15分頃に追い付いて、その後は一進一退でこれは引分けも有り得るかなと思い始めた後半40分頃に左サイド斜め45度からのシュートをランゲラクが弾いた先にA・ロペスが押し込んで逆転。その後も名古屋の攻撃を凌いで2-1で勝利。色々メンバーを替えつつ100%の内容では無い中でしっかり勝点3を取れたのは大きい。

 ハーフタイム、試合後には別で観ていた友人とも会い、実家に旅行土産を渡して帰宅。

J2第14節 横浜FC×熊本(三ツ沢)


 岡山で試合を観てから中2日で次の試合。今日は未踏の栃木カンセキ、藤枝でも試合があり迷ったが、旅行から帰ったばかりだし近場でのんびりということで三ツ沢へ。天気も良く昼の横浜駅周辺はかなりの人出だった。

 横浜FCは現在無敗でJ2首位ということだが、今日は前節から8枚替え。スタメンには六反、和田、渡邉、伊藤と元マリノスが4人。特に渡邉、伊藤の新旧アタッカーコンビは所属は被っていないが、どちらもエリア外からミドルを叩き込める優れた身体能力が印象深い。一方で熊本は何と前節と全く同じスタメンという対照的な構成だった。
 そんな中での試合だったが熊本が大木監督らしいパスを繋いで連動するサッカーだったのに対して、横浜FCは今日のスタメンの連携を確認するのに前半45分使ってしまった感があった。個々では局面を打開するテクニックやドリブルを見せた松浦、相手に寄せられても動じないカズマ、翔さんのポストプレーなどはあったが、ボールを相手ゴール前に運ぶのに精一杯というか。前半はスコアレス。
 後半は15分過ぎに横浜FCは3枚替え。小川、長谷川らを入れてようやく攻撃のスイッチが入った。小川は今季絶好調なのでそれを観に行った面もあるのだが、今日はあまりチャンスに絡めなかったな。観ていて気になったのは味方からのロングボールに対して頭や足で収められなかったこと。ボールに触れられず被るシーンも多々あった。スタメンのベテラン2人はしっかりそれが出来ている中で、こういう細かい所でまだ粗削りな部分はあるなと。先に述べた様にエリア外からミドルを決められるCFはそれだけでロマンを感じてしまうし、頭、足どこでも点を取れる万能性は和製レヴァンドフスキになって欲しいと思っているのだが。
 横浜FCは選手交代によって何度かチャンスを作れる様になったのだが、途中から選手の配置に目が入ってしまった。メディアで発表される基本布陣は右から和田、岩武、中塩の3バックなのだが、GKからビルドアップする時は中盤の手塚が最終ラインに入って岩武と2バックを構成することが多く、途中からどういう決め事なのか気になってしまった。手塚はレフティのパサーというか司令塔タイプで最終ラインに入っているのがあまりに意外だったんで。守備時は上記基本布陣の3バック+両サイドで5バック気味に守る場面もあったし、この辺りはやはり四方田監督が去年までコーチをしていた札幌のミシャの影響が見受けられた。
 横浜FCが押し戻したとは言え、熊本も開始から変わらないサッカーで何度もシュートチャンスを作っていた。特に右サイドから何本もシュートがあったが全てGK正面。そんなこんなでこのまま0-0で終わりかなと思い始めた最中に熊本がゴール。その直後に横浜FCにも決定機があったがこれは外れて直後に試合終了。
 熊本は今季J2に昇格したクラブとは思えないサッカーのクォリティだった。そこはやはりこれまで甲府でのJ1昇格や代表コーチなど歴任した大木氏の力が大きいんだろうな。終了の笛が鳴った瞬間、ベンチの選手やスタッフによって大木さんを囲む様に輪が出来たのは印象的だった。対する横浜FCはここまで3連続引分けの後の今季初黒星。J2もまだ1/3が終わったばかりだし、去年序盤に絶好調だった新潟が最終的にどうだったかを考えると、これからまだ色々ありそう。

 ここ最近三ツ沢帰りはバスだったが、今日は久々に横浜まで歩いた。

三ツ沢帰りの坂道

 幹線道路沿いでは無く裏道を使うのだが、この途中にある↑のスポットはいかにも坂の多い横浜を表していて好きな景色の1つ。

J2第13節 岡山×東京V(シティライト)


■旅行2日目
 2日目はまず岡山に向かった。2年前の予定では岡山の試合は19時開始だったので、呉や尾道などを巡る予定だったが、今回は13時開始なので朝に移動。岡山と言えばこれ。

