読書

最終章

ローマ人の物語41,42,43―ローマ世界の終焉/塩野七生 本章自体は単行本で3年半程前に読んではいるが、文庫版として改めて読み返すのにそれ位の間隔が丁度良い。 著者も述べているが、西ローマが滅亡する600年も前に、そのローマが滅ぼしたカルタゴの、ま…

ある意味料理本

サムライブルーの料理人 ─ サッカー日本代表専属シェフの戦い これは代表シェフとしてジーコ時代のドイツW杯予選シンガポール戦(2−1で辛勝した試合。)からアウェー戦に帯同している西芳照氏の手記。前半部はその04年の最初の試合から今までを振り返り…

十字軍物語

十字軍物語2/塩野七生 元々塩野七生の本は単行本が出た数年後に文庫版が出るので、単行本は図書館、買うのは文庫版と分けてたんだが、この前GWに読む本を探しに本屋に行ったら第2巻が発売されてたのでつい買ってしまった。図書館だと3ヶ月は待たないと…

交換と専門化、そして多様性

繁栄―明日を切り拓くための人類10万年史/マット・リドレー 【要旨】 人類がこれまで時に永い時間をかけ、時に急速に進歩を遂げてきた源は「交換と専門化」にある。知識や技術の相互交換は絶え間ない技術の進歩の土台となり、専門化によって人は一人が生み出…

西暦300年の旅行ガイド

古代ローマ帝国トラベルガイド/レイ・ローレンス 本書は“紀元300年にローマを旅する人に向けたガイド本”という形式を採って当時のローマの名所や風習、あるいは歴史などを紹介したもの。西暦300年が基準だから例えばハンニバルと戦った第二次ポエニ戦…

最も衝撃を受けた蹴球本

黒いワールドカップ/デクラン・ヒル 最近の欧州クラブの、それもビッククラブのユニフォームをよく見てみると、かつては胸スポンサーは自動車とか電機メーカーが主流だったのが、通信会社や携帯会社、そして最近は賭博会社をよく見かける。例えばレアルとか…

聖夜の一冊

KAGEROU/齋藤智裕 サイズの割に文字数が少ないのと行間が広いのとで、2時間も掛からず読み終えてしまった。こういったジャンルを普段読まない故もあるが、読後に残ったのは何とも言い難い空虚な思いで、本作の内容について思いを巡らすよりも、この…

普遍性

項羽と劉邦/司馬遼太郎 久々に本棚の奥から取り出した。確か中学の卒業文集で感想文を書いた気がするので、それ以来。紙の変色に思わぬ時間の流れを感じてしまった。その当時は歴史=日本or横山光輝漫画の影響で古代中国(三国志、春秋戦国)位だったものだ…

ローマ世界→中世へ

絵で見る十字軍物語/塩野七生 ローマ帝国からその後の地中海世界を経て、ついには十字軍まで辿り着いてしまった。本作はそれを叙述するあたってのプロローグ的位置付けで、19世紀のフランスの画家・ギュスターヴ・ドレの十字軍絵巻とその解説を元に構成さ…

情報戦の本質

ドキュメント 戦争広告代理店/高木徹 【概略】 旧ユーゴ崩壊に伴って起きたボスニア紛争は本来複雑に絡み合う民族間の対立こそ本質であり、何が悪で何が善か判断するにはあまりにも複雑な状況だった。にも関わらず国際世論がボスニア(のムスリム人)=善、…

永遠の戦い

ローマ人の物語(文庫版)38/39/40―――キリストの勝利――― 例年文庫版は秋に出るのだが、今年はもう出ていた。紀元前750年から始まった話も既に紀元後4世紀後半を迎え、話はもう西ローマ滅亡に向けて突き進んでいるので、全体的に暗いトーンで話が流れる。ただ…

メガクラブ経営の難しさ

昨日から腿裏の付け根辺りが筋肉痛で歩くのが地味に辛いんだが、これは走ったり、蹴ったりとは違う“特殊な動き”のせいに違いない。それはそうと久々にサッカー本を読んだ。 ゴールは偶然の産物ではない/フェラン・ソリアーノ いつも思うのだが、こういうプ…

閑話休題

完全W杯モードと思わせてここでブックレビュー。 わが友マキャヴェッリ―フィレンツェ存亡/塩野七生 元々91年に刊行されたものを今文庫版として再度世に出したのは、「海の都の物語」同様「ローマ人〜」で掴んだ読者層(ex俺)を離さない為というのもある…

途中で挫折しかけた。

神曲・天国篇/ダンテ・アリギエリ 【要約】 地獄、煉獄を経てついに天国に昇ったダンテはベアトリーチェや聖ベルナールに導かれながら各界で様々な聖人に出会い、ついに最高峰・至高天にて万物を動かす神の愛を目の当たりにしたのだった―――めでたしめでたし…