桃太郎像

この話の原形とも言われる、古代の吉備国を平定した吉備津彦命に縁のある神社を巡る。まずは吉備津神社へ。

本殿
廻廊

 続いて吉備津彦神社

吉備津彦神社・本殿

 ここではボランティアの解説員がいて由緒や境内の建築物について色々教えてくれた。こうしてまた岡山駅に戻り、昼を食べた頃には12時を過ぎ、バスでスタジアムへ。直前に着いたせいもあったが、メインスタンドの入場口はかなり並んでおり、席に着いたのは開始数分経ってから。検温→消毒→荷物チェック→チケット確認という一連の流れが少しもたついていた感はあった。まぁ親子連れも多かったのでそこは仕方ない面もあったと思うけど。

■試合
 この試合のチケットはメインスタンドアウェイ寄りの自由席。自由席なんてコロナ禍以降初めてかもしれない。このスタジアムも昨日書いた様に最近の陸スタの傾向を反映してメインスタンド全体が屋根で覆われており、また傾斜もあるので上部からだとピッチを俯瞰出来る。
 岡山は色々な記事やSNS上でのサポの反応を見る限り今年の昇格を本気で狙いに来ている印象だが、ここまでは勝ち切れず引分けが多く、昇格PO圏前後の順位。対するヴェルディも上位に付けていて昇格を狙える位置にあり、いわば上位対決なのだが、それに相応しい内容だった。岡山は観てみると意外にピッチを大きく使う展開が多いというか、ムークやデュークら外国人選手の特長を活かしたサッカーだった。特にムークは中盤の下がり目から逆サイドに走り込む味方(主に右SB河野)に通すロングパスが多く、豪州の選手によくいるBox to Box型のMFという印象。ボール支配するヴェルディに対して岡山がこうした大きな展開でチャンスを作るという前半だった。
 後半も同じ展開だったが、開始早々に左サイドで粘ってムークに繋ぎ、クロスをファーサイドに詰めた田中が押し込んで岡山が先制、その数分後には右SB河野への展開からクロス→中央で構えたデュークのヘッドで追加点。特に2点目は岡山の意図する攻撃がよく表れていたと思う。ただ決して単調ではなく、中盤の河井が司令塔として攻撃に変化を付けていたのも印象深い。
 0-2とされたヴェルディは反撃に出て、後半の後半は岡山を押し込む展開が続いた。ヴェルディというとパスサッカーかつ綺麗な形に拘る印象もあったのだが、この時間帯は相手を押し込む凄味を感じた。クロスを跳ね返されてもまた拾って何度も攻撃を繰り返す様は迫力があり、今季ここまで好調な理由が分かった気がした。選手としては途中出場のバスケスバイロン(今このチームにいるのを知った)はゴールだけでなく右サイドを何度も突破し、相手の脅威になっていたかな。途中負傷者への対応もあってATは9分もあったが、最後は岡山が凌いで2-1勝利。

 ホームチームの勝利となった訳だが、観ていて前日の試合よりもスタンドのプレーに対する反応が早く、またその回数も多い印象。メインスタンドのアウェイ側でも結構席は埋まってユニ率も高かったし、そこはJリーグ歴の長さの違いだろうか。これまで札幌や仙台、大分、新潟、松本といった地方クラブが盛り上がる勢いそのままにJ1昇格してきたが、それに似た印象を受けた。ただJ2のレベル向上や資金(資本)力のある企業の参画で、勢いだけでは勝ち上がれない厳しさも年々増しているように思う。今日観た限りでは、昇格には日本人選手の底上げが必要かなとは思ったが、もしJ1に上がれば関西圏や広島から多くのアウェイサポが来るだろうし、また違う景色が見られるのではないかと思う。関東からも(自分を含め)初昇格クラブのアウェイ戦に行きたい(そして岡山観光したい)人は多いはず。そんなことを思いつつスタジアムを出て、帰りは歩いて岡山駅まで。もう夕方だったので駅前にあるシティミュージアムを観た後はホテルにチェックインして2日目が終了。

■3日目
 最終日はレンタカーで岡山近辺を巡り、鷲羽山で瀬戸内を眺め、

鷲羽山から望む瀬戸大橋

続いて今度は山側へ行って鬼ノ城という古代の山城に向かい

鬼ノ城遠景
鬼ノ城から望む総社平野

帰宅。やっぱ瀬戸内の島が連なる光景はこちら(関東)には無いもので、見入ってしまう。次に来るのはJ1の岡山遠征か、あるいは広島の新スタジアム行か。