神曲・煉獄篇

【あらすじ】 地獄を抜け出たダンテとヴェルギリウスは、生前に罪を認め、天国へ上る可能性を持つ者達が罪を償う場所、煉獄の山を登って天国を目指す。 地獄篇程には劇的で無く、よりキリスト教色が強まった感じ。多分天国篇はさらにその傾向が強まるだろう…

09年度最後の1冊

ローマ亡き後の地中海世界(上)(下)/塩野七生 下巻を予約したのがちょうど1年前の09年3月で、その時は1年も掛かるとは思わなかった。 そもそもこの人の叙述対象は元々ルネサンスとか中世の西欧がメインだったんで、まぁ言うなればその蓄積とローマ…

La Divina Commedia/Inferno

神曲・地獄篇/ダンテ・アリギエリ 【あらすじ】 西暦1300年の聖木曜日の夜、深い森に迷い込んだダンテは尊敬する古代のローマの詩人ヴェルギリウスに導かれて地獄を巡る旅に出発し、各界で生前の罪の報いを受ける神話の英雄、歴史上の有名人、(ダンテ…

貸出期限ギリで読破

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神/M・ウェーバー これもまた、タイトルは有名でも実際には読んだ事の無い数多くの書物の一つ。 【要約】 近代資本主義の前提として考えられる精神面、倫理面の変化は一見“利潤を追求する心”の発生であるかのよう…

笑いのめす精神

ダービー!!―フットボール28都市の熱狂/アンディ・ミッテン 大きな書店のサッカー本コーナーに行くと選手個人の自伝とか評伝は多いけども、そういう類の本は結局の所賛美に走りがちだからどこか物足りない。もっとチームとか地域、国全体を叙述したような本…

The Road to Serfdom

隷属への道/F・A・ハイエク 通勤時間中でしか読んでいないので読破までかなり時間が掛かってしまったが、結局全編を通して主張は次に集約される。曰く「一般的に対極にあると考えられている全体主義(ナチス)と共産主義(ソ連)も、自由主義の対極である…

東神奈川の駅ビル

東神奈川に新しく出来た駅ビルに寄ってみたが、思ったよりコンパクトだった。色々店は揃ってるけど、乗換えついでに寄る人より、地元住民の割合が高そうな感じ。パンとか惣菜、スイーツ(笑)類を買うならいっそ横浜のクイーンズ伊勢丹辺りまで足を伸ばした…

サッカー本紹介

続・実況席のサッカー論 本棚のスペースの問題で最近は図書館で借りる方向にシフトしてるんだが、この本は前編が面白かったので買ってしまった。この両名、特に山本氏は勿論実況もさる事ながら、ジャーナリストとしても一流であると思う。NHKの解説委員に…

秋の読書第1弾

アラブが見た十字軍/アミン・マアルーフ タイトル通りの内容。正確にはアラブ視点というよりも事実をありのままに書いているから―――それは例えば野蛮なフランク(当時のムスリムが西欧人全般を指した言葉)の蛮行だけでなく、イスラム世界の不統一も同時に…

週の終わりに

自省録/マルクス・アウレリウス・アントニヌス 内容は殆ど哲学書なので、読破まで随分と時間が掛かってしまった。今にして思えば時間に追われる平日ではなく、休日など、より落ち着いた時間に読むべきだったかもしれない。ただ、そのせわしない平日に読むと…

映画公開のついでに

文庫版で上中下3巻構成だが3日程で読破。映画としてはダヴィンチ・コードに続く第2作の扱いだが、原作はダヴィンチ〜より早かったようだ。 以下所感。 ・ダヴィンチ〜がより歴史作品寄りであったとするならば、これはどちらかと言えば娯楽的。ただ、それ…

初古典

予想通りとても年度末とは思えない平穏さで過ぎ去った1週間。久しぶりに読書感想文でも。 ローマ亡き後の地中海世界を借りようとしたら未だに待ち順位300位とか気が遠くなるような数字なので場繋ぎに所謂古典と呼ばれる作品を初めて読む事にした。 『ガ…

最近更新頻度高過ぎ

これまでもたまに書いてきた通り、こと読書に関しては(関して‘も’と言うべきか)ベストセラーとか世の流れと別箇の世界に棲んでる訳だが、名前だけは聞いた事のある「チーム・バチスタの栄光」がたまたま家にあったので昨日から読み始めた。読んでみると推…

読書記録

2冊ともふしぎ発見の元ネタ本。以降ネタバレ注意

全巻読破後の所感

全15巻を読み終えた今振り返れば、衰退が顕著となった12巻辺りから既にエピローグだったのかもしれない。衰退期の話はどうしたって暗い話題が続くから、勃興期や絶頂期に比べて文章から暗さ、重々しさが滲み出てくるのは当然にしても、それ以上に淡々と…

読書感想

齢26にして初めて国盗り物語を読む。 71年初版でその2年後には大河ドラマになったそうだが、読むとさもありなんかな。そもそもの「一介の素浪人→美濃の国主」という生き様が劇的だし、いかにも映像化したくなるような場面が文中に何度も出てくる。大河…